tsuzuketainekosanの日記

アニメや声優さん、ゲーム、漫画、小説、お仕事とのことなどなど。好きなことを、好き勝手に、好きなように書いていくだけのブログです!ブログ名の『ねこさん』は愛猫の名前だよ!かわいいよ、ねこさん!

休みだけど~1が付く日なので読書感想文を書く日

昨日、テレビで放送されていた、出所者を支援する会社についての番組を見ました。

自分の会社で雇った出所者に対する社長さんの、その気持ちの熱さ、絶対に見放さないと言うその気持ちの強さには頭が下がるような思いがしました。

それと同時、出所してなお、社長さんにここまで支援してもらっていながらもなお、罪をまた犯してしまう、あるいは犯罪の誘惑に負けそうになってしまう出所者の姿も、なかなか衝撃的でした。

特に、クスリを売った大金で豪遊している後輩。その姿を見て、ちまちまと働いている今の自分は、本当に自分が思っている男としてどうなのか。あるいは今の月給では、日々に使えるお金は少ない。ましてこれから家族ができたら、ますます使えるお金は少なくなる。そうした中で簡単に金を稼ぐことができる犯罪に、また心が傾きかけていると赤裸々に語る男性の姿には、呆然としたと言うか、唖然としたと言うか。

いろいろと言いたいことはありますが、いずれにしても私もそうですけど、ほんと、人間って弱いなぁ、と思いました。

 

はーい。てなことで連休も今日で終了です。

そして明日からは4連勤です。

 

今年初。

と言うか、そうか。

先月のシフト4連勤なかったからめっちゃ久しぶりじゃん、と書こうとして、はたと思い出しました。

違う。

先月のシフトは大雪の影響で出勤日が休みになって、代わりに休みが出勤になったんだ。その結果、年末のクソ忙しい時期に4連勤があったんだ。

こんちくしょうめ!(思い出し腹立ち)

 

はい。そんなこんなでとにもかくにも明日から4連勤です。

げんなりげんげん。

でもまぁ、そこを乗り越えたら、またゆるーい感じのシフトが続くので、ぼちぼちやってこようと思います。

ただPMSと重なりそうなので、そこだけは憂鬱。げんなりげんげん。

 

てなことで休みですが31日。末尾に1が付く日なので読書感想文をアップします。

ってか今日で1月、終わりかい。

早。

 

さて、今日、感想文を書くのは『本格王2021』です。

こちらの作品は短編集です。2020年度に発表されたミステリー短編集。その中から、本格ミステリクラブによって選出された7つの作品が収録されています。

 

収録されている7作品は、収録順に以下の通りです。

・笛吹太郎さん『コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎』

・羽生飛鳥さん『弔千手』

・降田天さん『顔』

・澤村伊智さん『笛を吹く家』

柴田勝家さん『すていほぉ~む殺人事件』

・倉井眉介さん『犯人は言った。』

・方丈貴恵さん『アミュレット・ホテル』

 

はい。

 

さて。こうした短編集と言うか、複数の作家さんの、ある程度、同じようなページ数、同じようなテーマで書かれた作品が1冊にまとめられている作品の魅力。それは何と言っても、作家さんごと、作品ごとに異なる魅力を1冊で味わうことができる点にあると思います。

そして非常に身も蓋もない言い方をすれば『この作品はちょっと合わなかったけど、この作家さんのこの作品は、めっちゃ良かったなぁ~』と言うジャッジを、1冊で何度も下せてしまうのも、このような短編集の魅力ではないでしょうか。

 

で、です。

本作に関しても勿論、それは言えることでして。

個人的には見事に『面白かった・印象に残った・読みごたえがあった・この作家さんの他の作品も読んでみたいと思った』作品が3作品、そして『残念ながらいまいちだと私は思った・正直、面白くないと私は思った・私の好みではなかった』作品が4作品と言う結果でございました。

 

そんなわけで今回の記事では、個人的に魅力を感じた3作品のみの感想を書いていこうかと思います。

面白くなかったと思った4作品についても、その理由なんかも書いていこうかと思ったんですけれど・・・なんか、あまりにもそれはそれでネガティブキャンペーンみたいな気がしなくもなかったので、やめておきました。はい。

あくまで、あくまで私は面白くなかった、私の好みではなかったと言うだけの話なので、逆にこの記事で感想が登場していない4作品にも注目して頂けると、私としては嬉しいです。はい。

そして『いや、私はこの作品、めっちゃ好きだけど』と思われたなら、それもまた、読書の醍醐味、読まれる方によってどの作品の、どんなところに、どんな魅力を感じるかと言う醍醐味の表れですからね。はい。

 

てなことで、まず1作品目は・・・羽生さんの『弔千手』です。

こちらは第15回ミステリーズ!新人賞受賞作『屍実盛』を含む歴史ミステリ『蝶として死す』に収録されている作品です。そして本作は『屍実盛』の続編にもあたるとのことですが、こちらの作品単体だけ読んでも、全く問題はありませんでした。

平清盛の異母弟にして、裏切り者でもある平頼盛。彼が自らの一族の生き残りをかけ、混迷極める平安末期を舞台に、様々な事件の謎を解明していく、と言うのが共通のあらすじです。

