今年は、私がアニメを本格的に視聴し始めてから10年目と言う、記念すべき年でございます。なのでそれを記念して、これまで私が見てきた作品の中で、個人的に印象に残っている作品についてやんややんや語る、と言うのがこのシリーズ記事の内容です。
先月はこのシリーズ記事、アップできなかったので、今月は2記事アップしたい。
そんなことを呟いている本日は、既に4月の26日(笑)
てなことで、今回、紹介いたしますのは『スペース☆ダンディ』です。
あぁ・・・もうこの作品名を目にした瞬間、頭の中には岡村靖幸さんによるOP『ビバナミダ』が流れてきますよ・・・。
どこから来たかなんてぇ~、わからないほどの日々でぇ~・・・。
『スペース☆ダンディ』は2014年1月から3月まで第1シーズンが、そして同年7月から9月まで第2シーズンが放送された作品です。制作はボンズ、南雅彦さん、渡辺信一郎さん、佐藤大さん、信本敬子さん、菅野よう子さんと言った『カウボーイビバップ』を手掛けたスタッフ陣が制作スタッフとして名を連ねていたのも、当時、話題になった記憶が。そうだ、特に海外のアニメファンさんの反響が凄かったんだ。更に1話ごとに、実に個性豊かな、かつ様々な分野で活躍されているクリエイターたちが参加しているのも、大きな話題になりました。
宇宙人ハンター、ダンディは、役に立たないボンクラのくせに大食漢のペテルギウス星人のミャウや、旧式のぽんこつ掃除機ロボットのQTと共に、まだ見ぬ新種の宇宙人を求めて宇宙をさまよっています。その道中を描いているのが、本作のあらすじです。
第2シーズンのラスト、最終回辺りは確か続きものだったと思いますが、それ以外のお話はすべて1話完結。
その1話ごとに、豪華なクリエイターたちが参加している。そして企画のテーマは『研ぎ澄まされた適当、磨き抜かれたいい加減』(笑)なので、1話ごとに、見事にお話のテイストが違うのが、本作の特徴のひとつです。
たとえばゾンビものあり、シュールなお話アリ。切ない恋愛話もあれば、ミュージカルもあり。お涙頂戴のハートフルな物語もあれば、ロックなお話もあり、パンツとチョッキによる戦争が起きたり、釣りに興じたり、と本当になんでもござれな状態。
だいたいそもそも、第1話で登場人物一行、爆発に巻き込まれて死んでますからね(笑)。でも2話では、実に何事もなかったかのようにして、また別のお話が展開されていると言う。
最終回で一応、ダンディに隠されていた大いなる謎なんかが明かされるのですが、個人的にはぶっちゃけ、この辺りの物語は蛇足とすら感じます。
それくらいに、とにかくてんでバラバラなお話が毎週、毎週繰り出されるのがたまらない、それが『スペース☆ダンディ』なのです。
なのでぶっちゃけ、1話から見なくてもほとんど問題はありませんし、自分の気になるお話だけ見ても、無問題。
再放送時にはファン投票で選ばれた上位13話と、声優を含めたスタッフ陣が選んだ13話が放送されたと言う経緯からも、いかに『話数』と言う流れが、この作品においては単なる数字でしかない、と言うのがお分かりいただけるかと思います。
ちなみにその結果はこちらからどうぞ。
はい。
ちなみに、個人的にこの結果には、激しい同意しかない感じです。
全体的にはとにかく勢いとノリ全開のお話、あるいはいい意味でとても分かりやすい筋のお話がランクインしている中、この作品の懐の深さを象徴しているかのような『悲しみのない世界じゃんよ』が入っているあたり、さすが、ファンの人はわかってる、と言う感じです。
あと最終回がランクインしていないと言うのも、やっぱりりファンの方、わかってるな、と言う感じです。
ぶっちゃけ、ほんと、この作品において最終回は、おまけでしかないような気がするんだよなぁ~。
とにもかくにも、ほんと、このファンの方セレクションの13話だけ見ても、全然、何の問題もなく『スペース☆ダンディ』と言う作品の魅力を堪能できると思います。
で、もうひとつ、この作品の大きな特徴と言うのが、同じ作品でありながら、話によってはかなり絵柄、作画が異なっていると言う点です。
1話ごとにほぼほぼ作画監督や絵コンテのスタッフさんが異なっているため、このような状態が発生しているのですが・・・いやぁ、これが面白い。
そのお陰で、その時のお話と作画の雰囲気とかが、見事にマッチしているんですよねぇ。うん。
たとえば別の回の作画が基準となっていて、お話だけが全くテイストの異なるお話だったとする。その場合、どうにも作画とお話の雰囲気がミスマッチである、と感じることもあると思うんです。
ところがどっこい『スペース☆ダンディ』の場合、『そのお話』に合った制作スタッフが参加しているわけですから、『そのお話』だけの作画が登場する。だから作画とお話の雰囲気が、がっちりと噛み合っている。
なんだろ、これってある意味、アニメ作品においては理想中の理想のような気がします。そしてそれ故、めちゃくちゃ贅沢で、豪華なことだよなぁ、と。
なのでお話と、それらを彩る一切、作画であったり音楽であったり、演出であったり。そう言う部分でクリエイターの個性、鬼才を存分に感じることができるのが、この作品の魅力であります。
うーん、こんな作品、なかなかないですよね~。
そしてそして、この作品を語るうえで欠かせないのが、そう!
