皆さん、覚えていらっしゃるでしょうか。
かつてこのブログで『アニメ、声優さんオタク歴大体10年の私が、これまで見てきたアニメ作品の中でも、特に印象に残っている作品を紹介するよ』と言うシリーズ記事があったことを。
いや、ってか、私の中では『ま、まだ書く気はあるもん!』と言う気は満々なのですが、全然、かれこれ少なくとも1年以上は投稿できていないのが現状です。
で、本日、ご紹介する『宇宙よりも遠い場所(以下『よりもい』)』も、そこでとりあげたい作品のひとつだったのです。
そんな『よりもい』が!本日18時25分より!毎週土曜!Eテレにて再放送される!
その情報を知った私は『おっしゃ!これはチャンスや!『よりもい』に対しての熱い思いを語る時がやっと来たっ!』と秘かにガッツポーズをしたのであります。
だから語ります。『よりもい』について語っちゃいます!ひゃっほい!
てなことで『よりもい』に関してはこちらをどうぞ。
制作はマッドハウス。最近だと『葬送のフリーレン』『吸血鬼すぐ死ぬ』を制作している会社ですね。監督はいしづかあつこさん。シリーズ構成は『ラブライブ!』のアニメなどでお馴染みの花田十輝さんです。
作品を簡潔にご紹介するなら『4人の女子高生が南極を目指す物語』でオリジナルアニメです。
最初にアニメが放送されたのが2018年の冬クール。今でもはっきり覚えています。年明け早々の1月2日です。
『おおっ、もう冬アニメの放送始まるのか』と少しの驚きと共に1話を視聴して、その25分後。すなわち1話を視聴し終えた後には『おいおい、これはとんでもない作品になりそうな予感しかしないぞ!』と、興奮とも予感ともつかない熱に胸いっぱいになっている私がいました。
だから今なお、レコーダーからこの作品、消せないでいます。
『年明け早々』と言うのも、今から思うとこの作品にぴったりだったように思います。
再放送、とりあえず1話、1話だけでも良いので見て下さい!
そしてその結果、私と同じような興奮、予感を抱いた方。その熱、信じて下さって間違いありません!どうぞそのまま全13話、視聴して下さい!
個人的には2018年放送アニメを代表する作品のひとつだと思っている本作品。国内のみならず、海外からの評価も非常に高く、中でもニューヨークタイムズ紙選出『2018年 最も優れたテレビ番組』の海外番組部門、10作品のひとつに選ばれたのは『快挙!』の一言に尽き、この作品が国境を越えて、いかにたくさんの人の心を揺るがしたものであるかの証明になるかと思います。
あらすじとかは先程のウィキに詳しいです。私が紹介しても無駄に長くなるだけなので、ここからは『私が思う『よりもい』の魅力!』を・・・3つ!
本当はもっと紹介したいけど、それもまた無駄に長くなるだけなので3つ。頑張って簡潔に3つに絞ってご紹介していこうかと思います!
ではでは。まずはこちら!
・4人の女子高生たちが繰り広げる『青春』の一途さ、ひたむき、生々しさ。
・・・主要人物は先にも書きました、4人の女子高生です。水瀬いのりさん、花澤香菜さん、井口裕香さん、早見沙織さんと言う『なんだこのヒロイン声優勢揃いは!?』と当時は大きな話題になったと記憶しているのですが。
4人の女子高生は当然ですが、性格も、置かれている状況も、そして胸に抱えている思いもバラバラです。南極を目指す理由も、勿論、バラバラなんです。
『青春』とは何ぞやと聞かれたら、私は『確かに限られた時間にあること』と答えるでしょう。その『青春』にあるバラバラな4人の『青春』模様が、そのぶつかり合いが混じり合いが、バラバラであるからこそ一途で、ひたむきで、とにかく眩しいのです。
あるいは、これはかつて彼女たちと同じ『女子高生』だった女性の方は、特に『あぁ~、わーかーるー』と言う、何か懐かしさすら感じるような、それでいて苦笑いを浮かべたくなるような共感を抱かれると思います。そうした10代女子の『青春』に存在する煩わしさ。はたまた感情のもつれ。一途でひたむきだからこその、もつれ。そうしたものも実に生々しく描かれているのも、実にエモいのです。
『青春』のひたむきさ、愚直さ。それと表裏一体で存在している・・・弱さであったり、ずるさであったり。嫉妬であったり。苦しさであったり。
そうしたものも包み隠すことなく、真正面からそのまま描いている。だから物語に対して、あるいは4人の女子高生(後で書くもう1人を含めると5人なのですが)に対して抱く共感が半端ないんです。
『南極に行くよ!』と言う、ある意味、途方もない現実離れしたことを描いている作品なのに、不思議と物語を、キャラクターを身近に感じられる。
