何に?
『アンデッドガール・マーダーファルス』のアニメの最新話に。
『真打登場』と銘打たれた第4話。
原作を読んだ時からずっとずっと『このシーンはどんなふうにアニメ化されるんだろうか?』『このシーンはどんなふうに映像で表現されて、どんなふうに動きがつくのだろうか?』『このシーンで津軽役の八代拓さんはどんな演技を見せて下さるんだろうか?』とただただ楽しみでしかなかったあの場面。
とうとう、そのシーンがアニメとして放送され、それを見たわけなのですが。
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
もう感動した。感動した。感動した。
途中で『うはっ!』と変な声が漏れちゃうくらいに、ただただ感動した。
このシーン。原作小説ではですね。
上段に津軽の台詞、口上ですね。それが書かれている。
で、その下段に戦闘シーンの中の動き、アクション、それが書かれているんです。
津軽が口上を披露しながらラウールをフルボッコにする、その一連の流れが小説でも無理なく表現されている。そして読者がそれを思い描くことができる、そんな構造がとられているんですね。
だから、なのです。
ぶっちゃけアニメもその感じ、つまり津軽がラウール君をフルボッコにしながら口上を述べ続ける。そんな作りだと、私は勝手に想像していたんです。
『動!動!動!動!』と言わんばかりのシーンになっていると、勝手に思い込んでいたんです。
で、確かにその通りでしたね。その通りではあった。その通りではあったんだけれど、その通りだけで終わっていなかったのが、もう心底、驚いたし感動したし、ただただ感謝しかなかった。制作陣の力量を改めて感じさせられたのです。
津軽の口上は21分40秒くらいから始まります。ラウールに近づいていく津軽。あの飄々とした、人を馬鹿にしたような踊り。そしてそこにラウールが反撃して、22分40秒くらいから津軽の口上も本格的なものになっていく。ここは津軽とラウール、2人のバトル、動き、アクションと同時進行なのです。
ところがここでラウールのダメージ具合、混乱、津軽に対しての恐怖、それを示すかのような映像。悪趣味なメリーゴーラウンドのような映像が入りましたよね。
そのラスト、ラウール渾身のパンチも躱されてしまってから津軽の気の抜けた、いつも通りの『あ、そーれ』の声でぱんっ、何もかもが切り替わって23分10秒から始まったのは、映画のような映像。
そこで津軽の身の上が語られ『鬼殺し』の言葉と共にラウールに蹴りが入って、そこからカメラが揺れたような映像が入って・・・で、ゴダール卿の言葉。
再び津軽とラウールに場面が戻って、『ドラキュラ伯爵の方がまだ骨がありました』の言葉を口にしてから足を振り下ろす、その瞬間、津軽の表情。『ふはっ』と言わんばかりのあの表情。
いや・・・もう、何?(語彙力)
何、え?私は何を見せられたの?え?え?何?
