tsuzuketainekosanの日記

アニメや声優さん、ゲーム、漫画、小説、お仕事とのことなどなど。好きなことを、好き勝手に、好きなように書いていくだけのブログです!ブログ名の『ねこさん』は愛猫の名前だよ!かわいいよ、ねこさん!

『このミステリーがすごい!』を振り返ろう~2018年

グエル君が何をしたって言うんだ!

1話からの落とされっぷりが、あまりにも酷すぎやしないか!

あとニカ姉も気になるけど、目撃しちゃいけない場面を目撃してしまったマルタンの安否も気になるぞ!

そしてあの終わり方で『続きは3か月後(にっこり)』と言うのも、視聴者に酷すぎやしないか!

スレッタちゃんの無邪気な笑顔、声と、ミリオネの引きつった表情、声の対比よ。

鬼だ!制作陣は鬼だ!

 

はい(笑)

 

てなことで新年一発目、『このミステリーがすごい!』の振り返り記事でございます。

今回は2018年の振り返りですね。

 

2017年2月に、約10年勤めていた書店を馘になった私ですが、ありがたいことに年末にはどうにか、現在も働いているお店にてアルバイトとして採用していただくことに。

なのでそうか、2018年と言うと、もう今のお店でがっつり、働いていた頃なんだなぁ。

そうかぁ~。そう考えると時の流れと言うのは早いものですなぁ。

ちなみにフルタイムになったのはこの翌年、2019年の6月からですね。

2018年の間は、まだまだアルバイト+家でのウェブライターの真似事みたいなことでどうにか、月10万程度は稼げていたので、気楽な実家暮らしとしてはそれでもやっていけていたのですが。

あはははは。

 

はい。そんなこんなでいつも通り、2018年、社会では何があったのかをちょろっと見てまいりましょう。

なんか当たり前ですけど、いつの年数を振り返っても、テロやら無差別殺傷事件やら事故やらは日常茶飯事のようにして、世界中で起きていますね。世知辛い。

 

あー。これ行きましょうか。個人的に印象深いのか6月に発生した大阪北部地震

何がってこの日ですね。母はメキシコへと旅立つはずだったんです。伊丹空港から。なので早朝、せっせと家を出て、電車に乗って、大阪に着いて。で、現地で待ち合わせしていた知人の方と合流して伊丹へ。そこで旅行会社の方と合流しそして『さらば日本!ハローメキシコ!』となるはずだったんですけど。

 

大阪に到着してほどなくして、地震に見舞われたそうです。で、知人と方との合流も遅れに遅れ。それでも『一か八かっ!』の感じで、もしかしたら伊丹空港での合流に間に合うかもしれない!と言う感じだったらしいのですが。

もう旅行どころじゃないよね、と言う気分になったらしく。あと伊丹空港に間に合えばいいけど、散々、頑張った挙句、ギリギリで間に合わなかったら、むしろそっちの方が悔しいわな、と言う話に知人の方となったらしくて。

 

結局、旅行はキャンセル。母は知人の方のお宅で一夜を過ごし、翌日、とても落ち込んだ姿で帰ってきました。

これがケチのつきはじめだったのでしょうか。翌2019年の12月、中国、台湾方面へと旅行に出かける予定だった母は、当時は『謎の感染症』として取り上げられていた新型コロナウイルスの影響を懸念し、その旅行もキャンセル。

以降の状況は言わずもがな。海外旅行命だった母は『もうこの先も、海外に行くことはできないんだろうなぁ。気力も体力も衰えてきてるし』と嘆いています。

 

いや、ってか多分、ケチのつきはじめ云々で言えば、その前年、2017年ですね。

ここで明るみになった『てるみくらぶ』の騒動。そこに巻き込まれていた時点で、多分、ケチはつきはじめていたんだろうなぁ~。

 

はい。そんなこんなで本題。2018年の『このミステリーがすごい!』の振り返りにまいりましょう。

ja.wikipedia.org

いつものように結果のリンクを貼りつけてきますので、こちらをご覧になりながら記事を読んで頂くと幸いです。

 

この年、栄えある1位に輝いたのは、おおっ!今村昌弘さんの『屍人荘の殺人』でございます!わー。この作品、私も読んでいますので、のちほどたっぷりと語ります。

その他、ベスト10にランクインした作品の中で私が読んでいるのは・・・まず6位、有栖川有栖さんの『狩人の悪夢』、それから5位の古処誠二さん『いくさの底』。そして3位、月村了衛さんの『機龍警察 狼眼殺手』、2位の伊坂幸太郎さん『ホワイトラビット』ですね。

全5作ですか。手短かつ簡潔にいくんだぞ、自分!

