tsuzuketainekosanの日記

アニメや声優さん、ゲーム、漫画、小説、お仕事とのことなどなど。好きなことを、好き勝手に、好きなように書いていくだけのブログです!ブログ名の『ねこさん』は愛猫の名前だよ!かわいいよ、ねこさん!

ミステリー小説に~こんなイメージ、お持ちではないですか?

明日、感想を挙げる夕木春央さんの『方舟』が、ここ数年、読んだミステリーの中でもトップ5に入るくらい面白かった、と言うか『面白かった』のは勿論のこと『こう言うミステリーが私は好き!』と声を大にして言い散らかしたい、そんな作品だった。

そして講談社発の『ハンドレッドノート』もミステリーコンテンツと言うことで、個人的には今後の展開に楽しみしかない。プロット制作にどんな作家さんを引っ張り出してくるのか、残りのキャラクターCVはどなたが担当されるのか。そう言うところも含めて、ただただ楽しみしかない。

 

そんな具合なので私は思ったのでした。

『皆さん、ミステリーはお嫌いですか?』と。

 

ミステリーを扱った作品はたくさんあります。漫画ゲーム、ドラマ、オリジナルアニメなどなど。

ただ私がここで挙げている『ミステリー』と言うのは、私が最も多くかつ長く触れているミステリー小説。それに限定した話だと思って下さい。すいません(土下座)

更に言うとその中でも私が好んで読むミステリー小説、また作家さんと言うのは実に偏っています。ざっくりと言うと、このブログでも度々、書いていますが『年末のミステリーランキングにランクインするようなミステリー小説』です。

『それってどんなの?』と聞かれると、私としては『これまでの年末ミステリーランキングの結果を見てくれ』としか言いようがないのですが。

ja.wikipedia.org

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参考までに。よければ是非とも、見てみて下さい。

 

で、ミステリー小説と聞くと、多くの方は次のようなことを思い浮かべられるのではないかな、と私は思うのですが。

・人が殺される・・・そんなの読みたくない。

・難しそう・・・そんなの読んでて楽しくない。

・人物に魅力がなさそう・・・それこそ魅力的じゃない。

 

まずひとつめ。『人が殺される』に関しては、まぁ、これは『そ、その通りでございます』としか答えようがないのが正直なところです。

ミステリー小説の多くにおいては人が殺されます。作品によっては結構な数の人が殺されたり、目を覆いたくなるような方法で殺されてしまったりもします。

その謎を描き、解き解していくのがミステリー小説です。なので『そんな血なまぐさい、殺伐とした、人の命が軽んじられるようなジャンルの小説なんて不謹慎極まりないじゃないの!』と言われてしまえば、私としてはぐうの音も出ません。

『人が殺されて『さぁ、果たしてこの謎はどう解明されるのかしら?』とわくわくしちゃってごめんなさい』としか言いようがないです。

 

ただですね。当然ですが人が殺されない、人が死なないミステリー小説もたくさんあります。いわゆる『日常の謎』を解くようなミステリー小説ですね。こうしたミステリー小説は、日常系ミステリーとも呼ばれることがあります。

そうした作品を一部、挙げていきますと。

まずは北村薫さんの『空飛ぶ馬』ですね。女子大生と噺家の2人が、何気ない日常の中から、ふっ、と浮かび上がってきた様々な謎を解き明かしていくと言うお話です。

北村さんのデビュー作にして日常系ミステリーの話題になると、必ず挙がってくると言っても良い、不朽の名作的存在感も放っている作品です。

 

また京都アニメーションによってアニメ化もされましたね。米澤穂信さんの『氷菓』をはじめとする『<古典部>シリーズ』も、日常系ミステリーの代表作のひとつと言えるでしょう。

廃部寸前の<古典部>に入部した4人の少年、少女たちが、学校生活の中に潜む謎を明らかにしていくと言うのがこのシリーズですが、米澤さんの作品って、このシリーズに限らず人が死なないミステリー。日常系ミステリーが多いような印象があります。

