昨日は起きたら10時30分でした。朝食食べてアニメ見たりなんやかんやしてたら14時になって、そこでまた眠気を覚えて起きたら17時でした。
どう言うことなんでしょうか。
ってかもしかして私、疲れてる?(知らんがな)
まぁ、唯一、夜のオタク時間で合同ライブのブルーレイを見られたので良かったです。
ちなみにねこさんは、10時30に私と一緒に起きてから、すぐ布団に潜って。
そこから3回、ご飯を食べるために起きてきた以外はずーっと寝てました。
可愛いね!
本題だよ~。
今年もなんやかんやと言いつつ、読書を楽しむことができました。
ありがたや、ありがたや・・・。
正確な冊数は覚えていませんが、少なくともブログで月最低2回は読書感想文を書き続けることができていたので、それくらいの冊数は読めていたと言うことです。
まぁ、途中、何回か読書感想文以外の記事になっていたこともありましたが。
本来ならば昨日、21日にお送りする予定だった読書感想文ですが、昨日は公休だったので本日、お送りいたします。
そしていつも通りだと31日も読書感想文をお送りするのですが、12月31日には大晦日なので、例年通り読書感想文はお休みです。
なので本日がタイトルにも書きましたが、年内ラストの読書感想文でございます。
ラストを飾るのは澤村御影さんの大人気シリーズ『准教授・高槻彰良の推察』の最新作。各キャラクターに焦点を合わせた、番外編的色の強い短編集です。短編集も本作で2作目、と言うことでタイトルには『EX2』とつけられています。
こちらの作品に関してはブログで何度もご紹介しています。ドラマ化もされたので『苗だけはなんか聞いたことあるわ』と言う方も多いのではないでしょうか。
コミカライズ化もされており、それを記念したPVも公開されています。
主人公の深町尚哉は幼い頃の怪異的な出来事が原因で『嘘を口にした人間の声が、言葉が歪んだように聞こえる』と言う能力を持っています。そのため実の家族すら破壊寸前にまで追いやってしまった過去から、彼は意図的に他人との交流を拒むような人生を送っていました。
そんな彼は進学先の大学で高槻彰良と言う准教授と知り合います。ひょんなことから高槻に気に入られた彼は、やがて高槻もまた、幼い頃、自分と同じように常識では説明がつかないような出来事に巻き込まれていたことを知ります。
そんな2人が様々な怪異現象と思われる事件の謎に、そして自分たちの過去の謎に迫っていくと言うお話です。
これまでのシリーズでは深町くんと同じような能力を持った人の登場。更に不死の力を持つ女性の存在。高槻先生の家族関係の複雑さ。高槻先生の中に存在する『もう1人の高槻彰良』の存在などなど。様々な事件を通して、どんどんと広がっていく物語の世界が描かれています。
そして本作品では、深町くんと高槻先生がとある事件の謎を解明することになるお話は勿論のこと、2人と親しい間柄にあるキャラクター目線の物語も収録。
『いつも通り』のシリーズを味わえると同時『『EX』シリーズだからこその、短編集だろからこその』魅力、面白みも味わえる、まさに1冊で2度美味しい作品になっています。
ではでは。1作ずつ、感想を書いていきましょう。
・『やがてソレはやってくる』
・・・高槻先生が講義で話したある怪異現象。それと同じような現象が、深町くんの友人である難波くん。その彼女である愛美ちゃんの身の回りで起きていた。難波くんと愛美ちゃんから依頼を受けた高槻先生と深町くん、そして難波くんは、その謎を追うことになるのだが、と言うお話です。
難波くんです。いい子だよねぇ~。深町くんは、仕方ないとは言え色々と考え過ぎちゃうか、はたまた『考えてもどうせ』とそれ自体を放棄しちゃうか。『オールオアナッシング』の傾向が強い子だからこそ、難波くんのような『シンプルに考える子』との相性はめちゃくちゃ良いんだと、改めて気づかされました。シンプルに考えるからこその、気持ちの熱さ、まっすぐさには、深町くん同様、救われたような思いすら抱きます。