 

では早速。6位の『狩人の悪夢』からまいりましょう。こちらは有栖川さんの人気シリーズのひとつ、准教授・火村英生と作家・有栖川有栖を主役に据えたシリーズの1作でございます。

人気ホラー作家の誘いを受け、彼の自宅である『夢守荘』を訪れたアリス。そこには『眠ると必ず悪夢を見る』部屋があると言う。アリスがその部屋に泊まった翌日、ホラー作家のアシスタントが住んでいた『漠ハウス』と呼ばれる家で、右手首のない女性の死体が発見され、と言うのが本作のあらすじです。

 

火村先生の犯罪や犯罪者に対峙する姿勢。その苛烈なまでのそれが描かれているのが、本作のみどころのひとつだと思います。自ら深い、深いところへ落ちていき、手酷い傷を負い、それでもなお自らを追い込んでいくような火村先生を、いつもその寸前のところですくい上げるのは、やはりアリスなんだよなぁ。

16年。長い時間を共に過ごしてきた2人だからこその、その圧倒的な信頼感と、変わりそうで、それでも根本のところは何も変わっていない友情。それが私には単純に、とても、心底、羨ましく思えました。

そしてもうひとつ。とりかく推理パート、火村先生とある登場人物とのやりとり。その細い、細い糸を張り巡らせるようにして組み立てられていく論理の展開。それがもう、たまらなく危うげで、だからこそ美しくて最高でした。『決してそうだとは言い切れない』にもかかわらず『それ以外のことが考えられない』と言う、この展開。たまりません。そうしてじりじり、じりじりと、しかし確実に犯罪者を追い詰めていき、最後には胸を射る一矢を放つ火村先生は、まさしく狩人そのもの。

だからこそ、罪を犯してしまった人間の思いもより一層、胸に染みていくような。そんな作品でもあります。

 

5位、古処さんの『いくさの底』です。戦争や戦場を舞台にした作品を多く発表されている古処さん。この作品もやはりそうで、舞台は第二次世界大戦下のビルマ北部。日本軍警備隊が駐屯することになったある山村で、1人の将校が殺害される。村人には死因を伏せたまま、事態収拾を図ろうとする軍をしり目に、第二の殺人が発生してしまい、と言うのがあらすじです。

 

『いくさの底』と言う、このタイトルがもう、読み終えた後、胸にずっしりと、重く沈み込んでいくような。そんな作品です。

『いくさ』、いつの世になっても決して無くなることのない、あまりにも愚かなそれ。それをかぎ分けて掬い取って、そうして『底』にあったものは、結局、何でもない、ただの人間の性だった。それもまた結局、いつの世も変わらないものであり、あぁ、だからこそ『いくさ』は絶対に無くなることはないのだと、突き付けられたような思いもするようで。

そしてお約束のように、結局、その『底』にある人間の性に振り回されるのは、何も知らない無辜の人生だと言うのが、またこれどうしようもない。

ひたひたと、静かな迫力と緊迫感に満ちた文章。そして何より『どうしてこんなことは起きたのか。また同じ過ちを繰り返さないと、誰が言えるのか』と冷徹に問いかけてくるような作者の眼差しが冴えわたる作品でもあります。

 

3位は月村さんの人気シリーズ『機龍警察』の短編集をのぞいては5冊目となる『機龍警察 狼眼殺手』でございます。

まだ『機龍警察』を読んだことがないと言う方は、頼むから読んでくれ。『ミステリーが好き!』『公安とか警察とか、組織内の裏切り者とか。そう言う単語が出てくると、わくわくしちゃう!』『濃い人間ドラマが繰り広げられる作品が読みたい!』『キャラクターの立った登場人物を求めている!』『メカが出てくる作品が大好物!』とか、そう言う方はとにかく『機龍警察』を読んで下さい、お願いします(土下座)

そしてそうでない方も、とにかく面白い小説を探していると言うのであれば、頼むから『機龍警察』を読んで下さい!

www.hayakawabooks.com

てなことで、毎回のごとく、出版元のシリーズ紹介サイトのリンクを貼りつけておきます。頼むから読んで下さい(土下座)

 

