我ながらマニアックな記事を。
そう思うのですが、以前から個人的にも気になっていたことなので記事にしてみました。タイトル通りです。出版社さん別に文庫の個性と言うものを見ていこう。そんな内容です。
文庫の個性、フォントとか文字数、行数とかって、本当に出版社さんによって大きく違いますよね。
それを見ていきながら、つらつら語っていく、そんな記事です。あくまで個人的な感想ですが、読書好きさんも一緒に盛り上がっていただければ幸いです。
今回だけで全ての出版社さんの文庫をとりあげるのは不可能なので、今回は『その1』で、続く予定です。できれば読書感想文の記事の前後に挙げたい、そう思っています。連続して投稿する自信はありません。恐らくは間隔空いての投稿になるかと思います。
なお記事を書くにあたって参考にさせて頂いた文庫に関しては、作品名も記載しておきます。これはもしかしたら『いや、昔、ここの文庫はそうじゃなかったのよ』と言うようなことがあるかもしれないためです。
あるいは作品、シリーズによっても行数、文字数が違うことも少なくないためです。
また各出版社さんから刊行されている文庫には、それぞれのブランドみたいなものもあります。その際には、それも記載しておきます。
はい。
ではでは。早速、こちらの出版社さんの文庫からスタートです。
・講談社文庫
・・・日本推理作家協会賞編の『2022 ザ・ベストミステリーズ』を参考にさせて頂きました。講談社文庫に対する私の印象は『個性派ぞろいの作品が多い一方、文庫としてはとても読みやすく目にやさしい』と言った感じです。『個性派ぞろい』と言うのは、あくまでミステリーに限った印象ですが。講談社初のミステリーって、やっぱメフィスト賞の存在があることもあってか、非常に充実している。色んな意味で面白い作品が多いですよね。
この作品で調べたところ、1ページあたりの行数は17行。そして1行あたり文字数は38文字でした。
この時点ではまだ、他の出版社さんの文庫のそれを調べていないので、何とも言えないのですが。少なくとも私は講談社文庫さんのこの行数と文字数は、とても読みやすい。『うっ』と一瞬、引くほどに(笑)圧迫感を抱くこともなければ、逆に『余白が多すぎて逆に読みにくい』と感じることもない。本当にバランスのとれた行数であり文字数だと思います。
ちなみに、まだ他の出版社さんの文庫の行数、文字数を正確に調べていない現状ですが。その中にあって、私の中ではぶっちぎって『ここの文庫は超絶読みにくいっ!』『『クラシカルな優等生の面をかぶった、優等生過ぎて逆に扱いづらい問題児』みたいな文庫だと、私は思ってるよ!』と言う、ある出版社さんの文庫があります。酷評過ぎるやないかい・・・いや、これに関しては、同意して下さる方、多いと思うんだ。
なので基本、その文庫との比較で、各出版社さんの文庫について語っています。
行数、文字数は勿論なのですが、講談社文庫のフォント。これも、非常に読む人のことを考えたそれだと感じます。なんだろ。他の文庫に比べると、少し濃いめなのかなぁ?あとフォントとしても大きいようにも思います。
紙が若干、ベージュがかっているようにも思うので、目の調子によっては濃いめのフォントが飛び出してくるような錯覚を抱くこともあるのですが。
大丈夫か、私よ。
でもやっぱり、小さすぎず大きすぎず。濃すぎず薄すぎず。ちょうどよいバランスのフォントではないでしょうか。
なので私は、講談社文庫は大変に好きでございます。先にも書きましたが講談社文庫、ミステリーのラインナップもとても充実している。なので文庫化されている作品に関しても、この文庫のよみやすさもあって『この作品、読んでみて下さい!』とおススメしやすいのも嬉しい限りです。
・・・『ラブカは静かに弓を持つ』を参考にさせていただきました。集英社文庫。どうなんだろう。個人的には手に取る機会が少ないように思います。どうなんだろう。今まで意識していなかっただけで、そんなこともないんだろうか。どうなんだろ。マスコットキャラクターはよまにゃか!よまにゃは可愛い!(どんっ)
