tsuzuketainekosanの日記

アニメや声優さん、ゲーム、漫画、小説、お仕事とのことなどなど。好きなことを、好き勝手に、好きなように書いていくだけのブログです!ブログ名の『ねこさん』は愛猫の名前だよ!かわいいよ、ねこさん!

買ったBL、紹介していくよ!~『愛追うふたり』

武内駿輔さんのツイッター、アイコンも面白いけど、真っ先に笑顔の鈴木崚汰さんがお出迎えしてくれるのが、最高。何回見ても笑っちゃう。何回も見てるんかい。

元気が欲しい時、武内さんのツイッターにお邪魔しよう。そして満面の笑みの鈴木さんを見て、元気になろう。

そう心に誓いました。

 

ちょこちょことBLボイコミで気になって、コミックを購入した作品があるので、その感想をお送りしていたい、と思い続けて一体、どれほどの日々が過ぎたことでしょうか。

てなことで本日は『愛追うふたり』の感想をお送りします。

ボイコミでは大体、1話15分前後くらいで全5話くらいだったかな?配信されていたのですが、ちょっと前に全話まとめての配信が始まったので『ならば!』と思い、感想をお送りするに至りました。

1時間18分ですね、全話まとめてだと。

お仕事、学校、家事、その他もろもろでお忙しい方にとっては、なかなかまとめてとるのは難しいとは思うのですが。

是非とも、是非ともこの作品は、全話まとめて見ていただきたい。何にも邪魔されることなく、この作品に浸って欲しいです。と言うか、多分、聞き始めたら、見始めたら最後、ぐっ、と物語に引き込まれることは必至だと思います。

ちなみにCVを務めていらっしゃるのは、中島ヨシキさんと山下誠一郎さん。このおふたりの演技については、また後程、語るとしまして。

 

コミックの感想です。こちらは仁嶋中道さんの作品です。

あることがきっかけで、母親との関係が気まずくなってしまった大学生の一樹。バイト先で聞いた話から、彼は自分の母親が『ママ活』をしているのではないか、と言う疑念を持つことになります。様々な偶然が重なり、母親が『ママ活』をしている可能性が高いと判断した一樹は、母親と『ママ活』相手が会う日時に、母親を尾行することに。

そして一樹は、『ママ活』相手と思しき若い男性と母親が、実に楽しそうに話し込んでいるのを目撃します。

その男性、圭吾に、一樹は母親と会うのをやめて欲しい、と詰め寄ります。しかし圭吾はそれをはねのけ、意味深な言葉ばかりを口にします。そこから、母親が『ママ活』をするようになったのは自分のせいなのかもしれない、と言う自責の思い。更には、母親が『ママ活』をしていたのは本当だったと言う混乱から、一樹は思わず、圭吾に対して口走っていたのでした。

『俺とも『ママ活』して下さい』と。

 

この一樹の言葉の後に、圭吾が冷静に『いや、君、男だし。ママじゃないでしょう』と返すのですが、ほんと、その通りだね!

 

はい。てなことで、若干、強引な感じは拭えないきっかけから始まるのが、この『愛追うふたり』と言う作品でございます。

ボイコミでこのシーン見た時は『いや、強引すぎるやろ』と思わずツッコんでしまったのですが。なんだろ。作品を読み終えた今なら、ここで一歩も引かず、混乱した気持ちのまんまで、だけどぐっ、と相手に踏み込んでいったのも、実に一樹らしいなぁ、と言う気持ちです。はい。

ちなみに攻が一樹で、CV中島さん。受が圭吾で、CV山下さんです。

 

物語はこの後、一樹と圭吾の『ママ活』の様子が描かれます。そして何故、母親との関係が気まずくなってしまったのかが、一樹の口から圭吾に対して明かされます。そこから一樹の母親が『ママ活』をするに至った理由、一樹と母親の関係が以前のような状態になった、と言う流れから、今度は圭吾の背景が描かれる、と言う流れです。

 

私はですね。

BLは『99%のファンタジーと、1%のリアル』から成立している、と言うか、それこそが最大の魅力であり、かつ他のジャンルとの違いだと思っています。

99%はファンタジー。残りの1%だけがリアル。だけどそのリアルの描き方、メッセージ性によっては、99%のファンタジーすら覆してしまう。それくらいの力強さ、攻撃力がある。だからそこにこそ、99%のファンタジーの中にどんなリアルを、1%のそれを持ってくるか、そしてそれをどう描くかと言う部分に、その作家さんの個性が、魅力がめちゃくちゃ出てくるとも感じています。

 

おっと、ここで誤解しないでいただきたいのは、ファンタジーが悪いとか、リアルだから良いとか、そんなことを言っているのではないと言うことです。

そこはどうか、誤解しないでいただきたいのです(土下座)

 

作中の何を99%のファンタジーだと感じ、何を1%のリアルだと感じるかは、作品を読まれる方によって異なるのが自然だと思います。

ってか、そもそもとしてこの『99%のファンタジー、1%のリアル云々』と言う読み方は、私の考えですし。うへへ。

 