静と動、緩と急。メリハリのつけ具合。カメラの動き、切り替わりのタイミング。津軽の口上のリズム、間の取り方。
そうしたものが完璧な形で混在していて、まるで多彩な表情を見せる川の流れ、それに身を任せている、身を任せざるを得ないような、そんな感覚すら抱かされました。
激流かと思ったら、不意にそれがせせらぎになり、しかし再び激流が始まり、それが巻く渦に飲み込まれていって、と言うような(ちょっとわかりにくい)
シーンごとのメリハリはついていながら、しかし一連の流れとしては一切、切れていない。流れ続けている。
また津軽とラウールのバトルなわけでその迫力のようなものは一連の流れの中で一切、衰えていない。津軽とラウールのバトルでありながら、2人が繰り広げるバトルの迫力と重厚さ、それらと津軽が繰り広げる口上の迫力と軽妙さ。それが、津軽とラウールのバトルに通ずるような色合いで、しのぎを削るようにして繰り広げられ続けている。
そしてまた津軽劇場でありながら、半人半鬼の『鬼殺し』ら対峙し蹂躙され続けるラウール強い混乱と恐怖と絶望。人と怪物との共存を願い続けたゴダール卿の絶望と虚しさと悲しみ。
そうしたものも並行して描かれていたのも、もうお見事の一言。
で、ですね。このシーンの津軽の口上です。
これは、アレなんです。
私は『真打津軽としての感情は一切、漂わせてはならない』と思っていたんです。
『ここはまさしく真打津軽は噺家のように『真打津軽』と言う、何か自分とは別の存在であるところのその人生を語らなければならない。話していることが楽しい、噺家として楽しい、興に乗ってきた、そんな感情はありだけど、それ以外の感情は滲ませてはならないのだ。自分のもののように生々しく、だけど突き放して俯瞰するように、その人生を演じるような感じで口上を述べ続けなければならない』と思っていたんです。
そうじゃないとですね。ここに津軽の感情がひとつでも乗っかってしまうと、途端に津軽が津軽でなくなってしまうような気がしていたんです。
特に津軽と言う半人半鬼の得体の知れなさ、底知れなさのようなもの。それが消滅してしまうのではないか、とすら勝手に思っていたんです。
思っていたんですけどね。
ね。
八代拓さんのお芝居な。
銀行口座、教えて。
私の今の気持ち、札で振り込みたいから。
いやぁ~・・・いやぁ~・・・いやぁ~・・・いやぁ~。
もうほんと、凄すぎて言葉が出てこなかったです。
なんてか、もう完璧で完全な真打津軽。
若手でこんな難しい役を、あそこまでの味と凄みを持って演じられる役者さん、他にいらっしゃるだろうかなぁ。
凄い役者さんだわ。君、凄いわ(何様(すいません))
ありがとう。本当にありがとう。
津軽の口上が噺家のようなそれだったからこそ、彼のラウールに対する暴力、蹂躙が効いてくるわけだし、また口上を終えてラウールに言い放った『あなたくらいの年の方は』から始まる言葉。そこにこちらとしては津軽の感情、その一端を垣間見たような気になったんです。それもまた、ずぶずぶと胸に沁みていった。
そしてその後、ラウールにとどめをさす直前で見せた、あの笑み。『ふはっ』と言う感じで、目を開いたようなあの表情。これがもう、圧倒的な意味を持つんですよね。
津軽が語る津軽自身の物語。しかしその口上が生々しくも、徹底的な噺家のようなそれだったからこそ。あれだけの言葉で語られた情報よりも、たった一瞬。蹂躙しきった相手に見せたあの表情が、如実に、グロテスクに『鬼殺し・真打津軽』と言う存在を物語って、表現して、伝えてきた。
あるいは、なのです。
その後、津軽が一同のもとに戻って来るじゃないですか。『片づけました』の言葉共に。で、ここでクロードとアルフレッドの、何もかもを察したような表情が入る。でも津軽の表情は『人と怪物は共存なんてできませんよ』の『できませんよ』あたりまで一切、映らないままなんですよね。
ここの演出とかも、もう、もう、もうもうもうもうもう!
『この時の津軽はどんな顔をしていたのか』と言う考察だけで、この先、1週間、私は楽しい時間が過ごせそうなのよ!
伝われ!
この気持ち!
天才か。このアニメの制作陣、天才しかいないでしょ!
ほんとにこのアニメの制作陣の、原作に対する敬意、そして原作の魅力、各キャラに対する理解の深さには、もう驚くしかないし、心底、感謝と敬意なのです。
複数の要素が、小説通りでありながら、何と言えばいいんだろうかな。小説以上と言うと語弊があるかもしれないけれど『アニメだからこそ』の表現、あるいは『アニメとして表現するからこそ』の全力の想像力と創造力、創意工夫で表現されていたように感じられて、心底、感動したし、心底、驚かされた。
『まさか!こんな!期待していた以上の、いや、もう期待なんて軽々と吹き飛ばされてしまったよ!と爽快感すら抱くほどのものが見られるなんて!あぁぁあぁぁあぁぁ!ありがとうございます!』と、もうほんと、感動したの!
