tsuzuketainekosanの日記

アニメや声優さん、ゲーム、漫画、小説、お仕事とのことなどなど。好きなことを、好き勝手に、好きなように書いていくだけのブログです!ブログ名の『ねこさん』は愛猫の名前だよ!かわいいよ、ねこさん!

買ったBL紹介していくよ!~『魔女と猫』

7月に購入したBLCDの感想すら挙げきれてないのに、うっかり立ち寄ったDLsiteでセールをやっていたので、勢いで購入したBL漫画の感想をお送りしているだけの記事です。

購入したのは4作品。内、1作品は全く刺さるところがなかったので感想は割愛。昨日は『尊いストーリー』と『絵柄が好み』と言う理由で購入した『ちょっと待とうよ、春虎くん』と『なつめさんは開発(ひら)かれたい』の感想をお送りしました。

 

で。

 

本日、感想をお送りするのは『誰が何と言おうと、絶対にこれは私好みの世界観。私好みの物語に違いない』と言うセンサーに引っかかり購入した作品です。

 

結果的に言えば大当たりでした。久しぶりに私の好み、ド直球の作品と出会えて、ただただ歓喜。己のあてにならない直感信じて購入して大正解だったよ!

なのでいつも以上に語彙力、表現力共に壊滅した感想になるかと思います。

うへへ。

 

そんな具合でその作品がタイトルにも書きました『魔女と猫』です。作者は黒井よだかさん。『オメガの婿取り』などで知られている作者さんですね。

www.dlsite.com

表向きは配達員、夜は裏社会の運び屋として働いている須藤は、アパートの隣人である宇野のことが気になっていました。挨拶をしても無視されるような間柄でしたが、仕事でしくじり怪我をした須藤を宇野が手当てしてくれたのをきっかけに、共に鍋をつつくまでに距離は縮まります。

しかしその翌日から再び宇野に距離を取られてしまう須藤。自分の下心に気付かれたかと不安になっていた矢先、街中で宇野が堅気ではない人間に絡まれているのを目撃。

反射的に宇野の手を取っていた須藤ですが、敵からの攻撃により瀕死の状態に。死を覚悟した須藤は、それでもなお宇野の身を案じ、宇野1人での逃亡を訴えるのですが、と言うお話。

 

あっさりネタバレをすると須藤は一度、死にます。

が、その間際、宇野とかわした口づけ。それによって宇野と仮契約が結ばれたお陰で蘇生を果たすことができたのです。

宇野の正体は『魔女』

 

魔女であるものの、宇野が特別な力を使えると言うわけではありません。ただ魔女は使い魔を持つことができ、魔女の使い魔になった者は、人間ではない別に生き物になります。

須藤の死の間際、宇野が交わした口づけは、魔女が使い魔と仮契約するための行為。それのお陰で須藤は人間ではなく宇野の使い魔、猫として蘇生することができたと言うわけです。

使い魔は種類に応じて特性や持てる命の数が決められています。猫の場合、命の数は9つ。その間は食べなくても死なないし、即死でない限り怪我も回復する。

ただしそのために必要なのは、魔女との本契約。そして自らの主人である魔女が生きていること、その魔女から魔力の供給を受けること。

そしてその本契約、魔女からの魔力供給に必要なのがセックス。てなことで、蘇生して早々、須藤と宇野はセックスをすることになります。

そこから繰り広げられる2人の逃亡劇が描かれているのですが。

 

初めてこの作品を読み終えた時、私がぱっ、と思い浮かべたのが映画『レオン』の存在でした。リュック・ベッソン監督による、孤独な殺し屋と麻薬組織に家族を殺害された少女の交流と復讐を描いた作品ですね。

今のところ、私の人生でいちばん好きな映画なんですけど。

それを思い出したくらいに、なんてかもう『好き!好き!こう言う、登場人物全員が孤独で、それ故に頭のネジがちょっとおかしくなっていて、だからこそ、相手を求めて止まない。孤独と暴力と、生と死と、それでもどうしようもならないくらいの凶暴で純粋な愛情が溢れちゃってる作品、ほんとに好き!ラヴ!』と叫びたくなるくらいの作品でした。

 

