19日の記事で『ウマ娘』の育成でレースに全然勝てない、事故多発ループに突入しちゃったと書いたと思うんですけど。
あかんわ。やっぱ全然、勝てません。
ジュニア級、デビュー戦後の初戦、新潟ですか?そこですら躓く、目覚まし時計を3回も4回も使う羽目になるって、今までこんな酷いことなかったぜ。
しかもやり直してもやり直しても、同じことが起きる。ジュニア級で目覚まし時計使い切っちゃうとか何事。
ステータスはどのウマ娘より高いのに。それ以外の要素が物を言うと言うのなら、いっそ育成にステータスに『運』を追加してみてはいかがでしょうか!
スキルが物を言うのかもしれないけど、その割に、クラッシック期とかでそこそこスキル習得しているのに勝てないこともあるわけだし。
なんなんだこれ。
・・・呪われてる?(遠い目)
はい。
愚痴終了。そろそろ潮時ってことなのかもしれませんね。はは。
てなことで『このミステリーがすごい!』30年余りの歴史を個人的に振り返っている記事をお送りいたします。
今回は2005年。今から17年前ですね。
なんだ、そうか。もう2005年ですら17年前になるのか。
そりゃそうだもんな。2000年代も、2000年になった当初はすごい騒がれていた記憶があるけれど、気が付きゃもう20年以上、経過してんだもんな。
時の流れの速さよ(ちーん)
そんなこんなで、まずは毎回恒例、その年に何があったのかを見ていきましょうかね。
あぁ・・・福知山での脱線事故が起きたのがこの年でしたか。
いや、これはめちゃくちゃ覚えているなぁ。当時、私はローカルチャンネルで放送されていた朝のバラエティ番組を見ていたのですよ。
で、その番組途中に速報で流れて。最初はそれだけだったんですけど、それから数分したら、夕方のニュース番組でニュースを読まれているキャスターさん?が出て来られて『こう言うことが起こりました。詳細がわかり次第、またお送りいいたします』って言われて。
で、またしばらく番組はそのまま続いていたんだけど、その数分後くらいに『番組途中ですが、ここからは福知山で起きた脱線事故についてのニュースをお送りします』って、番組が終わったんですよね。
そこで私も初めて『あれ・・・これはもしかして、相当、大きな事故になっているんじゃないのか。大変なことになっているんじゃないのか』と胸騒ぎのようものを覚えたのですが・・・。
定時通りに出発して、定時通りに到着する。それは素晴らしいことであり、その裏側にある様々な方たちの努力や苦労を思うと、ただただ頭が下がる思いでいっぱいです。
しかしそれが努力や苦労を超えている、会社として個人に相当な負担を強いている。そのひとつの結果としてこのような大惨事が起きてしまったのは、まさしく本末転倒以外の何物でもありませんよね。
ダイヤを守ることも重要。しかし何よりも重視すべきは、安心、安全に運行すると言うこと。それを決して企業も、そして利用する乗客も忘れてはならないと、改めて思うのであります。
はい。
ではでは、早速、2005年の『このミステリーがすごい!』を見てまいりましょうか。
いつものようにリンクを貼り付けておくので、こちらを見ながら記事を読んで頂くとわかりやすいかと思います。
ではでは早速。この年の1位に輝いたのは法月綸太郎さんの『生首に聞いてみろ』でございました。ミステリ作家・法月綸太郎を探偵役としたシリーズ作品の1作ですね。
私はこの作品、未読なのですが・・・読んだ方の感想などを覗いてみると、やはりそれまでのシリーズ作品を読んでいた方が、細かいところまで楽しめる、理解が深まると言う声が多い気が。
前衛的な作品で知られる彫刻家が病死した。そして彼が病に倒れる直前に完成させていた作品、娘をモデルにしたと言う石膏像の首が何者かによって切り取られ、持ち去られると言う事件が発生する。彫刻家の弟から、この事件の謎を警察には頼らずに解明して欲しいと依頼された綸太郎は、謎に挑むことになるのだが、と言うのが簡単なあらすじです。
構想15年、この年の本格ミステリ大賞を受賞した作品が『このミステリーがすごい!』でも、栄光の1位に輝きました!