で、これは少しネタバレになってしまうのですが・・・4人の女子高生の他。もう1人、私がこの作品の主人公だと思っている登場人物がいまして。
それが主人公、マリの親友で幼馴染のめぐみです。
『青春』のぶつかり合い。ひたむきさも、一途さも。弱さもずるさも、感情のもつれも。言葉にできないどうしようもない思いも。それらが本当のほんと、包み隠さず、全部が全部、裸の状態でぶつかり合った末に『青春』は、こんなにも尊い形で結ばれるのか、と。
それを見せつけてくれる彼女は間違いなく、本作の裏主人公だと思います。私は作中、いちばん、彼女に共感した。共感しかなかった。
CVは金元寿子さん。金本さんの演技も、ほんと良いんだよ~。泣く。
・大人組の存在感。
・・・先程『『青春』とは確かに限られた時間にあることだと思う』と書きました。だとすれば『人生』=『青春』なのかもしれませんね(何言ってんの)
と言うことでこの作品には、当たり前ですが大人も登場します。主人公たちがバイトすることになるコンビニの店長とか、CV笠間淳さんのお声の威力もあって『良い味出してんなぁ』の一言なのですが。
存在感を示しているのは、民間南極観測隊に所属している大人たちでしょう。主として描かれているのは、CV花澤香菜さんの女子高生、報瀬。その母親とかつて南極に訪れたことがある藤堂吟と言う女性なのですが。
彼女以外の観測隊の面々。大人たちも、出番、台詞的にはそれほど多くはないのですが、とにかくキャラクターが立っている。声優さんたちの演技もあって、もうイキイキしまくっている。
そしてまた南極と言う場所にありながら、この大人たちの繰り広げる諸々が実に地に足着いた、日常の延長線上であるそれであると言うのも、本当に面白い。面白いし、『南極』と言う地にあっても『いつも通り』を繰り広げているこのキャラクターたちには、大人としての、あるいは観測隊員としてのかっこよさ、頼もしさを感じるのです。
で、先程、書きました、藤堂吟です。CVは能登麻美子さんです。彼女と報瀬、そして報瀬の母親である女性。この3人の関係もまた、この作品ではひとつの重要な意味を持っています。
報瀬の母親を中心にして2人は、残酷な言い方になるかもしれませんが、『明確な終わり』を迎えることができないままでいる。そう言う共通点を報瀬と藤堂吟は、その胸に、その人生に抱えているのです。
自分1人では、決してどうすることもできなかった思い。自分1人では決して見つけることが、たどり着くことができなかった『明確な終わり』。『明確な終わり』その先にあった、ずっと待ってくれていた『終わらない思い』。
それを差し出され、受け止めた2人の姿は、もう、あぁ、思い出しただけで涙が。
そしてまた、そこで、それまで以上にその存在感を示す。それまでも回想と言う形でしか登場してこなかったのに、強烈な存在感を放っていた報瀬の母親。その存在感の眩しさ、強靭さ。その思いの強さ。大人としての、母親としての、観測隊員としての、1人の人間としての存在感。
それらがもう『ぶわぁぁぁぁ』とぶつかってくるようで、ただだた胸が熱くなるしかないのです。CVは茅野愛衣さん。茅野さんの、あのやさしくも強さを感じさせる、凛々しいお声での演技。もうずるい。思い出してもずるい。
大人組の『青春』、女子高生たちのそれとはまた異なるそれが放つ、いぶし銀のような輝き。あるいはその深み。それらが醸し出す存在感も、本作の魅力であり、またそれらが5人の女子高生たちの『青春』のド直球な煌めき。一切合切を含めた煌めきと混じり合うことで生まれる新たな輝き。
あるいは大人と10代の子どもとの交流。大人が子どもに見せる姿。そして子どもが大人に見せる姿。その思いのぶつかり合いで生まれる確かな熱。
ここにもやはり『青春』、すなわち『人生』のぶつかり合いを感じさせるのが、もう最高なのよ・・・。
・構成の妙。
・・・1クールにアニメを、少なくとも10本は見るような生活をかれこれ10年以上、続けているオタクとしてはですね。持論なんですけれど。私論なんですけれど。異論は認めるのですが。
『最終回のひとつ前の話数にピークを持ってきている作品は、印象深い作品が多い』ような気がします。はい。
最終回がピークじゃなくて、その1つ前の話がピーク。最終回1つ前の話数で完全に燃え尽きる。で、最終回は、何て言うのかな。『おまけ』じゃないけどカームダウン的な役割を果たすと言うか。そう言うお話が描かれている。
そう言う構成の作品の方が、何と言うか物語、作品の余韻が胸に色濃く残っているような気がします。あくまで、あくまで個人的な意見です。勿論、そうではない作品もありますよ!
