tsuzuketainekosanの日記

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『メイドインアビス 深き魂の黎明』を見たよ~その感想

はい。本来だったら休みだった日です。

慌てて記事を書きましたわい、こんちくしょう!

 

と言うことでタイトル通りです。

夏から2期の放送が予定されている『メイドインアビス』ですが、こちらテレビアニメ1期終了から現在に至るまでに3本の劇場版が公開されています。

1作品目と2作品目は前編、後編と言う位置づけでテレビシリーズの再編集、新規カット追加などによる総集編。

そして3作品目は完全新作となる作品で、こちらが今回、感想を書く『メイドインアビス 深き魂の黎明』でございます。

 

入ってて良かったアマゾンプライム(ちーん)

 

こちらの作品、R15+指定がされています。それが意味するところは、作品のファンの方なら嫌と言うほど察しが付くかと思いますが(汗)、例によって例のごとく、暴力、流血、ゴア、グロあります。ですのでそう言うのが苦手だ、耐えられないと言う方は視聴は控えられた方が無難です。はい。

 

こちらの作品、テレビシリーズ1期と夏から放送予定の2期、それを繋ぐ物語が展開されています。

簡単な、実に簡単なあらすじであれば、テレビアニメ2期のHP内にあるイントロダクションのページでも確認できますので、よろしければどうぞ。

要はテレビシリーズ1期で登場し、とんでもない所業を見せつけてくれた腐れ外道、ボンドルドとリコ、レグ、ナナチたちの決着が描かれています。

そこに絡んでくるのが、外の世界を知らない、それ故、そこに対して強い憧れを抱く少女、プルシュカです。ボンドルドの娘(まぁ、実際のところは少し違うのですが)であり、彼を『パパ』と呼んで慕っている彼女は、リコたちと親しくなり、やがては一緒に冒険したいと願うようになります。

しかしボンドルドの実験に利用されてしまい・・・R15+指定(どーん)

 

はい。

てなことで感想。

メイニャがカートリッジからあふれ出る血液、と言うかもはや体液と言うか、とにもかくにもそれを舐めるシーンから、もう涙腺崩壊でした。

けもの好き人間としては、あれでメイニャまでもが退場していたら、それこそもう立ち直れないくらいのダメージだったと思います。が、メイニャは無事、生き残ってくれたので、もうそれが救い。

 

そしてそれが救いなんですけど、あれだけ陰惨極まりない物語が繰り広げられていながら、私の中で『それだけが救い』になっていないのが、この作品の凄いところです。

その理由はただひとつ。リコの存在と言うか、リコの冒険に対する好奇心に他ならないんですけど・・・。

 

何でしょ。

作品通してボンドルドよりもリコの方が怖い、おおよそ理解しがたい、そんな感情が生まれたのは私だけでしょうか?

『好奇心は猫をも殺す』と言うことわざを思い出したのですが、なんか、多分、1期を見ていた時も、そして今回の劇場版を見ていた時も『なんでリコたち、こんなしんどい思いしてまで、冒険を続けてるんだっけ?ってか、リコたちが冒険に飛び出した理由、何だったっけ?』と何回も疑問に感じたんです。

で、その理由は端的に言えば好奇心以外の何物でもないんですよね。うん。

『知りたい』『見たい』そう言う欲求に突き動かされるがままに、リコもレグも、こんな過酷極まりない旅を、冒険を続けている。

アビスの性質上、一度、下りたが最後、上へ戻ることはできない。上へ戻ることはほぼ死を意味している。戻るは死、だから進んでいく、下へ進んでいくしかないと言うのはわかるんですけど。

 

それでも今回の劇場版のラスト。

あのリコの変わり身じゃないですけど、立ち直りと言うか、次なる深界に向けてのダイブに目を輝かせ、心躍らせているリコの姿は、私にとっては怖さすら感じるくらいで、何なら怖さを通り越して『なんなんこの子・・・』と、ひきつった笑いが出てくるくらいだったと言うか。

 

散々、酷い目、肉体的には勿論のこと、精神的にも酷い目、地獄のような目を味わってきて。

『好奇心は猫をも殺す』どころか、なんならむしろ、あっさりと殺された方が楽なんじゃないかと言うような目に遭ってきて。

戻ることはできなくて。進むしかなくて。でもその先、何が待ち受けているのかわからないし、と言うか、むしろますます酷い目に遭う可能性の方が高いわけで。

なのになんでリコは、あんなふうに、次の冒険のステージに進めることに目を輝かせることが、心躍らせることができるんだろう、と。

 

そう考えた時、プルシュカの言葉じゃないですけれど、リコの好奇心、それが放つ強烈な光、その明るさ、それをひしひしと感じて。

それは私にとってはおおよそ理解しがたいものであり、だからこそ怖さすら感じさせるものでもある。そうなんだけど同時、それが放つエネルギーには、ある種の畏怖、羨望も抱いてしまうんですよね。

 

陰惨極まりない物語ではある。

だけどそこに『救い』があるのは、そのリコのまっすぐな好奇心、エネルギーが強烈な光を、強さを放っているから。全ての艱難辛苦をも飲み込んでいく、強靭さを感じるから。『好奇心は猫をも殺す』だけど、でも、その人の好奇心を止めることは、誰にもできない、そのことをまざまざと見せつけられているからなんですよね。うん。

