本日2月10日は細谷佳正さんのお誕生日です!
細谷さん、お誕生日おめでとうございます!
後日、改めて記事に書きますが、今の、声優さんが好きで、声優さんの演技が大好きで、その演技についてやんややんやと勝手に述べるのが大好きな私があるのも、作品とキャラクターを通して細谷さんに出会えたからです!
これからも、細谷さんが楽しいと思われる、ご自身がご自身らしくあれる道を、どんどん突っ走って下さい!そしてたくさんの作品、キャラクターに、細谷さんのお声、演技で命を吹き込んで下さい!
これからのご活躍も、本当に楽しみにしています!
てなことで本題。
年末の風物詩『このミステリーがすごい!』の結果を、私が読んだ作品のみに限ってですが振り返るこのシリーズ記事。
『このミステリーがすごい!』が始まった1989年から書いてきたのですが、いよいよ2021年まで来ました。
最新版は2023年ですが、2023年は去年末に振り返っている。
なのでこのシリーズ記事、残すところは今回を含めてあと2回!
ってかそんなことを言ったら、2022年の結果も、多分、2021年末に振り返っていると思うんですけど、そこは無視して下さい!
かっはー!
そこまで来ちゃったね!
この記事の後釜、どうしようかね!(白目)
はい。そんな具合で、ではでは早速、2021年を振り返ってまいりましょうか。
今から2年前ですね。
2020年は日本のみならず世界がコロナに振り回された、と言う印象が強いのですが、それから1年経過した2021年は、その影響も若干、薄れたような記憶があります。
2020年には開催されなかった夏の甲子園も開催されたし、エンタメ業界においても、ライブなども開催されるようになった。前年度の、何か息が詰まるような緊張感、そしてある種の異常とも思えるような状態が少し和らいだ年だったんじゃないかなぁ~。
そうか。で、この年と言えば、本来は2020年に開催予定だった東京オリンピックが開催された年でもあるですよね。無観客での開催とのことで。それでもやはり感染拡大、不安の声はたくさんあったように思いますが、どうなんでしょ?結局、終わってみればその影響はさほどなかったんじゃないのかな。知らんけど(知らんのかい)
ちなみに昨今、事務所からの独立、またグループの活動休止、メンバーの脱退が相次いでいるジャニーズ事務所ですが、2021年にはV6が11月1日に解散しています。そしてその約10日後の11月12日には、なにわ男子が『初心LOVE』でCDデビューしていると言うことで。
これだけでも何と言うか、時代の流れを感じましたなぁ~。
音楽関係で言えば、そうか。コロナの影響で数多くのライブハウスが閉店に追い込まれたのも、この年でしたね。世知辛い。
はい。てなことでここから本題です。
2021年の『このミステリーがすごい!』を振り返っていきます。
いつものようにリンクを貼りつけておきます。こちらをご覧になりながら記事を読んで頂くと、わかりやすいかもしれません。
この年の1位に輝いたのは辻真先さんの『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』でございました!こちらの作品は『このミステリーがすごい!』だけではなく、年末の他のミステリーランキングでも1位を獲得。終わってみれば国内ミステリランキング3冠を達成したと言う作品です。
タイトルにあるとおり、舞台は昭和24年。ふたつの殺人事件、その謎に挑む探偵役と17歳の少年の姿を描いた作品です。
戦後日本の混乱と、それに振り回される青春を描いた作品。そして勿論、ミステリとしても非常に評価が高いこの作品ですが・・・私は読んでません(汗)
なので語りようがないのですが・・・。
作者の辻さんは、御歳90歳!しかしその創作意欲は衰えることなく、作家として精力的に活動されていらっしゃいます。更にアニメファンにとっては、アニメ脚本家として1960年代から活躍されてきた、もはや『生きるレジェンド!』と言う印象が強い方でもあります。
更に精力的に更新されてらっしゃるツイッターは、アニメに関する呟きも多く、現在は2023年冬アニメに関する辻さんの呟きも見ることができます。
漫画、小説などの感想呟きも多く、何と言うか私としては、年齢を重ねると頭も心も硬くなりがちだと言われているけれど、そして41の現時点で、既にそれを苦々しく実感しているけれど。可能な限り、辻さんのように、瑞々しい感受性を持ち続け、そして温かくどんな『作品』も受け止める、そんな人間でありたいな、と切に思わされました。
辻さんのツイッター、アニメファン、漫画ファン、小説ファンは是非とも見て下さい!