で、本作品です。経産省と『フォン・コーポレーション』が進める日中合同プロジェクト。そこに絡む一大疑惑に、特捜部は捜査一課、捜査二課と合同で捜査に着手するが、関係者たちが次々と殺害されていく。謎の暗殺者に翻弄される警視庁。更に事態は別の様相を呈し始める、と言うのが本作のあらすじです。

 

いやなんだ。そう。短編集『火宅』の後だからと言うのもあるのかもしれないけど、ある意味では『機龍警察』の本当のスタートは、この作品から切られたのだと。改めて思い返すと、そんな思いがする1冊です。

めちゃくちゃ登場人物は多いんです。うん。多いんですけど、その1人1人の個性が本当に際立っているから、めちゃくちゃ読みやすい。そしてその1人1人の思い、立ちはだかる、自らを潰さんとする強大な闇に怖れを抱きながら、それでも正しいことを遂行しようとする。そのために身を危険にさらしながら、ただ己のなすべきことをなす。その思いが丁寧に、簡潔に、熱く描かれているから、読み手してもめちゃくちゃ胸を揺さぶられるし、エンタメとしてとにかく面白い。

そしてまたシリーズものだからこその魅力。その登場人物たちの変化も胸熱で、今作で言えばやはりライザのそれですよ・・・もうね、ほんと。彼女の前に立ちはだかった『銀狼』エンダの、殉教者のような最期(うっかりネタバレ)も相まって、なんかもう、ほんと、ライザのライザの・・・ライザのさぁ(言葉にならない)

そしてそのライザと緑が交わした会話では、もう涙ぼろっぼろですよ。

 

他にも語りたいことはあるけど、語り始めたらきりがないからこの辺らにしておくけど。ほんとに!

とりあえず沖津さん、休んで!由起谷くんは、これ、何気に死亡フラグ立ってない?大丈夫!?宮近さんは、そのままでいて!作中、個人的にはいちばん共感できる人だから!城木さんは・・・闇落ち、しちゃうの?うふふ。それはそれで私としては楽しみよ。鬼か!

あと桂主任。謎がまた生まれてしまったよ。そして作中、屈指の癒しを放っていた魚住さんと仁礼さんからも目が離せませんよ!

 

かっはー!面白い!こんな面白い作品、シリーズをまだ読んだことがないと言うそこのあなたは、本当に幸せですよ!

なので頼むから読んで!お願い!

 

はい。そして2位は伊坂さんの『ホワイトラビット』です。これはアレだ。私は2020年?に入院した時に文庫で読んだんだ。

仙台の住宅街で発生した人質立てこもり事件。SITが出動するも、逃亡不可能な状況下、予想外の要求が炸裂。それぞれの場所で起きる、それぞれの事件。そこにある息子への、妻への、娘への、そしてオリオン座への愛がやがては一か所へと収束していき、事態は思いもよらないような展開を迎える、と言うのが本作のあらすじです。

 

あちらこちらにありとあらゆる伏線をばらまくだけばらまいて、それを綺麗に回収していって、最後には見事な一枚絵を見せてくれる。

そんな伊坂マジックとも言える技巧が、本作でも冴えに冴えわたっております。それでいて当然のことてどすが、ちゃっかり面白いのもやはり素晴らしい。『あぁ、あそこの違和感はこう言うことだったのかぁ~』とか『成程。あのキャラクターの、あの意味の分かんないセリフは、ここで生きてくるわけね』と言う驚き、騙された快感。また答え合わせのような楽しみに溢れた作品です。

伊坂さんの作品をたくさん読まれていると言う方は勿論のこと、これが伊坂作品初よ、と言う方にも、存分に伊坂さんの作家としての魅力、その作品の魅力を味わってもらえる作品だと思います。

同時、伊坂作品の多くに共通しているような道徳観、倫理観。人として本当に大切なことは、信頼に値すべきことは何なのか。それが炸裂しているのも、個人的には嬉しいところ。

『やはりこうじゃなくっちゃね』と言う、そのお約束のような描写を受け入れられないと言う人とは、多分、私は仲良くなれないと思います。別に私なんかと仲良くなりたい人はいないだろうけど。くっふ。

そう言う意味でもなんてか初期の、『重力ピエロ』や『アヒルと鴨のコインロッカー』の頃を思い出させるような作品でもありますね。うん。

 

さ、そしてやって来ました!

2018年の『このミステリーがすごい!』、1位に輝いたのは今村さんのデビュー作にして選考委員、満場一致での鮎川哲也賞受賞作。更には第18回本格ミステリ大賞受賞作でもある『屍人荘の殺人』でございました!

