tsuzuketainekosanの日記

アニメや声優さん、ゲーム、漫画、小説、お仕事とのことなどなど。好きなことを、好き勝手に、好きなように書いていくだけのブログです!ブログ名の『ねこさん』は愛猫の名前だよ!かわいいよ、ねこさん!

『このミステリーがすごい!』を振り返ろう~1991年

うへえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!

今日から4連勤!

うへえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!

 

・・・げんなりげんげん。

 

てなことで『このミス』の歴史を振り返る記事でございます。

前回1989年の記事でも書きましたが、1990年と言うのは、『このミス』においては存在せず、永久欠番扱いとなっています。

なので今回は1991年でございます。

 

1991年。ソビエト連邦の崩壊ですって。成程・・・と言うか、なんかもー、こっと、1991年の雰囲気を肌で感じられるような、そんな出来事とかはないのか、と思いましていろいろ調べてみたら。

1991年なんですって、ジュリアナ東京がオープンしたのって!

 

ジュリアナ東京!懐かしい!と言うか、今でもそこで繰り広げられていたお姉さん、お兄さん方の狂乱っぷりは、はっきりと記憶に焼き付いていますことよ!


www.youtube.com

全部、視聴しなくても良い・・・ただ『ジュリアナ東京?なんだそれ?』となった方は、是非ともこの動画を少しでも見て欲しい・・・。

日本で、こんなことが夜な夜な行われていた時期が、確かにあったんだぜ・・・。

なんだろう・・・当時もよくわかんなかったけど、今、改めて振り返ってみても、ちょっとよくわかんないですよね。

わかんないけど、なんかエネルギーが爆発してて誰にも迷惑かけてないわけだし(笑)、これはこれで元気があっていいなぁ、と思います。

 

はい。そんな1991年の『このミス』はどんな作品がランクインして、どの作品がトップに輝いたのか。私が読んだ作品のみにはなりますが、早速、振り返っていきましょう。

てなことで、こちらのリンクから1991年のページを見て、記事を読んで頂けるわかりやすいかと。

ja.wikipedia.org

と言うことで1991年の『このミス』で1位に輝いたのは、大沢在昌さんの『新宿鮫』でございました!この年だったのですね。私は遅れての読者なので、歴史あるシリーズであることは知っていたのですが、そうかそうか、90年代に入ってすぐのシリーズ開始だったのかぁ、と今更ながらの驚きです。

その他、ランクインした作品で私が読んでいるのは・・・7位、綾辻行人さんの『霧越邸殺人事件』、9位の宮部みゆきさんの『魔術はささやく』ですね。あと10位の島田荘司さん『暗闇坂の人喰いの木』も・・・読んだような気がするだけど・・・なんか分厚さに負けて、美味しいところだけ盗み食いするような、非常にダメな読み方をした記憶があるので(汗)、割愛させていただきます。すいません(土下座)

 

てなことで、まずは1位の大沢さんの『新宿鮫』です。現在までにシリーズ11作品が刊行されている、ご長寿シリーズの記念すべき1作品目が堂々のトップと言うことで。

いやー、そうか。先ほども書きましたが、改めて振り返ってみると、こんな歴史の長いシリーズだったのかぁ、と驚きです。日本のエンタメ、ミステリ界におけるハードボイルド作品として、とても強いインパクトを残した、歴史に刻まれるような作品なのではないかな、と個人的には思います。

私が読んだのは2010年代に入ってからだと思うのですが、当時、1990年代にこの作品が登場したことを、あの時代、先ほどのジュリアナ東京などがオープンした、あの時代にこの作品が登場したことを考えると、『時代』を色濃く閉じ込めた、しかし『時代』が変わっても変わらない魅力を堪能できる、そんな作品でもあるなぁ、と。

 

てかそうなんだよな。シリーズ通して、その当時の『時代』を感じるんですよね。うん。街の様子、捜査の方法、登場する道具、更には事件そのものの質とか個性とか。そう言ったものの変化が、シリーズ通して如実に感じられるのも、面白いところです。

 

シリーズを通しての主人公は、本作のタイトルでもある『新宿鮫』、その異名で恐れられている新宿署の刑事、鮫島です。警察内部の抗争に巻き込まれた結果、ひとり、捜査を行う鮫島が、本作では続発する警察官射殺事件の謎を追いかける、と言うストーリーです。鮫島が目を付けたのは、銃密造の天才、木津の存在。果たして鮫島が行きついた事件の真相とは・・・と言うのが、本作のあらすじです。

 