そんなこんなで2021年のベスト10ランクイン作品の中で、私が読んだ作品は・・・まずは10位、若竹七海さんの『不穏な眠り』ですね。それから2位、阿津川辰海さんの『透明人間は密室に潜む』、以上かな?
2作品!かつてこんな少ない年があっただろうか、いやない!(即答)
・・・何でこんな少なかったんだろ・・・。
前年、2020年度は8冊、読んでいたことを思ったら、4分の1ですぜ。
何かあったんだろうか・・・あったとしても、なにひとつ思い出せないんですけど。
ま、仕方ない。
ってか、今回くらいはコンパクトに記事をまとめなさい、ってことかもしれませんね。
よーし、頑張るぞ!
ではでは。
まずは10位、若竹さんの『不穏な眠り』でございます。仕事はできるが、とにかく不運な女探偵、葉村晶が様々な事件に巻き込まれるシリーズの1作でございます。こちらはシシド・カフカさん主演でドラマ化もされましたね。シシド・カフカさん、葉村にしてはちょっと若々しい、そしてスタイリッシュすぎる気がしないこともないのですが、でもあの鋭い感じとは、イメージとぴったりだったなぁ。
『女性探偵』ではなく『女探偵』と紹介されているところが、このシリーズ、そして葉村と言う人物のハードボイルド感じ、不運に見舞われても見舞われても生活のためには生きていくしかない、その厳しさ、それに立ち向かっていく満身創痍の葉村のタフさ。それらが表現されているような気がします。
本作品は全4編の物語が収録されています。どの作品も面白いのですが、共通しているのは、とにかく葉村が振り回されること。ツイてないこと(笑)
そして事件が起きてそれが解決されたとしても、決して皆が『万々歳!ハッピーエンド!大団円だぜ!』とはならないこと。
強烈、あるいは隠微に。人間のどうしようもないエゴであったり、悪意であったり。それらがえげつないほど生々しく描かれているのがたまらなく面白く、そして何故か、開き直って清々しさすら感じさせるんです。そこがもう、このシリーズならではだよなぁ、と本当に思わされます。
そして先程も書きましたが、不運に見舞われ、そうした人間のエゴ、悪意に振り回されつつ。ドライに、しかし時に情深く。生きていくために、満身創痍の体ら鞭打って生き続ける、女探偵を続ける葉村のタフな、やはり人間臭く生々しい姿は、どうしようもなくかっこいいんですよねぇ~。
収録されている作品の中、私は圧倒的に『水沫隠れの日々』が好きです。好きってか、もう、まさしくこのシリーズの魅力、このシリーズならではの魅力が凝縮され書きつくされているような作品だと思います。
余命宣告を受けた女性。その女性の元を訪ねた葉村は、女性から、親友の娘を自分の元に連れてきて欲しい、と依頼されると言うお話です。
『人生を生きる』『その中で積み重ねていく』、そうした人間の生き様。だけどその中で隠し切ろう、ごまかし通そうとしてもそうできなかった1人の人間が『人生の残り時間』と言うものを意識した時の、圧倒的な焦りと悔いみたいなもの。苦しさみたいなもの。それがえげつないほど描かれている作品。
そしてそれが爆発した、なのにたまらなく美しく、鮮烈なラストは小説なのに、その光景がまざまざと頭の中に浮かんでくるくらいなのです。
お次は2位にランクインした阿津川さんの『透明人間は密室に潜む』です。こちらも短編集で全4作品が収録されています。
ミステリ界に現れた若き俊才!そんなイメージが強い阿津川さん。デビュー以降、精力的に作品を発表。それらは年末のミステリランキングでも上位にランクインしており、今後の活躍がますます楽しみな作家さんのおひとりです。
前年度2020年の『このミステリーがすごい!』にも『紅蓮館の殺人』が6位にランクインしており、こちらは私、読んでいたのですが・・・あんまりおもしろさがわからなかったんですよねぇ~。すいません(土下座)
しかし!『透明人間は密室に潜む』は、文句なし!めちゃくちゃ面白かったです!
