『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』のアニメの最新話のさ。
あそこに限らすなんだけど、回想でDIOと会話している時のプッチ神父の声が、本当に恋する乙女のそれなんですよね。うん。
今回の、あのベッドの上で語り合っているシーン。若干、色気ありすぎて『え・・・事後?』とか思っちゃったけど(頭腐っててごめんね!)、でも本当にプッチ神父にとっては、DIOとああやって語り合っている時間は、本当にかけがえのないものだったんだろうなぁ、と改めて感じました。そして何てか、その2人の関係が、とても尊く、羨ましくすら思えました。
プッチ神父にとってDIOは、間違いなく、心の底からの親友だったんだなぁ・・・。
あとF・Fの最期ね。泣いた。
『人として知性とは何ぞや』と言うのを、まざまざと考えさせられた、見せつけられた、そんな最期だったように感じました。
本題です。
順調に進んでおります。
『このミステリーがすごい!』を振り返るシリーズ記事、本日は2017年の結果を見ていきます。
そして近日中に先週、発売された『このミステリーがすごい!』の2023年版の感想記事を挙げる予定ですので、よろしければそちらもお付き合い下さい。
はい。それでは早速、毎回恒例、その年がどんな年だったのかを振り返りましょう。
そうです、年明け2月早々、私が勤めていた書店を馘になった年です(唐突)
忘れもしない2017年2月11日に事の発端が起き、12日に正式に馘になったのです。奇しくもこの2日間はアイドルマスターSideMの2ndライブが開催されていた日。いやほんと『だから何だよっ!』って突っ込まれそうなんですけど。すいません。
てなことで2月に馘になってから2017年最後の月、12月に、今の店で働き始めるまでのおよそ10か月間、私は無職生活を送っていたのであります。
あー・・・懐かしい。懐かしいと振り返ることができているのが、もはや奇跡だとすら思う今日この頃。
何もしないでも、こちらがいくら節制していても目減りしていく貯金通帳の残高、それに神経をごりごりすり減らされるのも辛かったんですけど。
でも、まぁ、これに関しては幸い、当時はウェブライターの真似事みたいなことをやっていたので、月5万くらいの収入はどうにか確保できていたのです。
今から思うと雇用保険加入していたんだから、失業保険、申請すりゃ良かったのに、と思うんですけど、ハローワークに行くのが面倒だった(汗)
それ以上に辛かった、と言うよりしんどかったのが、とにかくかっこつけた言い方になるかもしれませんが、自分の居場所がないことでしたね。
家にいても家族、特に母親にあからさまにうっとしがられたし、厳しい言葉、感情的な言葉もめちゃくちゃ投げつけられたし。逃げるように外に出ても、遊び相手、話し相手がいるわけでなし、することがあるわけでなし、お金も使えないし。
『こんな状況がいつまで続くんだろう』と、毎日、真綿で首を絞められるような思いを味わっていた日々でございます。
まぁ、私が悪いんですけど(汗)
はい。
でもそんな中でもアニメや声優さん、小説、漫画などの存在に支えられて、そして先にも書きましたがアイドルマスターSideMとの出会いも果たし、その存在にも大きく支えられながら、どうにかこうにか、今の私までたどり着いたと言う次第です。
うーん。2017年の、あの精神状態にあった頃の私が今の私を見ても、絶対に信じられないだろうなぁ・・・。
人生、生きてみないと『その先』と言うのはわからないものです。
はい。
自分語りが長くなってしまいました。許してちょんまげ(古)
いつもより手短に2017年、何があったのか見ていきましょう。
まずはアメリカ大統領選挙、トランプ氏が当選とのこと。トランプさん、また出馬するって言ってるけど、どうなったんでしょう。そしてもし出馬された場合、どうなるんでしょう。気になる。
日本国内では当時の天皇陛下の退位が2019年に決定、森友・加計問題により政権が揺らいだと言う年でしたが・・・森友・加計問題にしては、結局、真相は闇の中のままですよね。うーん、その怖ろしさ、理不尽さを、改めて思う限りです。
はい。ではでは、ここからは本題です。
2017年度の『このミステリーがすごい』を振り返ってまいりましょう。