とにもかくにも、その1%のリアルを見出せるかどうか。その1%のリアルが、どれだけ99%のファンタジーを覆し、凌駕して、心を揺さぶってくれるか。『この作品にはそれがある!』と思わせてくれるかどうかが、私にとってはBL作品の面白さを評価するポイントだったりします。

ってか偉そうに、評価とか言っちゃって、本当に申し訳ない(土下座)

 

で。

この『愛追うふたり』です。

この作品に関して言うならば、1%のリアルが、BL作品としての99%のファンタジーを凌駕しきって、100%のリアルと、それでいて100%のファンタジーも存在している、共存しているBL作品として存在させていた。

そう言い切りたいくらいの強烈で、だけど柔らかくて温かいリアルに満ちていた作品だと、私は切に感じました。

 

しかもその1%のリアルが、きらきらと小さな輝きを放つ、小さな宝石。それが散らばっているかの如く、作品のそこかしこで描かれているんですね。

決して大きく、強い輝きを放っているわけでもない。大きくて人目を引くような宝石でもない。形も、決して整ってはいない。しかもその輝きも、ともすれば見逃してしまうような、些細な輝き。淡い輝き。柔らかな輝き。何もかもが小さな存在。

なんだけれど、それ故にたまらなく愛おしいと、たまらなく健気だと感じずにはいられないような、そんな宝石。それを思わせるようなリアル、その瞬間がそこかしこに描かれているんです。

 

そしてその、そこかしこに散らばっているリアル。

登場人物、一樹と圭吾、そして一樹の母親。この3人のリアル。

それぞれの、その小さくて輝きも決して強くはない、だけどとにかく愛おしいそのリアルが、物語が進んでいくにつれ呼応しあって、線で結ばれていく。

そうして最後には、3人を、3人が生きている世界をやさしく囲むような、温かな光がそこには広がっていた・・・そんな印象を受けたんですね。うん。

 

あー、難しいなぁ。この感情は、私の語彙力では、表現力では伝えられないなぁ。

悔しい。

 

なんだろ。3人が抱いていたリアルは、1人1人が1人で抱いていたものではあった。

でも決して、それは孤独なものではなかった。と言うか、孤独なものではあった。

あったんですけど、でも3人が出会ったことで、繋がったことで、それは孤独なものではなくなった。

過去が変わったんです。

 

過去は、どうあがいても変わらないものです。起きたこと、誰かに言われたこと、誰かに言ったこと。それはどうあがいても、なかったことにはできないものです。

だから過去は変わらないんです。不変なんです。

でも、自分の中でのその意味、位置づけ、あるいは受け止め方は変えられる。

逆を言うとそこしか変えようがない。

だからこそ、過去に対してはそここそが唯一の希望なんです。

 

それがこの作品では、描かれているんですね。

さっきも書いたように、3人の小さな、愛おしいリアル。それが呼応して、結びついて、柔らかで優しい光が生まれたことで、過去が変わったんです。

特に圭吾に関しては、私は、そうとしか思えなかったし、そう信じたい。

 

で、そう言うことを感じた結果、私は割と真剣に『あぁ『人を愛する』って、こう言うことなのかもしれないなぁ』と、実に恥ずかしいことを思ったのです。

だからこの作品のタイトルが『愛追うふたり』と言うのは、本当に素晴らしいタイトルだと思ったし、読み終えた今は『愛を追っていたふたりは、今度はふたりで、互いが互いに向ける愛と、互いが互いから受け取る愛を負いながら、生きていくんだろうな』とも感じるのです。

 

愛、愛情と言うのは、一切合切のことだと思います。素晴らしいことも、喜びも、尊いことも。シンプルなことも。悲しいことも、煩雑なことも、苦しいことも、辛いことも、何もかもが愛。

それを追い求めていたふたりが、今度はそれを背負いながら生きていく。

愛って人生、そのものなんですね。

 

何言ってるんでしょうか。

 

決して派手な雰囲気の作品ではないと思います。地に足着いた作品と言うか。

でも限られたページ数の中で、とにかく丁寧に、じっくり、じっくりと、繊細な筆運びで、登場人物たちの心情がつづられて、物語が進んでいく。

その様はじれったいほどでもあり、だからこそ、こちらの胸にじわり、じわりと沁み込んでいくんです。

なんだろ。さらっ、と読むことを許さない作品と言うか。でも、決して押しつけがましくない軽やかさ、柔らかさがまた心地よく。そのお陰で、一樹と圭吾、一樹の母親、3人のことが大好きになったし、ただただ、彼らの生きる世界がこの先も愛に満たされていますように、と願うようになれたと言うか。はい。

 

そして彼らと同じような思いを抱きながら、この社会を生きている人たちの世界にもまた、愛がありますように、と。

そんなことすら願ったのでありました。

 

なんでしょうね。性の多様性とか、家族の在り方とか。恋愛観とか。そう言うことに対する考え方は、ここ数年でずいぶんと変わったように感じますが、だからこそ、まだまだ社会に根付いている思い込みや差別みたいなものも鮮明に浮かび上がってくる瞬間がある、と感じます。

