tsuzuketainekosanの日記

アニメや声優さん、ゲーム、漫画、小説、お仕事とのことなどなど。好きなことを、好き勝手に、好きなように書いていくだけのブログです!ブログ名の『ねこさん』は愛猫の名前だよ!かわいいよ、ねこさん!

『このミステリーがすごい!』を振り返ろう~2022年

『好きにさせてみせるから』のシーズン2が配信されています。

ボイコミです。CV小林千晃さん×CV小林裕介さんで話題になった作品です。

最新話ではメインカプのお話を通して、CV小林裕介さんの瞬のことを思っている同僚くんの思いが浮かび上がってくる、と言う構図だったのですが。

この同僚くんを演じていらっしゃるのが大塚剛央さん。演技が良すぎ。声が良すぎ。

てなことで私はうっかり『もうifの世界線でもいいから、この同僚くんの恋心が報われる物語を、大塚さんと小林さんのボイスオンリーでいいから見たい。聞きたい。お願い。お金なら払う』と思ってしまいました。

私だけではないはず・・・ですよね?(笑)

 

言うのはタダ!

 

てなことで本題です。

1989年から始まった『このミステリーがすごい!』の歴史。

それを、個人的に読んだ作品のみではありますが振り返ってきたこのシリーズ記事。

いよいよ、今回、2022年の振り返りをもってラストでございます!

 

かっはあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!

ついにこの時が来てしまったか!

 

最初の振り返り記事を書いた時『いやぁ、これは先が長いぞ。果たして、途中で飽きることなく、かつ忘れることなく、最後まで走り切れるかしら』と思ったものです。

事実、途中で『あれ・・なんかこれ、全然、年代、進んでないことない?大丈夫?ちゃんと年代、前に進んでる?』と妙な疑問も、しかし本気で抱いたものですが(苦笑)

 

無事、ゴール地点である2022年の振り返りまでたどり着くことができました。

嬉しい。

 

てなことで早速、いつものようにその年、何があったのか振り返ってまいりましょう。

2022年です。去年ですね。

そうだなぁ。ロシアによるウクライナ侵攻をいちばんに思い出すなぁ。と言うかそうか。もう間もなく1年を迎えることになってしまうのか・・・辛いなぁ。

なんでしょ。この話題に関しては実際に侵攻が開始される2月24日以前にきな臭い動きが見られる、と言うニュースが伝えられていたように記憶しています。

でも私は『まさか、そんな。戦争起こしたりはしないでしょ』とのんきなことを思っていたのですが・・・。

 

『私たちはあなた方の国を侵略するつもりも、攻撃するつもりも全くありません!ただいつも通り、平々凡々、普通の日々を送りたいだけです!』といくらこちら側が丸腰で訴えたとしても。

それに耳を傾けない。耳を傾けてもそれを曲解して受け止める。そして問答無用で武力を行使してくる。そんな指導者が、国がいる、あるのだと言う現実を突き付けられたようで、それまで遠い存在だった『戦争』、それが、急に距離を詰めてきたように感じられました。

平和な国、日本。だからこそ感情論を抜きにして、冷静に『戦争』について考え『戦う』『守る』について考えることが必要なんだろうなぁ。

 

何はともあれ、ほんと。1日でも、ウクライナの戦火が止むことを祈るばかりです。

 

北海道知床島沖合で観光船が沈没したのも、そして安倍晋三元首相が銃撃され亡くなられたのも、去年、2022年のこと。

1年。まだ1年。もう1年。

 

はい。

 

ではでは。ここからは本題にまいりましょう。

ja.wikipedia.org

いつものようにリンクを貼りつけておきますので、こちらをご覧になりながら記事を読んで頂くとわかりやすいかと思います。

このミステリーがすごい!』2022年の振り返りです。

 

さすがに去年のランキングですからね。見なくてもある程度は思い出せるぞ!

1位に輝いたのは米澤穂信さんの歴史×ミステリ巨編『黒牢城』でございました!