そして『弔千手』では、源頼朝の長女、大姫にまつわる謎に頼盛が挑みます。

 

いやぁ・・・面白かったです。人が殺されるとか、そう言った類のミステリーではなく、その点で言えば派手さのようなものはありません。ですが大姫の身に起きた怪奇な現象、その裏側にあった様々な人の思い。その機微までもが丁寧に、丁寧に、実に美しく抒情溢れる文章で描かれており、非常に読みごたえがありました。

謎の真相に関しては、正直、バカな私でも序盤で『これはもしや・・・』と気が付けたので、多くの方が感付かれるかと思います。ただそこからの、ある人物の心情の吐露には、鬼気迫るものすら感じました。

 

だからこそ、その思いが、あるいは大姫の思いも、歴史と言う大きな波にさらわれ、弄ばれてしまったことに対しての悲嘆のようなものも感じられ、それがまた、混迷の時代にどうにか生き残ろうとする主人公の姿にも重なっているようで・・・と言う構図も、またお見事だなぁ、と。

ミステリでありながら、しかし同時、あの時代、混迷を極め血なまぐささに満ちていたあの時代にも、確かに、ひとりひとりの人間が生きていた。喜び、悲しみ、どうにもならない思いを嘆き、それでも懸命に生きていた。そんな歴史小説としての魅力もある作品だと思います。いや、これは是非とも『蝶として死す』を読んでみたくなりました。

 

はい。そして2作品目は・・・澤村さんの『笛を吹く家』です!

・・・『比嘉姉妹シリーズが好きだから選んだんだろ!?』と言うツッコミを受けそうな気もするのですが・・・いや、比嘉姉妹シリーズ含め、澤村さんの作品は好きだけど、そうじゃないわ!贔屓目無しで読んだ結果、やっぱり面白かったんだもの!

 

とある親子の物語です。親と子がとある家に魅了され、と言うお話です。これ以上は語りません。ネタバレになっちゃいそうだから。

 

冒頭、澤村さんご自身の談にもありますが、本作品が『ミステリーかどうか』と言うのは、正直、疑わしいところです。個人的にはやはり『ミステリー』と言うよりは『ホラー』だな、と。ただ、そんなこと、正直、どうでもよいのです。

全30ページにも満たない本作品。そのラストの切れ味の鋭さったら、もう最高。またそこで明かされる、ミステリ的な仕掛け、騙しにも、思わずにんまり。『やられたぁ~』と私はただただにやにやするしかありませんでした。

そうか、そう言うことだったのか、と。物語中、確かに伏線は張られていて、こんなぽんこつの私ですら『?』と感じる部分もあったわけですが・・・成程、そう言うことだったか、と。

そうしてその真相を知ってから、改めて物語を読み返してみると・・・またこれ、どうしようもないやるせなさがこみ上げてくるのです。

 

どうか『私』の願いが。

願いが。

 

いや、澤村さんはやっはうまいなぁ~。うまい。

 

そしてラスト3作品目は・・・方丈さんの『アミュレット・ホテル』です。

『時空旅行者の砂時計』『孤島の来訪者』そして新作『名探偵に甘美なる死を』、ミステリ×タイムトラベルと言う異色の組み合わせで話題の、竜泉家の一族シリーズ。こちらで一躍、人気を博している方丈さん。

今作品ではあるホテルで発生した密室殺人の謎に、そのホテルで働く従業員が挑む・・・と言う物語なのですが。

このホテル自体にも大きな秘密がある、と言うのが本作品の肝のひとつです。

 

謎解きの面白さと言うか、謎解きの展開の読み応えと言う点では、個人的には本作品がいちばんでした。『殺人事件が起きる→探偵役がその謎に挑む→謎は解かれる→そして・・・』と言う、ミステリー的な流れ、基本的かつ読者としては最も嬉しい流れを、これ以上ないほどきちんと踏んでいる作品だとも感じたので、そう言う意味では作中、最もミステリーらしいミステリーだな、と私は思いました。

 

このホテルに隠されている秘密。そして殺人事件そのものの謎も解明されて・・・さぁ、そこから、の展開が、個人的にはもうにんまり。

それがまたこのホテルの謎、ホテルの掟、その設定とうまく重なり合っている、その設定を思う存分に生かし切っていると言うのも、お見事なのですよ。ええ。

てなことで方丈さんもまた、竜泉家の一族シリーズ、読んでみたくなったなぁ。前々から気にはなっていたのですがね・・・はよ文庫化されんかいな・・・。

 

はい。と言うことで本日は『本格王2021』の中から、私が面白かった、魅力に感じた3作品の感想を書いてまいりました。

何度も繰り返していますが、こちら、あくまで私の感想ですからね。

残る4作品もそれぞれに異なる魅力がある作品なので、是非とも、本作品を手にとって、あなただけの『これは面白かった!』『うーん、これはあんまりだったなぁ~』と言う判断をしていただければ、と思います。

 

ではでは。

本日の記事はここまでです。読んで下さりありがとうございました!