高額療養費制度です。
皆さん、ご存じですか?
この年になるまで、ありがたいことに私も含めて身内に大病にかかった人間も、そして入院を経験した人間もいません。
医療費にまつわることと言うのは、どこか他人事。いや、もしかしたら一生、お世話になることはないんじゃないか、と勝手に思い込んですらいたため、恥ずかしながらそう言うことはまったく無知でございました。
ところが突然の入院。お金は果たして、どれくらいかかるんだろうか、とやきもきしていたところ、退院の日の朝になって、病院の事務員の方が教えて下さったのが、この高額療養費制度でございました。
と言うわけで、本日はこの高額療養費制度のお話と、様々な決まりやら制度があるこの日本社会において、どれだけ『知っていること』が大切かと言うのを記事にしたいと思います。はい。
まずは高額療養費制度です。
こちらに関しては、多分、多くの方はちゃんと知っている制度なのだと思います。
ただ私は、そう言う社会の決まりごとについて、自分でも恐ろしくなるくらいに無知な部分もあるため(汗)本当に、事務員さんに教えていただくまで知らない制度でした。
この高額療養費制度と言うのはですね、早い話が、同一月に支払った医療費の限度額がその方の収入によって定められており、その超過分に関しては支払わなくてもよい、もしくは払い戻しを受けることができる、と言う制度でございます。
健康保険に加入している方、すべてがその対象となります。
70歳未満の方と70歳以上の方とで収入による限度額の区分と言うのはわけられているのですが、たとえば私の場合だと、報酬月額は27万円以下です。そのため自己負担の限度額は57600円と決められています。
で、私が入院していたのは10月30日から11月5日までです。
高額療養費制度に関しては、先にも書いたとおり、同一月に発生した医療費と言うのが対象になってきます。
私の場合だと、10月に関しては35000円くらいで済んだのですが、11月に関しては75000円の医療費が発生していました。
そのためこの11月に発生した75000円と言うのが、高額療養費制度の対象になります。
私の月収で定められている医療費の自己負担額は57600円。でも実際に11月には、その額を17400円か、それだけオーバーした医療費が発生しています。なので私の場合には、17400円の支払いが免除されると言う具合です。
ですがこの高額療養費制度でカバーされる医療費に関しては、入院の居住費や食事にかかった費用と言うのは含まれていません。今、私が行っている計算と言うのは居住費や食事費用を含めて行っているため、実際に支払いが免除される額と言うのは、もう少し少なくなるものと予想できます。
で、です。
この制度の最大の特徴は、事前に『限度額適用認定書』と呼ばれる書類を用意しておけば、病院窓口で即座に高額療養費制度が適用され、支払う金額が免除されると言う点です。
つまり私の場合だと、11万円支払わなければいけないけれど、『限度額適用認定書』が用意できていれば、窓口精算は17400円差し引かれた金額を支払うだけで済んだ、と言うわけです。
この『限度額適用認定書』に関しては、ご自分が加入されている健康保険の組合に申請することで受け取ることができます。
なので結論。もし入院することが決まっているよ、と言う方。あるいは今月は通院することが決まっているから、どうも医療費がかさみそうだよ、と言う方は、とうぞ、ご自分が加入されている健康保険の組合に問い合わせをして、『限度額適用認定書』を申請しておくことを、強くおススメします。
はい。私の場合、先ほども書きましたが、そもそもこんな制度があること自体、知らなかったし、入院が決まったのもあまりにも急だったので、『限度額適用認定書』は用意できていなかったわけです。
あ、ちなみに『限度額適用認定書』は、申請をした当月の診療から有効です。
じゃあ、です。
私のように『限度額適用認定書』が間に合わなかった人は、どうなるのか、と言うとですね。
結論から言うと、これはいったん、窓口で請求された医療費、全額、支払う必要があります。くはっ!