このミステリーがすごい!』常連作家さんのおひとりと言っても過言ではない米澤さんでございますが、この作品では『このミステリーがすごい!』をはじめ主要ミステリーランキング4冠制覇と言う史上初の快挙を成し遂げられました。

更に山田風太郎賞、第166回直木賞、第22回本格ミステリ大賞も受賞と、まさしくこの年を代表する1冊なのであります。

 

でも私は読んでない(ちーん)

文庫版になるのを待ち侘びています・・・すいません・・・。

 

本能寺の変が起きる4年前、天正6年の冬。織田信長に叛旗を翻し有岡城に立てこもった荒木村重は、城内で起きる事件に翻弄されていた。動揺する人心を落ち着かせるため、村重が難事件の解決を求めたのが黒木官兵衛。土牢の囚人にして、信長の軍師である人物だった。果たして城で起きた事件の裏側には、何が隠されているのか。そしてそれが暴かれた時、暴いた時、村重と官兵衛は何を見るのか・・・と言うのがあらすじ。

あぁ・・・アレでしょうね。きっと米澤さんの美しく、静謐な筆致で進んでいく物語に、やはり静かに、しかし確実に引き込まれるような、そんな作品なんでしょうね。

その中、人間の心の存在を確かに感じさせる、そんな謎解きの楽しさ、美しさが堪能できると共に、この時代、この設定だからこその論理も炸裂しているような。そこに打ちのめされるような。感嘆の息を漏らしてしまうような。そんな作品なんでしょうね。

 

読みたい。早く文庫、発売して。

 

はい。と言うことでベスト10作品の中で、私が読んだ作品のみですが見ていきますと・・・4位、今村昌弘さんの『兇人邸の殺人』と3位の月村了衛さんの『機龍警察 白骨街道』の2作品ですか。

ではでは、この2作品について語ってまいりましょう。

 

まずは4位。今村さんの『兇人邸の殺人』です。こちらは『屍人荘の殺人』から始まる、剣崎比留子シリーズの3作目。現状、シリーズの最新作でございます。

『屍人荘の殺人』でまさかまさかのゾンビ×本格ミステリと言う荒業を、しかし見事に、華麗に実現させてみせた今村さん。しかもこの作品が今村さんのデビュー作だったと言うのですから、いやいや、作品を読んだ当時はただただ驚くばかりでした。

続くシリーズ2作目『魔眼の匣の殺人』でも、ミステリー作家として自分の首を絞めているとかし思えないような(笑)舞台設定の中、やはり華麗に、見事に本格ミステリを描き切られたその実力は、お見事の一言!何より今村さんのこのシリーズ、ミステリーとしても、そしてエンタメ作品としても、小説としてめちゃくちゃ面白いんですよ!

 

と言うわけでシリーズ3作目となる本作の舞台は、廃墟となったテーマパークにそびえる『兇人邸』。謎多き『班目機関』の研究資料を求めるグループと共に、比留子と葉村はこの『兇人邸』に足を踏み入れることに。しかし一行を待ち受けていたのは、邸内を徘徊する、無慈悲な首斬り殺人鬼だった。

複雑な内部構造故、また様々な思惑を抱えているが故、同行者が次々と首のない死体で発見されてもなお、一行は『兇人邸』から脱出と言う選択肢をとることができない。

果たして比留子と葉村は、無事、『兇人邸』から出ることができるのか。そして無慈悲な殺人鬼、その正体は一体、何者なのか・・・と言うのが本作のあらすじです。

 

再三、書いてきたのですが。この作品に関しては、私、犯人、当てられた!うひひ!トリックとか推理とかはまったく当てられなかったけど『あ、この人、犯人』と言うのは当てられた!うひひ!

多分、普段からミステリーを読み慣れている方なら、登場人物一覧。こちらを見た瞬間に『あ、これは』とある程度、犯人についての予想がつくはずです。うん。

 

そんな私のつまらない自慢はさておき。

今回の作品も、めっちゃくちゃ面白かったです。強大な力を持ち、無力な人間たちの首を次々と斬り、その命を奪っていく殺人鬼の徘徊する建物。その中に閉じ込められてしまい、しかも諸事情により外に出ると言う選択肢をとるのが難しい、と言うその設定が、もう最高にスリリング!

