『原神』はその名前と一部のキャラクター、どんな声優さんが出演されているかくらいしか知らないのですが。
『中の人のオタクっぷりがただ漏れ』と言うことで、前野智昭さんと村瀬歩さんが出演されていた回のラジオ、聞いてみました。
めちゃくちゃ面白かったです。おふたりともガチすぎる。
そして何なんでしょうね、この、好きな声優さんがコンテンツに関してガチ話を楽しそうにしているのを見たり、聞いたりするのって、なんでこんな幸福なんですかね。
ありがとう(五体投地)
さて。間もなく始まる春クールアニメ。
注目作に大作、話題作など気になる作品が数多く放送予定のため『はてさて、どれを見ようかなぁ』と楽しく頭を悩ませているのですが。
新作アニメのラインナップが豊富な一方、再放送作品のラインナップも非常に熱いのが、春クールの特徴だと個人的には思っています。
2023年から2クール目放送予定の『呪術廻戦』や劇場版公開が待ち遠しい『ツルネ』などが、その一部として挙げられるのですが。
私としては『四畳半神話大系』と『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の再放送も嬉しいな、と言うことで、この2作品についての記事を書くことにしました。
てなことで、まずはこちら『四畳半神話大系』の記事でございます。
『四畳半神話大系』は森見登美彦さんによる同名小説をアニメ化したものです。最初に放送されたのは2010年(!)で制作はマッドハウス。フジテレビのノイタミナ枠で放送されました。
そして今回は、本作の続編ともいえる、やはり森見さんの小説『四畳半タイムブルース』のアニメ化に際して4月から、やはりノイタミナ枠で再放送される予定です。
ちなみに。
『四畳半タイムブルース』は残念!『Disney+』での独占配信となっています。ただし劇場公開も予定はされていますので、ちょっと安心。
はい。
で『四畳半神話大系』はどんなお話かと言いますと。
舞台は京都。主人公は京都大学3回生の青年。一人称は『私』です。
CVは浅沼晋太郎さんです。個人的にはCV浅沼さんと言えば、この青年か『ツルネ』のマサさんか、私の中では激しく争いを繰り広げているのですが、そんなことは今はどうでもいい(笑)
この青年が、1回生の時にどのサークルに加入したかによって、その後の学生生活が大きく変わっていったその様子を描いた作品です。
いわゆる『この現実とは別に、もうひとつ別の現実が存在する』『もしもこうしていたらどうなっていたか』と言う、あり得たかもしれない可能性が登場する、並行世界での物語を描いた作品です。
原作小説では独立した4話から構成されていますが、アニメ化に際しては全11話の物語に構成されています。いわばアニメオリジナル展開がほとんどなわけですが、これが実に、実に原作小説、作品の雰囲気を損なわない、それどころか更にその魅力を押し上げている、面白さを押し上げている、実に素晴らしい出来なのですよ、ええ。
なので原作小説を読んでからでも、全然、ネタバレなどを気にする必要なく楽しむことができますし、逆にアニメを見てから原作小説を読むと、また違った印象を受けることは必至だと思います。
で。
この作品の魅力を挙げていきますと。
まずは繰り広げられる並行世界、その中で『薔薇色のキャンパスライフ』を目指してサークル活動に励もうとする『私』の、実に哀れで無様で滑稽で、それ故にどうしようもなく愛おしい姿ですね。
言い方が若干、鬼(笑)
いや、でも、うん。ほんとね、私も『私』と同じような志を抱いてサークルに加入した結果、見事に哀れで無様で滑稽な姿をさらし、わずか半年でサークルを辞めた人間なので、笑うに笑えない、むしろ『私』には親近感しかないんですけど、はは(涙)
しかし!『私』のような気持ちを胸に、何かしらの活動に励もう!と思ったことがある方は、決して少なくはないはずです!
そんな若く、青く、何か甘酸っぱさ、気恥ずかしさすら覚えるような、超絶前向き、アグレッシブな期待は、しかしこの作品では見事に、次々と玉砕していくのです。
その様がもう本当に・・・面白い。いろんな意味で涙が出そうになるくらい、面白い。
また、この『私』を演じられている浅沼さんの演技も、凄まじいのです。
原作小説は一人称小説なので『私』の語りによって、物語が進んでいくのですね。でもアニメでもそれが再現されているので、とにかく浅沼さんが『私』として喋る、喋る、喋り倒す!
『ワード数、えらいことになってるんじゃないか・・・』『こんだけ早口でまくし立てるように喋りながら、しかし『私』としてのキャラクターもしっかり表現されているって、凄すぎやしないか・・・』と何度も、何度も思わされること必至なので、そのあたりもぜひぜひ、堪能して下さい!