ゲスト声優の存在です!
先ほどから再三、書いていますが、基本的には1話完結でお話が進んでいきます。
なので登場するキャラクターも、基本的にはそのお話限り。
その1話に登場するキャラクターを、実に多彩な、超ベテラン勢から若手までの演者が、それはそれは楽しそうに演じられていると言うのも、この作品の特徴かつ大きな魅力のひとつです。
たとえば第2話、ダンディたちが幻のラーメン求めて旅路をさまよう『幻の宇宙ラーメンを探すじゃんよ』には永井一郎さんが出演され、幻のラーメン屋のオヤジを演じられています。時期はちょっと定かではないのですが、この作品が放送された前後に永井さんの訃報が報じられたので、当時は衝撃を受けた記憶があります。染み入るような、実に味わい深い、名演だったなぁ~。
その他、竹達彩奈さん、花澤香菜さん、梶裕貴さん、KENNさん、平野綾さんに木村良平さん、浪川大輔さん、名塚佳織さん、津田健次郎さん、神谷浩史さん、浪川大輔さん、山寺宏一さん、中井和哉さん、山路和弘さん、沢村みゆきさん、家弓家正さん、辻新八さん、菅生隆之さん、島本須美さん、宝亀克寿さん、大川透さんなどなど。
もうここには書ききれないほどの演者さんが、ほぼほぼ1度きりの出演で、1回しか登場しないキャラクターに命を吹き込んでいらっしゃいます。
なんて贅沢な!
ちなみに。忘れてましたね。
主要キャラクターであるダンディ、ミャウ、QTは、それぞれ諏訪部順一さん、吉野裕行さん、佐武宇綺さんが演じられています。
陽気で能天気、ピンチの際にはすぐに自己保身に走ると言うろくでなしな一方、妙なところで情の篤さを見せる一面もあります。女体に異常なほどの執着を見せている彼の、意外過ぎた真の正体は最終回で明かされるのですが・・・。
そんな、まさしく『研ぎ澄まされた適当。磨き抜かれたいい加減』の企画テーマを地でいくようなダンディを、諏訪部さんが本当に、時に軽快に、時にだらしなく、時に渋く、時にかっこよく演じていらっしゃるんですよねぇ~。
私の中の、好きなCV諏訪部さんキャラの中でも、ダンディは上位に食い込んでいるキャラクターです!
ダンディは主人公なので、どの作品でも大暴れですが・・・ぜひぜひ、そのロックな歌声、色気むんむんな歌声を堪能できる第20話『ロックンロール☆ダンディじゃんよ』は、諏訪部さんファンなら必見のお話となっていますよ!
