tsuzuketainekosanの日記

アニメや声優さん、ゲーム、漫画、小説、お仕事とのことなどなど。好きなことを、好き勝手に、好きなように書いていくだけのブログです!ブログ名の『ねこさん』は愛猫の名前だよ!かわいいよ、ねこさん!

Pray For Kyoani

私がアニメを見始めたのは、今から7年前、2012年頃からです。そのきっかけなどはまた後日、ここに書こうと思いますが、2012年にアニメを見始めた、そのひとつのきっかけとなっている作品があります。4月から放送されていた『氷菓』です。

 

米澤穂信先生の通称、『古典部シリーズ』が大好きだった私は、しかしアニメ化が発表された時から、一抹の不安も胸に抱きました。『いやいや、失礼ながらとても地味な本作品が、果たしてアニメ作品として成立するものなのか』と。今から考えると『バカな考えだなぁ。アニメの力、舐めちゃいかんよ』と突っ込んでやりたいですが、とにもかくにも放送前から勝手にドキドキしていたのです。

 

しかし放送された『氷菓』を見た瞬間、そんな不安は吹き飛んでいきました。とにかく美しい作画、季節やその場のにおいなんかを体感できるような背景の書き込み、そして登場人物たちの表情。小説が『読み、自分の頭の中で想像する楽しさ』に満ち溢れた作品だとするならば、『氷菓』は、その小説の魅力はそのままに、しかし『アニメ作品として、見る楽しみ』に満ち満ちた作品だと心底思ったものです。

 

氷菓』の最終回。奉太郎とえるちゃんが歩いている風景。そして桜。その切ないまでの、何か二人の行く末を暗示しているかのような、あまりに切ない美しさには我知らず涙していたものです。

 

2012年と言えばもうひとつ、『中二病でも恋がしたい!』も放送されています。『中二病』の意味するところを知らなかった当時の私は、最初は戸惑っていましたが、視聴し続けるにつれ、個性豊かなキャラクターたちのころころと変わる愛らしい表情や、はっとするような背景の美しさにすっかり、作品の虜になっていました。

 

2013年の『Free!』『境界の彼方』も同様で、2015年の『響け!ユーフォニアム』でようやく、アニメーション制作会社、京都アニメーションと言う存在を認識した次第です。それ以降は、多分、多くのアニメファンの方同様、京アニ制作のアニメは必ず、見るようになりました。

 

『無際限のファントム・ワールド』『ヴァイオレット・エヴァガーデン』『ツルネ』、どの作品も大好きですが、私がいちばん好きなのは『小林さんちのメイドラゴン』です。

 

わかり合えないかもしれない者同士が、共に居続けることは難しいかもしれない者同士がだけど、わかり合おうとする。共に居続けようとする。そう願っているから。

そのために歩み寄ろうとする。不器用に、時にすれ違ったり、傷つけたりしながらも、がんばって手探りで歩み寄ろうとする。

人が生きる、望む、望まないにかかわらず誰かと共にある『社会』の中で、『日常』の中で生きるとは、そう言うことの繰り返しなのかもしれない、と大切なことを学んだ作品でもあります。

その厳しさのようなものと、けれど、そうすることで生まれる温かさが描かれているこの作品が、私は大好きです。

 

京アニ作品を見ると、どの作品にも『気骨』と『プライド』を感じます。

京アニと言う会社が背負っているもの、そしてそこに寄せられている期待。

それを絶対に、絶対に傷つけてはならない、裏切ってはならない。

そのために、ひとり、ひとりが、どれだけ厳しいスケジュール下にあったとしても、妥協を許さず、気骨とプライドを持って制作にあたる。髪の毛一本、水の雫一滴、背景の木々の葉、一枚・・・そう言ったもの、作品に込められているものすべてに、全精力を注ぎこんでいる―クリエイターの気骨、プライドを、本当にひしひしと感じます。

 

私にたくさんの、様々な感情を与えてくれた、数々の作品。

私だけでなく、世界中のたくさんの人の心を揺さぶった、数々の作品。

あるいはこれから世に出されるかもしれなかった、数々の作品。

 

そうした作品の制作に、気骨とプライドを持って取り組まれていたクリエイターの方々が、どうして、このような惨劇に巻き込まれなければならなかったのか。亡くなられた方がどれほどの苦しさ、恐怖、悔しさの中で命を落とされていったのかと思うと、あるいは救助された方々が、どれほどの傷や痛みを心にも体にも負われたのかと思うと、またそうした方々のご家族や知人の方が、どれほどの恐怖と不安、怒りに襲われているのかと思うと、やり場のない怒りが込み上げてくると共に、胸が締め付けられます。

 

亡くなられた方のご冥福を、心よりお祈りいたします。そして負傷されたすべての方のご回復を、心より願っています。また、これ以上、被害が拡大しないことを切に祈ります。