tsuzuketainekosanの日記

アニメや声優さん、ゲーム、漫画、小説、お仕事とのことなどなど。好きなことを、好き勝手に、好きなように書いていくだけのブログです!ブログ名の『ねこさん』は愛猫の名前だよ!かわいいよ、ねこさん!

買ったBL、紹介していくよ!~『凪がれ星』&『裏切り者のラブソング』

ひょんなことから知った、こちら。

第15回 BLアワード2024 | 腐女子のBLサイトちるちる

こちらのBLCD部門にノミネートされていた作品で気になった作品。更にいつも読ませていただいているブログさんに書かれていた感想があまりにも素晴らしかったので気になった作品。加えて好きな作家さんのBLを、2月の頭に買いました。

その感想をお送りする記事です。

ありがたいことに今回は、全部、見事にぶっ刺さりでした。

 

本日は2作品の感想をお送りします。まずはこちら。

 

ミギノヤギさん『凪がれ星』です。

www.dlsite.com

CDにおいては大塚剛央さんが初受けを演じられている。そして先にも書いた通り、読ませていただいたブログでの感想文があまりにも素晴らしかったので『原作!原作!』と速攻で購入した次第です。

2作品の感想を挙げるので、今回、あらすじは割愛です。

 

最初にあらすじを読んだ時には『成程。で、その槇人さんを連れ戻しに来た昔のモデル仲間が実は元カレで、別れ話のもつれから危険な液体ぶっかけられて槇人さんは火傷を負ってしまったと。てなことでここから天惺と元カレとの、槇人さんを巡る壮絶な争いが繰り広げられるんだな』と真剣に思い込んでいた私は、明らかにミステリーの読みすぎです。さすがに反省しました。

 

しかしそんな思い込みがあったからでしょう。あるいはそんな思い込みがなくても、もしかしたらそう思っていたかもしれませんが。

読み終えてすぐに抱いたのは『とても繊細で、静謐で、幸せに満ちた優しいお話だったな』と言う率直な気持ちでした。だから良い意味で、読む前の予想、印象を裏切ってくれた、そんな作品でもあったなぁ。

 

タイトルにある『凪』が意味するところ。風力0であること。海面が静かであること。

槇人さんにとっても、そして天惺にとっても。あの街で過ごしている時間と言うのは、まさしくそんな凪のような時間であった。

それがものすごく絵柄であったり、2人の表情であったり。そう言うのが伝わってきて『凪』なんだけど、でも、2人の間にやさしく柔らかく吹く心地いい風、と言うか流れ。それがページをめくるたびに感じられて。

その、何て言うんでしょ。空間とか、雰囲気の描き方。そう言うのがとても魅力的な作品であり、また作家さんだなぁ、と思いました。

槇人さんが『天惺はうまく言えないけど、ずっと心地よくて』と話すシーンがありますが、私にとってはこの作品に流れている雰囲気がまさしくそれでした。

うまくは言えないんだけど、とにかく心地いい。絵で描かれているところからは勿論のこと、そうじゃない部分からも、目に見えない心地いい流れ、空気の流れのようなものが感じられて、それがとても心地よかった。

 

で、その『凪』の中に、槇人さんを連れ戻すためにモデル仲間たちがやって来た。

『凪』は一瞬で『凪』ではなくなったわけです。そうなんですけど、ただその『凪』の破壊すら、この作品ではめちゃくちゃ優しいし、穏やかなんですよね。

そこにものすごく、胸がきゅっ、と締め付けられるような思いがしたのです。

勿論、槇人さんも天惺もめちゃくちゃ、そのことで心は乱されます。乱されるけど、でもそのことで自分たちの『凪』がどれだけかけがえなくて、愛おしいものであったかを改めて思っている。

特に槇人さんにとっては顔の火傷のこと。それがなければこの『凪』は築き上げられなかった、出会わなかったことなわけです。

過去のどうしようもない出来事は、どうあがいても変えようがない。槇人さんの顔の火傷も、おそらくはどうしようもないものなのでしょう。

そこに打ちのめされ、逃げられないそこから逃げるようにして今の街にたどり着いた槇人さん。そこであのおばあちゃんと出会って、そして天惺と出会って『凪』が生まれた。そのことで槇人さんは『顔に火傷を負ってしまってモデルとしては価値がないであろう』、そのままの自分でも、もしかしたら良いのかもしれない。

そんな、許されたような気持ちを抱けるようになっていた。

 