 

あと色々調べてみたら色んな作品が出てきたのですが、とりあえず私と同じくBL好きな方には、坂木司さんの『青空の卵』から始まる『ひきこもり探偵シリーズ』を強くおすすめします。

読んだのがもうずいぶん前なので『人は殺されていなかったはず!』とは自信を持っては言えないのですが『人は殺されないよ!でもBL好きな人の心は、確実に悶え殺すような作品だよ!』と自信をもって叫べるのは確かです。

そんな作品です。そんな作品ではないはずですが、ごめんなさい。私のたくましい想像力では、もはやこの作品はBLとしか受け止められなかったです。おっふ。

 

話が少し逸れそうになりましたが。

結論から言うと人が死なないミステリー。日常の謎を、実に論理的に鮮やかに解き明かしていくミステリーもたくさんあります。

こうしたミステリーは、人が殺されない、死なない分、語弊ある言い方かもしれませんが、謎解きとしては地味な感じがするのは否めません(あくまで個人的な意見ですが)。ただしだからこそ、時に強烈なまでに人間の、様々な感情が浮かび上がってきて、読み手の心を揺さぶる作品も多く、またそのことで生きること、そこに存在する喜怒哀楽、幸不幸、それらすべてを痛切なまでに感じさせる作品も多い気がします。

 

なので『ミステリー小説』と聞いて『人が殺される。よって却下!』と思われた方は、まずはこうした日常系ミステリーをお手に取られてみて下さい。

 

次の『ミステリー小説・・・うーん、なんだか難しそう』と言うイメージです。これもまぁ、わからないことはない。と言うかミステリー好きでミステリー小説をそれなりに読み続けている私ですら『うん。難しい。わからん』となることは少なくないってか多々あります。

特に私は方向音痴、頭の中で地図なり方向なりを描けない、想像できない人間なので、そう言うのが絡んでくる作品だと、割と『わからん』となります。ご丁寧に挿絵でそう言うのが説明されてあると、まだ救われるんですけど。

ただですね、これに関しても当然ですが作品によりけりです。また作家さんによるところが大きいと言えるかとも思います。作家さんの作風や推理の展開の仕方は勿論のことと、その作家さんの文章のクセみたいなもの。それもこの部分には大きくかかわってくるのではないかなぁ、と。

文章のクセが強い作家さんの作品だと、ただでさえ難しいと思われる部分が、その文章のクセによって更にかみ砕きにくく感じられてしまうと言うことですね。いや、これもやっぱり私個人の感想なのですが。

 

なので比較的、文章のクセが少ない作家さんのミステリー小説だと、難しいと感じることも少ないのではないかなぁ、と私は思うのであります。

てなことで、その観点から『難しくないミステリー小説』の書き手としておすすめしたい作家さんを挙げるとするならば。

まずは東野圭吾さんですね。ミステリー小説に詳しくない方でも、そのお名前は一度は耳目にされたことがあるでしょう。今や国民作家のおひとりと言っても過言ではない、ミステリーだけでなく様々なジャンルの作品を執筆されている作家さんです。

東野さんの文章って、とにかく『国語のお手本!』と個人的には言いたくなるような、本当にクセのない、必要な情報を必要な分量だけ、実に適切な方法(たとえば登場人物の会話として。あるいは心情描写として)で描かれていて、とにかく読みやすい。そしてその文章で描かれている状況などが、頭に描きやすいんです。なのですいすいと読めちゃう。だから難しい部分、たとえば謎解きの部分などであっても、比較的、読みやすいかと思います。

 

また同じく国民作家と言っても過言ではない宮部みゆきさんの文章も、非常に読みやすいです。クセがなく、しかし状況に合わせた柔らかさであったり温かみであったり。あるいはひやり、とするような質感であったり。そうしたものが過不足なく描かれている文章で『うまいなぁ』と思わされるのです。