まず登場人物がほんと好き。宇野の使い魔、猫になる須藤は、いつもにこにこ笑っていて、その大柄な体躯も相まって体操のお兄さん的な印象があるんです。

ところがどっこい、蟹座ですからね(でた、星座決めつけ(笑))縄張り意識がめちゃんこ強い。自分が愛する者を守るためなら、どんな手段も厭わない。

おまけに彼には倫理観の穴がある。生まれた時からそうだったのか、あるいは自分が原因で日々、いさかいを繰り広げていた両親の姿を目の当たりにしてきたからなのかはわかりません。が、須藤自ら曰く『おれの中には『殺す』っていう選択肢があって、おれはそれを選べる』、そんな倫理観の、判断基準の持ち主なのです、須藤と言う青年は。そして過去、実際に人を殺している(うっかりネタバレ)

 

だから自分に対しての愛着、執着が一切ない。母親から産むんじゃなかったと言われ、自分でもまともじゃないとわかっている自身に対する執着も、愛着も一切、ない。

だけど宇野が、そんな自分を助けてくれた。元々、宇野に対して秘かな思いを抱いていたと言うのも理由でしょうが、それ以上に、宇野は須藤の生きる理由。執着も愛着もない、ただただ倫理観がおかしくてまともじゃない自分の、そのまともではない部分を生かして守る価値がある、そんな価値を与えてくれた存在なわけです。

だから須藤は、暴力の限りを尽くして宇野を守ろうとするんです。死んでも死んでも蘇って、魔女である宇野の存在を欲する追手たちに対し暴力を振るい、殺そうとする。

それで死んでも、須藤は本望なのです。それで自分が死んでも、宇野さえ生きていてくれれば、宇野さえ守ることができれば、それが須藤の本望なのです。

 

一方の宇野です。魚座さんです。ドMの甘えん坊さんです。かっはー!あと最初はちょっと強面な感じすらあったのに、その実、とっても童顔で、感情が素直に顔に出ちゃう宇野は、ただただ可愛いの一言です。身長が160センチ。須藤と比較すると30センチくらい差があるのも愛おしい。萌え。

魔女の末裔である彼は、過去、魔女狩りによって両親を失うと言う経験をしています。このご両親と宇野とのシーンが少しだけ描かれているんですが・・・なんかほんと『あぁ、このご両親は、一人息子である宇野のことを愛して、愛して、大切に、大切に育ててこられたんだろうなぁ』と言うのがひしひしと伝わってきて。そこがまた須藤のそれと実に対照的で、私としてはぐっ、と来るものがあったのですが。

魔女である。ただそれだけで理不尽に命を奪われ、生活を、日常を脅かされてきた宇野は、それでも両親の言葉を胸に、1人で孤独に、前を向き、顔をあげて生きてきた。

 

ただし人と交流を持つこと。深い関係になることだけは避けてきた。魔女である自分が、他人とそう言う関係になると言うことは何を意味するか。それを十分すぎるくらいにわかっていたから、それを避けてきていた。

甘えん坊さんで、ご両親の影響もあるのでしょうね。人のことが大好きなのに、それをずっと押し殺して生きてきていた。

なのにそこに、須藤が、たまたま隣人になった須藤が忍び込んできて、そこに宇野もほだされてしまった。

 

まったく違うんです。須藤と宇野は。まったく違うんですけれど、共に強烈なまでの孤独を抱えて、孤独と一緒に生きてきていた。

だからこその魂の共鳴と言うか。魂が惹かれ合うと言ってもいいくらいの引力で、互いが互いの存在に、自らの孤独が意味あるものであったこと。あるいはそこに価値があると言うこと。自分の本当の思い。そうしたことを教えられていって、強烈に惹かれ合っていった。

 

そうした2人の様子が、しかも極限状況の中で繰り広げられていくわけです。

魔女である宇野を執拗に欲する追手の存在。それに脅かされながら、まさに綱渡り的な逃避行を繰り広げる中で、どんどん、惹かれ合っていく2人の姿。

それがもう、たまらん。

たまらん。

こう言うの、私ほんと好き(どーん)

 

そしてそうした心情の変化の中で、須藤は『死ぬのではなく、生きて、宇野と共に生きていきたい。生きて宇野を守りたい』と言う願いを持つようになる。『宇野のような、善き人間ではない自分だけれど。それでも、彼のように顔をあげてまっすぐ前を見て生きていきたい。彼と共に』と願うようになる。

