tsuzuketainekosanの日記

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女性声優さん共演作も語りたいから~百合アニメについて語ろう 前編

・来月はBLについての記事を書きたい。

・男性声優さんについて語った記事も挙げる予定。あくまで『予定』。

 

以上から『女性声優さんについても語りたい。・・・せや、ならば百合作品について語ろうじゃないか!』と思い至ったのが、本日と明日の記事を書くに至った理由です。

我ながら単純!

 

てなことでその日の誕生花が百合であることになぞらえて、6月25日は百合の日と言われているそうです。

で、今年の6月25日、アニメ情報サイト『アニメ!アニメ!』さんで発表されたのが、こちらのアンケート結果です。はい、どんっ!

animeanime.jp

てなことで前編と題した今回は、このアンケートでベスト3に入った作品について、主には出演されていた声優さんの話題中心に語っていきたいと思います。

で、後編は惜しくもベスト3には入らなかったけれど、個人的には印象深い百合作品やそちらに出演されていた声優さんの演技などについて語っていく、と言う感じです。

 

うひひ。百合作品や女性声優さんについて語れちゃうなんて、わくわくしちゃうぞ!

 

ではでは、早速アンケート結果を見ていきましょう。

まず3位にランクインしたのは夏クール、絶賛再放送中、2022年最大のヒット作、続編制作も決定済の『リコリス・リコイル』でございます!

犯罪を未然に防ぎ人知れず平穏な日々を社会にもたらす組織。その組織の秘密支部である喫茶店の店員であり、秘密組織のエージェントでもある錦木千束と井ノ上たきな。2人の少女が様々な事件に立ち向かう姿を描いた作品です。

千束は安済知佳さんが、そしてたきなは若山詩音さんが演じていらっしゃいます。

 

今作品の、個人的に思う素晴らしいところはですね。とにかく徹底的に明るく、元気でハッピーな物語、それを貫いたことだと思います。安易にシリアスに甘えなかった。安易にシリアスを描かなかった。安易にシリアスに流れなかった。

千束と言う少女、底抜けに明るく、底抜けに前向きで、底抜けに命を重んじている少女、またその彼女が抱えている設定を徹底的に描くことで、明るく、元気で、ハッピーな物語だからこそ、そこから自然とシリアスさ、切なさが浮かび上がってくる、と言う構成をとっていたことだと思います。ここはほんと、制作陣の手腕と言うか意思の統率具合がお見事だよなぁ、と。

 

そしてもうひとつの魅力は、やはり千束とたきなの関係性、ですよね。いいですよね。にまにましちゃう。いろいろな思いを抱えてはいるけれど、とにかく明るく、感情の赴くがまま。『やりたいこと最・優・先』の千束と、エージェントとしては優秀が故、人としての感情がどうしても乏しい面があったり、手段を択ばない、良識に欠けている部分があったりするたきな。

本当に性格が正反対の2人が出会って、ペアを組んで様々な出来事にぶつかっていく中で変わっていく。特にたきなが、千束の、その感情の塊のような存在を通して少しずつ喜怒哀楽を強く抱くようになっていく。そしてそれに付随するかのように、千束との絆にも強い愛着のような感情を抱いていく様には、本当に胸がきゅんきゅんしました。

3話でしたっけ?千束が本当に嬉しそうな、幸せそうな笑顔を浮かべながらたきなを抱き上げるシーン。あのシーン、もう最高ですよね。『今わの際には、できればこう言う光景、尊さしかないような光景を目の当たりにしたいもんだ』と私は心底、思ったものだよ(何言ってんの)

 

重いベールに覆われていたような、そしてそれが少しずつ剥がされていくような。そのことに自分でも戸惑うような。でもそれが決して嫌ではなくて、だからこそそこに怖さも感じているような。そんなたきなのあり方、感情の変化を若山さんが抑えた演技で、繊細に、丁寧に瑞々しく演じていらっしゃった。

