tsuzuketainekosanの日記

アニメや声優さん、ゲーム、漫画、小説、お仕事とのことなどなど。好きなことを、好き勝手に、好きなように書いていくだけのブログです!ブログ名の『ねこさん』は愛猫の名前だよ!かわいいよ、ねこさん!

『このミステリーがすごい!』を振り返ろう~20周年ベスト・オブ・ベスト

アイマスの合同ライブでシャイニーカラーズが気になったと言う、そこのあなた。

私と同じ、そこのあなた。

悪いことは言わない。土日に開催されたシャニマスの5thライブ。

日曜、昨日のDay2を見るんだ。

見るんだ(見なさい)

Pでもない私は泣いた(泣いた)

泣いたし最後のサプライズってか、ある方の挨拶でまた泣いた。シャニマスのこと、ほとんど知らない人間なのに泣いた。あんなん泣くわ。

あと『Dye the sky』はほんと、これ、凄い曲ですね。この曲を聞いていなかったら、ここまでシャニマスに興味、持っていなかったかもしれない。

それくらいに強い曲。凄い曲。

しかもアニメ化まで発表されたし・・・いや、ほんと。泣くわ。

ただ1日目、期待に胸膨らませて現地参加されたPさん、ファンの方の心情を思うと、ちょっと切なくなったのも確かだ!また感想記事で語るけど。

 

本題です。

このミステリーがすごい!』の歴史を振り返っているシリーズ記事。

無事、1989年から2023年までの振り返りが終了したので、そこからは10周年、20周年、キングオブベストの振り返りを行っています。

前回、3月10日は10周年を記念して98年度版で発表された10周年ベストを振り返りました。で、今回は20周年を記念して開催された20周年ベスト・オブ・ベストを振り返っていきます。こちらは2008年度の『もっとすごい!!このミステリーがすごい!』にて発表されました。2008年度版までの20年間にランクインした作品が、その対象でした。

 

全作品について語ろうかとも思ったのですが、10周年の結果と重なっている作品もあり、また20位までのランキングと言うこともあるので、結果、10周年のベスト・オブ・ベストにランクインしていた作品は、今回は割愛しています。

ではでは、早速まいりましょう。20位からの発表です!いつものごとく、リンク先を見ながら読んで頂くとわかりやすいかと思います。

ja.wikipedia.org

まずは同率で19位にランクインした2作品。1998年版9位にランクインした恩田陸さんの『三月は深き紅の淵を』、そして2002版で堂々1位に輝いた宮部みゆきさんの『模倣犯』でございます!

どちらも読んでない!(読んでないのかい!)、なんなら『模倣犯』とか映画見ていてもよさそうなものなのに、映画すら見てないわ、私!

 

『三月は深き紅の淵を』は、このタイトルがつけられた小説に関する物語とのこと。全四章からなる作品とのことで・・・なんだ趣向の凝らされた作品っぽくて、おおっ、一気に読んでみたくなったぞ。ってか私、恩田さんの作品ってほとんど読んだことがないんですよねぇ。恩田さんも、数々の話題作、人気作を生み出していらっしゃるのに。

模倣犯』は、先にも書いたとおり、映画化もされ、その後、テレビドラマ化もされた宮部さんの代表作のひとつとも言える作品ですね。・・・あら、今、調べてみたら、映画に関しては結構、その評判が芳しくない。原作氏の宮部さんと、映画の監督の対談でも、宮部さんは終始無言だったとのことで・・・そうだったのか・・・。まぁ、あれだけのボリュームの作品を、どれだけ長くても3時間に満たない時間の映画にまとめるってのが、土台、無理な話のような気もします。うむ。

 

続いて17位。こちらも同率で2作品がランクインです。まずは1998年版4位にランクインした京極夏彦さんの『絡新婦の理』、そしてもうひとつは1992年版11位にランクインした綾辻行人さんの『時計館の殺人』です。

どちらも読んでる!そしてどちらもそれぞれのシリーズの中でも、特に好きな、印象深い作品!だからこの並びが、個人的にはもう垂涎でしかないよね!

 

『絡新婦の理』は天上天下唯我独尊、超絶美形の変人探偵、榎木津礼次郎が大暴れする作品です。どんな紹介!勿論、京極堂による謎明かし、その解き明かしも非常に読み応えのある作品で、やっぱり、あの分厚さすら、読み終えた後には『短』と呟いてしまうほどの面白さなんだよなぁ~。

時計館の殺人』は、館シリーズの、えー、5作目ですか。このシリーズもまた、必ず、刊行順に読みましょうね!ネタバレになっちゃうから詳細は差し控えますが、タイトル通りの、この館だからこそのトリックがさく裂している様は、まさに快感の一言。そして勿論、騙される楽しみも堪能できる作品です!でも必ず、刊行順に読んでね!大事なことだから2回、書いたよ!

