tsuzuketainekosanの日記

アニメや声優さん、ゲーム、漫画、小説、お仕事とのことなどなど。好きなことを、好き勝手に、好きなように書いていくだけのブログです!ブログ名の『ねこさん』は愛猫の名前だよ!かわいいよ、ねこさん!

1が付く日の読書感想文~『ノッキンオン・ロックドドア』(どの声優さんか当ててね!)

今日で7月も終わり!早っ!怖っ!

 

読書感想文ですが、最初のクイズだけでも、是非とも男性声優さん好きにもお付き合いいただきたい。だからタイトル、あんな感じになりました。

クイズです。

www.tokuma.jp

はい。こちらのページに飛んでいただくと、この作品の探偵である2人。

御殿場倒理と片無氷雨のイラストが登場するかと思います。黒いタートルネックを着ている方が倒理。眼鏡をかけている方が氷雨です。

 

ずばり、問題です!

ある男性声優さんが、本作品の作者である青崎有吾さんと対談された際に『倒理と氷雨を、ある声優さんと自分とで演じてみたい。朗読劇なんかもやってみたい』と発言されていらっしゃいます。

さぁ、その声優さんはどなたでしょうか!?

そしてまた、その声優さんが倒理役に指名されたのは、どの声優さんでしょうか!?

 

ヒントはですね、先程も説明しましたがリンク先にある2人の探偵、その姿を描いたイラストです。

ぶっちゃけ私としては『あー。あーあーあーあー。こりゃ2人とも、倒理も氷雨も、それぞれの声優さんが演じられそうな顔してるわ。CV○○さん顔と、CV○○さん顔だわ』と心底、思わされたし、脳内アフレコも完璧でしかありませんでした。

 

もう少し、ヒントを。

その発言をされた声優さんは、対談された青崎さんと同じ年。作家先生と対談をされていると言うことは・・・そうですね。そう言うことです。

またその方が『倒理はこの方に』と指名されたのは、その方と、アレでアレされている方です。ってかぶっちゃけ、アレでアレされていなくても、倒理役にはこの方、ドンピシャ(古)だと思うんですけど、私は。

『アレでアレ』、わかるでしょ!?

あとぶっちゃけると、アマゾンの商品ページに飛んだら、2巻目の商品説明でこの方の熱弁が紹介されています(笑)

 

・・・ってかこれ、もしこの発言をされた声優さんのファンの方の間では、既に周知のことだったりしたら、こんな嬉々としてクイズにしている私がちょっと笑える(泣)

 

はい。そんなこんなで読書感想文です。

本日は先週末の土曜日からドラマも始まった『ノッキンオン・ロックドドア』の感想をお送りいたします。

作者は先程もご紹介いたしましたが、青崎有吾さん。夏アニメとして放送されている『アンデッドガール・マーダーファルス』の作者さんでもいらっしゃいます。

『平成のエラリー・クイーン』の異名を持つ青崎さん。こちらのシリーズや『アンデッドガール・マーダーファルス』、また高校生探偵、裏染天馬が活躍するシリーズが刊行されており、いずれもごりごりロジック展開により犯人が暴かれていくミステリー小説としての魅力と、個性が強すぎる登場人物たちの魅力が見事に融合した作品を生み出されている作家さんなのであります。

なんだろ。個人的にも『ミステリ界の若き俊英』と聞くと、青崎さんの存在を思い浮かべます。

 

ただ私、裏染天馬シリーズは1作目の途中で早々に脱落してしまったけど(おっふ)

いや、でも今なら完読できそうな気がする。ぜひ再読してみたいです!