いつものシリーズ同様。『もしかしたらこれは本当に怪異現象なのでは』と思わせつつ、そう思った時の『ぞわり』と言う感覚も味あわせつつ。しっかり現実的な謎解きがされるのも良いなぁ。
伏線が張られていて『あっ』とは思ったとは言え。
最後に明かされた愛美ちゃんが購入した人形の効果。それには思わず『尊い!』となりましたし、『もう!難波くんと末永くお幸せに!爆発四散!』と思いました。
若いって素晴らしい。
・『遠山と猫の話』
・・・幼い頃、深町くんと同じ怪異的出来事に遭遇、その結果、やはり深町くんと同じような能力を背負うことになった遠山さんが主人公のお話です。
なんでしょ。もうこの話を読んでいる間、ずっと私の中で遠山さんのお声は竹内良太さんで再生されていました・・・最高・・・。
深町くんより年上の遠山さんは、深町くんよりも長い間、『他人の嘘が聞き分けられる』と言う能力に人知れず苦しんできています。そしてそれに打ちのめされ、いろいろなことを諦め生きてきた人です。
ただそんな遠山さんだからこそ。自分より年若く、自分と同じようにいろいろなことを諦めようとしながらも、それでも真の部分では諦めきれていない深町くんに対しての思い、目線と言うのはとても優しくもあり、温かくもあり。
そんな遠山さんだからこその、このお話なんだろうなぁ、としみじみ思わされました。
何だかんだと言い訳めいた言葉を、思いを口にしつつ、抱きつつ。それでもしっかり猫ちゃんの面倒を見る遠山さんは、ただただ優しく、温かく、生きているものの命。その重みと温度を知っている人なんだと思います。そこが、そんなことは知っていたとはいえとても嬉しい。
『普通』の人間とは違う遠山さんであり深町くんではあるけれど。それでもその『心』は『普通』の人と同じように、喜ぶし傷つくし、色々な思いを抱えている。
人間性と言うものが、『普通』から少しだけ逸脱してしまっている彼らを通して描かれているからこそ、一層、胸に響くと言うか。切ないと言うか。
その切なさを、ただただシンプルに『生きる!』を体現している子猫ちゃんたちの可愛らしさが癒してくれる、そんなお話でもあったなぁ。
・『大河原智樹の冒険』
・・・過去のお話で登場した少年と高槻先生のお話。思春期にある智樹くんの、高槻先生、高槻のような大人に対しての憧れ。そして自分のやることなすことに文句をつけてくる母親に対しての反抗心みたいなもの。それらがもう読んでいて『わかるわぁ~』の一言でした。特に小言ばかり漏らす母親に対して『母親との歯車が噛み合わないと思う』と言うような描写、表現は『あー。成程なぁ』と。
自分と誰かの歯車が噛み合わない。どれだけ頑張っても、時間が経過しても噛み合わないと感じることは、決して智樹くんの年代だけに限った話じゃないですよね。
そんな智樹くんだからこそ、高槻先生には期待をした。でも高槻先生は、智樹くんの身を心配して、そして『大人』として、『してはいけないことはしてはいけない』と教えた。それが智樹くんにとっては裏切られたように感じられた。
この辺りの智樹くんの気持ちも『そう感じちゃうよね。うん』と切なかったです。でも智樹くん。高槻先生は、智樹くんのことをちゃんと思っているから、智樹くんに危険な目に遭って欲しくないから、智樹くんをいさめたんだよ。
そう私は心の中で智樹くんに呼びかけるので精一杯でした(笑)
ひやり、とした展開。智樹くんの恐怖、後悔。それがぞわり、と伝わってくるような展開はスリリングで。それを味わったからこその、その後の智樹くんの感情。高槻先生に対しての、母親に対しての感情の変化みたいなもの。端的に言えば『成長』は、とても温かく。
タイトル通りの智樹くんの冒険で。こう言う『冒険』を幼少期に成長しておくことって、実はとても人生においては大切なことなんじゃないかな、とも思いました。
時を経て高槻先生に連絡を取った智樹くん。ここからの2人の物語も読んでみたい!
