tsuzuketainekosanの日記

アニメや声優さん、ゲーム、漫画、小説、お仕事とのことなどなど。好きなことを、好き勝手に、好きなように書いていくだけのブログです!ブログ名の『ねこさん』は愛猫の名前だよ!かわいいよ、ねこさん!

『このミステリーがすごい!』を振り返ろう~2012年

はい!

やってきました順調すぎるシリーズ記事。

このミステリーがすごい!』の歴史を振り返る記事でございます。

今回は2012年、今からちょうど10年前ですね。そちらのランキングを振り返っていこうかと思います。

 

その前に、まずは毎回恒例、その年に何があったのかを見ていきましょうか。

2012年。アレだ。私がアニメや声優さんに本格的にはまり始めた年でございますね。

世間では何があったんだろうか・・・まったく思い出せないぞ。

てなことで調べてみましたら。

オリンピック。ロンドンオリンピックが開催されたのがこの年でした。はぁ~・・・まったく覚えてないや(汗)

この開会式で、先月に亡くなられたエリザベス女王が、当時、ジェームス・ボンドを演じていらっしゃったダニエル・クレイグさんと共に、ヘリからスタジアムにパラシュートで降下して登場されたらしくて・・・あぁ、これはなんか見てた記憶があるわ。

エリザベス女王訃報の際のニュースでも、こちらの映像は流されていましたものね。

日本はお家芸と呼ばれている水泳やレスリングなどでメダルを獲得。一方、メダル獲得が期待されていた柔道は金メダル1つと言う結果に終わったと言う。

なんかこれで強化本部みたいなのの責任が問われたとか、そんなことがあったような気がしてきたけど確信はありません(ちーん)

まぁねぇ・・・オリンピックでメダルを獲得するなんて、ほんと、それこそ努力だけではどうにもならない部分もあるだろうしなぁ、と素人ながらに思ってみる。

 

ちなみに。そんな熱戦が繰り広げられていた2012年の夏。日本で放送されていたアニメをちょろっと調べてみました。

夏雪ランデブー』『貧乏神が!』『はぐれ勇者の鬼畜美学』などは、あぁ、見ていたなぁ、としみじみ。懐かしいですなぁ~。また日本のみならず、世界中に多くのファンがいる作品『ソード・アートオンライン』、そのアニメ放送が始まったのもこの年の夏クールでした。伝説の始まりのクールでもあったんですね。

 

ではでは。振り返りはこの辺にしておいて。

ここからは本題。2012年の『このミステリーがすごい!』の振り返りです。

ja.wikipedia.org

はい。いつものようにリンクを貼っておきますので、こちらを読みながら記事も見て頂くとわかりやすいかと思います。

 

この年の1位に輝いたのは高野和明さんの『ジェノサイド』でございました。私、こちらの作品は読んだことがありますので、後ほど語りたいと思います。

それ以外で私が読んだ作品限定にはなりますが見ていきますと・・・まずは9位、おおっ、来ましたね!月村了衛さんの『機龍警察 自爆条項』がランクインです。

それから6位、長沢樹さん『消失グラデーション』・・・以上ですか?あれなんか他にも読んだ気がする作品もあるのですが、読書感想文のストックにない。

どう言うことなのか・・・私の記憶ミスなのか、読んだけど感想文に書かなかったのか、いずれかですが・・・仕方ない。とりあえず確実に『読んだ』と言える作品、3作品を振り返ってまいりましょう!

 

ではでは。まずは9位。月村さんの『機龍警察 自爆条項』です! 

『機龍警察』に関しては、もうブログでも散々、書き散らかしているのですが、いつか、いつか紹介記事を書きたい!そんな思いがある一方で、思いが先走りすぎて正しく紹介できる自信がない、そんな葛藤もあるが故、結局、紹介する記事を書けずにいる状況です。おっふ。

てなことで、とにもかくにもこちらのサイトを見て下さい!

www.hayakawabooks.com

こちらのサイト、入ってすぐのところで『機龍警察』シリーズとしてのお話の紹介が簡潔に、実に簡潔に、しかし驚くほどわかりやすく紹介されています。

さすがは出版元のサイトだぜ!はい。そのストーリー紹介の後にはシリーズの読む順番が紹介されています。

で、2012年の『このミス』で9位にランクインした『自爆条項』と言うのは、『機龍警察』シリーズの2作目にあたる作品です。

 

いやね、もうね、ほんと。本当に心の底から、私は『まだ『機龍警察』シリーズを読んだことがないよ!』と言う方が、羨ましくて羨ましくて仕方がないのでやんすよ。

私はシリーズ全作品読んでいて、それでも全作品、最低1回、多い作品だと3回くらいは読み直しているんですけど、何回読んでも面白い。面白い。なんてか『面白い』と言う言葉の語源、それを身をもって実感するくらいにただただ面白いんです。

でもやっぱり、やっぱり初めてシリーズ作品を読んだ時の、あの面白さの坩堝に放り投げられ翻弄されるような感覚は味わえない。だから未読の人が、本当に、心底羨ましいのです。未読の方!『機龍警察』に関しての記憶、私と交換して!