そうして今度はその『凪』が揺るがされたことで『自分はこうしたい』と言う気持ちを改めて受け止めて、その気持ちでいられる『凪』を守るために、ちゃんと自分の言葉で相手にそれを伝えている。

そこがすごく、何て言うんだろ。登場人物たちのまっすぐさ。まっすぐに、ちゃんと相手と向き合う、そう言う姿勢が感じられて。

そしてそのことで槇人さんの過去の出来事は変わらない。変わらないけど、槇人さんの中では、その受け止め方、あるいはその意味合いみたいなものが、また少し変わったんだろうな、と感じられて。

そう言うのが、『強くなる』とかそう言う、端的で極端で単純で押しつけがましいものじゃなくて。とことんやさしく繊細に紡がれていたのが、ひたすら素敵。

私としてはただただ『尊い・・・そして眩しい・・・!』状態でした。

 

なんでしょうね。BL問わず、こう言う『誰かが誰かと出会って、変わらないはずの過去の意味合いが、少しだけやさしく変わる』と言う作品が私は大好物です。

 

そして多分、これに関しては羊介と瀬田さんも同じだったんだろうなぁ、と私は勝手に思っているのです。

またこの2人も良い人ですよねぇ~(にやにや)

 

ここからは私の妄想が暴走した考えでしかないんですけど。羊介くんの『羊』と言う字は『美』と言う感じの一部にもなっている漢字でもあります。

諸説ありますが『『美』と言う文字は、神に捧げられる大きい(『大』)羊から『大』と『羊』が組み合わさってできており、『うまい』や『美しい』を意味する』と言う一文。高校時代、漢語辞典で知って衝撃を覚えた一文を、羊介くんの名前を見た時に、ものすごく鮮明に思い出しまして。はい。

人名に『羊』が使われているのが珍しいなぁ、と思ったからなんですけど。

 

槇人さんが失った美しさと、それでも失わなかった、失われなかった美しさ。人としての美しさ。それを知っていて、そこに心底、心惹かれていて、そこを信じていて。信じているからこそ、瀬田さんの言葉から察するに、ずっと耐えて待っていた、そしてここから先も待っている。何より槇人さんの幸せを願っている。『もしかしたら』を淡く期待しながら、でも、それが実現しないことを何よりも祈っている。

そんな羊介くん、あるいはその思いは、もしかしたら作中でいちばん、純粋に『美しい人』であり『美しい思い』なのかもしれないなぁ、と思ったのです。

報われなくてもいい。

ただただ思うことの、その大きな美しさを表現している人と言うか。

 

で、CDに関しては、私は聞いていません。

が。

初受け作品がこの作品、とても繊細で、言葉にできないような雰囲気が魅力の作品で。おまけに槇人さんのように、本当に声を漏らすように。息を漏らすように。あえかに(本来は若い女性の様態を意味する言葉ですが)、儚く、揺蕩うように喘ぐ役を演じられて。

簡単に言っちゃえば『演じるの、難しそうだよなぁ~』と言う作品、受けを初めて演じられた結果、少なくとも私が目にした評価に関しては『ちょっと!大塚さん!大塚さん!』と言うような評価が(語彙力)相次いでいる辺り『やっぱり大塚さん、お芝居がうまいんだよなぁ』と。

そんなことを改めて思いました。

 

今期のアニメで触れている大塚さんのお芝居に対して感じている『弱さ』や『脆さ』の表現。その飾り気のなさと、だからこその痛みが伝わってくる演技の素晴らしさ。

それはきっと、槇人さんを通してでも伝わってくるんだろうなぁ~。

なんだろ。大塚さんの演技って、生々しさとはまた違って意味で、全然『計算』と言うものを感じさせないんですよね。でもものすごく、緻密に組み立てられた計算式、そこから導き出された美しい解答みたいなものを感じさせると言うか。

あくまでアニメを見ていての印象ですが。

 

天惺役の古川慎さんも絶対にハマっていることだろうし、瀬田さん役の高坂篤志さんも、それはそれは素敵な、瀬田さんとしてのそこはかとないSボイスなことでしょう。

そして羊介くんが八代拓さんだと知った時点で、私も瀬田さん同じく『羊介くん!何が食べたい!?たくさん誉めてあげるよ!』と五体投地でした。

 

てなことでお次はこちら。

www.dlsite.com

外岡もったすさんの『裏切り者のラブソング』です。あらすじは割愛でーす。

 