そして各シリーズ作品、様々な事件が発生し、鮫島がそれを捜査したり、あるいは巻き込まれていくと言うのが『新宿鮫』シリーズの、実に簡単な紹介なのですが・・・。

まぁー、その事件とか、作品そのものの雰囲気とか。そう言ったものにめちゃくちゃ趣向が凝らされているのも、このシリーズの大きな魅力だと思います。なので勿論、シリーズ通して読んで頂いた方が面白いのは確かだし、そうでなければ時系列的にわかりにくい部分とかも出てくるんですけど。でも、それでも、単独作品として読んで頂いてもめちゃくちゃ楽しめるし、こー、ある意味で『私はこの作品がいちばん好き!』と言う読者の好みがわかれる、そんな作品によって形成されたシリーズだとも思います。

 

で、1作品目の感想ですが。語弊のある言い方ではありますが、2010年代に初めて本作を読んだ私にとっては、目新しさのようなものは感じられませんでした。当然ですわな。手に取ったハードボイルド小説、この作品が初めてではなかったわけですし。

ただだからこそ、ハードボイルドど真ん中、ストレートな、お約束通りのハードボイルド小説である魅力、鮫島や他のキャラクターが醸し出す渋さ、抑えた筆致で紡がれる物語の世界観、そしてとにかく先が気になって仕方のない事件の謎、そう言ったものはめちゃくちゃ感じられて面白かった、と言う印象です。

1991年、発表された当時にこの作品を読まれた方は、そりゃ衝撃も凄かっただろうなぁ・・・羨ましいなぁ・・・。

 

はて。と言うことでお次は綾辻さんの『霧越邸殺人事件』です。うーん!ミステリ好きにはたまらない、実にシンプル、故にそれだけで面白さが伝わってくるようなタイトルですよね、ドキドキしちゃう(笑)

綾辻さんと言えば、やはり『館』シリーズ!そう思われる方は多いかと思います。かく言う私もそのひとりです。ですが勿論、『館』シリーズ以外にも、綾辻さんが手掛けられてきたシリーズは多数あり、どれも非常に人気がありますよね。しかしこちらの『霧越邸殺人事件』に関しては、シリーズには属していない、単発作品でございます。これはこれで、綾辻さんの作品としては少し珍しいような気が・・・。

 

劇団『暗色天幕』のメンバーは、信州の山深くで猛吹雪に遭遇。危うく遭難しかけますが、その寸前で霧越邸と呼ばれる風変わりな洋館にたどり着きます。同じく猛吹雪に巻き込まれた老医師と共に、メンバーたちは天候の回復を待つことに。

骨とう品などの膨大なコレクションが存在する館には9脚の椅子や、劇団員の1人にそっくりな人物が描かれた肖像画など、まるでこの館に9人の遭難者が来ることを予期していたかのような、そしてその9人の人物を知っているかのような物も揃っていました。

遭難して3日目の朝。温室で劇団員の1人が殺害されているのが発見されます。その死体の様子から見立て殺人だと考えられ、館の主人は劇団員の1人を探偵役に指名し、犯人を見つけ出すよう指示します。しかしその後も奇妙な見立て殺人は続き、と言うのが簡単なあらすじです。

 

霧越邸が舞台。またも『館』が舞台と言うことで、ともすれば『館』シリーズと同じなのでは、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが・・・いやいや、当たり前ですけれど、全然、テイストは異なります!

 

あのですね、この作品。勿論、本格ミステリ作品としての面白さにも満ちている作品なんです。なんてったって見立て殺人ですからね。たまらんですね、ふふ。

そしてそれと同じくらい、この作品を覆いつくしている幻想的な雰囲気、それが『館』シリーズとはまた異なる、この作品だからこその魅力になっているんですよ!

豪雪で覆われた謎多き館。そこで起きる血なまぐさい連続殺人。深まる謎。どこにも幻想的な雰囲気なんてありゃしないのに(ほんとにね!)何故かそこに、儚くも透明な、何かしらの美しさすら感じてしまう・・・この辺りの雰囲気づくり、その描写。ミステリーでありながら同時、ホラー的な美しさをも描き出す筆致は、さすがの綾辻さんです。

 

そしてそして・・・個人的に、犯人の動機。

これがもう、最高に最高。どう考えてもとち狂ってるとしか言いようがないはずなのに、その動機すら、最高に美しいとすら感じてしまったのは、きっと私だけではないはずです。

 

はい。さぁ、そしてラストは9位、宮部さんの『魔術はささやく』ですね。

宮部さんの作品も、ここ数年はとんと読んでいないのですが。初めて手に取った時は『なんて読みやすいのに面白い!』そして『シンプルな文章なのに、ちゃんと味がある!過不足のない描写で、素晴らしくない!?』と衝撃を受けた記憶があります。