いや、プロの作家さんなのだからうまいのは当たり前なんですけど。

 

そうです。プロの作家さんなのだから、皆さん、基本的には文章、お上手です。

ただしその作家さんのクセ云々と言う部分を除いても『おいおい。こんな文章でよく出版オッケー出たな。編集、何やってたんだ!?』と悪い意味で驚くような作家さんも、ごく稀にいらっしゃると言うことだけはお伝えしておきます。おっふ。

 

あと必要な情報がぎゅっ、と濃縮され描かれている。最初から必要な情報しか用意されておらず、かつ物語としてもページ数の都合上、長編ほどは大きな広がりを見せない、見せにくい。

そうした点から短編ミステリーも『ミステリーは難しいんでしょ』と思われている方にはおすすめです。

たくさんの作家さんの作品が1冊にまとめられているアンソロジー形式の作品は、1冊でたくさんの作家さんの文章のクセ、作風の一端みたいなのを知ることができるので、ミステリー小説初心者の方にはおすすめです。

 

結論から言うと『ミステリーは難しい』は、ある程度はそう言う部分もあります。けれどこれは作家さんの文章のクセなどに影響される部分も大きいです。

なので『難しいんでしょ!難しいの嫌い!』と食わず嫌いを発揮される前に、まずは複数の作家さんの作品がおさめられている短編集などを読んでみて下さい!

www.futabasha.co.jp

こちらとか。

www.shogakukan.co.jp

こちらとか。こちらは1作品あたりのページ数が本当に短いので『読書自体が苦手!』と言う方にもおすすめしたい作品です。

www.tsogen.co.jp

この『放課後探偵団』は2も発売されています。

bookclub.kodansha.co.jp

ミステリーに強い講談社だからこその、まさしく『珠玉』の名がふさわしい短編集。

 

はい。そして最後。『ミステリーの登場人物って、なんか魅力なさそう』と言うイメージですが。これはもしかしたら『ミステリー=難しそう』にもつながっている、そんなイメージなのかなぁ、とも思うのですが。

 

これはですね。『新本格(『新本格』とはまぁ、そうだな。ミステリー界における一種の流れのことだと思って下さい)は人間が書けてない』と言う批判があったのも事実でして。

要は『新本格のミステリーは謎やトリック、読者をいかに騙すかに注力するあまり、登場人物にまるで魅力がない!新本格の作家も、そう言うわけで魅力的な登場人物を描けていない!むんっ!』と言う批判だと思うんですが(詳しいことは私も知らん)。

 

私としては『そんなことはねぇわ、バーカ!』と昔懐かしのガキ大将のような勢いで(どんな)反論したいくらいの批判なのですね。はい。

大体、新本格のミステリー、それらがこんなにも大きなムーブメントになったのも、そのムーブメントを経て、新たな『新本格』の流れにあると思しき作家さんが続々と誕生しているのも、新本格に登場する人物。

それが小説のキャラクターとして、実に魅力的であったから。そう言う部分は間違いなくあると思うんです。ってかそれはもう、間違いないことなんです。

 

勿論『小説のキャラクターとして魅力的』であることと『人間が書けているかどうか』と言うのは、また別問題ではあるでしょう。

でもそもそも『どうして人を殺した』『殺人と言う罪を犯した』と言う動機、それが謎として描かれることも多いミステリー小説においては、そもそもとして『人間』が描かれているのが当然である、と私は思うんですよ!

伝われ、この感情!