 

ではでは。『ノッキンオン・ロックドドア』の概要です。

御殿場倒理と片無氷雨。2人は探偵事務所『ノッキンオン・ロックドドア』を共同経営している探偵。探偵としての、倒理の専門領域は『How』、すなわち現場の不可能な状況を解明すること。一方、氷雨の探偵としての専門領域は『Why』、すなわち犯行の動機や理由を解明すること。こうして2人は、互いが互いの弱点をカバーするような形で、警視庁の刑事、穿地決の協力も得ながら、2人で1人の探偵として様々な事件の謎を解明していく。

実は倒理と氷雨、そして穿地は大学で同じゼミに所属していた。そしてもう1人、糸切美影と言う人物も同じゼミに所属していたのだったが、彼は、今は犯罪トリックの考案者として暗躍していた。

犯罪を暴く職に就いた倒理と氷雨。犯罪を捕らえる職に就いた穿地。そして犯罪を生み出す職に就いた美影。かつて同じゼミに所属していた4人の過去に、一体、何があったのか。

 

以上が本作品の簡単なあらすじでございます。

いやぁ、ほんとね。この4人のキャラクター造形もお見事なんですよ。

悪魔のような巻き毛で目つきも悪く、人の気持ちに対しても妙に鈍感なところがあり、それ故に傍若無人な言動が目立つ倒理。でも個人的には、その傍若無人の裏側には、過去の出来事から生まれたのであろう彼なりの繊細さみたいなものが滲んでいる気がして、そのギャップみたいなものがまたたまらんのです。

そして通称『地味眼鏡』、その地味さから倒理の助手に間違えられることもある氷雨。倒理に比べると極めて常識的な人間である彼なのですが、しかし実のところ、定期的に美影と会い、言葉を交わしている。美影に対しても穿地に対しても、何より倒理に対しても複雑な思いを隠しているのであろう氷雨も、その表裏一体的な部分、それが醸し出すアンバランス的な部分が実に魅力的なのです。

 

また常に駄菓子を口にしていて、ばっさばっさと2人の言動を切っていく。仕事ができる頼もしすぎる、怖すぎる女性、穿地はめっちゃかっこいいし、その3人の前に『トリック』と言う形でその姿を見え隠れさせる美影なんか、もう、文字だけなのにその存在感。圧倒的なんだけど自然で、透明感があって、柔らかで。儚さすら感じさせるくらいで、でもやっぱり圧倒的なその存在感が伝わってきて。そして本当に美しいその微笑みが目に浮かんでくるほどの人物で、めちゃくちゃ読んでいてドキドキするのです。

この4人の関係性、綱渡り的な緊迫感と青春時代の確かな眩しさ、それが失われてしまった後に残った痛み。それを感じさせる関係性も、もう読んでいて切ない。

 

倒理と氷雨、2人のバディものとしても読めるし、そこを中心として広がっていく倒理と氷雨と穿地、その3人と美影、更には倒理と美影、氷雨と美影、それぞれの関係性の色合いの違いみたいなもの。

それも読んでいて味わいがあり、楽しい。キャラクターが魅力的だからこそ、それによって広がっていく相関図も読みごたえがある、そんな作品でもあるのです。

 

原作小説1作目には全7作品が収録されています。1作ずつ倒理視点、氷雨視点で語られていくと言う構造です。『7作!多い!』と思われた方もいらっしゃることでしょう。私も思った(笑)

ですがいずれも短編集。なのでサクサクと読めちゃいます。『普段、あんまり本は読まないんだよなぁ』と言う方でも安心して下さい。

登場人物たちの繰り広げるやり取り、その面白さ。そして事件の謎解き、その展開の美しさも相まって読みやすいことこの上ない。あっという間の全7編。でも満足感はたっぷりなのであります。

あと謎解きに関しても、何と言うか、難易度としてはそれほど高めではありません。それこそ、ミステリー初心者さんでもとっつきにくくない、当たり前ですがちゃーんと読めば『おおっ、成程!そう言うことか!』と言う快感を味わえる難易度だと思います。

なんだろ。決して派手さがずば抜けているわけでも、突飛な内容であるわけでもない。それでもしっかりと『本格ミステリー』として、その謎解きとして読ませる青崎さんの、『本格ミステリー』に対するこだわりと愛。そしてそれを実現させるための工夫。そんなものをひしひしと感じることができた1冊でした。

 