 

そしてそれを思った時に、結局、リコとボンドルドって似た者同士なんだろうなぁ、と言う思いもわきあがってきたのです。

ただその好奇心の方向性と言うかベクトル?それが違うだけと言うか。

ボンドルドもまた、結局のところは自身のアビスの謎に対する強い好奇心、『知りたい』『見たい』、それに突き動かされるがまま、非道とも取れる実験を繰り返していた。

『冒険』か『実験』かの違いだけで、多分、リコとボンドルド、両者の中にある好奇心の強さやそこに対する執着って、そう変わりはないように、私には思えるんだよなぁ。

 

そしてその上で、ボンドルドは自らの身を危機にさらすことなく、子どもたちを利用して、自身の好奇心を完遂させようとしている。

その非道っぷり、外道っぷりは、だけど、個人的にはめちゃくちゃ共感できるんですよねぇ。だって、自分の身を犠牲にするの、嫌じゃないですか(笑)。もっとも、ボンドルドは最初の時点で、やはり好奇心故に自分の身を犠牲にしてるので、そのあたりは何とも言えないんですけど。

 

対してリコは、すべてを自分の身で受け止めている。恐れても、厭うても、それら全部をちゃんと自分の体で、心で受け止めている。

12歳で、その強さは一体、何なんだ(汗)。いや、12歳だからこその、その恐ろしいまでのまっすぐさ、強靭さなのかとも思うのですが、とにもかくにも、そう言うこともあって、私にとってはボンドルドよりもリコの方が怖い、理解からは程遠いように思えたのでした。

 

でもリコにとっては、それが自然、それが当たり前なんだろうな。

12歳の子どもだから、何も考えていない、何を考える必要もない。

ただただ好奇心に突き動かされるがまま、状況に振り回されるがまま、酷い目に遭っても無事、生きていたならそれで万事オッケー。次の冒険へと行くよ!

そう言うことなんだろうな。

だとしたらアレだ、もはや40の私にとって12歳の子どもなんて、自分とは違う世界で生きている生命体に他ならないわ(何言ってんだ)

 

そして今回のヒロインとも言うべきプルシュカ。

なぁー・・・辛い。しんどい。悲しい。

『おのれボンドルド!』と言い放ちたくなる気持ちが、しかしわいてこず、ただただ悲しいと言う感情しかわいてこないのは、彼女が最期の最期の最期まで、そして最期を迎えてもなお、ボンドルドのことを一心に慕い続けていたからなんだよなぁ。

それがまた悲しい。

でもそんなふうに、ボンドルドとリコたちが仲直りしてくれること、それを純粋に祈り続け、願い続けていた彼女だからこその、あの姿への変貌だったんだろうな。

あの姿になったプルシュカをナナチが受け取って、『剥き出しじゃあんまりだろ』と言うシーン、あそこも涙腺崩壊でした。

 

そんなこんなで大まかな感想をお送りいたしましたが。

作品全体としては、いやいや、とにかく非常にクオリティの高い作品だな、と感じました。テレビシリーズ同様、キネマシトラスによる制作は、作画は綺麗だし、主にレグが大活躍するアクションシーンの迫力、動きは目を奪われましたし。

こー、リコたちが旅する深界、その空気や温度、匂いみたいなもの、それらがひとつずつ伝わってくるような世界観の表現も、本当にお見事なのです。

 

その上で繰り広げられる物語は、冒険活劇ものとしての魅力あり、しかしそれを上回る、いろんな意味で衝撃的、胸をえぐるような(ほんとにね(汗))、人間のありとあらゆる面を炙り出しているかのような内容だから、なおのこと、作品の世界に引き込まれる。

冒頭にも書いたとおり、なかなかハードな描写、展開もあるので、おいそれと『面白いよ!見て!』とはおススメし難い作品ではありますが。

それでも既存のファンタジー作品とは少し毛色の違う、それでいてちゃんとファンタジーしている作品をお探しの方、かつグロ、ゴアも大丈夫よと言う方には、ぜひぜひおすすめしたい作品でございます。

 

てなことで夏からの2期。

あらすじとか見る限りだと、今回の劇場版で黒レグとも呼べるような姿を見せたレグ、その過去に秘められた謎に少し触れられそうな内容になっていそうで、いやいや、これは楽しみだ。

 

ってかなんだ。

もうあまりにも物語の展開がヘヴィ過ぎて、レグがナナチに触れてあそこがああなっちゃうシーンとか、リコがナナチのお手てもふもふしてるのを見てレグが何とも言えない表情を浮かべるシーンとかが、なんかもう、一周回って救いなんだよなぁ・・・。

ってか端的に言えば、そう言う性的なシーンも、『性』と言うことの意味を考えると、彼ら、彼女らは確かに『人』として生きていると言うことを表現しているようにも感じられるんですけど・・・うがった見方過ぎますかね?

 

はい。と言うことで、テレビシリーズ、まだ見たことがないわ、と言う方も、夏から始まる2期に向けて、今ならまだ間に合いますぞ!

劇場版3作品なら、連続して1期のおさらい+2期への入り口を見ることができるので、おススメです。

 

ただし人によっては、かなり精神的ダメージ負うことになると思いますけど(ちーん)

フルボッコ

 

ではでは。本日の記事はここまでです。

読んで下さりありがとうございました!