『自分がもし、こんな状況に置かれたらどうしようか』と、私は読みながら、ただただドキドキするばかりなのでした。

何だろ。このシリーズ、本当に舞台設定がうまいんですよね。うまい上に、それが単に『設定』だけで終わっていない。しっかり物語の中で活かされ、役割を果たしている。

 

あと先程も書きましたが、ミステリーとしての面白さ。本格ミステリー作品としての魅力にあふれた作品であるのは言うまでもないことなんです。綱渡りを目の当たりにしているかのような、どこかに隙がありそうでしかしそれが見当たらない、緊張感と美しさをはらんだ推理の展開。そして最後に待ち受ける驚き。そうしたミステリー小説としての要素は勿論なんですけれど、とにかく小説、物語として面白い、ちゃんと面白いと言うのも、このシリーズならではの特筆すべき魅力だと、私は思っています。

偉そうな言い方にはなってしまいますが、今村さんは『小説や物語はどこをどんなふううに描けば面白くなるのか。面白く読まれるのか』と言うことを、めちゃくちゃ研究されて、ご自身なりの答えを会得されていらっしゃるんだろうなぁ、と心底、思わされると言うか。うん。小説や物語の書き方を知っていらっしゃると感じると言うか。

なので、このシリーズに関しては、普段はミステリーはあまり読まないよ、と言う方にも、自信をもってお勧めしたいのです。はい。

 

今作品に限って言えば物語の終盤に描かれる『罪を犯した者』と『探偵』、この相対する立場にある2人が、しかしただの人間である2人が(まぁ、厳密に言うと『ただの人間』ではないのですが(汗))、相対する立場にある者同士だからこそ、互いの頭脳に絶対に信頼を寄せ共闘するシーン。ここがもう、最高に胸熱なのです。

そこで描かれるのは、圧倒的な、人間同士の感情のやり取り。

かつて『本格ミステリは人間が描けていない』と言う批判が、この界隈を騒がせたことがあったらしいのですが。

このシリーズに関しては、どの作品に関してもごりっごりに人間の、あまりに人間らしい、あまりに単純で陳腐とすら言ってもいい、日常のそこかしこにあふれ出ている、でもだからこそ胸動かされる感情が描かれているのも、私は本当に大好きなのです。

はい。そんな具合で勿論、シリーズ順に読まれた方が正しく楽しめるのは言うまでもない。ですが、先の作品のネタバレを恐れない強者さんであれば(笑)こちらの作品から読んでも問題はなしなので、とにもかくにも読んで下さい!

 

お次は3位、月村さんの『機龍警察 白骨街道』ですね。こちらは『機龍警察』シリーズの7作目に該当しています。現状では、この作品が最新作ですね。

は・・・早く・・・早く続きを・・・お願いだから私が生きて、読書を楽しむことが許されている内に・・・続きを・・・そしてシリーズを完結させておくれ・・・。

 

読書感想文記事でも、そしてこの『このミステリーがすごい!』の記事でも再三、『『機龍警察』シリーズ、とにかく読んでね、頼むから読んでね』と書いてまいりましたが・・・読んでますか、皆さん?(圧)

読んでない人はおしおきです!

www.hayakawabooks.com

はい。こちらも再三、貼り続けている版元、早川書房さんによるシリーズ紹介サイトです。めちゃくちゃわかりやすい。

magazine.yanmaga.jp

コミカライズもされています。私は読んでないけど!小説で築き上げた私の中の、各キャラクターのイメージが崩れるのが嫌!(厄介)

でも漫画だからこその魅力もあるだろし、何よりやはり小説を読まれるよりかは漫画の方が手は伸ばしやすい、そしてお話的にもわかりやすい部分はあると思います。

 

なのでお願い・・・頼むから皆・・・『機龍警察』シリーズ、読んで・・・手に取って・・・ほんと、めちゃんこ面白いから・・・。

 

はい。そんなこんなで『機龍警察 白骨街道』のお話です。国際指名手配犯の身柄引き受け役として、ミャンマーに足を踏み入れた警視庁特捜部突入班の3人。しかしその3人に、数々の罠が襲い掛かる。特捜部部長の沖津は、この事案の背景にただならぬ気配を察知する・・・と言うお話です。

ぶっちゃけ、多くのサイトで紹介されているあらすじをそのまま記載しただけです。だってこの作品のあらすじをたった数行でまとめるとか、私には到底、不可能なことです。許して下され・・・。

 

ねー・・・もうこれも毎回、毎回、言ってるんだけど。この作品ももう、めちゃくちゃどちゃくそ面白かったです。ほんと。『読み終えるのが勿体ない!だから読み進めたくない!でも無理!早く続きが読みたくて仕方ない!あぁっ、こうしてページをめくる指を止められないまま、気が付いたら残りこんだけかよっ!』てな具合です。はい。

前作『機龍警察 狼眼殺手』を、私は確か『それまでアクセル全開に踏み込んでいたその足が、いったんペダルから離れた。加速が止まった。その代わりに、がくん、と物語の深度みたいなものが一段階、深いところに行った』みたいに評したよう記憶しています。違っていたらただただ笑うしかないんですけど。ハハ!