一方の宇野も、須藤を使い魔にしたことをひどく後悔するんです。そうすることで、彼を自分の事情に巻き込んでしまったわけですから。だけどそれでも『須藤と一緒に生きていきたい』と痛切に願うようになる。

 

その2人の痛切な感情の変化は、単なる契約、魔力供給と言う手段でしかなかったセックスにも反映されていくわけでして。

まぁ、あの、受の宇野が、もう甘えん坊で典型的ドMの魚座ですからね。

『ほんとこの子、両親に愛されてすくすく育ってきたからこそ、人恋しくてたまらない子なんだろな。今の今まで本と、よくぞ1人で頑張ってきたね』と思うくらいに、最初から割ともう『契約だ』って言っておきながら、ぐずぐずと言うか。甘えん坊さんモード全開と言うか。

で、それが物語が進んでいくにつれ増していく。

一方の須藤も、宇野に対しての気持ちが増していく。まともじゃない自分に、母親からもその生を否定された自分に対して価値を与えてくれた。誰からも必要とされない自分を必要としてくれ、自分の欲しかった言葉をくれた。笑顔も向けてくれた。生きる理由、生きたいと思う理由を与えてくれた宇野に対しての愛情が、もう増し増しになっていくんです。

 

いつ、永遠に離れるかもしれない瞬間がやって来てもおかしくない日々だからこそ。

とにかく相手が欲しい。相手と一緒にいたい。相手とひとつになりたい。

そんな2人の気持ちが、もうひしひしと伝わってくると言うか。

 

しかも、ね。

須藤は蟹座。蟹座さんは母性本能No.1の星座さんです。

で、宇野は魚座さん。甘えん坊のロマンチストさんです。

なのでもう須藤が愛を与えて与えて、宇野がそれを受け止めて、それでもまだ足りないからもっと欲しい、って感じの甘々セックスです。

 

こう言うのも好き。私、好き。

 

はい。で、そんな須藤×宇野のカップリングも最高なんですが。

この須藤と宇野を執拗に追いかける存在として登場する飯田と浅倉。

この2人の存在も実に強烈で魅力的なんですよ!

 

まず飯田です。飯田夏美ちゃん。可愛い名前だね。その名の通り夏生まれ、星座は私と同じ獅子座さんです!

自尊心の塊。ポジティブシンキング。自己肯定の塊。自信家。弱者が嫌い。でも実は、本当はとてもナイーブで繊細。そしてそのプライドの高さゆえ、なかなか弱音を吐かない。故に実はとっても豆腐メンタル、ストレスにも最弱。

ま、あの、私がこれに該当するかどうかはともかくとして(汗)、夏美ちゃん、まさしくこんな感じの男です。

そして元気な戦闘狂。やっぱり倫理観ガバガバ。だからゴーイングマイウエイで、自身のルールにのっとって、暴力にどんどん訴えちゃう。ある意味、須藤と同類。そして夏美ちゃん、強い人間が大好きだから、須藤とのバトルにも嬉々としちゃう。

可愛いね!

 

そんな夏美ちゃんと使い魔の契約を結んだのが、浅倉啓悟です。強火ファザコン。そのために魔女を欲すると言う、目的のためなら手段を選ばない性格の一方、義理堅く愛情深い性格の持ち主でもあります。

魔女である宇野を欲するのも、自分を救ってくれた、文字通り、命を懸けて救ってくれた父親、その命を助けるためなんです・・・泣ける。

そしてこの浅倉の感情がわかりにわかりすぎるからこそ、宇野と浅倉の間にも奇妙な関係性が生まれるのですが。

ちなみに浅倉は乙女座です。潔癖すぎるくらいに、苛烈なまでに正しさを愛する人。そして律儀な人。

 

夏美ちゃんは獅子座。浅倉は乙女座。獅子座と乙女座の相性と言うのも、なかなかこれ、面白いものがあるのですが。

カップリング的には夏美ちゃん×浅倉。

本編では2人のえっちなシーンは事後描写があるのみなのですが、そこでの浅倉の表情。そしてそれを見た夏美ちゃんの表情、心情、言葉と言うのが、とても萌える。

 

倫理観ガバガバの戦闘狂とファザコンクールビューティーカップリング。主従が逆転してしまっているかのような2人なのですが、だからこそ『あぁ、ここの魔女と使い魔の関係も、宇野と須藤とはまた異なる色、異なる強さの絆で結ばれているんだろうなぁ』と私はにまにましてしまったのです。