 

14位は同率3作品です。1997年版1位の馳星周さん『不夜城』、2002年版8位の王城舞太郎さんの『煙か土か食い物』、そして1994年版5位の中島らもさん『ガダラの豚』です。

 

まず『不夜城』、こちらの作品の登場も、また日本のエンタメ小説において大きな衝撃だったように記憶しています。孤独な男と女の、あまりに絶望的なドラマを描いた本作品。ひりつくような筆致、短い一文が銃弾のようにこちらの胸を穿ってくる描写は、登場人物の絶望、悲哀、苦痛、それらを的確に伝えてきて、だからこそ私は、めちゃくちゃ物語の世界に引きずり込まれたのです。好き。

煙か土か食い物』はメフィスト受賞作。だから、と言うわけではないのですが(苦笑)、やはり本作品も、出版された当時は、その内容からキャラクター造形から文体から、要は何から何までが非常に大きな話題になったような気が。読んだことないんですけど、いつか読んでみたい。・・・そう思い続けて、もう何年だ(汗)

同じく『ガダラの豚』も読んだことがないです。あらすじを読んでみたけど、ミステリってより、何でもあり!ごった煮の冒険もの!と言う印象を受けたのですが。漫画にもなっているみたいなので、そちらで読んでみようかなぁ~。

 

13位は1989年版4位にランクインした佐々木譲さんの『エトロフ発緊急電』です。続けて12位は1989年版6位にランクインした風間一輝さんの『男たちは北へ』でした。

どちらも読んでない!(土下座)。いや、でも『エトロフ発緊急電』は、そのタイトルだけは知っていたけれど、風間さんの『男たちは北へ』は、そのタイトルすら初めて目にしたような気がする作品だなぁ。

 

『エトロフ発緊急電』は、第二次世界大戦前夜、日本軍の動向を探るために、単身、日本に潜入した日系アメリカ人のスパイと、それとは知らず、彼と恋に落ちる女性、更には2人を取り巻く様々な人物を描いた物語とのことで・・・あら、これはとても面白そうじゃありませんか。ラブロマンス的な一面ありつつ、しかし緊迫感溢れるスパイものとしての面白みに溢れた作品っぽいなぁ。

『男たちは北へ』は、男たちのロマンを爽やかに描いた、傑作ロード・ノヴェルとのことで。いや、あらすじ読んでも、『やっぱりこの作品、知ったの初めてだわよ』でした。なして今の今まで知らずにいたんだろうか。冒険サスペンス小説ではありますが、爽やかな読後を残すとのことで・・・安心して読めそう。何より『男たちのロマン』って響きが、ロマン好きな私にはたまりませんことよ!

 

そしてランキングはいよいよベスト10に突入です!まずは10位。こちらは同率で2000年版2位に輝いた東野圭吾さんの『白夜行』と、1992年版2位に輝いた大沢在昌さんの『毒猿 新宿鮫Ⅱ』が選出されています。

2000年版の『このミステリーがすごい!』は私、ベスト10の作品、ほとんど読んでいたとかじゃなかったっけか?『白夜行』が2位なら、1位は何だったんだろ、と振り返ってみたら・・・成程。あの作品でしたか。そうだったそうだった。

 

てなことでまずは『白夜行』です。1973年、大阪の廃ビルで起きた質屋殺し。被害者の息子だった少年と、とある容疑者の娘であった少女。この2人の人生を描いたミステリー作品です。映画、ドラマ化もされている作品なので、それでご存じの方も多いかと思われます。が、やっぱり私としては小説で、この物語を味わっていただきたい。徹底的に2人の心理描写は排除されているからこその、様々な感情、光景が胸には浮かんでくるのです。

そしてもう1作は『毒猿 新宿鮫Ⅱ』ですね。人気シリーズ『新宿鮫』の2作品目。シリーズどれも(と言っても、私は全作、読んでいるわけではないのですが)異なる魅力に溢れているのがこのシリーズなのですが、その中でも『毒猿』は、凄腕の殺し屋、毒猿によるアクション。そして彼に心惹かれていく女性との、孤独な者同士による悲しく、熱いラブロマンス。その2つが見事に融合した作品だと言う印象があります。個人的にはシリーズの中でも1位、2位を争うくらいに好きな作品です。