で、そのあとに、ご自分が加入されている健康保険の組合に問い合わせをする・・・と事務員さんからは聞いていたのですが。
調べてみたり、実際に問い合わせてみたところ、自動的に加入している保険の組合から、限度額を超えた分の払い戻しをするための書類が送られてくるとのことです。
その書類に必要事項などを書いて、組合に送り返して、ようやく、超過した金額の払い戻しを受けることができる、と言うわけですね。
うん。こうやって書くと『いや、別に、払い戻しを受けられるんだったら『限度額適用認定書』を用意しておかなくてもいいんじゃない?』と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
私もそう思ってた(にっこり)
違うんです。端的に言うと、こちらの手順だと、払い戻しがされるまでにめちゃめちゃ時間がかかるんです・・・くっ・・・。
まずですね。問い合わせをしたところ、払い戻しのための書類を、加入している健康保険の組合から送付するのが、だいたい3か月後くらいとのこと。
ちーん。年、明けとるやないかーい。
そしてそこから実際の払い戻しまでに、1か月くらいの時間を要するとのことで。
もはや来年の春すら見えてきそうな勢いである(どーん)
そうなのです。こちらの手順、払い戻しと言う手順になった場合、超過した金額が手元に戻ってくるのは、相当、先になってしまうのです。
いや、まぁ、そうは言っても手元に戻ってくるわけだから、ありがたいことに変わりはないんですが・・・1週間、1か月とか、そんな単位じゃなくて3~4か月と言うのは、なかなかこれ・・・うん・・・シビアと言うか・・・。
ぶっちゃけ、私の今回の場合は17000円くらいですから、まぁ、痛手は痛手、出費と言えば出費ですが、それでも、未だ親のすねをかじり続けている身です。ぶっちゃけ明日、明後日の生活に直結するような出費ではないのは確かなことです。なんかほんと、いつまでも自立できない大人で、本当に申し訳ない・・・。
ですがこれがもし、10万、50万、いや恐ろしいことにそれ以上の金額になっていたとしてら、どうだったか。
いくら親のすねをかじり続けているとは言え、それくらいの金額になったら、さすがに私の貯金通帳は0、もしくはマイナスがつきます。せっせと貯めてきた定期積立も一瞬にして消えてしまいます。
さぁ、そんな状況になって、果たして3~4か月後の払い戻しを、のんきに、悠長に待っていられる気持ちがわいてくるでしょうか。
無理(即答)
はい。と言うわけで、これだけは大にして言いたい。
入院する予定がある人。医療費が当月はかさみそうだと言う人。
『限度額適用認定書』は用意しておけ(どーん)
はい。いや、まぁ、ご自分の収入も関係してくるので、とりあえずまずは、ご自分の収入に応じた自己負担限度額がどれくらいかを調べてみることをおすすめします。はい。
ちなみに。
私、医療保険は県民共済に加入しておりました。基本保障+特約のセットで、月の支払いは3000円でございます。
県民共済と言えば『保険料は安い代わりに最低限の保障』と『保険金支払いの迅速さ』が売りにされていたような記憶があります。
『いや、保険金支払いの迅速さて言うても、それなりに時間はかかるやろ~』と思っていたのですがね。
水曜日に必要書類をポストに投函して、金曜日には振り込み終了のハガキが到着しておりました。
は・・・早いっ!
ちなみに今回は、入院7日間と入院一時金で、合わせて51000円、保険金がおりてきました。あ・・・ありがたい・・・(涙)
ちょうど、入院期間中に働けなかった分の給料に値するくらいの金額なので、本当にありがたいです。
県民共済の回し者みたいですが(笑)、別に県民共済じゃなくても、医療保険と言うのは、やっぱり、ご自分の収入や家族構成などに合わせて加入しておかれた方が良いな、と言うのは実感しました。
これで数か月後には、高額療養費の限度額超過分、まぁ食事費用やら5000円抜いたとして、12000円くらい、払い戻しされたと仮定します。
すると県民共済の保険金と合わせて、63000円、支援していただけたことになります。その結果、自己負担額としては47000円で済んだと言うことになるのか・・・。
はー・・・ありがたいなぁ。
どうかもうこれ以上、医療費の支払いが発生しないことを祈るばかりだ(土下座)
で、です。
ここからは『知っていること』の重要性を改めて思った、と言うお話です。
何でしょ。とにかく日本の制度と言うのは、対象者による自己申告が基本になっている、と前々から思っていました。
いろーんな制度があって、本当にその制度を活用すれば、たとえ一時的であったとしても、様々な支援を受けることができる。
そう言う制度がたくさん用意されていると言うのは、これは本当に素晴らしいことだと思います。うむ。
たーだ。
自己申告であると言うのは、いただけない。
結局、知らないままだったら申告のしようがないわけですからね。
いや、勿論、自己申告でなければならないと言う面、理由も多々あることは承知しています。うむ。制度を悪用する輩だっていることでしょうからね。
ただそれにしても、もう少し、『こう言う制度がありますよ~』と言うことを、国民に広く知ってもらうような働きがなされてもいいんじゃないかなぁ。
なんか今の状況だと『こういう制度はあるんです!でも手続き等々、面倒くさいから、周知徹底するのは止めておきますね!知っている人だけ手続きウエルカム(にっこり)』みたいな感じがするのは、私だけでしょうか。
なんかちょっと・・・いや、だいぶ前だけど、年金に関する制度のひとつでも、こう言うことが問題視されていたような。
今はネットを通じて、こう言う情報を書いてくださる方も大勢いらっしゃって、本当に助かります。
私も今回の高額療養費制度ら関しては、どれだけネットで調べたことか。
ただ結局、ネットで調べるにしたって、調べ方がわからければ最初の1歩すら踏み出せないわけであって。
なんだろ。
前に『物の値段について、その仕組みとか学校で義務教育として教えた方がいい』みたいな生意気な意見を記事に書いたことがあったんですが(汗)
そう言うことを含めて『日本にはこんな制度があります』『この制度はこういう時に利用する制度です』みたいなことも、学校で教えた方がいいような気がする・・・。
こー、生きていくために必要な知識と言うか。世のお金の仕組みとか。
いや、ってか、なんでそういう大切なこと、土壇場にならないと、下手すりゃ土壇場になっても、誰も教えてくれないのか・・・。
『教えてくれないのか、じゃない!自分で知りに行く努力をしろ!』と言うお声も聞こえてきそうですが・・・そう言うの、じゃあ、どこに行けば一から詳しく教えてもらえるのでしょうか・・・。
その当事者にでもならない限りは、なかなか、そんなことについて興味、関心すらわかないと言う方の方が多いんじゃないかなぁ。
はい。と言うわけで、今回の入院を機に、私はもう少し、社会保障とかそう言うことについて知ろう、と思ったのであります。
『知っていること』は損を防ぐ。
知識は偉大なり。財産なり。
ま、世の中、知らなくていいことと言うのもありますけどね!(どーん)
ではでは。今回の記事はここまでです。
読んでくださりありがとうございました!