いつものようにリンクを貼りつけておきます。
こちらを見ながら記事を読んで頂くとわかりやすいかと思います。
はい。
てなことで2017年、1位に輝いたのは竹本健治さんの『涙香迷宮』でございます。
明治の傑物、黒岩涙香の残した暗号。それに天才囲碁師が挑むと言う本作。第17回本格ミステリ大賞を受賞したほか、『このミステリーがすごい!』以外のランキングでも上位にランクインした作品であります。
が。私は読んでない(ちーん)
なので語りようがないのですが・・・どうなんだろう。あらすじとかレビューを見る限り、ちょっと難しそうな作品だなぁ、と言う印象があるのですが。
はい。てなことでこの年のランキング、ベスト10に入った作品の中で私が読んだ作品を挙げていきますと・・・まずは10位、市川憂人さんの『ジェリーフィッシュは凍らない』ですね。それから5位、芦沢央さん『許されようとは思いません』、4位、青山文平さんの『半席』、以上でございます。
あれ・・・3位の米澤穂信さんの『真実の手前10メートル』・・・読んでないか?あと2位、若竹七海さんの『静かな炎天』も、あれ?読んでない?読書感想文の記録、残ってないんだけど・・・あれ、読んでないか。記憶としても読んだような、読んでいないような微妙なラインなんだよぁ。仕方ない、今回は読んでいなかったと言うことにしておこう。
てなことで本日は3作品ですか。『真実の手前10メートル』も『静かな炎天』も読んだつもりでいたので、5作品だと思い込んでいた私は、ちょっと拍子抜け(笑)
では早速、10位にランクインした市川さんの『ジェリーフィッシュは凍らない』でございます。こちらは第26回鮎川哲也賞受賞作、市川さんのデビュー作でございます。
特殊技術で開発された小型飛行船<ジェリーフィッシュ>。その発明者である教授を中心とした技術者6名は、新型ジェリーフィッシュの長距離航行性能の最終確認に挑んでいた。ところがその最中、閉鎖状況である艇内で、1人が死体となって発見される。更に自動航行システムが暴走、残りのメンバーも窮地に立たされ、と言うあらすじです。
私のような頭の悪い人間は、なかなかこの練り上げられたトリックを理解するのは大変でした。多分、今でもあんまり正確には把握していないんだと思う(汗)。もう少し派手に騙してほしかった、そんな思いもあることにはあるのですが、それでもデビュー作で、既にこの完成度の高さ、構成の緻密さ、そして文章のうまさ、読みやすさは素晴らしいな、と思った記憶があります。
何より、ネタバレになっちゃうかもしれないけど、動機がベタ、実にベタなのが個人的にはめちゃくちゃ好感持てます。
『そして誰もいなくなった』や『十角館の殺人』などの作品が好きな方は、絶対に楽しめる、胸がわくわくすること必至の作品です。究極の閉鎖状況!自分が置かれるのは絶対に嫌ですけれどね(苦笑)
あとマリアと漣、2人のキャラクターも、私としては物語をぐいぐい引っ張っていくような、そんな力強さ、面白さ、楽しさがあって好きです。
この2人が活躍するシリーズ作は現在、短編集を含めて4冊出ています。私は2冊目と3冊目『ブルーローズは眠らない』と『グラスバードは還らない』が好きです。この2作品に関しては、盛大に騙される快感も味わえるので是非、こちらも読まれてみて下さいね。
お次は5位。芦沢さんの『許されようとは思いません』でございます。こちらは吉川英治文学新人賞候補にもなった、芦沢さんの出世作とも言える作品です。
表題作を含む全5作からなる短編集。とある理由から、付き合っている女性との結婚をためらっている男性と、その男性と付き合っている女性。ある理由で、男性の祖母が暮らした村へと足を向けた2人。そこで男性は、結婚をためらう理由にもなっている自らの祖母について話すのですが・・・と言う『許されようとは思いません』。
通常の何倍もの誤受注をしてしまっていることに気が付いた営業マン。それを誤魔化すために彼がとった手段、その思わぬ顛末を描いた『目撃者はいなかった』などが収録されています。
若干、騙すことに注力し過ぎたあまり、と言う感覚は拭えないです。でもそれ以上に、やはり騙される快感はたまらないものがありましたし、何より作者らしい、人間のエゴが暗い筆致で『これでもかっ!』とばかりに炸裂しているのが、私としてはただただにやにやするしかないほどの痛快さでした。