 

続いて9位は、1999年版の1位に輝いた髙村薫さんの『レディ・ジョーカー』です。

髙村さんの作品はですね。単行本と文庫版では、同じタイトルの同じ作品のはずなのに、まったく異なる作品、物語になっていると感じることも少なくない・・・ってか、ほとんどそうなんですよ。で、勿論、この作品もそうでして。

私は圧倒的に文庫版の方が好きです。好きってか、もう最後まで読み終えた時に胸中に広がっていた、何と言いますか。荒野とでも言いますか。ただただ絶望しかないような荒野。その荒野の荒野っぷりが、文庫版の方が圧倒的だったからです。

もうね。言葉が出てこなかった。ただただ『あぁ』と言う言葉しか出てこなかったんです。熱い虚無に満たされた、と言うか。はい。

 

なので未読の方も、単行本と文庫版、両方、読んでね!

マークスの山』『照柿』に続く、刑事・合田雄一郎を主役に据えた初期3部作。その最後を飾っているのが本作品です。昭和22年、ある会社で行われた人員整理。その裏側にあったある事実に気づいた従業員の1人は、会社に意見の手紙を送付した。時が流れて平成2年、とある歯科医の息子の事故死が、日本中を揺るがす大事件の始まりを告げる、と言う物語です。

もうね。めちゃくちゃ面白かった。面白くて、面白くて、面白くて、その挙句が、熱に浮かされたかのような虚無。荒野。絶望的な荒野って、これもう、最高でしょ。

マークスの山』から続く、合田とその元・義兄である検察官の加納。2人の、もう辛気臭いことこの上ない、だからこそ隠微でどうしようもない関係も、今作で一応の結末を迎えますが・・・これはもはや『とどめ』と言ってもいいのではないかしら・・・。

 

8位と7位、まいりましょうか。まず8位にランクインしたのは、1993年版3位にランクインした有栖川有栖さんの『双頭の悪魔』でした。そして7位は1989年版2位にランクインした北村薫さんの『空飛ぶ馬』でございました!

てなことで7位にランクインした北村さんの『空飛ぶ馬』は、10周年のベスト・オブ・ベストでも7位にランクインしていましたので、今回は割愛です。

 

と言うことで『双頭の悪魔』ですね。こちらは英都大学推理小説研究会のメンバーたちが事件に遭遇。その謎を解明していく学生アリスシリーズの3作目にあたる作品です。

今回はその推理小説研究会のメンバーが、架け橋の崩壊と土砂崩れにより二手に分断されてしまう、と言う状況設定。仲間たちと連絡を取ることはおろか、外の状況を知ることもままならないと言う中、双方が閉じ込められている村で殺人事件が発生。圧倒的に絶望的な状況の中、推理小説研究会のメンバーは、その事件の謎を推理していくのだが、と言うお話です。

 

このシリーズでは作中に『読者への挑戦』が挟まれるのがお約束なのですが、本作品ではそれが3度も挿入されています。なので読み手としては『おのれ!絶対にこの謎、解いてやるぞ!』と躍起になること必至です(笑)

作家アリスシリーズとは異なり、学生時代のアリスたちが主人公だからこその、にぎやかさであったり、青臭さであったり。また分断を余儀なくされてしまった中で、それでも知恵を振り絞って推理を進めていくアリスたちの姿、その真摯さ。そうした点も魅力的な本作品ですが、やはり、やはり、圧巻は『それ以外の可能性がどうしても浮かばない。それが最も可能性としては高く、また理由としても頷ける。こんちくしょう!』とぐうの音をあげざるを得ない、論理的推理の展開、その美しさでしょう。

そして頼りになる部長にして、本シリーズで探偵役を務める江上二郎の、その姿。探偵としての、圧倒的な頭脳の在り方。そこにもただただ『ほぅ』と言う、感嘆しか出てこないのですよ。

作家アリスシリーズは、ここ数年、割とコンスタントに新作が出ている、ありがたいな、と言う印象なのですが。学生アリスシリーズは、どうなんでしょうかね?長編5作、短編2作で終わる予定、と言うお話らしいですから、長編が出ても短編が出ても、その時点で『残りは1作!』になるんですよねぇ。ドキドキ。

 

続いて6位です。6位は1992年版3位に輝いた稲見一良さんの『ダック・コール』です。そして5位には1991年版1位に輝いた大沢在昌さん『新宿鮫』が選出されています。こちらの作品はいずれも、10周年のベスト・オブ・ベストにて3位と9位にランクインしていますので、今回は割愛です。