てなことで全7作、どれも魅力的な作品なのでございますが。個人的に、特に印象に残った作品について、ちょろっとずつではありますが感想を書いていこうかと思います。

・『ノッキンオン・ロックドドア』

・・・最初に収録されている物語で氷雨視点で語られています。作品のタイトルでもある『ノッキンオン・ロックドドア』、そこに込められている意味みたいなもの。それも明かされているのですが、倒理からその提案を受け最初は反対していた。でも今は妙案だと納得している氷雨の、その納得の理由。『あー、成程。確かにそう言うものなのかもしれない』と私も納得しきりでした。

『不可能』×『不可解』、それぞれの得意分野、専門分野が異なる2人の、その自己紹介的な作品だと思います。解明する事件の謎が、まさしく『不可能』でかつ『不可解』なそれなのです。

2人と穿地があれやこれやと推測を巡らせていく様子はやっぱり楽しいし、それでも事件の謎を解くポイントみたいなところがちゃんと抑えられていて、こちらの頭にも入ってくるようになっているのが素晴らしいし素敵。

そして明かされた事件の『不可能』、その推理の展開も『おおっ!お見事』の一言だったし、その後。最後の最後に明かされた『不可解』な部分。犯人の動機。氷雨の語りで明かされたそれの強烈さも、私は好きです。いいよね。やっぱりミステリーには、こういう人間の純粋な悪意みたいなもの、必要だと思うの。

この次に収録されている『髪の短くなった死体』もやはり、『不可能』と『不可解』、その両方に対するアプローチ、謎解きの妙が実に読んでいて楽しく、美しい作品です。

 

・『ダイヤルWを廻せ!』

・・・2つの依頼を同時に受けてしまったばかりに二手に分かれて事件の謎を解明することになった倒理と氷雨。なのでこのお話は倒理パートと氷雨パートが入れ替わる形で進んでいきます。贅沢!

2人で1人の名探偵が1人で事件の謎に挑んでいく、と言うわけなのですが・・・物語の中盤に待ち受けていた展開には、ちょっと予想ができていたとは言え『やはりそう来たか!』と驚かされる気持ちもあったし、『やっぱりね~』とにやにやしたくなるような気持ちもあったのでした。

でもその展開にちゃんとミステリーとして筋が通っているのもお見事だし、何より金庫に潜んでいた謎。

この部分に関する謎解きは、ほんと『よくぞまぁ、こんなトリック、思いつくよなぁ』と感嘆しきりでした。いやなんだろ。ほんと、全然、難しいことでも何でもないんですよね。すべてを知った今なら『こんな単純なこと、思いつきそうだよね!』とツッコみたくなること必至なんですけど、それでも思いつかなかった。そこを思いついて、ミステリーのトリックに見事に昇華させた青崎さんの手腕に、ただただ脱帽。

 

・『チープ・トリック』

・・・記念すべき美影、初登場のお話です。『不可能』と『不可解』、その謎が解明されていく展開も非常に読みごたえがあるのですが、個人的にはもう美影にぞっこん(古)

何より氷雨と美影、2人が会話するシーン、あるいは『トリック』と言う形で自分たちの前に存在を示す美影に対しての倒理の思いが垣間見えるシーン。その辺りがもう、たまらなくたまらない(語彙力)。

それまで倒理と氷雨、その夫婦漫才のようなやり取りが明るく、楽しかったからこそ、そこにそっ、と潜んできた美影と言う天才の存在。その柔らかく、しかしどこか冷ややかで、だけど甘く優しさを思わせるようなその存在のインパクトに、何かしら胸をかき乱されるかのような思いすら抱くのであります。

そしてこの後に収録されている『いわゆる一つの雪密室』は、倒理、氷雨と共に温泉旅行を楽しんでいるかのような気分を味わえる作品です。

温泉旅行、行きたいなぁ。『何故、指紋が残っていなかったのか』に対する謎解きも、やはり私としては『あぁ・・・』ともはや感服ものでした。成程なぁ~。

 

・『限りなく確実な毒殺』

・・・『いわゆる一つの雪密室』の後には、『ノッキンオン・クローズドドア』でバイトに励んでいる女子高生、薬子ちゃん。彼女の話に潜む謎に倒理と氷雨が挑むお話『十円玉が少なすぎる』が収録されています。

いわゆる『日常の謎』系のお話なのかしら?と思いきや、その謎が思わぬ広がりを見せ、それが穿地の登場によって決定的なものになる、と言う展開です。いやぁ、これもほんと、構成がうまいわぁ。

あと薬子ちゃんも可愛いです。

 

で、その後に収録されている収録作品のラストを飾るのが本作品です。

うっかりBL!氷雨が倒理の首元に指を這わせるシーン、うっかりBL!