こちらの作品で調べたところ、行数は1ページあたり18行。そして文字数は1行あたり39文字でした。講談社文庫でとりあげさせて頂いた作品のそれより、行数、文字数共にプラス1なのですね。
だから、と言うのは少し大げさかもしれませんが。あくまでこちらの作品に関してのみの話ではありますが、やっぱり講談社文庫と比べると、少し文字が詰まっている。そんな印象を受けました。
フォントも、講談社のそれに比べると小さめ。そして薄め。クセの無い、すっ、としたフォントであるのも関係しているかもしれませんね。
ただ全体的には、やっぱり読みやすい。そんな印象です。何と言うのか、ほんと。『ザ・優等生』と言う、気品の良さすら感じさせるような(笑)、とでも言えばいいのかしら。スマートさが伝わってくると言いますか。
よまにゃも、そうやって見て見ると。マスコットキャラクターだけど、でもその割にはあっさりしていると言うか。変な華美さがありませんよね。その落ち着いた、スマートさが文庫にもあるように、今更ですが思いました。
・実業之日本社文庫
・・・実業之日本社。出版社名自体は当然、耳目にしたことはあります。だけどやっぱり、個人的にはあんまり、そこから刊行されている作品に手を伸ばした記憶がない・・・のですが。ただ小さな四角の中に『実業之日本社文庫』と書かれたトレードマークは覚えがあるので、記憶にないだけで、やはりそこそこは読んでいるのだと思います。背表紙や帯に記載されている、作者さんのお名前、名字の最初の一文字のひらがなが赤字で記載されているのも、やっぱり覚えがあるもんなぁ~。
成程。調べてみたら知念実希人さんの『天久鷹央の推理カルテ』、こちらのシリーズが刊行されているのが、この実業之日本社文庫なのですね。
『死体の汁を啜れ』を参考にさせていただきました。行数は1ページあたり17行。文字数は1ページあたり37文字でした。ほぼ講談社文庫と同じ感じですね。
ただしフォントの感じとしては、集英社文庫のそれに近い感じかな。なのでやっぱり講談社文庫に比べると、少し字が詰まり気味、かつ文字も小さめに見えますね。
でも、まぁ、それほど強い読みにくさは感じないかな。やはりバランスの良さのようなものを感じる。そんな文庫だと思います。
そんなこんなで本日は3つの出版社さんの文庫についてつらつら語ってまいりました。
初回らしくと言うのも変な話ですが。文庫としては非常に読みやすい、多くの人の目にやさしい(笑)、そんな文庫勢揃いのように思います。
あくまでミステリーに限った印象なのですが。いや、作品によってはジャンル問わず、そう言うページもあるかとは思うのですが。
ミステリーの謎解きの場面においては、登場人物の会話、その描写だけが長く続くと言うことも少なくはない・・・ですよね。
作者さんの個性みたいなものにもよるのでしょうが。
で、場合によっては本当に、文字で1ページが埋め尽くされる。作者さんによっては勢いをもたせるためなのか、改行を一切入れずに、とにかく書き殴るようにして文字でページを埋め尽くされる方もいらっしゃる。
こうなってくるとですね。勿論、面白いんですよ。面白いし、謎解きの場面とかだったら、もうほんとに興奮もMAXですから、『うおぉぉぉぉぉ!』ってなるんです。
なるんですけど。
なるんですけど、やっぱり文庫によっては。その行数、文字数、フォントの大きさ、濃淡によっては、ほんとに、ほんとに『んんっ!目が辛い!正直、読み辛いっ!』と感じてしまうことも少なくはなく。
すいません。
どうなんでしょうね。この辺りの読者さんからの反応って、出版社さんの方でも受け止められていたりするのでしょうか。
読みやすい、読みにくいは個人差あるとは言えども、やっぱりあまりにも1ページあたりの行数、文字数が多い上に、フォントも小さい。行間も、立錐の余地すら感じさせないほど詰まっている。その上、薄いとなると『読みにくっ!』と感じる人は多いと思うんだけどなぁ。
聞こえていますか、東京創元社さん・・・(盛大なネタバレ)
ではでは。本日の記事はここまでです。
読んで下さりありがとうございました。