4つの物語、どれもめちゃくちゃ個性強めで、まずそこに阿津川さんの、作家としての引き出しの多さのようなものを感じさせられた。そしてその上で、個性強めなんだけれど、ミステリ作品としての完成度の高さ。また本格ミステリとしての、謎解きの美しさ。論理的展開の美しさ。それらを物語に無理なく組み込み、かつそこにも面白さを見出せる、その構成力の高さ、うまさ。そうしたものも感じさせられて『お見事!』と拍手を送りたくなる、そんな作品集でした。
なので私のように『『紅蓮館の殺人』はあんまりだったのよ』と言う方も。あるいは『阿津川さんのお名前、最近、よく見かけるから気になっているんですよね』と言う方も楽しめる。まさに阿津川さん入門作品的な位置にある作品だと思います!
4作品。裁判員裁判に集った人間が全員アイドルオタクだった!と言うとんでもない設定の中で繰り広げられる、喧々諤々のやり取り。その暴走しがちなオタクの愛、熱量と、事件の謎が解き明かされていく論理的な流れ、そのギャップと融合が見事な法廷ミステリ『六人の熱狂する日本人』
聴覚が異様に優れた女性が、ある殺人事件の謎に挑む『盗聴された殺人』は、2022年に発売された『録音された誘拐』にもつながる作品です。『音』に集約された、全ての謎を解き明かすヒント。緊迫感溢れたミステリ作品であると同時、バディものとしての面白さもある作品でもあります。
船内イベントが開催されているまっただ中で発生した拉致監禁事件を描いた『第13号船室からの脱出』は、臨場感あふれる筆致で、読んでいる内に自分もイベントに参加しているような錯覚を抱くほどです。拉致監禁事件の謎。そして船内イベントとして発生した事件の謎。ふたつの事件の謎解きを読者は楽しめる共に・・・最後の最後に待ち受けていたどんでん返しには、私は思わず『にやり』でした。
そして私がいちばん好きなのは、表題作にもなっている『透明人間は密室に潜む』です。透明人間病と呼ばれる、全身が透明になってしまう疾患が存在してる日本が舞台。その疾患に罹患している女性が、ある人物の殺害を決心するのだが、と言うお話です。
透明人間です。ミステリ作品においては、ある意味、禁じ手とされているような存在でしょう。そんな難しい存在、設定をしっかりと生かし切り、描き切った傑作です。
透明人間だから当然、姿は見えない。その透明人間によって残忍な犯行が行われた場所に足を踏み入れた探偵役。
探偵役からは、密室と化したその犯行現場にいる透明人間は見えない。しかし透明人間からは、密室だった犯行現場に乱入してきた探偵役が見えている。
その緊張感たるや、息を呑むほど。双方の『動きたいけど動けない!』と言う思いは、焦燥感すら味わわせてくるくらいなのです。
『透明人間は、果たしてどこに隠れているのか』、その謎が解き明かされる展開の美しさは、まさに感嘆のひとこと。
そしてその後に待ち受ける、ひとつの真実も衝撃的。透明人間病と言う架空の病気を通して、社会的弱者、そのことに気が付いてすらもらえない存在の悲しみ、怒り、絶望を炙り出していて、読み手にそのことを考えさせるのもお見事。すべてが静寂に包まれてしまったかのような、それでいて実に余韻深いラストの描写まで、個人的には『んんっ!パーフェクト!』としか言いようがない作品です。
はい。
そんなこんなで本日は2作品のみですが『このミステリーがすごい!』2021年の結果を振り返ってまいりました。
私が読んだ2作品は、いずれも短編集。しかしだからこそ、その作家さんの魅力が存分に詰め込まれている、まさに『山椒は小粒でもぴりりと辛い』的な味わいがたまらない作品だと思います。
てなことで次回はいよいよ2022年の振り返りですね。
よろしければ引き続き、お付き合い下さい。
ではでは。本日の記事はここまでです。
読んで下さりありがとうございました!