・・・いえ、何でもありません。大声で爛れた妄想を吐き散らかしただけです。

 

こちらのお話で発生する事件。そのトリックを考案したのも、やはり美影です。その美影と、美影が考案したトリックを実行に移した犯人の会話。その中で倒理たち4人に何が起きたのか。その一端が明かされています。匂わせ程度内容なのですが、しかし、何故、ある登場人物は頑なにあの衣服を着続けているのか。何故、美影はある人物に対して『君は彼に殺されがっている』などと発言したのか。何故、4人の道は分かたれたのか。その答えとなるような内容でもあるその部分には、私はどうしようもなく心を惹きつけられてしまったのでした。

 

『不可解』は勿論のこと。美影が考案したトリックによって生み出された『不可能』、そこに倒理は苦しめられることになるのですが、だからこそ、その謎が倒理によって解明されていく展開は爽快の一言。

だからどうして、こんなトリックを思いつくんだよ・・・。いや、なんてかほんと。『そうだよな。そう言うのもアリだよな』と言う感じなんですよ。決して発想としては突飛ではないからこそ、青崎さんが考えに考え抜かれていることが感じられ『凄っ』となるんですよね。うん。

 

物語の最後は、解かれていない謎がひとつ。そしてそれはまた解きたくない謎でもある。それが押し込められている密室のドア。それをノックするのもはばかられるような気持ちを語る氷雨の姿によって締めくくられています。

遅ればせながら、と倒理にチョコレートを買って帰ろう、と小さく笑む氷雨の姿が目に浮かぶようですが・・・あぁ・・・だからこそ、過去の事件。

倒理、氷雨、穿地、そして美影。その4人がとらわれ続けている事件の謎。それが解明される日が来ることに、そして解明された時に起こる、それぞれの関係性の変化に、私は妄想が止まらないのでした。

ってか原作、続編出ているからそれを読めばわかることなんですけどね。

もう少し、妄想を楽しみたい。ふへへ。

 

そんなこんなで本日は只今絶賛ドラマ放送中、ミステリー界の俊、青崎有吾さんによるミステリ×バディ作品『ノッキンオン・ロックドドア』の感想をお送りいたしました。

 

そして忘れるところでした!冒頭のクイズの答えは・・・どんっ!

発言をされたのは斉藤壮馬さん。そして斉藤さんが『倒理役を』と指名されたのはラジオでも共演されている石川界人さんでございました!

でしょ!?もう倒理の目つきの悪さとかクソ頑固そうなところとか、愛想悪そうなところとか、マジでCV石川さん顔。

そして氷雨のきっかりスーツを着込んでいるところとかキリっとした、見るからに頭の良さそうな顔立ちとか、マジCV斉藤さん顔。

 

この発言を受けて作者の青崎さん、『(版元の)徳間書店さんに伝えておきます』と話されていましたが・・・どうなったのかなぁ・・・。

 

あと斉藤さんは美影も演じてみたいとおっしゃられていますね。確かに、美影の柔らかな雰囲気に斉藤さんのお声はぴったりかもしれない。

でもやっぱり私の中で斉藤さんは氷雨なんだよなぁ。

ちなみに他のキャラクターのCVに関しては、穿地は日笠陽子さん一択。美影に関しては花江夏樹さんが浮かんできました。

ねぇ~・・・アニメ化は難しくても朗読劇、あるいは作品PVとかの短いのでも構わないので、石川さんと斉藤さんが演じられる倒理と氷雨、その掛け合い、見たい、聞きたいですよねぇ。

 

ではでは。本日の記事はここまでです。

読んで下さりありがとうございました!