 

先のサイトでシリーズのストーリーガイドを読まれた方は『むむっ、ちょっと難しそう』と感じられるかもしれませんが、全然っ、全然そんなことはありません!この私ですら理解できていることからも、それはわかるかと思います!

個性豊かな登場人物が繰り広げる濃厚な人間ドラマ。様々な思惑が複雑に絡み合う人間同士や国同士、更には組織同士の関係。機龍兵が繰り広げる迫力のあるアクションシーン。そしてシリーズ通して描かれる、どんどん、どんどんと深みに引きずり込まれているような、ある種、絶望的とすら思えるようなストーリー。そこにどう、特捜部の面々が対峙していくのか・・・それらが月村さんの硬質で、そして無駄のない、研ぎ澄まされた、しかし実に躍動的な表現で描かれていくので、とにかくページをめくる指を止めることができないのでございます!

 

今回の『機龍警察 自爆条項』に限って言うと、その後の『暗黒市場』や『未亡旅団』と言った『さらにシリーズとしてアクセルを踏み込んで加速していく作品』に入るための、前準備的な作品だと私は勝手に思っています。

『自爆条項』と言う、何とも不穏な響きすら感じさせるような言葉が意味するものは何なのか。そしてそこを通して描かれる、特に機龍兵搭乗員の1人、ライザと、特捜部技術班の緑。この2人の関係性の変遷、その最後には、私は大げさでなく本当に『胸が震える思い』と言うものを体感させられました。はい。勿論、ここのシーン以外にもそういう場面はたくさんありました。

 

あぁ・・・あかん。語りたいことは山ほどあるのに、それを的確かく簡潔に語るだけの語彙力も表現力もないのが、本当に悔しい・・・ぐや゛じい゛。

もうアレです。とにかく『『機龍警察』シリーズなぁ。聞いたことはあって気にはなってるんだよなぁ~』と言う方は、頼むから読んで下さい(土下座)

『相棒』とか、初期の高村薫さんの合田雄一郎シリーズとかが好きな方。警察、公安、組織内の陰謀。私利私欲。大義と私情の間で葛藤するとか。巨大な闇に立ち向かう一個人、一組織とか。そう言う言葉にどうしようもなく胸が高鳴っちゃう私のような人とか。ロボットアクション作品が好きな方なら、特にはまるシリーズだと思います。

結論。頼む、とにかく読んでくれ(土下座)

あと・・・シリーズ新作はいつになるでしょうか。早く続きが読みたい・・・てかこのシリーズを最後まで見届けずして死ねるかって話ですよ、マジで。

 

はい。まだ『機龍警察』に関しては話し足りない気持ちはあるのですが。

そこはぐっ、と封じまして、6位の作品にまいりましょう!6位にランクインしたのは長沢さんの『消失グラデーション』ですね。本作品は横溝正史ミステリ大賞を受賞した、長沢さんのデビュー作でもあります。

今、長沢さんのウィキのページを見ていたら『綾辻行人の『十角館の殺人』は長沢にとって人生三大びっくりの一つだという』と言う記述を見つけて、ふふ、となりました。わかるわわかる~。

高校の男子バスケ部員で主人公の康は、ある日、女子バスケ部のエース、緑が屋上から転落する場面に遭遇する。血を流した状態で地面に横たわる緑を助けようとする康。しかしわずかな時間の間に、緑が忽然と姿を消してしまう、と言うのがあらすじです。

 

本作品ではある叙述トリックと言うか、ある点において読者を騙している部分があります。で、これが最終的には謎解きの部分にも関わってくるので、そう言う点においては新人離れした作品と言えるのかも、と思った記憶はあります。

が。個人的にはこの叙述トリック、騙しの部分に関しては『やっぱりな』と言う感じが拭えなかったのがひとつ。これは多分、偉そうな言い方になってしまうと申し訳ないのですが、ミステリーを読み慣れている人であればあるほど作中、幾度なく『?』と違和感めいたものを抱くはずです。そしてそこから導き出される事柄を考えると、この騙しの正体も割とすぐに見破れる気がします。事実、ポンコツの私がそうだった(でーん)

 

あとですねぇ。いくら小説と言えども、ちょっとその、舞台設定とか状況が都合よすぎじゃない?と言う気持ちも拭えなかったのもひとつ。

そして何より、先にも書いた騙しの部分。そこで様々な思いを抱えているはずであろう登場人物の誰にも共感できなかった、親近感を、好感を抱けなかったと言うのが個人的には大きかったなぁ。

多感な青春時代、自意識過剰な少年、少女たちの物語。それはこの作品を読んだ当時の私にとってももはや過去のもので、でもだからこそ、作品によってはそう言うものが描かれていると、どうしようもなく胸を締め付けられたり、微笑ましくなったりするものなんです。うん。