萌え。

ってか絶対、浅倉は体力ない。体力お化けの夏美ちゃんにぐちゃぐちゃにされるパターンに違いない。ふふ。

 

で、ありがたいことにこの2人を主役とした前日譚『魔女の犬』と言う作品が、現在、連載されているようでして。

こちらが単行本として販売されるのも、今から私は待ち遠しい限りなのです。

 

で、最後にまとめにはなりますが。本作品。話の性格上、バトルシーン、暴力シーンが多い作品でもあります。それがしっかりBL要素と絡み合っていると言うのもお見事なのですが。

そのバトルシーン、主には須藤と夏美ちゃんのバトルシーンになるのですが。

それも私としてはめちゃくちゃ好みでして。

 

私、アニメでも映画でも小説でも漫画でも。

『でも』と言うより『だからこそ』と言った方が正確なのかもしれませんが。

アニメだからこそ映画だからこそ小説だからこそ漫画だからこそ。

そう言う『創作物』だからこそ。

美しく、楽しそうに暴力をぶつけ合う。暴力で戦いを繰り広げる。

そう言うシーンが割と好きでして。ええ。

そう言うキャラクターも割と好きでして。ええ。

 

あぁ、ただし動物相手にそれをするキャラクターは、ダメ。絶対に許さん。

あと力的に、自分より弱い相手に対してそれをするキャラクターもダメ。

特に前者は『今すぐ○ね』と唾棄して、何ならその作品、そこで見るのを、読むのを止めちゃうくらいなんですけど。

 

繰り返しにはなりますが創作物だからこそ、です。現実では絶対、暴力を振るう人間なんて、何がどうあってもお近づきにはなりたくないし許せないし『さっさと○ね』くらいの嫌悪感、忌避感しかないんですけど。

 

創作物だからこその魅力と言いますか。

暴力を楽しそうに振るう。暴力を美しく振るう。暴力を、暴力として、あるがままに振るう。自らだけの信条にのっとって暴力を振るう。ひたすら振るう。自分と同等の力を持つ相手に対して、あるいは自分より強い相手に対して暴力を振るう。

自分だけの主義主張にのっとって暴力を振るう。暴力をぶつけ合う。

そう言うキャラクターが、描写が割と、創作物においては好きで。

なんか見惚れちゃうんですよね。うん。見惚れちゃう。

 

そこにものすごく言葉以上の思いを見出してしまう気がして。はい。

悲しみ回っていっそ清々しさすら感じる気もすると言うか。

 

いや、あのほんと、再三、申し上げますが創作物のみの話ですからね。はい。現実では絶対に嫌です。ノーです。そこにどれだけの哲学、美学があってもノーです。ダメ。

 

そう言う意味においても、この作品は、特に須藤と夏美ちゃんが、私のこの好みを満たしてくれた存在であり、そう言う魅力に溢れた作品でもあったなぁ、としみじみ感じるのであります。

2人が振るう暴力。2人の信条が、思いがぶつかり合う暴力。その激しく、美しい描写。須藤の切実な表情、夏美ちゃんの楽しそうな表情、その対比。

そうした描写にも、是非とも注目して頂ければな、と思います。はい。

なので『主役カップリングは甘々が良い!でも物語の雰囲気、世界観はシリアス、ハードなのが良い!戦う男、大好き!』と言う方には、特におすすめしたい作品です。

 

あぁ、ちなみに。作品紹介のレビューにも寄せられていますが。

宇野はあごひげ、生やしてます。なので『あごひげ受はNGよ!』と言う方はご注意ください・・・ってどんな注意書きだ、これ(笑)

個人的に、あごひげはロマンだと思ってます。

ロマン大事。

 

はい。そんな具合で長くなりましたね。

好きな作品について、好きなように語れて、私はただただ満足です。

 

勢いで『ドラマCD化された時のCVも予想してみよう!』と思いましたが、文字数も文字数なので却下です。

いつか機会があったら、他の作品とあわせてやってみよう。

 

でももうひとつだけ。

この作品の、個人的なイメージソングはSUPER BEAVERの『名前を呼ぶよ』です。

泣く!切ない!悶える!萌える!

はい尊死!

 

ではでは。本日の記事はここまでです。

読んで下さりありがとうございました!