tsuzuketainekosanの日記

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『このミステリーがすごい!』を振り返ろう~2001年

はーい。

そんなこんなでとっても順調な『このミステリーがすごい!』を振り返る、この記事でございますよ。

今回は2001年でございます。今年の年末に2022年度の結果が発表されるわけで、残りとしては現状、あと21回ですか。

・・・順調だと思ってたけど、このペースだと、ちょっと間に合わないのか。

どうしたものか(今更、気が付く)

 

てなことで、恒例、その年に何があったのかの振り返りです。

2001年、調べてみたら・・・あぁ。これはとても衝撃的、かつ本当に痛ましい事件だったなぁ、池田小での事件が発生したのが、この年の6月でした。

私はこの日、大学の午後からの授業をさぼったんですわ。ええ。で、駅構内にいる時に、何かでこの事件の速報を耳か目にして。

なんかもう、その一報を耳目にした瞬間ですら、ものすっごい絶望的な気分に駆られたたのを、今でもはっきりと思い出せるのですが・・・。

何と言うか、もう、いろんな意味で衝撃的な事件でしたよね。うん。

本当に心から、改めて、犠牲になってしまった方々の冥福を祈るばかりです。

こんな事件、二度と起きてはならない。

でも悲しいことに、そして恐ろしいことに、いわゆる『無敵の人』による無差別な事件と言うのは、頻発していますよねぇ・・・なんとかならんものか・・・。

 

あとはアメリ同時多発テロが発生したのも、この年ですか。

このテロによって、それまでの世界情勢が一変したよなぁ。そしてそれが、その影響が、結局は今もなお続いていると思うと・・・ねぇ~・・・なんかもう、言葉を失うわ。巨大な摩天楼に飛行機が次々と突っ込んでいく様、当時はテレビ中継で見ていたわけだけど、ほんと、最初は『これ映画か何か?』としか思えなかったもん。

 

何かと暗いニュースが多かった、そんなイメージの強いこの年ですが、その年末にお生まれになったのが、愛子様です。

今年、成人を迎えられた愛子様は様々な思いを会見で口にされていらっしゃいましたが・・・いや、ほんと、何とまぁ、素敵で聡明なお嬢様に成長されましたことよ。

癒しや・・・もはや国民の癒しや(こら)

 

はい。てなことで、振り返りはこの辺りにしておきまして。

2001年の『このミステリーがすごい!』のベスト10ランクイン作品を見てまいりましょう。例によってリンクを貼っておくので、こちらもご確認くださいね。

ja.wikipedia.org

前回の2000年のベスト10作品は、全制覇と言う結果でしたが。

2001年に関しては、ベスト10の内、2冊、読んでいたと言う結果でございました。なので今回は、その3作品について、やんややんやと語ってまいります。

 

この年のベスト1に輝いたのは、泡坂妻夫さんの『奇術探偵曾我佳城全集』でございました。若くして引退した美貌のマジシャン、曾我佳城が数々の事件の謎を解明していく、と言うシリーズ作品とのこと。

泡坂さんご自身も作家であると同時、マジシャンと言う一面も持っておられたからこその作品でもありますね。私はまだ読んだことがないので、いつかは読んでみたいです!

 

てなことで、私が読んだことがあるのは・・・まずは10位にランクインした福井晴敏さんの『川の深さは』です。それから4位、井上夢人さんの『オルファクトグラム』以上の2冊でございます。

 

ではでは早速、まずは10位の『川の深さは』からまいりましょう。『Tweleve Y.O.』で乱歩賞を受賞しデビュー、その後『亡国のイージス』で大ブレイクを果たされた福井さんですが、実はこの『川の深さは』こそが、最初に乱歩賞に応募された作品なのです。選考委員からは高い評価を得たものの、この年、乱歩賞を受賞されたのは野沢尚さんの『破線のマリス』でした。

と言うわけで、かどうかはわかりませんが、この作品、後の『Tweleve Y.O.』や『亡国のイージス』につながるような設定や物語の流れが含まれています。なので、まだ『Televe Y.O.』か『亡国のイージス』を読んだことがないと言う方は、この『川の深さは』から読んで頂くと、また違った面白みを味わうことができるかもしれません。

 

『彼女を守る。それがおれの任務だ』元警官の桃山は、ある日、そう言う傷だらけの少年をかくまうことになった。ある事件をきっかけに刑事を辞し、現在は怠惰な日々を送っていた桃山は、少年との出会いをきっかけに、日本と言う国が抱えている暗部を、否応なく知ることになる。

しかしその中にあってなお、守ると決めた少女を守るため、孤独な戦いに身を投じている少年ー増村保の姿に、いつしか桃山は失っていたはずの熱いものを取り戻していく、と言うのが、本作の簡単なあらすじです。

 

組織と個人。規律と情。国と個。そうしたものの対立から生まれる、熱く、切ない人間ドラマ。そして繰り広げられる情報戦が生み出す緊迫感。乱歩賞受賞を逃した作品ではありますが、成程、それらの面白みは選考委員から高評価を得たと言うのも、十分すぎるくらいに頷けるほどです。