なのにこの作品に関してはそれがなかった。なんかいくら『多感な青春時代の、過剰すぎる自意識に翻弄される少年少女たち!』と言う先入観があったとしても『いやぁ・・・だとしてもこれはなぁ。ないわ』と言う感じがしてしまったんですよねぇ。うん。なんかこー、キャラクターに愛がない、温もりがないな、と感じたと言うか。

いや、これはあくまで私の感じ方です。私の受け取り方なので、あのー、何と言うか水に流して下さい。はい。

なんだかネガティブな感想ばかりになってしまいましたが。そう言うことを抜きにしてみると、普段、あまりミステリーを読まれない方。ラストに『そう言うことだったのか!』的な驚きが待ち受けている作品をお探しの方は、楽しめる作品だと思います。面白いことには面白いです。ただ私には、何と言うか作風とかキャラクターの描写などが合わなかった、それだけの話です。

 

はい。

そして2012年度の『このミステリーがすごい!』1位に輝いたのは、高野さんの『ジェノサイド』でございました!なんだろ。発刊された当時から結構な話題となって、結局はこの年を代表するようなヒット作になったような記憶があります。はい。

イラク民間軍事会社に勤める傭兵のイエーガー。彼は難病を抱える息子の命を支えるため、自らの身を危険にさらしても大金を得られる仕事に従事していた。その息子の元に訪れるため休暇を予定していたイエーガーの元に、突如、ひとつの仕事が舞い込んでくる。破格の報酬、最高ランクの機密、準備に1か月を要すると言うその仕事。奇しくも、息子の様態が悪化、余命1か月と宣告された息子のため、イエーガーはその仕事を受けることにするのだが、と言うのが本作のあらすじです。

そして物語はもう1人の主人公とも言える日本人の大学院生、古賀研人が、亡き父が生前に書いたメールを受け取り、それがやがてはアフリカ奥地で奮闘するイエーガーの物語にも関わってくると言う形で進んでいきます。

 

端的に言うと『とても良くできた映画』みたいな作品でした。はい。アクションあり、ヒューマンドラマあり、起承転結をしっかり押さえた展開で、最後の最後は希望を感じさせる終わり方、ともう創作物と呼べるもののお手本のような作品だったなぁ、と。

その中で人類の愚かさや、戦争の正体、そこには結局、経済的なものが関わっていて、だからいつまで経っても戦争はなくならないんだとか。そう言うものをうまいこと作中に登場させて、エンタメ作品として読ませつつ、しかし『成程なぁ』と考えさせる構成もお見事の一言。うまい、と素直に思いました。

 

が。

 

だからこその物足りなさを私は猛烈に感じた作品でもあります。面白かった。良くできた、巨額を投じて作られた映画を見たような気分で面白かった。ハラハラ、ドキドキさせられつつ、いろんなことも考えさせられて面白かった。面白かった。作中に描かれているありとあらゆる事柄、そこに高野さんがどれだけの手間と労力、時間を費やされたのか、その苦労もめちゃくちゃ伝わってきて、そこにもただただ頭が下がるような思いしかなかったです。うん。

でもそれ(最後の高野さんの苦労は別として)って別に、この作品に限ってことじゃなくなくない?と。そう言う思いが拭えなかったのですよねぇ、うん。こう言う作品、別にこの作品じゃなくてもあるよね、と。それこそ、ハリウッド映画で探せば、大体がそういう作品だよね、と。

天邪鬼な私はどうしてもそんな気が強くしてしまって、結果『面白かったけれど、それ以上の感想としては格段、残るものはない』『作家・高野さんの作品で薦めるならば、私は断然、本作よりも『13階段』の方を薦める!』と言う感じです。はい。

いや、でもほんと。面白いのは面白いです。めちゃくちゃ面白いです。イエーガーの受けた仕事と、研人の父親が遺したもの、そこから研人が巻き込まれる騒動。その2つが絡み合って、やがてそれが1つに集約される構成は胸が熱くなるものがあります。

また先程も書きましたが人類の在り方や国の在り方、更には薬学など、実に多岐にわたるテーマにおいて専門的と思われる描写もされているので、その辺り、勉強になる作品でもあるかと思います。

秋の夜長、がっつりとしたエンタメ作品を読みたいと言う方にはうってつけの作品ですので、よろしければ読まれてみて下さいね。

 

はい。てなことで、なんだかネガティブ多めな感想になってしまったのが申し訳ないですが・・・まぁ、あの、面白くないと言っているわけではないのでお許しいただければと思います。相性、私との相性が良くなかっただけです(どーん)

ちなみにこの年の2位にランクインしたのは米澤穂信さんの『折れた竜骨』ですが。

私、こちらの作品まだ読んでいないんですよねぇ。いつか、いつかと思い続けて、刊行から10年が経過しましたことよ・・・おっふ。

いつか・・・いつか、生きている内には読みたいと思っています。

 

てなことで次回は2013年の振り返りですね。

よろしければ引き続きお付き合い下さい。

 

ではでは。本日の記事はここまでです。

読んで下さりありがとうございました!