 

魅力的であろうとなかろうと。人間の、いろーんな感情。えげつなく、グロテスクで、どとうしようなく。だけど同時に、時に驚くほどに眩しく、清らかで、まっすくで熱いものも見せつけてくれる感情。

それを抱えて生きる人間の姿、そのもの。

それが描かれているからこその、ミステリーなんですよ。ええ。

 

だからですね、結論からと言うと『ミステリーには、魅力的な人物がたくさん登場するよ!』と私は声を大にして言いたいです。

 

が、勿論、これも作家さんや作品によって大きな差があるのは事実です。また先程も書きましたが『キャラクターが魅力的である』と『人間が書けている』は必ずしもイコールではありません。

なのでいくら魅力的なキャラクターであっても『いや。これは人間が書けているとは言い難いでしょ』と思われる方は、どこまでいってもいらっしゃることでしょう。

 

まぁ、それはもう、仕方ない。

仕方がないんだ。

人間、どう頑張っても理解しあえないこともあるってもんだ・・・。

 

はい。なので大丈夫!

ミステリーこそ、魅力的な人間の宝庫とも言える、そんなジャンルだと私は思います。

『じゃあ、具体的にどんな作品が挙げられるのよ!』と聞かれるとですね。

困るくらいです(笑)

いや、ほんとに。今までのように例を挙げようと思っていたのですが『挙げ出したらこれ、キリがないわ』と気が付いた次第です。

 

ただ、ですね。

父の影響で小学生の時から、やれ横溝正史だ、やれ江戸川乱歩だ、やれコナン・ドイルだと騒いでいた私がですね、本格的にミステリー小説を読み始めたのが高校生の頃だったんです。バイト始めたから、今ほどではないにしても、自分の欲しい本を好きなように買うことができるようになった、と言うこともあってですね。はい。

 

で、その当時に購入していたのが有栖川有栖さんの『准教授・火村英夫シリーズ』、作家アリスシリーズですね、こちらと、京極夏彦さんの『百鬼夜行シリーズ』、京極堂シリーズとも呼ばれるシリーズですね。その2シリーズだったんです。

『登場する人間が皆、魅力的』と言う点においては、この2シリーズを挙げることに同意して下さるファンの方は、たくさんいらっしゃるのではないかなぁ。

ひとつひとつの伏線が終盤の推理パートで見事につながって、美しい展開を見せる有栖川さんのシリーズも、凄まじい量の蘊蓄と、しかしそれらが見事に推理に絡み合い、超絶的な展開で謎が収束していく展開がたまらない京極さんのシリーズも、けれど当時の私は、アリスや火村先生、京極堂や関くん、天上天下唯我独尊の榎さん、木場修と言った、あまりにも魅力的な人間たちが登場していなければ、多分、その面白さに気づく前に挫折していたと思うもんなぁ。

あるいは事件の関係者たち、その人たち、1人1人の姿がざっくりまとめてしまうと『実に面白い』からこそ、読めていた部分もあったよなぁ~。

はい。なので一例も一例、本当に一例ではございますが、この2シリーズはご紹介しておきます。

 

そんなこんなで、いかがでしょうか?

なんか勝手に私が思う『ミステリー小説に縁がない方は、きっとこんなイメージを抱いていらっしゃるに違いない!』と言うイメージに、勝手に答えてまいりましたが。

 

ほんとにね、ミステリー小説、めちゃくちゃ面白いんですよ。

せっかく、ネットの場末ではありますがブログをやっているんだし、その魅力を少しでも広げるような、そんな記事を書ければなぁ、と言う思いがありつつ、なかなか実現できていないこともあったので、本日はこんな記事を書いてみました。

これを機に、もしかしたらもしかして、ミステリー小説に興味を抱いて下さった方がいらっしゃったら、私としての望外の喜びでございます。

 

そうだなぁ。前にも書いたけど、おすすめのシリーズ作品を紹介する記事、挙げていきたいなぁ。

なぁ~・・・(遠い目)

 

てなことで冒頭でも書きましたが、明日は去年の話題作。衝撃のミステリー作品『方舟』の感想を挙げます。

好きなことを好きなように書き殴った感想ですが(いつものこと)、よろしければお付き合い下さい。

 

ではでは。本日の記事はここまでです。

読んで下さりありがとうございました!