なんだろ。綺麗ごとで固めたミステリより、少々、整合性には欠けていても、こういうミステリーの方が読んでいて絶対に楽しいもんなぁ。
『許されようとは思いません』は、これ、タイトルが最高。『許されようとは思わない』とはすなわち『許されなくても構いません』ってこと。そこに込められた1人の女性の、圧倒的な思いの強さは、しかしとても切ない。でも時を経て、彼女のその思いは守られた、かなえられたのだと思うと、ほっとする。
『目撃者はいなかった』は、ただただ、不都合なことを隠し通そうとする営業マンが他人とは思えませんでした。へへ(汗)。『隠し事をしていたのは、おまえだけじゃねぇんだよ』と嘲笑うかのような、この底なし沼のような展開がたまりません。自分の失敗は隠しちゃダメです。正直に、初期の段階で謝っておきましょう(自戒)。
ちなみに私はこの2作品と、お祖母ちゃんと孫の心温まる(大嘘)を描いた『ありがとう、ばあば』が強く印象に残っています。うふふ。これもほんと、どうしようもなく救いようのない話だよなぁ~。
4位、青山さんの『半席』です。当時の読書感想文の記録を振り返ったら、どうやら本作品を読んでいた辺りで仕事を解雇になったようです。ついでに黒い悪魔こと、犬の『はる』が家にやってきたのもこの辺りっぽい。あとぎっくり腰にもなっていたようですね。ふへへ。
若き徒目付(江戸幕府役職のひとつ。ざっくり言うと内偵)の片岡に振り当てられたのは、腑に落ちない事件の『真の動機』を探り当てることだった。精勤していた老中が起こした刃傷事件。歴とした家筋の侍の胸にあった積年の思いは。様々な事件、そこにあるどうにもならない人の思いを通して、片岡は何を思うのか、と言うお話。時代物のミステリーですね。
ふふ。片岡はまだ25歳の青臭さが残る青年なんです。そして彼の上司と言うのが40過ぎの、良い感じのおっさんなんです。良いですよね。実に美味しいバディものでもありました。頭が腐っていてごめんなさい(土下座)
でもね、ほんと。この片岡の青臭さややさしさ、正しいことを正しいと信じて疑わない、疑いたくないと信じるその心根みたいなものがめちゃくちゃ自然に、魅力的に書かれていた。だからこそ上司もそれを信じて、見込んで、この仕事を持ち込んだろうなぁ、と言う説得力も感じられたんです。
そしてその2人を通して明らかになっていく『真の動機』。そこにあったのは人の、感情の成れの果てみたいなものなんです。作中でも語られているんですが、若ければまだどうにでも発散できたかもしれない。まだやり直せたかもしれない。けれどそこに耐え、それをせず、ずっとひとつの道で生きてきて、年齢を重ねに重ねていってたどりついた結末が、自分の苦しみや葛藤、辛苦に見合うものではなかった、それを突き付けられた時の、圧倒的な虚しさ、自嘲、後悔。その苦さ。
そうした鬱屈とした思いが、直人に調査を通して浮かび上がってくる。ただそれでもこの作品は、そうした生き方、そうして積み重ねてきた時間もまた当然ながら重さがあり、決して派手な光を放つそれではないかもしれないけれど、確かに美しさがあるものであると言うことを描いているのが、実に味わい深くて良いんですよねぇ~。
そうした人の機微、それが染みてくるミステリーであると同時、時代小説としても素晴らしいのが本作の魅力でもあります。当時の人々の、日々の生活、その様子が実に生き生きと、その情景が頭に浮かんでくるように、情緒あふれる文章で描かれていて、ものすごく世界に引き込まれるのです。
あと食事のシーンがめちゃくちゃ美味しそうなの!
ミステリーは苦手だけれど時代小説は好き、その反対、時代小説は苦手だけれどミステリーは好き、その両方の方でも楽しく読める、そんな作品だと思います!
はい。
てなことで本日は3作品ですね、こちらについてやんややんやと語ってまいりました。
『真実の手前10メートル』も『静かな炎天』も読んでいなかったかぁ~。
うーん・・・そこだけがしっくりこない(笑)
そんなこんなで次回が年内ラストの振り返りになるのかな。
2018年ですね。おおっ、もうそこまで来たか!
よろしければ引き続きお付き合い下さい。
ではでは。本日の記事はここまでです。
読んで下さりありがとうございました!