そして千束を演じていらっしゃった安済さんの、第1話、千束が声を発した瞬間に『また安済さん、とんでもない演技してる!』と歓喜するしかないような、生々しくてキャラクターが『そこ』にいる、としか思えないような演技。千束の溢れんばかりの『生きること』に対しての喜び、幸福、それを感じさせる演技。それがあるからこそ、私も含めて多くの人は1話で千束と言う少女に魅せられ、惹きつけられ『この作品は面白いぞ。絶対に面白くなるぞ』と確信めいた思いを抱いたのだと思います。

 

キャラクターとしての対比を、おふたりが実にお見事に演技でも表現されていた。そしてその対比によって、互いのキャラクターの心に広がっていく変化。激しく、だけど優しく温かくエモーショナルな変化。それが物語を勝手に作り出していく。

声優さんが声によって命を吹き込んだことで、キャラクターが活き活きと動き出し、物語を紡ぎ出していった。自然に物語を生み出していった。

そんな作品だったからこその、あの大ヒットだったんだろうなぁ、と今でも思うばかりです。再放送、是非、見てね(宣伝)

 

続いて2位にランクインしたのは『安達としまむら』です。授業をさぼりがちな女子高生、安達としまむらが友情を育んでいくと言うお話です。

冷たい印象の美人、しかも授業をさぼりがちな不良と言う印象を受けているが、その実、感情を表に出すのが苦手なだけで、授業をさぼるのもクラス内で孤立するのが耐えられないから、と言う繊細な安達を鬼頭明里さんが演じていらっしゃいます。

そして面倒くさがりな故に授業をさぼることが多く、人や物事に対して関心を持たない性格になってしまったしまむら伊藤美来さんが演じていらっしゃいます。

 

授業をさぼった2人が友情を育んでいく・・・のですが、その内に、安達はしまむらに対して友情以上の、特別な感情を抱いていくと言うのが本作品の肝。

しかし面倒くさがりで、誰に対しても、何に対しても『特別』と言うこだわりをもたないしまむらにとって安達は、あくまでも『一番の友達』と言う認識しかないのです。いや、これでもしまむらにしてみれば相当なこと、相当な変化なんですけれど。

安達は自分の中に芽生えた感情に大いに戸惑い、だけどしまむらは、安達のそんな感情には気が付いていない。あくまで『一番の友達』として、安達の家庭環境を鑑みたうえで、安達を甘やかすのです。その展開が、もう見ているこちらからすると絶望的で、しかし尊く、それこそ安達からしたら甘い地獄のようにも思えて『あぎやぁぁぁぁぁぁぁ!(発狂)』と頭を抱えたくなるような作品でした。甘い地獄。たまらんな。

 

鬼頭さんも、そして伊藤さんも当たり前ですが少女らしい、実に可愛らしいお声で数多くのキャラクターを演じられている声優さんでございます。

が、個人的に言えば鬼頭さんの場合、ちょっと低めのお声。それがとても印象的な演者さんなのですよね。そして安達と言う繊細で、ネガティブで、実はとても孤独を恐れている少女には、鬼頭さんのこの低めのお声が実にマッチしていた。ぴったりだった。

そしてそこに安達と言う女の子の、声には出せない、表には出せないいろーんな感情を滲ませる演技を鬼頭さんがされていて、それはもう、見ていていじらしいやらもどかしいやら、切ないやら苦しいやら愛おしいやらでたまりませんでした。

一方の伊藤さんは、あの可愛らしいお声に『少女』だからこその毒?みたいなもの。なんと表現するのが適切なのかはわかんないんですけど、純粋であるが故の毒、棘みたいなもの。思春期にある『少女』しか持つことのできない、放つことができないような色鮮やかな毒。煌めく棘みたいなもの。

キャラクターによってはそれを滲ませる演技が最高だよなぁ、と私は勝手に思っています。そしてやはりそうした伊藤さんの魅力も、しまむらと言うキャラクターにははまっていたしぴったりだった。何に対しても基本的には無関心。だけど安達と親しくなったことで、安達に対してだけは少しだけ、積極的な姿勢を見せる。そのことで無自覚にしまむらが発している毒、棘を、伊藤さんが見事に演技で表現されていた。

だからこそ、その毒に、棘に、しまむらの発するそれに、どんどんと深みにはまっていく安達の姿がただただ愛おしく切なかったし、そうして無自覚に、どんどんと安達を惹きつけていくしまむらの姿にも、やはり切なさを感じずにはいられなかったと言うか。

