超絶久し振りに日曜日の出勤です!
せいぜい時給100円アップを堪能してこようと思います(笑)
でもそのお陰で今日から4連勤です。
『4連勤になるけど日曜日も出勤させてやる』か『日曜日出勤はないけど4連勤もない』、どちらかを選べと言われたら、後者即決です。
4連勤は嫌じゃ・・・。
はい。と言うことでタイトル通り、1日遅れましたが読書感想文です。
あれです。今月22日、角川文庫から澤村御影さんの准教授・高槻彰良の推察シリーズの新作と澤村伊智さんの比嘉姉妹シリーズ新刊が発売されるんですよね。
W澤村!そしてどっちも好きなシリーズだから、めちゃくちゃ嬉しい!
ってか高槻彰良の推察シリーズの方、明らかに刊行ペース、早くなってますよね?そして比嘉姉妹シリーズも、え?去年の秋くらいに、確か新作の長編が刊行されたはずですよね?そこからわずか半年たたず、連載されていた作品をまとめたものとはいえ、新作が読めるとは・・・泣く。ありがたい。
てなことで本日、お送りするのは『プロジェクト・インソムニア』でこざいます。
また話が横道にそれます。申し訳ない。
『プロジェクト・インソムニア』って、どうですか?カタカナではありますが、私は、このタイトルを見た時『あぁ、大体、内容が推測できるような、そんなタイトルだな』と感じたのであります。
当たり前ですが、作品のタイトルと言うのは非常に重要です。
で、ですね。
最近、増田忠則さんの作品が文庫化されたんです。
単行本時のタイトルは『三つの悪夢と階段室の女王』と言うタイトルだったんです。
どうです?このタイトル。なんだか作品の内容が推測できるような、でも『うーん、ちょっと意味も分からないなぁ』と言う感じもある。読む前から、読者の想像をかきたてる、挑発するようなタイトルだと思いませんか?
あと語感の良さもあって、めちゃくちゃ素敵。私は初めて見た時から、意味もなくこのタイトルを口にしていたものです。そしてこの作品を読まれた方ならおわかりいただけると思うんですけれど、このタイトル、この作品を見事に表しているんです。ええ。
なのに!
なのに!
文庫化にあたってはタイトルが変更されましてね。
その名もずばり『悪意』ってタイトルに変更されているんです!
そりゃ『悪意』のお話ですけれど!
なんか、それを知った時、思わず『えー』とげんなりしてしまったと言うお話でした。
はい。そんなこんなで本題です。
『プロジェクト・インソムニア』の感想です。
こちらの著者は結城真一郎さん。結城さんと言えば去年、刊行された『#真相をお話します』がスマッシュヒット。年末の各種ミステリーランキングにもランクインするなど、注目を集められた作家さんでございます。
デビューが2018年、先に挙げた『#真相をお話します』は4作品目と言うことで、これからの飛躍がますます期待されている結城さんですが・・・今、作家を志した経緯を知って、思わず『おおっ!それ読ませて!』と思ってしまいました。
ふふ。
で、今作はデビュー作に次ぐ作品です。
『インソムニア』とは、ご存じの方も多いかとは思いますが、不眠症を意味する言葉です。そうか。春アニメには『君は放課後インソムニア』と言う作品が放送される予定ですね。楽しみ。
・・・今日の読書感想文、脱線し過ぎじゃないか(汗)
すいません。
はい。
と言うわけで、この物語の主人公である蝶野は睡眠障害を抱えています。そしてそのせいで失職してしまい、失意の日々を送っていました。そんな彼が参加することになったのが、極秘人体実験『プロジェクト・インソムニア』です。実験の内容は、極小のチップを脳内に埋めこみ、夢の世界『ユメトピア』を90日間、他の実験参加者たちと共有すると言う内容です。
『ユメトピア』の世界は、現実では決して叶えられないような願望、欲望も自在に具現化できると言う、まさに理想郷とも呼ぶべき世界でした。ところがその理想郷は、ある事件の発生を機に悪夢へと一変する、と言うのが本作品のあらすじです。
てなことで感想です。
えー、正直なところを書いていきましょうか。
最後まで読んだ。読んだけれど、すいません、私にはもう途中からちんぷんかんぷんでした。ちんぷんかんぷん。
ネタバレにならない程度にご紹介いたしますと。この作品では『プロジェクト・インソムニア』に参加した人が『ユメトピア』の中でも殺害される、そして現実でも殺害されていると言う状況が発生します。その犯人は誰か、動機は何かと言うのが今作品の謎になるわけなのですが。