・『俺の友の地味メガネくん2』
・・・難波くん目線で語られるお話です。シリーズ本編でも書かれてあった、難波くんが深町くんの能力に気付いてしまった後の、どうにもぎくしゃくしてしまった2人。そしてその後の展開、その裏側みたいなものが、難波くん目線で語られています。
さっきも書いたけど、本当に難波くん、いい子。いい子ってか、なんだろ。悪気が一切、ないんですよね。悪気が一切ない。でも悪気が一切ないからこその、罪深さとでも言いますか。そう言うのに満ち満ちた子で。大体『よほどいけ好かない奴でない限りは、自分から話しかける。それで大体、友達になれる』『特技は友達を作ること』と言う時点で、ねぇ(笑)
悪意なく、純粋に、ひょい、と。相手の作っているガードであったり壁であったり距離であったり。そう言うのを飛び越えてくる。それが良いことだと、正しいことだと信じて疑ってないと言うか、そもそもとしてそう言うことを考えていない。『落ち込んでいる奴が目の前にいるなら、励ますだけだろう!』『仲良くなりたい奴に距離を取られたら、その距離を詰めるだけだろう!』と。
そのシンプルさは、だけど当たり前に、時には、相手によっては刃にもなる。
ヒロくんとのやり取りで、そのことを学んで打ちひしがれた難波くんの姿は痛々しくもあり。でも『あぁ、このことで難波くんはまた人として成長して。より一層、魅力的な人になったんだろうなぁ』と感じさせられました。
本当にいい子。悪意ないが故の罪深き人。そして臆病な人。人と、自分が仲良くなった人と距離を取られることを恐れているからこその、その臆病さがあるからこその、悪意なく、罪深いまでに、その人のことを思える人。
こと深町くんに関しては、これも先程、書きましたが。やっぱり難波くんの、この悪意ないが故の罪深さ、その無邪気さ、シンプルさが必要だったんだと思います。
深町くんが自分の能力のことを認め、それを難波くんに明かした後の難波くんの反応も、実に彼らしいですよね。でもわかるわ。そりゃ嬉しいよね。『そこまで』立ち入らせてもらえたんだ、って嬉しくなるわな。
そして深町くんに関しても。そりゃもう、めちゃくちゃ嬉しかっただろうし、何よりめちゃくちゃ安堵しただろうなぁ。良かったね。
泣くわ。
若いって素晴らしい(2回目)
・『それはまるで祈りのように』
・・・シリーズ通して、高槻先生と深町くんの見守り役的活躍を見せている(笑)刑事、佐々倉さんの目線で描かれているお話です。佐々倉さんと高槻先生は幼馴染。腐れ縁。大人になってからも続いているその関係の中、些細なことで喧嘩をしてしまった2人の姿が描かれています。
萌。大人になったがために、素直に『ごめんな』を口にできない佐々倉さんと高槻先生の姿に、思いに、ただただ萌です。いや、別に謝るようなことではないんですけど。
そしてそれが佐々倉さん目線で描かれているからこそ『ごっつい刑事が、幼馴染との関係にうじうじと心を悩ませている』『悩まないようにサウナに入り浸るも、やはり悩まずにはいられないでいる』と言うその姿が、ひたすらに萌。いじらしさすら感じ『ごちそうさまでした』の一言でした。
またこの前のお話が、2人より若い難波くんと深町くんの似たような話。似たような、だけど難波くんのシンプルさ故、その距離を飛び越えられたお話だったからこそ、より一層『あぁ、大人って不器用』と思わされて。
萌。
ただまぁ、この2人もだてに関係を続けていないわけですよ。高槻先生にとって佐々倉さんは、そして佐々倉さんにとって高槻先生は、唯一無二の友人なのですよ。
深町くんと言う、2人に加わった新たな存在を通して、ようやく仲直りをした2人の、その仲直りの仕方も実に2人らしくて微笑ましかったし。
やっぱり『萌』の一言でした。
その異能のために、ずっと1人でいることを受け入れてきた深町くん。誰かといる自分に憧れながらも、それをずっと諦めてきていた深町くん。それでも諦めきれない思いも、見て見ぬふりをしてきていた深町くん。
だけど大学に進学したのを機に、その諦めが、少しずつ霧消していった。そして新たな希望が生まれていった。
深町くんを中心に、色々な人の繋がりが生まれている。
シリーズ通して描かれている、その人の繋がり。その温かさ、優しさ。
そうしたものが短編だからこそ、凝縮して描かれているような。
全体としてはそんな感想を抱いた本作品でした。
てなことで。
シリーズ本編としては次でいよいよ大台10作目になるのかぁ。
シリーズ1作目が刊行されたのが2018年。私は多分、少し遅れて読み始めたので・・・それでももう、4年くらいのお付き合いになるのか。
飽き性の私がここまで飽きずに読み続けられていること。それに我ながら驚くし、それこそシリーズの魅力、面白さの証明だとも思うのです。
深町くんも進級して。大学を卒業した後のことも、話題に出てきている中。
果たしてこの先、シリーズとしてどんな展開が待ち受けているのか。
それを楽しみにしつつ個人的には『コミック発売記念PVのCVのまま、Clover Worksさんでアニメ、制作されんかな』と秘かに期待しています。
言うのは、願うのはタダ!
ではでは。本日の記事はここまでです。
読んで下さりありがとうございました!