 

原作小説を読んでいないので詳細はわからないのですが、アニメ内の演出は、時折、とてもファンタジックな一面すら感じさせる部分もありました。ただそのことでより『百合アニメ』としての密やかな毒であったり、どうしようもなく救われない部分であったりが伝わってくるようになっていたのはお見事だったし、今でも印象深いです。

なんだろ。ほんと『女子高生の可愛らしい独占欲』が『特別な感情』になっていく、その過程をファンタジックな演出も含めながら、しかし実に生々しく描いていた作品だったな、と。

・・・勝手に2期、制作決定だと思い込んでいたのですが。2期、決定していないんですね。『嘘だろ』と思わず、呟いてしまいましたよ!嘘だろ!

 

そしてアンケートの結果、栄えある1位に輝いたのは・・・『やがて君になる』でした!拍手!

『誰かを特別に思う気持ちが理解できない』と言う悩みを抱える小糸侑。そして過去の出来事から、自分自身に対して強い嫌悪感を抱いているが故に、その自分に誰かから寄せられる好意を受け入れることができない七海燈子。そんな2人の恋愛模様を描いた作品です。

侑を演じていらっしゃったのは高田憂希さん。『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の23話で、グエルとラウダの兄弟喧嘩を一喝で止めたフェルシーちゃんを演じていらっしゃった方です。陰のMVPだぞ、フェルシーちゃん!

そして1年から生徒会長を務め、美人で文武両道。全生徒憧れの存在であるが、その裏側にはとてつもなく重い真実、感情を抱え込んでいると言う燈子を演じていらっしゃったのは寿美菜子さん。はい、もうCVが寿さんって時点で強い。

 

誰かを『特別』に思う、その感情が理解できない侑と、誰かから寄せられる『特別』な思いを受け入れることができない燈子。

2人の関係は侑が、多くの生徒から告白されていながら、そのどれにも心を動かされたことがないと言う燈子に対して、自分の悩みを打ち明けることで始まりを告げます。

『特別』の感情、それがわからない、わからないからこその侑に燈子は強い好意を抱き、その思いを告げます。しかし侑にはやはり『誰かを特別に思う』ことが理解できず、それだから侑に惹かれた燈子も『自分を好きにならないで欲しい』と言う条件を侑に突き付け、それを侑が受け入れたことで2人の交際はスタートします。

 

ナニコレ。始まりから絶望的過ぎやしないか。どうあがいても絶望的すぎるでしょ。

それでも健気な侑は、燈子からの一方的な好意を受け入れ続けていくんですね。うん。『好きにならない』と燈子に言い放った、その約束を健気に守り通していくんです。

でもね、そりゃそうだ。そりゃそうですよ。当然、そんな侑も少しずつ、少しずつ理解していくんです。自分にだけ見せる燈子の表情、自分にだけかけられる燈子の言葉。そうした『特別』に触れ続けていく内に、『あぁ、自分の中に芽生えていく燈子に対する気持ち。これこそが『誰かを特別に思う』と言う感情なんだな』と。

ところがどっこいなんです。再三、書いていますが燈子は自分自身の在り方、存在に強い嫌悪感を抱いています。その理由は作中でも描かれているのですが、これがまぁ、重い。重いし、だけどそうなってしまった、その生き方を選んでしまった彼女自身の気持ちも、痛いほどに伝わってくるのがまたやるせないんですけど。

とにもかくにもそんなわけなので、燈子にとっては侑から向けられる『特別な感情』は、自身を苦しめるものでしかないんです。理解できないものなんです。

『あなたは、私の『何』を知った上で、私のことを『特別』だなんて思ってるの?』って具合なんです。でもそうでありながら、燈子もやはり心揺さぶられる部分もあるんですけど、それすら彼女は自身に許さないんです。そうする生き方を選んできてしまっていたから。

 

あー、絶望的。『特別』と言う思い。その意味するところを徹底的に描き切った、百合アニメとしては勿論だけど、なんだろ。人間関係における『特別』だからこその難しさ、苦しさを描いた傑作だと思います。