 

で、今回の『機龍警察 白骨街道』は、その加速が止まって代わりにより深みへと沈んだこのシリーズが、再度、アクセルを思いっきり踏み込んだ、そんな感を私は受けました。ただし当然、今までよりも深い場所に沈み込んだわけですから、当然、加速はし辛い。し辛いんだけれど、それにもかかわらず、アクセルを踏み込み続けている。その結果、エンジン系統はダメージを負って、焦げ臭いにおいも立ち始めている。

それでもアクセルペダルは踏み込まれたままで、ついには満身創痍の車自身が、アクセルペダルを踏み続けている者の意志を察したかのようにして動き出した。満身創痍であるはずなのに、鈍く、重く、しかし以前よりも力強く動き出した・・・そんな感じなんです(どんな感じよ(汗))

 

伝われ!(圧)

 

いや、うん。ほんとに。これまでのシリーズで積み重ねられてきた重厚感、面白さ、現実世界とのリンク。そうしたものは本作でも描かれつつ、シリーズ7作目にしてなお、それらに更なる烈しさ、暗さ、深み、またエンタメ作品としての新鮮さであったり面白さ、そうしたものが加わったのが本作品と言うか。

ダメだ。私の語彙力では何をどう言ってもうまく伝えられる気がしない。くそぅ。

 

とにもかくにも、正しいことを正しいと信じる。それを証明しようと奮闘するが故に、それを守り通そうと戦い続けているが故に、時にあまりにも非情な選択を強いられ、あるいは艱難辛苦を味わうことになる特捜部の面々。それでも決して足を止めることなく孤独な戦い、命を危険にさらすような戦いに身を投じ続けている特捜部の面々が、今回も、相変わらずかっこいい。もうほんと、痺れる。めちゃくちゃかっこいい。

またその中で『組織と個』『大義と私情』と言った、相反するものの間で揺れる様子が描かれるのも、登場人物たちが確かに人間であることの証のように思えて、一層、胸を熱くさせられるのです。

 

城木さんって言う、イケメンがいるんです。名家出身で、だからこそと言うべきか、あるいはそれに似合わずと言うべきか。非常に熱い、ある種の潔癖さすら感じさせるような理想主義を胸に秘めたイケメンなんです。

この人がね、もうね、シリーズ進むごとに、どんどん、どんどん、ずったずったのぼっろぼっろになっていくんです。家族との確執やいろいろなことがあって、そこにもみくちゃにされて、闇落ち寸前なんです。

それがね、もうね、個人的にはたまらないんです。

たまらないんです。

鬼か。

 

 

いかん。なんか本音がただただ漏れ出ただけの感想を書いてしまいましたが。

 

とにもかくにも本当に面白いので、読んでくれ。

 

『今、その時』の国際情勢を描いた国際小説でもあり、『正しきこと』を信じ、強大な闇に立ち向かっていく特捜部の姿を描いた警察小説でもある。そしてまた、その者たちの戦いの、あまりの孤独さが、しかし逆に胸を熱くさせるハードボイルド小説でもあり、新型近接戦闘兵器『機龍兵』によるド派手な戦闘が描かれているアクション小説でもある。どんな闇にも果敢に立ち向かっていく冒険小説でもあり、作品が刊行される度、どんどん、どんどんとその闇、謎が深まっていく、広がっていき、その一端が掴めそうで掴めなくなる、その緊張感とスリルが実にもどかしくもたまらないミステリー小説でもあるんですね。うん。

そして何より、そうしたすべての魅力をひっくるめたエンタメ小説であるんです。個人的には、日本を代表するエンタメ作品のひとつ、シリーズだと言っても過言ではないとすら思っています。

 

だから頼む・・・読んでくれ・・・(土下座)

 

はい。てなことで以上、振り返りでございました。

 

で。

次回からどうしようかと頭を悩ませたのですが。

このミステリーがすごい!』では、刊行10周年、20周年、30周年を記念したタイミングで『ベスト・オブ・ベスト』と『キング・オブ・キングス』を決定するランキングも発表されているのです。

なので次回からはそちらをご紹介しつつ、いろいろと語っていこうかと思っておりますので、よろしければ引き続きお付き合い下さい。

 

ではでは。本日の記事はここまでです。

読んで下さりありがとうございました!

『機龍警察』も是非とも読んでね!