てなことでここからは、ベスト10にランクインした作品の中で、私が読んだことがある作品について語ってまいりましょう。
まずは10位、芦部拓さんの『紅楼夢の殺人』ですね。9位、横山秀夫さんの『臨場』に8位、雫井脩介さんの『犯人に次ぐ』。そして7位の綾辻行人さんの『暗黒館の殺人』と6位の貴志祐介さんの『硝子のハンマー』ですね。で、ラストは2位、伊坂幸太郎さんの『アヒルと鴨のコインロッカー』と言うことで、全6作品ですか。
そこそこ多いな。
ではでは、まずは『紅楼夢の殺人』からまいりましょう。こちらは四大奇書のひとつ『紅楼夢』を舞台にしたミステリでございます。
ただし四大奇書に関しては『紅楼夢』ではなく『金瓶梅』が入ると言う説もあるようですが、まぁ、その辺りはごにょごにょごにょ(あまり詳しくないので濁しておく(汗))
『紅楼夢』は大貴族の栄華と没落を背景に、主人公とその従妹の悲恋を描いている作品です。私は『紅楼夢』読んだことはありませんが、それでもこの『紅楼夢の殺人』は十分に楽しめましたよ!
芦部さんの作品と言うと、個人的には古き良き本格と言うイメージが非常に強いです。どこか猥雑さ、そこから来るわくわくをはらみつつ、ダイナミックかつ繊細な本格推理、トリックが炸裂、爆発する。本作品でもその魅力は健在。『紅楼夢』の美しくも、どこか無常観漂う世界を背景に、奇々怪々としか言いようのない事件が次々と発生。歴史に名を残す一大巨編を芦部流ミステリに仕上げた筆力、構成力はさすがの一言です!
続いては横山さんの『臨場』ですね。こちらは内野聖陽さん主演でドラマ化もされたので、そちらで知っていると言う方も多いかもしれません。
警察組織において事件現場に臨み、初期捜査に当たることを意味する『臨場』と言う言葉。それがタイトルに冠された今作品の主人公は、鑑識畑一筋の凄腕検視官、『終身検視官』の異名をも取る倉石でございます。全8作の短編集です。
上の命令も平気ではねのけ、組織としての意向に背くこともある一匹狼。しかし先ほども書きましたが、検視の技術、腕は突出しており、そこに対する気持ちも真摯なものがあることから、若い層からの人望は非常に厚い、それが倉石と言う主人公です。
もはや職人技と呼んでも良いでしょう。何ひとつ見落とすことはなく、何ひとつ見逃すことはなく。現場に残された全てから真相を導き出す倉石のその姿は、横山作品らしい、実に渋い、いぶし銀の輝きを放っており実にかっこいいのです。そして勿論、短編集でありながら、ミステリとしての切れ味が鋭い、様々な味わいに溢れているのも、本作品の魅力だと思います。
8位は雫井さん『犯人に次ぐ』ですね。こちらは豊川悦司さん主演で映画化もされました。雫井さんの出世作として記憶されている方も多いのではないでしょうか。
主人公の巻島は、とある誘拐事件の捜査ミスの責任を負わされる形で謝罪会見を行う。しかし上層部からの命令で過失を一切認めず、それを追及されたマスコミに逆ギレ、結果、左遷されてしまう。その6年後、『バッドマン』を名乗る犯人による連続幼児誘拐殺人事件が世間を賑わせていた。難航する捜査、世間からの非難に苦悩した警察は、マスコミを通じて事件の目撃情報を集める共に、『バッドマン』に呼びかけを図る劇場型捜査の導入を決定。その責任者として呼ばれたのが、巻島だった。
マスコミを通じて名乗り出てくる、数多くの自称『バッドマン』の存在。そして事件を煽り立てるマスコミそのもの。それらを見ているとつくづく『事件』もまた消化されていくものでしかないのだなぁ、と言う怒りや虚しさを感じました。
その中で必死に真相を追い求める巻島をはじめとする警察の面々。その内部の人間模様も読みごたえがあり、何よりやはり『バッドマン』の正体は何者なのか。混乱に次ぐ混乱の中、しかしじょじょにその正体が明らかにされていく展開はたまりません!