それからミャウです。赤い帽子に猫を思わせる容姿が、実に可愛らしいミャウなのですが・・・やっぱりこの子(?)も適当、かつ怠惰。おまけにボンクラ。なのですが欲深い面もあるため、一行を危険な目に遭わせることもしばしばという、実に困ったキャラクターです。
でもいい子なんだよなぁ~、と言うのは、彼のお当番回とも言える第10話『明日はきっとトゥモローじゃんよ』を見れば、お分かりいただけるかと。
ミャウを演じていらっしゃるのは吉野さんなのですが、まぁ、あの、うん。ずるいよね、良い意味で。ずるい。はまり過ぎなのです。怠惰で、ボンクラで、時にトラブルメーカーにもなるような存在なのに、なのに、憎めない可愛らしさがにじみ出ているのも、もう最高。
そして時代遅れの旧式役立たず掃除機ロボットのQTです。旧式だけどプライドが高く、また何かと無茶を重ねるダンディをいさめる、基本的には真面目なキャラクター・・・なのですが、いかんせん旧式なだけに、省電力モードになった途端、適当になると言う、これまた厄介な設定付き(笑)
そんなQTを演じられているのは、アイドルグループ(現在は活動休止中ですが)『9nine』のメンバーでもある佐武さんです。
いやぁ・・・めちゃくちゃ良かったんですよ、佐武さんのQTとしての演技!当時は声優さんだと思い込んでいたから、本職が声優ではないと知った時は驚いたもんですよ。プライド高い一面がのぞいた時の、あの自慢げな語り口調とか、適当になった時の脱力感とか。可愛らしいお声が、QTの魅力を更に高めていたように思います。
特にQTのお当番回、第13話の『掃除機だって恋するじゃんよ』での演技は、お話の流れもあって、涙、涙だったなぁ~。
はい。
と言うことで多くのアニメ作品にある『この作品のお話の流れはこうで、作画も統一してなきゃダメ。じゃないとすぐに『作画崩壊!』とか言われちゃうからね』と言う、ある種のお約束を大胆に打ち破って、唯一無二の世界観を作り上げたのが、今日、ご紹介した『スペース☆ダンディ』でございました!
なんだろ・・・こういう作品、もっとあってもいいなぁ、と思うのは私だけではないはずです。
何と言うか、ほんと、作品としても面白かったし、とにかくクリエイターさんたちの個性が炸裂していると言うのも、毎話、見ていて、本当に楽しかった。
そして何より、当時、アニメを見始めて少しした頃に視聴した作品だから『こんな自由な作品があって良いのか!』と言う衝撃を受けたくらいです。
こー、何かしらの創作をしている方にとっては、この作品を見ることがひとつの刺激になりそうだと思うほどの、とにかく『想像×創造』と言うものを見せつけられる、そんな作品だと思います。
語弊ある言い方かもしれませんが、いい大人たちが、揃いも揃って、自分の中のプロ魂と遊び心を全開にさせて作品を生み出すって、めちゃくちゃ最高じゃないですか、めっちゃかっこいいじゃないですか。
ですから『アニメにおいて制作陣の個性が色濃く反映されている作品が大好き!』『何より制作陣フェチだ!』と言う方には、特にたまらない作品とも言えるかもしれませんね。
勿論、どなたが見ても楽しめる作品ではありますよ!
あぁ・・・こうやって語っていたら、めちゃくちゃ見たくなってきた・・・。
私としてはどの話も、本当に好きなんだよなぁ~。
でもどれか1つ、1つだけ選ばないと殺すって言われたら(物騒)・・・うーん・・・それでも迷う、迷うけど・・・うーん・・・やっぱり、諏訪部さんのダンディとしての歌声がたまらない20話かな。
でもほんと、どれもほんと、めちゃくちゃ、いろんな意味で『面白い』んですよ!
なのでほんと、見て!
サムネ画像で気になった話数から見ても良し!
ゲスト声優さんで気になった話数から見ても良し!
制作スタッフ、クリエイターさんで気になった話数から見ても良し!
あみだくじで引き当てた話数から見ても良し!
何もかもが自由な、とびきりにクールないい加減さと適当さが炸裂している傑作、それが『スペース☆ダンディ』なのでございます!
ぜひぜひ、ご覧くださいね!
てなことで、本日の記事はここまでです。
さて、今月はもう1本、こちらの記事を書きたいわけですが・・・どの作品をご紹介しようかなぁ。引き続き、お付き合いいただけると幸いです。
ではでは。読んで下さりありがとうございました!