でもどちらも、本当に面白い、『小説って、物語って、本当に凄いよなぁ~。面白いよなぁ~』と言う気持ちにさせられること必至なので、未読の方はぜひ読まれてみて下さいね。

 

3位は同率で2作品がランクイン。まずは京極夏彦さんの『魍魎の匣』で、こちらは1996年版4位にランクインした作品です。そしてもう1作品は1989年版1位の原尞さんの『私が殺した少女』でした。

10周年のベスト・オブ・ベストでは『魍魎の匣』も『私が殺した少女』も同率で4位にランクインしていました。おおっ、10年前も仲良く、同率ランクインだったのか!なので割愛させていただきます。

どちらも今なお、続く人気シリーズ。ただ『魍魎の匣』がその1作である京極堂シリーズの長編は、果たしてこの先、刊行されることはあるのだろうかなぁ・・・。『魍魎の匣』は『犯罪と動機の関係』みたいなものが、結構、穿つように描かれていた印象で、それは今でも、ニュースなどで色んな事件を耳目にするたび、思い起こされます。

 

そしてやってまいりました!20周年のベスト・オブ・ベスト、トップ2!

10周年のベスト・オブ・ベストでは2位が宮部みゆきさんの『火車』、堂々、トップに輝いたのが山口雅也さんの『生ける屍の死』でございましたが・・・それから10年の時を経て、20周年のトップ・オブ・トップに選出されたのは宮部さんの『火車』!山口さんの『生ける屍の死』は2位と言う結果でございました!

 

いや、でもこれはあれだろうな。10周年のベスト・オブ・ベストから20周年のベスト・オブ・ベストが実施されるまでの間で、『火車』の題材である消費者金融からの借金問題やカード破産、多重債務と言う社会問題がより広がりを見せていった、より深刻化していったと言う時代背景があったからこそだろうな。

ウィキペディア消費者金融についてちょろっと調べてみたけれど、ほんと、90年代後半から2000年代前半にかけての、この消費者金融業者の飛躍、そこに伴う指導や規制の在り方、そして返済を苦に自殺する人の増加などは、語弊ある言い方かもしれませんが凄まじいものを感じさせるもんなぁ・・・。

今もそうだけれど、当時、放送されていた消費者金融のCMって、何と言うか本当に『イケイケどんどん!借りちゃえ、わいわい!』みたいなノリで(どんなノリ?)、『お金を借りる』ことにつきまとっているはずの後ろめたさみたいなもの、また『お金を借りた際には金利が発生する』と言う事実を感じさせないようなテンションのものが多かった気がするしなぁ。

そうした社会問題を予見、先取りし、エンタメ小説として見事に描いてみせた、その功績が20周年のベスト・オブ・ベストでトップに選出された理由のひとつなんだろうなぁ、と勝手に推測しております。

 

いや、でもこんなふうに紹介してしまうと『なんか難しそう』と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、全然、そんなことはありません!

宮部さんの作品は、とにかく読みやすい!どんな難しいテーマも、とてもわかりやすく、かみ砕いて、それでいて自然に物語の中で説明されている作品が多いです。そしてそれが、物語とうまく融合しながら、謎が謎を呼ぶ、それでも少しずつ謎が明らかにされていく、と言うドキドキを味わうことができるのが本作品なので、まだ読まれた方がない方は、是非ともこの不朽の名作、読まれてみて下さい!

 

そして2位に輝いた『生ける屍の死』も。こちらも、もうブログで幾度なく語ってきている作品ですね。

死んだ者が生き返る、そんな特殊設定の下で繰り広げられる連続殺人。自らも生ける屍となった探偵役の青年が暴く真実とは。

とにかくめちゃくちゃ面白いです。パンクでポップで、けれどラストには、どうしようもない哀切、美しさすら感じさせる余韻が胸を覆う、そんな作品です。

 

はい。と言うことで以上、20周年ベスト・オブ・ベストの振り返りでございました!

10周年、20周年、共に『火車』と『生ける屍の死』の殴り合い!と言う結果だったわけですが・・・次の記事で振り返る予定なのは、2019年版で発表された30周年を記念して開催されたキング・オブ・キングスです。

このミステリーがすごい!』30年の歴史の中。数多の傑作の中から『王の中の王』に選出された作品は、果たしてどの作品なのか。

火車』か、『生ける屍の死』か。それとも、別の作品なのか。ベスト10にランクインした作品の入れ替わりも含めて、今から振り返りが楽しみですね。ふふふ。

 

ではでは。本日の記事はここまでです。

読んで下さりありがとうございました!