7位は『暗黒館の殺人』です。綾辻さんによる人気シリーズ『館』シリーズなんですが・・・はは。私、シリーズ最初に読んだのが、こちらだったんですよねぇ~(笑)。今から考えると、何ともまぁ無茶なことを、と言う気もしますが。はは。ぶっちゃけると『暗黒館の殺人』が最初でも、話がわかることにはわかります。ただ言わずもがな、シリーズ刊行順に読んだ方が、より面白さが増すのは当然です。はい。
謎多き建築家、中村青司が手掛けた館を舞台に起きる殺人事件。今回の舞台は、タイトルからもお分かりいただける通り『暗黒館』。漆黒の館に住まうは、浦戸家の人々。その当主の息子、玄児に招かれ館に足を踏み入れた大学生の中也は、『ダリアの日』と呼ばれる奇妙な宴に参加する。しかしその直後から、館では殺人事件が続発し・・・。
シリーズの中で最も長い物語。漆黒の悪夢のような陰惨な事件、その果てに待ち受ける真相は・・・ネタバレになるので詳細は控えます。が、個人的にはそれまでのシリーズの真相、オチとは異なる、異色のそれのように感じます。
そしてある意味、非常にわかりやすいそれだったからこそ、『あ、思っていたより難しくない感じだ。これならシリーズ作品、バカな私でも読めるかも』と、それまでのシリーズに手を伸ばそうと思えたわけですから(笑)
でも繰り返しですが、シリーズ順に読んだ方が、面白さや驚きが保たれる、余計なネタバレを食らわなくて済むと言うのは念を押しておきます。ふへへ。
6位は貴志さんの『硝子のハンマー』です。防犯ショップを営む店長でありながら、本職は泥棒と言う榎本径と、弁護士、青砥純子がコンビとなって、様々な事件の謎に挑むと言うシリーズ、その記念すべき1作品目が本作品です。
なおこちらのシリーズは大野智さんと戸田恵梨香さんのコンビでドラマ化もされたので、そちらを見ていらっしゃった方も多いかもしれませんね。
本作品の最大の特徴、それは榎本と青砥、2人が挑む事件が密室殺人であると言う点。ですので本作『硝子のハンマー』でも密室殺人が登場。幾重にも張り巡らされたセキュリティをかいくぐり、オフィス最上階で介護サービス会社の社長が殺害されていた、と言うのが本作品で起きる事件です。
2人が様々な可能性をひとつずつ潰しながら、やがてトリックと真犯人にたどり着くのが1部。そして2部は、真犯人による犯行がどのように行われたのかが描かれています。
本格推理の緊張感と、じょじょに謎が解き明かされていくワクワクもあることながら、防犯ショップ、防犯コンサルタントでありながら泥棒でもあると言う榎本の、そのキャラクターも実に魅力的なんですよねぇ~。青砥さんとのやり取り、コンビネーションも面白く、異色とも言えるバディものとしても魅力たっぷりの作品です!
さ、そしてやって来ました。
2位は伊坂さんの『アヒルと鴨のコインロッカー』でございます!