『ユメトピア』での殺人に関する設定?みたいなものが、非常に詳細に作られているんですね。はい。で、その詳細な設定が、じゃあ、現実社会ではどうだった、みたいな感じで現実社会にも反映されていくんですけれど。
もー、読んでて私はちんぷんかんぷんでした。
ってか、私のように勢いに任せるがまま、『面白い、面白い、ひい~!たまらん!面白過ぎてページをめくる指が止められん!』と怒涛の勢いで読むタイプの人間には、この設定の細かさは、逆効果だったな、と。
勿論、理解しようと読んで、理解はした。理解はしたんですけれど『違う!私が読みたいのは、私を押し流してくれるような、たとえ若干、設定に難があっても、それすら気にならないような勢いがあるミステリーなんだよ!』と言う気持ちがふつふつとこみあげてきてしまいまして。
はい。
結局、最後まで読んだけれど、作品のことをちゃんと理解したのか、と問われると、非常に怪しいところなのです・・・うぅ・・・。
犯人と動機はわかりましたけれど。あと、何と言うか犯人のトリックも。その辺りは理解しているけれど、理解しているつもりだけかもしれないし、そこから深く突っ込まれるとたじろぐと言う始末。
申し訳ない(土下座)
だめな読者で、本当に申し訳ない!(再度、土下座)
はい。そんなわけなんですけれど。
逆を言いますと、本作品。
極秘人体実験『プロジェクト・インソムニア』、その中で被験者たちが共有している『ユメトピア』の世界観や設定、非常に細かに作りこまれています。
なので特殊設定の中で繰り広げられるミステリが好きな方にとっては、非常に楽しめる作品だと思います。
また、ですね。
個人的にミステリの部分に関しては、正直、しっかり理解できなかった部分もあるのですが、それを踏まえても物語としてはめちゃくちゃ読み応えがあり面白かったです!
現実社会においては、非常に苦しい状況に置かれている被験者たち。だからこそ『ユメトピア』で彼ら、彼女らが感じる解放感はめちゃくちゃ伝わってきましたし、『あぁ、これは確かに楽しそうだ』と、そこに憧れすら抱いたほどです。
だけどだからこそ、じょじょに露にされていく、その解放感の裏側にある欲望。その禍々しいと言っても差し支えないほどの欲望。それもが叶えられてしまう『ユメトピア』の危うさ、あるいはそんな欲望を抱いてしまう人間の危うさも描かれているからこそ、ものすごく物語に深みが出ていたように思います。
なんだろ。
『どこまで行っても人間は』と暗澹たる思いに駆られるんです。その人間の禍々しい欲望、あるいは暴走した欲望が、今回の事件には深く関係している部分もあるので。
でも同時、物語の終盤には『それでも人間は』と少しの救いと言うか、光明を感じさせる、ある登場人物の姿も描かれていて。
こうした部分も、とても読みごたえがありました。
あとはですね。
『現実』と『夢』の境界線の淡さ。それについても考えさせられたなぁ。
『ユメトピア』で時を過ごす被験者たちにとって、重要な役割を果たしているのが『胡蝶』と呼ばれる存在です。
『胡蝶』と言えば『胡蝶の夢』ですが、ほんと、物語を読んでいる途中、シーンによっては主人公同様『はっ!これは『現実』なのか『夢』なのか、どちらなんだ!?』と、その判別がつかなくなり、焦燥感に駆られる時もあって。
ね。
だって、わかんないじゃないですか。
もしかしたら私が『現実』だと信じて疑っていない『今、この瞬間』も。
あるいは『今の今までの私が生きてきた時間』も。
もしかしたら、誰かが眠りの中で見ている『夢』かもしれない。
その可能性は、完全に否定できるものではないわけで。
なんかそう言うことを考えると、ぽーん、と宇宙空間に投げ出されたような気すらして、怖くなり、やがてわけがわからなくなりました。
哲学。
『現実』と『ユメトピア』、2つの世界で生きる実験の参加者たち。
凄惨な事件に見舞われた末に、生き残った人が選ぶのは、どちらの世界なのか。
その選択には、個人的には先程も書いた通り、人としての微かな光明を感じたのですが・・・その後のエピソードが。
ふふ。
はい。そんな具合で本日は結城真一郎さんの『プロジェクト・インソムニア』の感想をお送りいたしました。
正しく設定などを理解しないまま読み進めていったので、その辺りは本当に申し訳ない限りです。が、再三ではありますが物語としてはとても読み応えのある、特殊設定ミステリーだと思いますので、よろしければお手に取られてみて下さいね~。
てなことで、次回の読書感想文は21日ですね。
引き続き、よろしければお付き合い下さい。
ではでは。本日の記事はここまでです。
読んで下さりありがとうございました!