なお第10話の登場人物は『私』のみ。約25分、浅沼さんおひとりが『私』として喋り倒す、演じ倒すと言う、アニメ史上でも類を見ない内容となっています。これもほんと、凄かった。
そんな『私』の哀れで滑稽で無様で愛おしい奮闘を彩るのが、個性が強すぎる登場人物たちです。この登場人物たちもまた、今作の魅力のひとつであります。
『私』が秘かに思いを寄せることになる、クールで理知的な雰囲気漂う黒髪が美しい女性、明石さん。大学8回生、悠然とした雰囲気が仙人を思わせる自由人、樋口。凛々しい美女で歯科衛生士、しかし壊滅的に酒癖が悪い羽貫さん。樋口のライバルで、彼と不毛な争いを繰り広げている、イケメンナルシストにして『香織』と名付けたラブドールを愛している城ヶ崎などが、『私』の奮闘に彩りを添える登場人物の一例です。
明石さんは坂本真綾さん、樋口は藤原啓治さん、羽貫さんは甲斐田裕子さん、城ヶ崎は諏訪部順一さんが演じていらっしゃいます。
そしてそして・・・ふふ。この作品においては、ある意味『裏の主人公』と言っても過言ではないでしょう。
小津の存在を、これからたんと語りますよ。
小津です。『私』の宿敵であり盟友。いやいや、もはやそんな言葉では済まないくらいの、前世からの、生まれる前からの縁で固く、固く結ばれているとしか思えない存在。
それが小津です。
『私』とは同学年。偏食家であり偏屈な思考の持ち主。しかも悪行が大好きな天邪鬼で、人の不幸をおかずにご飯3杯はいけると言う、酷い人間性の持ち主。なんですけど立ち回りがうまく、それなりの社交能力にもたけているため『私』とは異なり、多くのサークルに所属し、学内のみならず京都中に広い人脈、情報網を所持しており、無意義な学生生活を満喫していると言う青年です。
『多くのサークルに所属している』のです、小津は。
なのでわかりますね?
『薔薇色のキャンパスライフ』目指して、1話ごとに様々なサークルに加入する『私』なんですが・・・結局、どのサークルに加入しても、いや加入しなくても(笑)気が付いたら『私』の隣には、前には、後ろには、小津の存在があるのです。
そしてそんな小津に煽られたり、時に助けられたりしながら、しかし基本的には踏み台にされる『私』・・・なんですけど、小津は、そんな『私』との関係を『運命の黒い糸』で結ばれた運命共同体と言っちゃってるんですから・・・。
『私』ご愁傷様・・・(笑)
はい。そんな憎らしい、だけど憎み切れない、でも友達になりたいかと聞かれれば、決して速攻で首肯はできない(笑)妖怪のごとき小津を演じていらっしゃるのは、吉野裕行さんです。
これがもう・・・ほんと、ずるいのよ。
ほんと、もう吉野さんのあのお声、そして演技が、もうほんと、ずるいのよ・・・。
ずるいのよ・・・(膝から崩れ落ちる)
はい。
並行世界で繰り広げられる『私』の哀れで滑稽な奮闘。
それがどんなラストを迎えるのか。
作品としての、そのまとめが実によくできているな(上から目線の言い方で申し訳ないですが)と思えるのも、この作品の魅力です。
そして作品を見終わった後、なんだか自分の青春時代のありとあらゆる奮闘。実りはしなかったけれど、無様だったけれど、それでも奮闘していた自分のあの姿を『あれはあれで、私の『青春』だったんだな』と愛しく思えるような、そんな感情が湧き上がってくるのも、この作品の素敵なところではないかな、と思います。
不毛で愚行。哀れで滑稽。何もかもが望み通りに行かない。
それが青春なんだ。
はい。
と言うわけで4月。新生活がスタートする、と言う方も多いことでしょう。
そんな方こそ、特に大学デビューに気合入れまくっている方こそ!
ぜひぜひ『四畳半神話大系』視聴して下さいね!
夢も希望も期待も打ち砕かれちゃうよ!
現実は厳しいよ!
それでも小津のような存在を得ることができたなら、それはそれで幸せなことですよ!
本当にそうだろうか・・・(汗)
いやいや、何はともあれ。
本当に楽しい、げらげら笑える作品ですので、視聴されたことがない方には再放送、強く、強くおススメしたいです!
あ、あとあと。
再放送ではどうなっているのか、ちょっとわかりませんが。
OPとEDも、実に素晴らしいのですよ!
OPはASIAN KUNG-FU GENERATIONさんの『迷い犬と雨のビート』
そしてEDはいしわたり淳治さん&砂原良徳さん+やくしまるえつこさんの『神様のいうとおり』でございます。
楽曲の雰囲気は勿論のこと、そこで流された絵も、もう本当に作品の雰囲気、物語の展開を取り込んでいて、耳で、目で楽しませてくれるOP、EDになっているのです。
ここもぜひぜひ、注目されて下さいね。
ではでは。本日の記事はここまでです。
読んで下さりありがとうございました!
追記・・・なんと今回の再放送では、ブルーレイとDVDに特典として収録されていた、テレビ未放送のエピソード3つも放送されるとのことです。いやいや、これはますますもって再放送が楽しみになりましたね!