これを見てからの、1話のアニオリ。津軽と猫ちゃんのお話ですね。これを思い出すとと、もうこのアニオリのお話が効いてくること、効いてくること。
そこでまたも私は『ほへ~・・・ほへ~・・・もう凄すぎて意味がわかんないよね~』ともはやお手上げ状態なのでした。
ありがとうございました(土下座)
『四度あることはゴダール』の台詞もしっかり登場していて。
もうほんと、完璧、マーベラス、パーフェクト。
はい。もうなんかほんと。
ほんとにありがとうと言う言葉しか出てこない。そんなお話でした。
結局、この記事を書くまでに4話のBパートって言うんですかね。津軽とラウールのバトルシーンからラストまでのところは、10回くらい、見ちゃいました。ふひひ。
津軽の口上に合わせてリズムをとるのが最高に楽しいです。
ちなみに原作ではこの次には『人造人間編』が続いていたのですが・・・こちらは、既に一行の中にヴィクターの姿があったのでカットと言うことで。
このお話も『怪物に自我が芽生えることの悲劇』みたいなものを描いていてめちゃくちゃ面白いので、是非皆さん、原作読んで下さい!
少し残念ではありますが、まぁ、仕方ないか。ただこのお話の終盤で描かれていた内容が、アニメでは1話で描かれていたわけで、このあたり、構成としてもとても無理のないそれがとられていて、こちらもただただ感謝するしかないのであります。
てなことで原作を1巻しか読んでいない私にとっても、ここから先、アニメで繰り広げられるのは知らないお話ばかり。
うへへ。めっちゃ楽しみ。どんな津軽や鴉夜、静句さんたちに出会えるんだろう。
うへへ。本当に楽しみ。
そんなこんなでそんなこんな。
長くなりましたが・・・本当に長くなったね。もはやこれ、通常記事と同じ長さじゃないか。お休みです。明日も休みです。連休です。
今月シフト、唯一の連休です。
明日、危うく休日出勤しなければならない羽目になりそうだったのですが、先月同様、今月もまたギリギリのところでどうにか、私の仕事を終えたことでそれは免れました。
『やっつけ仕事』と言う言葉を、身をもって痛感しています・・・。
・・・いや、だから社員さんを1人、入れて下されば万事解決するんだってば。
私が先月、今月のように『おいおい、私の仕事終わるのかよ。時間もまともにもらえてないのに終わるのかよ。おいおい、おいおいおいおいおいおいおい!』と胃がキリキリするような思いに駆られることもなくなるんだってばよ。
何故に頑なに社員を入れないのか。入れてくれないのか。
そして来月も私は、こんな胃がキリキリするような、焦燥感に駆られるような思いをしなければならないだろうか。
・・・怖。
いつまでこんな状況が続くのだろうかなぁ(遠い目)
そんな具合で『アイドルマスター』18周年記念特番で発表された新ブランド誕生のお話とか、なんかいろいろ書きたかったんですけど。
全部『アンデッドガール・マーダーファルス』の4話にぶっ飛ばされました。
なのでこれらは明日。書けたら明日にします。書けなかったらまた後日。
あと、そうです。
個人的に激熱な木曜深夜のアニメラインナップ。
『わたしの幸せな結婚』と『呪術廻戦』でも、出演されていらっしゃる声優さんの演技に、あるいはアニメとしての表現にぶちのめされました。
なんだろ。もうほんと、日本のアニメって凄い。マジで凄い。
ヤバイ(壊滅的語彙力)
はい。そんなこんなでそんなこんな。
連休中はブログを書きまーす。そして『我儘なまま』のアーカイブ、見まくりまーす。
勉強はどこへ行ったんでしょうかねー(遠い目)
ではでは。
皆さんの、そして私の今日が、今日は、今日も穏やかで良い一日でありますように。
そして。
皆さんの、そして私の明日が、明日は、明日も穏やかで良い一日でありますように。