tsuzuketainekosanの日記

アニメや声優さん、ゲーム、漫画、小説、お仕事とのことなどなど。好きなことを、好き勝手に、好きなように書いていくだけのブログです!ブログ名の『ねこさん』は愛猫の名前だよ!かわいいよ、ねこさん!

1が付く日です~読書感想文放出の日・・・2冊だけですけど

なんてタイトル・・・(汗)

はい。

と言うことで1が付く日です。読書感想文を放出します。

 

ちゃんとした読書感想文が記録されていた5冊の内、前回、3冊放出しました。

てなことで本日は残り2冊の放出です。

 

この2冊が終わったら、また本のタイトルと作者名さんの記録のみになっています。

 

どうしてその時に、ちゃんとと感想も記録しておかないのか・・・。

反省しても遅いわ・・・はふ。

 

てなことで2冊ですが、放出します。

 

あと、ひどいことにネタバレありです。

いわゆる『ミステリ小説において犯人と呼ばれる人の名前』ががっつり、出てきます。

 

ど・・・読書感想文だからさ・・・。

ま、まさか、こ、こんな、それを人目にさらされるような場所に出すとは、夢にも思っていなかったんですよ・・・。

 

ゆ、ゆるし・・・許して(土下座)

 

ちなみにその本は澤村伊智さんの『ずうのめ人形』です。

なので本作に興味があり、いつか読もうと思っている方。また現在、絶賛、本作を読まれているという方は、どうぞこの画面をそっと閉じて下さい。

 

はい。と言うことで2冊です。どうぞ。

・澤村伊智『ずうのめ人形』

・・・戸波さんがゆかりにわからせたかったのは、『自分のせいで我が子が死ぬ。間接的であれ、自分が我が子を殺すことになる』そのことの無念さと苦しさと怒りと、何よりも悔しさだったんじゃなかろうか、と。悠太くんが死ぬのを、もしかしたら目の当たりにしたかも知れないゆかりは、何を思っただろうか。何を思っただろうか。はい。そんなこんなでどちゃくそ面白かったです。ラスト100ページ?もっとか、はもうページをめくる指が本当にとめとられず、怒涛の勢いで読み耽ってしまいました。はい。夜中トイレに起きて、真っ黒な廊下の隅を目にしてしまった時に『あれ・・・どうしよう、30センチくらいの人形いたら』とか。そこから布団に潜って瞼を閉じて『あれ、でもどうしよう、次に瞼を開けた眼前にずうのめ人形がいたりしたら』と思わせる、圧倒的なリアリティ溢れるホラー描写、ホラー小説としての面白さと共に、手記に隠されている謎が少しずつ、解き明かされていく、そしてその先にあるどんでん返しなどなど、ミステリとしての面白さが融合した傑作だと思いました。いやー、怖かった。そして面白かった。あととこの小説を読むことで、私もまたもしかしたら、もしかしたら、この小説の登場人物たちのように呪われてしまっているのかしれない、と言う何とも言えない怖さがわき上がってくるのも、いやこれ上手いわ。はい。ねー・・・なんかでもいろいろ考えさせられましたなぁ。なんだろ。ゆかり、もとい里穂の記憶、自分にとって都合の良いことだけしっかりと覚えていて、そうでないことは覚えていない、いやもしかしたら覚えているのかもしれないけど彼女の中ではそれはなかったことになっている、と言うその部分は、なんかめちゃめちゃ共感できた。でも彼女がそうなってしまった・・・と言うか、そう言う行為に及んだ、至ったその原因は、じゃあ何なんだろう、と考えると、これまた彼女を強く責める気にはなれないと言うか・・・守るべき大人がしっかりと彼女を守らなかった、その歪みが歪みのまま出てきたのだと思うと、なんとも切ない。でもやっぱり、彼女のしたことは許せないし、彼女はおぞましいと、私は思う。それと同時、正しく愛されることがなかった、ゆえに正しく自分を認めることができなかった、それから周囲を認めることができなかった人間の、あまりにも悲しい狂気を思うと、やるせない。ずうのめ人形に呪われて死んだ人は、目の玉がくりぬかれていると言うのも、見たくない、なにも、なにも、自分を虐げる人間も、他者を虐げる自分も、それが存在している世界も、何も、何も見たくないんだと言う彼女の、里穂の叫びのように思えてならない。なんだろ。彼女の心は、ずっと前から死んでいたんだろうなぁ・・・。はい。そして彼女が『妻』『母親』『素晴らしい女性』と言うアイコンであったのに対して、戸波さんが徹底的に『妻』『母親』『女性』であることを捨て去ろうとしていた、そんなふうに描かれていたと言うのも、これまた切ない。最後、戸波さんの『終活』が成功して戸波さんが亡くなった後、佐々岡が藤間くんに言った一言は、本当に強烈だった。何故、女性の下で働くのが嫌なのか。細かいところが抜けているのは戸波さんの悪いところであって、それが嫌で働きたくないと言うのであれば、それは『女性』ではなく『戸波さん』の下で働きたくない、と言うのが正しいはずだ。今も昔も、特に社会に出ている女性は、個人ではなく『女性』と言う集合体で認知されている、そのことをまざまざと突き付けられたようで、本当に切なくなった。でもまぁ、これは、もしかしたら男性側から見た、女性の『男性』に対する見方、考え方にも言えることなのかもしれないけれど。そしてラストですよ。あぁ。もう言葉が出てこない。藤間君の『皆には誰かがいるのに、自分は独りだ』と言う思いが、なんかもう、わかりみが深すぎて胸が痛かった・・・。呪いが解かれて万々歳のはずなのに。その歓喜からは程遠い、ただただどうしようもない、ぽっかりと空いた、それこそずうのめ人形に殺された人たちの眼窩のように暗く、深い穴のような孤独に陥ってしまった藤間くんの虚無感、寂しさを通り越した名前のつけようがない感情の虚無感を思うと、もう言葉が出てこない。はい。と言うことで本当にぞわぞわする、ぞくぞくする恐怖と、そしてミステリ小説特有の高揚感がたまらない1冊でございました。面白かった!