できれば何の前情報もなく、まっさらな気持ちで読んで欲しい。
個人的には強くそう思う作品です。ですがさすが、あらすじを紹介しないわけにもいかないので、簡単に、ちょろっとだけ説明しますと・・・。
大学生の椎名は、ある日、アパートの隣人である河崎から『本屋で広辞苑を盗まないか』と誘われます。それを断り切れなかった椎名は、結局、本屋から広辞苑を強奪する河崎を手伝うことに。その計画の後、椎名は、河崎やペットショップの店長、麗子から2年前のある出来事についての話を聞きます。
2年前の物語、その中心にいるのは琴美と言う女性と、その彼氏でブータン人のドルジです。世間で続発している、ある忌むべき、憎むべき犯罪。その犯人たちに偶然、出会ってしまったことで琴美は命を狙われるようになります。しかし琴美は、それをチャンスとばかりにドルジや河崎たちの力を借り、その犯人を捕まえようとするのですが。
物語は現在と2年前の過去、ふたつの時間軸のそれが同時に語られることで進行していきます。
いや、なんだ。もう、めちゃくちゃ好きな作品です。伊坂作品の中でも、トップクラスに好きな作品。そしてめちゃくちゃ泣いた作品。
『重力ピエロ』の時にも書きましたが、伊坂作品に登場する登場人物たち。その行動原理は、非常に人間的で、それ故、人によっては『え!?たったそれくらいのことで、人を傷つけるの!?』と不快感を抱かれる方もいらっしゃるかと思います。ものすっごい語弊ある、かつ極端な言い方をすれば『私刑の肯定』だと思われる方がいらっしゃっても、それもやむなしかなと言うか。
でも当然『私刑』ではないんです。私はそう思う。そこにある圧倒的な、人間としての温かさや誰かを想う気持ちの、その強さや温かさは、そしてそこから来る迷い、それこそ、人間としての正しさ、人間としての人間たる証のように、私には思えるんです。うん。
だから読んでいてめちゃくちゃ共感しかないし、それ故に、切ない。
本作品でもそうしたテーマ、視点は描かれています。そして何より、本作品に登場する事件、2年前に琴美が立ち向かった、本当に忌むべき、憎むべき事件、犯罪。
その事件、犯罪に関しては、ぶっちゃけると私の中では、時に人殺しよりも酷いんじゃないか、人殺しを犯した人間よりも重い罪を課すべきなんじゃないかと思うこともあるくらいなのです。うん。
だからもう、ただただ読んでいる間は胸を塞がれるような思いがしたし、そこに立ち向かっていった琴美とその仲間たちの姿には、救われたような思いがした。だからこそ・・・ここから先はネタバレになるので内緒ですが。
とにもかくにも、この作品を読んで『えー。別にこれくらいのことで』とか『こんなの、別に犯罪じゃ無くね?』とか思う人とは、私は一生、口を利きたくない。顔も見たくない。絶対に仲良くなれない。向こうもなりたくないだろうけど。
それくらい、私の中の倫理観をドンピシャに描き切ってくれている、そんな作品でもあります。はい。
そして勿論、ミステリとしての仕掛け、トリックもお見事。単純に騙された私は、その仕掛けが明らかにされた瞬間、大げさでなく本当に世界が開けたような、そんな感覚を味わったのです。
ちなみに、こちらの作品も実写映画化されています。
椎名を濱田岳さん、河崎を瑛多さん、琴美を関めぐみさんが演じていらっしゃいます。
これがまた『重力ピエロ』の映画同様、めちゃくちゃ良くできているのです。原作の雰囲気、あるいはトリックを損ねることなく、映像として無理なく表現されている。演者さんの雰囲気も、キャラクターや作品に溶け込んでいて、本当に見ていて作品に没頭できる作りとなっています。
なのでこちらもおススメです。
はい。と言うことで本日は2005年の『このミステリーがすごい!』を振り返ってまいりました。
次回は2006年ですか。おおっ、今や国民的作家と呼ぶにふさわしい、数多くのヒット作を生み出し、その多くが実写化されているあの作家さんの、あの作品が堂々1位に輝いた年ですね。
よろしければ引き続き、お付き合い下さい。
ではでは。本日の記事はここまでです。
読んで下さりありがとうございました!