『Tweleve Y.O.』や『亡国イージス』を面白く読んだ!と言う方であれば、こちらの作品も十分に楽しんで読めることと思います。

その上で今作品ならではの魅力を挙げるとすれば、やはり福井さんの幻のデビュー作と言うこともあってか、とにかく瑞々しい荒々しさ、愚直なまでの真摯さに満ちている。登場人物を通してそれらが痛々しいくらいに、胸を貫くように伝わってきて『おまえはどうだ?おまえはどうだ?』と問われているような気持ちがする、と言うところかと。

『おまえはどうだ?恥じない生き方ができているか?』と。そしてこの問いは、本作品以降の福井作品に共通する、登場人物からの問いかけのように感じます。

そして何よりこの作品、ラストだったと思うんですが、桃山さんが保たちのことを思いながら語りかける言葉が、個人的にはめちゃくちゃ泣けたんだよなぁ~。

とても素敵な、とても温かな言葉なんですよ。うん。なんてか、こんなことを自分より年下の人間に対して語りかけられる大人になりたい、と読了した時は強く思っていたんですけどね。

ね(遠い目)

 

次、行こう、次(現実逃避)

はい。お次は4位にランクインした『オルファクトグラム』です。こちらは井上夢人さんの作品です。井上夢人さんは、徳山諄一さんとコンビを組み『岡嶋二人』の名で活躍。『焦茶色のパステル』や『クラインの壺』と言った数々の名作ミステリを生み出してこられました。その後、『岡嶋二人』は解散となり、井上さんは井上夢人として再デビューされたと言う経緯があります。

 

姉を何者かに殺害された主人公の片桐は、その現場で犯人から襲撃を受けます。その後遺症で片桐は、通常の『嗅覚』を失ってしまい、代わりに犬並みの『嗅覚』を得ることに。

人間の時には決して気が付くことすらなかった様々な匂い。それらが鮮明に『見える』世界に戸惑う片桐は、しかし姉を殺害した犯人を突き止めるべく奮闘する、と言うのが本作品の簡単なあらすじです。

 

いや、これはですね、本当に新感覚ミステリでした。いや、ミステリと言うくくりで縛ってしまうのはもったいないくらいの、新感覚。匂いが『見える』と言うその設定には心底、驚かされたし、その描写が本当に、時にはっとするくらいの美しさだったり、ぐっ、と引きたくなるほどの迫力に満ちていたりで、もうそうした『匂いが視覚化されている状態』の描写だけでもめちゃくちゃ楽しめる、魅力ある、そんな作品だと思います。はい。これは当時、本当に驚かされたなぁ。

あと本作品、ラストがめちゃくちゃ印象に残っています。この記事を書くにあたって『多分、ラストはこうだったよね』と思い調べてみたら、やっぱりそうだった。それくらい個人的には印象深いラストだったんですよね。

 

ネタバレになるので詳細は控えますが・・・ある種の異能、それを手にしてしまった片桐が得たものと失ったもの。それを天秤にかけた時、どちらに傾くのか。多分、きっと後者の方に傾いてしまうのではないか、そんなやるせなさ、切なさがあるんです。うん。でも、それでも、絶対に失わない、失われないものも、そこには存在している。それがこの先、ずっと、ずっと片桐を支えていく。

その温かさもまた切なくて、でもそれは、なんだか泣きたくなるような、本当に胸が満たされていくような切なさで。

なかなか言葉にしがたい感情が溢れたラストは、ほんと、今思い出しても泣きそうになるんですよね。うん。

新感覚の要素あり、だけど人と人との間に生まれる普遍的なものも描かれている、人間ドラマの部分も非常に読み応えのある、そんな作品でございます。

 

はい。と言うことで以上2冊を振り返ってまいりましたが・・・。

うーん、あれ?

2位の横山秀夫さん『動機』と3位の逢坂剛さんの『禿鷹の夜』、私、読んでなかったっけか?

てなことで読書感想文の記録を確認してみたのですが・・・記録としては残ってない。と言うことは読んでいないのか。

 

うーん。でもなんか読んだ記憶があるんだけどなぁ。

『動機』はこれ、テレビドラマで見たのを、本を読んだのと勘違いしているのかな。そして『禿鷹の夜』は、読書感想文見たら、いきなりシリーズ3冊目から読んでいたみたいですね。

思い切ったことしたなぁ(苦笑)

 

はい。ちなみにシリーズ3冊目から読んだあれで申し訳ないですが『禿鷹の夜』、面白かったですよ。

主人公がもう、悪徳すぎるくらいの悪徳警官、弱きをくじきヤクザにたかる、とんでもない警官なのですが、そのやりたい放題っぷりがもう笑っちゃうくらいと言いますか。

あと何と言うか、昭和の色気みたいなものがムンムンでした。ふふ。

 

てなことで。

今回は2001年の『このミステリーがすごい!』を振り返ってまいりました。

次回は2002年ですね。2002年のベスト10のランキングは、何と言っても同票数で8位にランクインした2冊の作品の、ある意味での両極端っぷりが話題になったような気が。

詳細はまた次回に、と言うことで、引き続きお付き合いいただけると嬉しいです。

 

ではでは。本日の記事はここまでです。

読んで下さりありがとうございました!