その上で、その上で私が百合アニメに求める繊細で、一見するととても美しく。でもその実、その中には実にどろっどろとした、あまりに生々しい感情が存在して渦巻いて、登場人物たちがそれにもがいてあがいて苦しんでいる。でもその様すら、甘やかで美しい地獄のようにすら思えてしまうと言うものが描かれていて、たまらんのです。

TROYCAによる、実に美しい作画。そして画面に溢れんばかりの光と、画面を覆いつくさんばかりの影、陰。その描写、それを利用した演出によって登場人物たちの様々な感情が時にダイレクトに、時に密やかに描かれ、伝わってくることで、アニメとして確かな魅力にも溢れていた傑作。

 

そんな中、『特別』な感情、その意味に気づき、だからこその苦しさにとらわれながら、それでもひたむきに燈子を思い続ける侑を演じていらっしゃった高田さん。

高田さんのお声って可愛らしいんですよ。鈴を転がしたような可愛らしさがあって、でも言葉は適切ではないかもしれませんが、どこか湿ったような響きもある。だからものすごく聞いていて胸に、耳に心地いいし、響きが柔らかなんですよね。柔らかで、でもそこに役の強い気持ち、一途な気持ちなどが演技で込められているから、一層、そうした感情が聞いている、見ているこちらの胸を打つ、そんな声優さんだなぁ、と。

そんな高田さんの可愛らしいお声、柔らかな響き。そして役の感情を、本当に瑞々しく、時に苦しくなるくらいに伝えて下さる演技。それらを思う存分、堪能できる、そんな役の1人が侑と言う少女だと思います。

 

そして燈子のCVは寿さん。先ほども書きましたが強い。なんだろ。もう寿さんの『女子高生(先輩)』と言う役に感じる圧倒的な強さはなんなんだろうか。強い。敵わない。女子高生らしからぬ強者感を抱くのは私だけはないはず。『女子高生の王子様』感があるよね。うん。

『自分のことは好きにならないで』『でも私は君のことを好きになる』と言う、実に身勝手な思いで侑を振り回す燈子なんですが・・・でもずるいんだよなぁ。寿さんの演技が、本当にずるいのよ。皆の前では生徒会長として完璧なふるまいを見せる一方で、侑や限られた人の前では甘えん坊とすら感じられるような一面を見せることもある。

そのギャップの演じ分けが、もう、もう(絶句)。本当にずっこいのよ。そりゃこんなことされちゃったら、侑だって『特別』な感情、抱いちゃうよ。

そしてまた燈子が抱えている秘密。自身が自身に抱いている嫌悪感。その裏側にある、あまりにも切ない彼女の気持ち、本音。繊細で、誰にも触れされなかった、触れることを彼女自身が許していなかった、でも本当は彼女自身、触れて欲しいと願っていたかもしれない本音。その辺りが描かれる時の演技の、なんだろ。ナチュラルな凄みって言うんでしょうか。

 

その寿さんの、燈子としてのナチュラルな凄みと、高田さんの演技、侑としてのひたむきさ、健気さ。それらが実に対極的で、だからこそ、互いが互いに絶望的な『特別』を抱いていくと言う物語の展開も、実に胸に響くものになっていたのだと思います。

また声の質感も、高田さんのお声は柔らかく湿った感じもある。対して寿さんのお声は、どこまでも凛としていて硬質な響きすら感じさせる(あくまで私の意見です)。その辺りが対になっているのもいいんですよねぇ。

 

そうか・・・この作品も2期、あるもんだと疑っていなかったんだけどなぁ。

気が付けばアニメ終了後から、もう5年の月日が流れようとしているのか(白目)

 

そんな具合で本日は『アニメ!アニメ!』さんのアンケート結果を利用して、3本の百合アニメについて、出演されている声優さんの演技などを中心に語ってまいりました。

そして冒頭でも書きましたが、後編では個人的に印象深い百合アニメについて、引き続き、語っていきたいと思います。

よろしければ引き続き、お付き合い下さいね~。

 

ではでは。本日の記事はここまでです。

読んで下さりありがとうございました!