外岡さんの作品に関しては少し前の記事で『俺の生徒はかわいくない』の感想もご紹介しました。

『俺の生徒はかわいくない』に続編含めてハマり、そして今作品は待望の新作と言うことで購入した次第です。

 

『俺の生徒はかわいくない』は悪魔のような秀才大学生×強気なクールビューティー准教授のお話。で、今回の作品は明らかに光属性のマフィア幹部×強気なクールビューティーマフィア幹部のお話です。

 

『両作品とも受けがクールビューティやないかい』と突っ込まれそうですが、その通りなのです。そして両作品とも攻めは、属性で言えば光。ただし『俺の生徒は』の方は一見すると闇属性。『裏切り者の』の方は光の中に闇属性を抱えているような感じなのですが。

勿論、こんなふうにまとめてしまうのはちょっと違うような気も、我ながらしています。それぞれ、こんな言葉、まとめ方では伝えきれない魅力に満ちたキャラクターなのですが。

 

でも、この、外岡さんの作品における『天上天下唯我独尊天衣無縫を絵に描いたような受けを溺愛している攻め』と『気が強くてツンツンしていてクールビューティーなんだけど攻めに振り回されてすぐに涙目になっちゃうちょろい受け』と組み合わせが、私はもう、めちゃくちゃ好き。

単純にカップリングとして好きと言うのは勿論なんですけど、ここに外岡さんの絵と言うか画力と言うか。

外岡さんが描かれる『天上天下唯我独尊天衣無縫を絵に描いたような受けを溺愛している攻め』も『気が強くてツンツンしていてクールビューティーなんだけど攻めに振り回されてすぐに涙目になっちゃうちょろい受け』も、本当に見ているだけで『あぁ、こいつら、めっちゃ人生楽しく生きてそう』って思うくらいのエネルギー、生命力に満ちていて。

そこがすごく好きなのです。

 

何と言うか、もう攻めも受けも、画面を飛び出してきそうなくらいの。コマと言うコマをぶち壊してこちらの世界に出現してきそうなほどの躍動感があって。

全身で生きているからこそ、ありとあらゆる感情が込められた表情の豊かさも、もう本当に見ていて楽しいし、わくわくするし、好き。

BLなんだけど、読んでいる時に感じるわくわくは、割と少年漫画を読んでいる時に感じるそれに近いような気すらします。

 

お話は勿論、面白いです。キャラクターの個性が際立っているからこそ、受けが攻めに心惹かれていく様子と言うのもめちゃくちゃ納得できるし、BLとしての萌えは勿論、ひとつの作品、お話としての読みごたえもある。

あとキャラクターがこんな感じ(誉め言葉)なので、お話のトーンも勢いがあって、どこまでも明るい。どれだけのシリアスが待ち受けていようとも、それが『運命』だとしても『このキャラクターたちなら、そんなもん蹴飛ばして、笑ってその先へと突っ走っていきそうだよなぁ~』と言う安心感が伝わってくるのも凄い(笑)

 

そしてどのBL作品を生み出されてる漫画家さんの絵も、それぞれの魅力があって素敵だし好きなのですが。

『いちばん生命力、躍動感を抱くBL漫画家さんは?』と聞かれたら、私は迷うことなく外岡さんのお名前を挙げますね。

 

てなことで本作品、非常に気になる終わり方をして完結編である2巻に続く、とアナウンスされているのですが。

これだけシリアスな終わり方をしていながら、それでも『いや、どうあがいてもこの2人にはハッピーエンドしか似合わないでしょ!『俺の生徒』は同様、2人が結婚式迎えている絵しか見えてこんわ』としか思えないのが、もはや安心安全の外岡さん作品なのであります。

 

ちなみにナニのシーンもやっぱり明るい。ロマンチックで情熱的なムードが漂う、そう言うシーンもあるのですが。

個人的には『体力お化けの攻めに散々、苛められた挙句、気持ちいいししんどいしでも気持ちいいしもうよくわかんないって感じで、涙目で攻めへの気持ちを口にさせられる、無駄な抵抗の言葉を口にする受け』の絵が、最高に萌えます。そして微笑ましい気持ちにさせられます。

 

幸せって、きっとこう言うこと(違)

 

そんな具合で本日はBLコミック2作品の感想をお送りしてまいりました。

 

ではでは。本日の記事はここまでです。

読んでくださりありがとうございました!