で、この『よりもい』に関してもそうで。何せ最終回の1つ前のお話のタイトルが『宇宙よりも遠い場所』ですからね。
作品としては、物語としては、最終回ひとつ前のお話で無事、完結を迎えているんです。盛り上がりとしてはここが最高潮なんです。
『終わった!』と言う確かな充足感がそこにはあるんです。
その上でこの作品。そこで描いた充足感、熱、盛り上がりを良い感じに落ち着けてくれつつも、それを受けたうえでの『新たな始まり』を描いているんです。
『終わり』のその先。登場人物たちの歩みそのままの『新たな始まり』を視聴者にも味あわせてくれる。
最終回ひとつ手前で物語を、作品を終わらせておいて、それでもなおかつ、最終回が、そこで描かれていることが一切、蛇足になっていない。
『終わり』を受けての『始まり』になっている。
その構成の妙よ。そしてそれから生まれる、もう、充足感を超えた、心いっぱいにひたひたと満ちていく感情よ・・・。
ちなみにこの最終回で誰よりもとびきりの輝きを放つのが、最初にも書きました、主人公の友人ちゃんなのですよ・・・思い出しても、もう泣けてくる・・・。
2018年。年明け特有の清々しさと共に幕を開けた『よりもい』と言う作品。
それが終わりを迎えた3月は、まさしく『終わりを迎える共に、新たな始まりを待つ季節』でもあるわけで。
そう言うことを踏まえても、ほんと、この構成。物語の持って行き方、描き方と言うのは『最高かよ!最高だよ!』の一言なのです。
てなことでつらつらと、私が思う『よりもい』の魅力を書いてまいりましたが。
まぁ、あの、なんだ。
最初に書きました。とにもかくにも1話、今日の18時25分から放送される1話。まずはこの1話を見て下さい。
そして見終わった後、その胸に浮かんできた思い。それに従って、継続視聴するか否かを決めて下さい。それが全てです!
10年以上、いろーんなアニメ作品をそれなりに視聴してきた身としてはですね。
やっぱり『視聴する前と後で、確実に『何か』が違って感じられる。見える』そんな作品と言うのは確かにあるんですよ。
確かにあって、曲がりなりにも背中を押されるような思いをもらったり、励まされたり。『私も何かしたい!』と言う衝動に突き動かされるような思いになったり。あるいはどうしようもなく感情をぐちゃぐちゃにされたり、『言葉なんて何の役にも立たないじゃない!』と絶望的な思いに駆られたり(笑)
どの作品も素晴らしく、それは言うまでもないことなのですが。
やはりそう言う作品に出会えると『ねぇ!ほんとに!凄くない!?日本のアニメ、凄くない!?凄いんだよっ!』と絶叫したい気持ちになります。
で、私にとって『よりもい』は間違いなく、そうした作品のひとつです。
先にも書いた、1話視聴し終えた後の予感、熱。そして全13話視聴し終えた後、確かに感じた『私も何かしたい!』と言う、背中を押されたような思いは、今でもはっきりと覚えています。
まぁただ、その『何かしたい!』と言う思いが結局は形になっていない、長続きしていない、行動に移せていないと言うのが、ただただ残念の一言なんですけど。
おっふ。
なのでこの記事を読んで下さっている方の中で、もし。
『新しい年も迎えたことだし。今年は何かに頑張りたいなぁ』と言う思いを、少しでも抱いていらっしゃる方がいらっしゃいましたら。
1話、是非とも見て下さい。
きっときっと、ご自身のその思いを応援されているような気持ちを抱かれるはずです!
慣れ親しんだ『そこ』から、半歩でもいいから、飛び出すこと。
自分の足を動かして、体で、『そこ』以外の世界を歩み、感じること。
そのために必要な勇気を、確かに感じられるはずです!
私も・・・どうしようなぁ。冬アニメ、やっぱり見たい作品が多いし。あと先にも書きましたが、2018年に放送されていた録画がレコーダーに残っているので(笑)。迷うところではあるのですが。
でもやっぱり、改めて、毎週、毎週、『よりもい』の物語に触れてみたいなぁ。
そんな気持ちもあります。とりあえず本日の1話は視聴するぞ!
ではでは。本日の記事はここまでです。
読んで下さりありがとうございました!