大学のミステリー愛好会のメンバー、葉村と愛好会会長の明智は、同じ大学に通う探偵少女、剣崎比留子に誘われ、映画研究部の夏合宿に参加することになる。しかし合宿初日の夜、近くで開催されていたライブイベントで異様な出来事が発生。

その結果、明智をはじめとした数人の学生が命を落としてしまい、葉村たち生き残りは、合宿先である『紫湛荘』への立てこもりを余儀なくされるのだが・・・と言うのが本作のあらすじです。

 

いやぁ・・・もうめちゃくちゃ面白かった。ページをめくる指を止めるのが、まぁ、難しかったこと、難しかったこと。

もうさすがにネタバレしても良いでしょう。本作では物語の序盤で、とある研究機関の暴走によりゾンビが大量発生すると言う事態が発生します。

これがもう、当時はめちゃくちゃ驚きでした。『えっ?これ一体、どうなっちゃうの!?』と。

ただこの作品の何が素晴らしかと言うと、この突飛な設定、突飛だけで、物珍しさだけで終わってしまいそうな設定が、終始一貫、生かされていると言う点にあるんですよね。うん。そしてそれがしっかり、本格ミステリの肝である論理的な推理、その部分にも絡んでいて、『成程~』と唸るしかない感想の、その理由になっている。

ここがもう、素晴らしい。デビュー作らしからぬ実力、構成力を確かに感じさせますし、成程、選考委員満場一致での鮎川賞受賞と言うのもただただ頷ける話ですよ。

 

その推理部分も、消去法で容疑者がしぼられていくんですけど。もうその流れが、まさに私の求めるそれで(笑)。『いや、そうとは限らんやろ!』と言うツッコミを今にも入れられてしまいそうな危うさがありつつ、だけど、『・・・確かに。ツッコミを入れたい気はあるけど、どこにどう、どんなふうにツッコんでいいのか・・・適切なそれが思い浮かばんわ!』と言う美しさもある。

もうね。ほんと、翻弄されるがまま。

たまんないですよ。

 

あとですね。個人的には犯行動機であったり。あるいは作中、『何故、犯人は、自らもゾンビに襲われるリスクがあったのに、こんな手間のかかることをしたんだろう』と言う謎が登場するんですけど。その裏側にあった犯人の思いであったり。はたまた葉村が吐いた嘘とか。

そうした部分にある人間としての思いみたいなもの。それがしっかりと描かれていたと言うのも、もうめちゃくちゃポイント高いなぁ、と思ったのです。

『動機が弱い』だの『お約束過ぎる』と言う批判もあるようですが、個人的には『だからこそ』訴えてくる切なさ、悲しみ。『それでも私は』と言う、切実な、やさしい思い。誰かを思う、ひどく人間らしい思い。それが際立ってくるように思えて、そこも『この作者さん、ほんとうまいなぁ』と感嘆させられた点です。そして同時に『この作者さん、確かに個性の立った登場人物を描ける人だ!』と偉そうなことも思ったのであります。うん。

生ける屍、知性も感情も失ったとされるゾンビ。それに対する存在として、やってしまったことはどうであれ、そこには知性があり、感情がある人間がいた。人間として行動を起こした存在がいた、と言うその対比も憎いじゃないですか!

第二の殺人の真相は、私ほんと、読んだ時、鳥肌がぶわあぁぁぁ、って立ったもんなぁ。なんて人間臭いのか。なんて『ザ・人間』なのか。

 

物語の終盤。

『あげない。彼は私のワトソンだ』から始まった、剣崎と葉村のコンビが謎多き研究機関『班目機関』が関わったと思しき事件の謎に迫るシリーズ作は、『魔眼の匣の殺人』そして『兇人邸の殺人』と続いています。

この2作も、特殊な状況設定、個性立ちまくりのキャラクターが繰り広げる人間ドラマ、そして冴えわたる剣崎と葉村の推理、と魅力満載の作品ですので、未読の方はこちらもぜひ、読まれてみて下さい。

 

『兇人邸の殺人』は、ある一点から、犯人の予想は付けやすいと思うぞ!

こんなポンコツな私ですら『あ、この人、犯人や』と予想だけは付けることできて、それ、当たってましたからね。わっはっは(何の自慢だ)

 

そんなこんなでそんなこんな。

次回は2019年の『このミステリーがすごい!』の振り返りですね。

よろしければ引き続きお付き合い下さい。

 

ではでは。本日の記事はここまでです。

読んで下さりありがとうごさいました!