でも、誰を好きになるかとか、誰に性的欲求を抱くとか。誰と一緒に生活を共にしていきたいとかは、極めて私的なことじゃないですか。そこに対して『制度はこうだから!』とか『いや、一般的にはこうだから!』と言う考えだけで、その私的であることの自由さすら許さないのは、なんだかなぁ、と思うんですけど。

偉そうなことをすいません(土下座)

 

はい。そんなこんなで本作品はこんな方におすすめしたいです。

・じっくりと読ませる、そんなBL作品をお探しの方。

・じんわり、沁み込んでくるようなお話のBLをお探しの方。

・幸せって、愛って何だろう。そんな気分に浸りたい方。

 

絵も、とても綺麗なんですよ。華美過ぎなくて、目に優しい絵と言うか。あと登場人物たちの一瞬、一瞬の表情が、とても丁寧に描かれているのも良い。

なのにネタバレになっちゃうから言わないけど、あるシーンでは圭吾の表情があえて描かれていないんですよ。本編で言えば138ページから141ページですかね。ここの演出は意図的なのかどうかはわからないですけど『天才か!』と思いました。

この時、圭吾はどんな表情をしていたんだろう。それを考えると、なんとも言えない感情に、私は胸を強く締め付けられるのです。

『自分は、ここにいていい存在なんだ』と、圭吾はようやく、やっと、自身の存在を、自分自身で認めることが、許すことができていたんじゃないかなぁ。

泣く。

 

あと多分だけど、私、この方、仁嶋さんの作品、好きだわ。

他の作品、読んでないけど、でもこの作品を読んだだけで、そんな予感がひしひしとした。絶対、他の作品にも、がつん、と心、殴られる感じだわ。

また他の作品も読んでみよう。

 

はい!そしてこちら、冒頭でも書きましたボイコミも公開されています。

わかるね!?

こんな沁み込んでくるようなBL作品で、主要キャラクターを演じていらっしゃるのが中島さんと山下さんのおふたりである、と言うその破壊力の凄まじさよ!

もうね、ほんと。『あぁ』って言う言葉しか出てこないのよ。

お芝居が、すごいの。なんてかもう、すごいの(語彙力どこいった)

プロの役者さんなんだから当たり前だけれどおふたりが、この作品の世界観、この作品で描かれていること、そして一樹と圭吾の人生、生き方、そうしたものをしっかり把握したうえで、それを大切にしながら演じて下さっているのがひしひしと伝わってきて、もうすごいの。

すごいの(だから語彙力)

 

中島さんは、本当にカメレオン役者さんだと感じさせられたし、一樹の、良い意味での青臭さ、そしてだからこその受け止める力みたいなものの表現が素晴らしかったし。

山下さんはもう演技力化け物だし、以前にも書きましたが、こーんなに透明感のあるお声をされていたのか、と驚かされたし、あるシーンでの柔らかで、だけど救いを求めるような色気の表現には度肝抜かれました。

あぁ、すごいねー。

 

言葉を紡ぐように、思いを紡ぐように。

そうした一樹と圭吾の日々を紡いで、繋いでいくように。

そんなことを感じさせるおふたりの演技によるボイコミも、ぜひぜひ、見て下さい!

また一樹の母親役の杉村ちか子さんの演技も、ほーんと良いのよ。母親として、息子からの告白に戸惑う等身大の心情の表現とか、とってもチャーミングな部分とか。一樹と圭吾、2人の青年に対しての、大きくて温かい感情の表現とかが、もう素晴らしいの。

『大きくなったなぁ』の一言は、泣くわ。泣く。

全人類理想の母親だと思うよ!

 

ちなみに。

この作品に限らずBL作品のボイコミにおいては『YouTubeのポリシーにのっとり一部修正を行っています』と言う文言が登場します。

端的に言えば『見せられないよ!』ってことですね(笑)

BL作品においては、いたしているシーン、絡みのシーンですね(古)、そこでこのルールが発動されるため、大抵の場合は『肝心のシーンが全削除』となっています。

まぁ、仕方ない。仕方ないけど、時々『おのれ・・・おのれ、YouTubeポリシーめ!』と義憤に駆られることもあるのですが(大げさ!)

 

こちらの作品に関しては、確かにポリシーで削除はされています。

が、ぶっちゃけると本当にわずか、ページ数で言えば2ページほどなので、そのあたりを気にされている方に対してのご報告でございました。

てかこの作品においては、変な言い方、多分、絡みのシーンの必要性ってそんなに高くないように思うんですよね。うん。なかったとしても、多分、全然、違和感も不満もなかったとすら、私は思う。

いや、でも勿論、描いてくださったことには感謝しかないし、そこを読めたことに対しては感謝と喜びと尊さしかないんですけど(五体投地)

それよりもその前後、その流れの方が圧倒的に、2人のすべてが交差して、混ざり合って、ひとつになった、そんなことを感じたし。はい。

 

そんなこんなで本日は『愛追うふたり』をご紹介してまいりました。

原作から読むも良し!私のようにボイコミから触れるのも良し!

ぜひ、一樹と圭吾、そして一樹の母親の愛の物語に浸ってみて下さいね。

 

ではでは。本日の記事はここまでです。

読んで下さりありがとうございました!