 

・村上貴史編『刑事という生き方』

・・・米澤穂信さんと長岡弘樹さん、そして深町秋生さんの話が完成度、、面白さ共にトップ3。ご本人の持ち味がとにかく炸裂していて楽しかった、という意味では黒川博行さんの話。残念ながらあとの2作品は、個人的にはあんまりでした。はい。なんでしょうね。やっぱりこー、短編って、その作家さんの作家としての技量みたいなものがめちゃめちゃ如実に現れ出てしまうものなんだなぁ、と改めて思わされたと言いますか。はい。こー、やっぱ米澤、長岡、深町、そして黒川作品は、冒頭1行目を読んだ瞬間から、ぐわっ、と物語の世界観に引き込まれるんだよなぁ。ごちゃごちゃと書き込まれていないのに、だからこそとでも言うべきか、登場人物や世界観がしっかりと伝わってくるし、味わいがある。あとぐっ、と引き締まった感じがあって、それがたまらなく胸に突き刺さるようで心地いいのです。なんだろうなぁ・・・あー、米澤さんと長岡さんに関しては、文章そのものがうまいってのもあるよなぁ。あと深町さんに関しては、ひとり、明らかに色が異なっていて、それ故の面白さ、味わいと言うのもあるし。はい。勢いで買った本でしたが、そう言う意味ではなかなか興味深く読むことができたし、面白い本でした。

 

はい。と言うことで本日はこの2冊のみです。

 

長い。『ずうのめ人形』長い。

でもこのブログでも散々、書いてまいりましたが、面白かったんですよねぇ、めちゃくちゃ。ほんと、寝るのも惜しいくらいに面白かった。シリーズ全体、どの作品も面白いのですが、今のところ、私の中のシリーズナンバー1作品は、この『ずうのめ人形』ですね。うん。

 

それから『刑事という生き方』はアンソロジーですな。

収録されている作家さん、作品ごとに面白さや味わいが違う。そうした異なる魅力を1冊で、お手軽に味わうことができると言うのも、アンソロジーの大きな魅力かと。

あとその作家さんの文章力みたいなものを比較できるのも、私にとってはひとつの楽しみです。

偉そうな楽しみ方で作者さんにとってはまこと失礼な話なのですが(汗)、それでもやっぱり、1冊にまとめて、並べられて収録されていると、そうしてそれぞれを読み比べてみると、作家さんごとの文章力、かなり差がある時もあって面白いです。はい。

 

てなことで、次回は・・・9月31日がないので、10月11日になりますね。

とりあえず、あと2~3回分はストックがあるので、それを小出しにしつつ、どうにか今年いっぱいはしのぎたいと思います。

ははははは。

 

ではでは。本日の記事はここまでです。

読んで下さりありがとうございました!