なんでしょう、ほんと。作家さんとして、ものすごく文章がうまい作家さんだと思うし、構成力、描写力が、読む人を限定しない、そんな作家さんだとも思います。国民作家さんであるのも、じゅうぶんに頷ける話です。はい。

 

社会面の記事に掲載された、ありふれた事件の記事。マンションの屋上から飛び降り亡くなった人。地下鉄に飛び込み亡くなった人。タクシーの前に飛び出し亡くなった人。3人の死は無関係、何の関連もない、そのはずだった。しかし逮捕されたタクシーの運転手の甥は、知らず知らずの内に、事件の背景にある真相に迫っていた、と言うのが本作のあらすじです。

 

・・・うん。全くお話を覚えていない・・・どういうことなのっ、って自分でも突っ込みたくなるくらいに、どんな話だったか思い出せない・・・えー・・・。ってかあれ?読書感想文の記録を探してみても、出てこないんだが・・・アレ?

 

あれ?もしかして私、本作、読んでない?あれ?(汗)

いや、でも確かに読んだ記憶があるってか、なんか父の本棚に文庫版があるから、拝借して読んだ記憶は確かだと思うんだが・・・あれ・・・読んでない?

読書感想文にも記録がない。そしてまったくどんな話か、微塵も思い出せないと言うことは・・・もしかして読んでない?・・・えーっと・・・これはどうしたらいいものか・・・。

 

てなことで・・・き、急遽、10位にランクインした島田さんの『暗闇坂の人喰いの木』の感想を書こうと思います(汗)

冒頭『おいしいとこどりで、まともな読み方しなかった』みたいなこと書きましたが・・・感想文の記録見ると、結構、ちゃんと書いてるので、自分で思っている以上には、しっかりと読んだのだと思います・・・そう言うことにしておきます(遠い目)

あとやはり思いのほか、お話を覚えているので、やはり思いのほか、ちゃんと読んでいたのではなかろうか・・・大丈夫か、私の記憶力・・・。

 

さらし首の名所だった『暗闇坂』、そこにそそり立つは、樹齢2千年を超える大樹。人を喰い、その血を吸ったが故に、ここまで大きくなったと言われているその大樹は、地元の人から『人喰いの木』として恐れられていた。

暗闇坂』の上には洋館が建っており、そこで1人の男の変死体が発見される。御手洗潔と石岡はその事件の捜査にあたるのだが・・・と言うのが簡単なあらすじです。

 

おどろおどろしい。そんな表現がぴったりくるような、横溝正史的な魅力に満ちた作品です。そしてその中心にあるのが『人喰いの木』。文章で読んでいるだけでも、その有様が容易に想像できる、そしてその大樹が放っている、なにか恐ろしい力が、ぞわぞわと伝わってくるのがたまらない!

現在と過去。ふたつの時間軸で発生した事件の謎を、御手洗と石岡のコンビが追いかけることになるのですが・・・じょじょにその全容が明らかになっていく様が、実にスリリング。そして明かされた真相は・・・うっひやぁー!ですよ。ええ。

 

何でしょ。ネタバレになってしまうかもしれないのですが・・・とある男の欲望と。そしてとある女の執念と、悲しき妄念と。そのふたつがおどろおどろしい物語から、更なる闇深さをもってして浮かび上がってくるようで、たまらんのですわ・・・。でもなんだろう・・・個人的にこういう動機は、嫌いじゃない。特にとある女の執念、妄念、そこから運よく逃れられた、ある女性が選んだ生き方は、今の時代にもいろいろと考えさせられるものがあるんじゃなかろうかなぁ、と。

ミステリとしては少々、無理がある展開かもしれませんが、そんなことは気にならなくなるくらいの、有無を言わせない、人間の欲望、情念、そうしたものの描かれ方が、非常に印象深い作品だったなぁ、と思い返しています。はい。

 

非常に分厚い作品ですが、私の読書感想文の記録を信じる限り『難しいことはなく、とても読みやすかった』『御手洗と石岡の掛け合いが楽しかった』『ミステリーと言うより、推理小説と言った感じで、とにかく面白かった』とあります。

こんな私でもそんな具合だったので、まだ読まれたことがないと言う方も、楽しく読める作品だと思います。はい。

 

と言うことで・・・結局、私は『魔術は囁く』を読んでいたのか否か・・・。

誰か・・・誰か教えて・・・。

 

はい。そんなこんなで今回は1991年の『このミステリーがすごい!』を振り返ってまいりました。

次回は1992年ですね。引き続きお付き合いいただければ嬉しいです。

 

ではでは。本日の記事はここまでです。

読んで下さりありがとうございました!