tsuzuketainekosanの日記

アニメや声優さん、ゲーム、漫画、小説、お仕事とのことなどなど。好きなことを、好き勝手に、好きなように書いていくだけのブログです!ブログ名の『ねこさん』は愛猫の名前だよ!かわいいよ、ねこさん!

1が付く日なので読書感想文の日~今日は仕事です

先月シフト分はやたら1が付く日、すなわち読書感想文放出の日が公休で、なんか損したような気分だったのですが(笑)

今回のシフトは・・・多分、どの日も出勤のはずです。今日も出勤。

今週はめちゃめちゃ休みが多いので、もう気分るんるん

毎月、こんなシフトだったらいいのになぁ~。

 

ではでは。読書感想文です。

前から散々、言ってますが、いよいよ読書感想文のストックも少なくなってきています。タイトルと作者名だけ書いてあって、肝心の読書感想文が書かれていないと言う具合ですね・・・とほほほほ。

まぁ、そう言うのは思い出しつつ読書感想文をこの場で書いていきます。

とりあえず、あと2、3回分くらいはストックあるので安心。

それではどうぞ。

 

・宇佐美まこと『骨を弔う』・・・やっとここまできた・・・溜めこんだ5冊分の読書感想文もようやく終了です。はい。そんなこんなで今作ですが、まず良かったところは、過去を振り返ることで今の自分や、自分が置かれている環境などを見つめ直した登場人物たちが、新たな人生を踏み出していったところです。いや、そうじゃなかったら救いようないだろう、と特に政治家?のお嫁さんの女性なんか、本と読んでいて胸が痛くなるような環境だったもんな・・・。懐かしく、楽しく、輝いていたような日々は、どんなに願っても二度と戻ってはこない。だけどそんな日々を、もう一度、自分の手で取戻し作っていくことはできるはず。そんな思いが芽生え、新たな一歩を踏み出した登場人物たちに幸あれ。はい。謎解きの部分は、まぁ、そんなもんかなと言う感じです。次。悪かったと言うか興ざめした部分です。これなぁ・・・なんで、宇佐美まことの名前を出したのだろうか・・・アナグラムでびっくりさせるのであれば、ラストに持ってくるオチとして使うのであればさ、別にもっと他の名前でも良かったのだろうに。宇佐見まことと言うのは現実であり、それが小説内に入り込んできて、あまつさえラストの驚きの部分に使われるとな、何かほんと、今まで小説として読んできた『物語』は何だったんだろう、と興ざめしたんだけどなぁ、個人的には。うーん。現実と小説である『物語』の境い目をつけないために、登場人物たちは現実の人物たちなのだと思わせるためにこうしたのか・・・ただそんなことをしなくても、登場人物たちの、今を必死に生きている感じと言うのはとてもよく描かれていたと思うし。うーん・・・。これならもっと宇佐美まことに変わる小説家を作りだして、他の登場人物と同じように、『物語』の中を、必死に生きている登場人物として描いた方が良かったように思うんだがなぁ・・・うーん・・・あまりに安易と言うか。はい。そんなことを思いました。はい。以上、猛暑の夏、大きな台風に見舞われた秋に読んだ5冊の本の感想文でした・・・台風、大きな被害が出ませんように。野良ちゃんたちも無事でありますように。

 

・葉真中顕『凍てつく太陽』・・・面白かったです。久しぶりに寝る間も惜しんで読みましたわよ。はい。エンタメらしい怒涛の展開は勿論のこと、この作者さんらしい問題提起と言うか、考えさせられる部分と言うのも巧く絡んでいて読み応え十分でした。国やら民族と言うのは服みたいなもの、と言う登場人物の言葉は、そしてそう言うものではなく一人の人間として正しいと思うことをしたいと言う言葉は、何だか今の時代にはとても響く、とても大切にしたいと、必要だと思う言葉であり考え方のように思ったよ。確かに国、民族と言う考えも大切だとは思うし、ある程度はどこかの部分で、そういったもので線引きをすることも必要なんだとは思う。ただそれにしても今の日本は、あまりにも国、民族と言うものに対する一部の人の考え方が偏り過ぎていると言うか、人間である前に日本国民であれ、それ以外は認めないぞ、受け入れないぞ、と言うような考えもありそうで、怖いなぁとも思うのです。はい。ヨンチュンと日崎、戦争がなければ決して交わることがなかったふたりの人生、激動のそれを、時には反目しつつ、時には手を取り合いつつ乗り越えたその末にふたりが口にしたこの言葉が、本当に重い。人間同士として認め合うことができたふたりとは対照的に、また三影の存在もいいなぁ、と言うか、あぁ、と言うか。彼にしてみれば、多分、日崎が憎くて、憎くて、そして羨ましくて仕方なかったんだろうな。アイヌの血をひいていながら、けれど決してそれを卑下することなく正しくあろうとしていた日崎。対して三影は、出自がはっきりとはしておらず、それゆえの屈折を抱え続けてきていた。認められてこなかった、その苦しみや悔しさもあって、だからこそなおのこと、他者を虐げることで自分の存在価値を、自分で証明し、他者に認めさせようとした。けれど、それすらも兄の妻、そして生涯を負ったその子供の存在に揺るがされていた。どうあがいてもそんなふうにしか生きることができない自分に対しての、日崎の存在が、彼にしてみれば本当に疎ましく、妬ましく、けれど憧憬のようでもあったんじゃないかと思うと、またこれ切ないよなぁ。日崎はそのことを知らないままだった、というのもまた憎い演出です。はい。そして戦争、と言うか、本と戦争って男が勝手に始めた奪い合いで、そこで振り回されるのはいつも女性なんだよな、としみじみ感じました。上層部、お偉いさん方は自分たちの保身に精一杯、そのために悪事を働くと言うお約束の展開も、今の時代も変わらないものだと思えば説得性もあるし、情けないやら恐ろしいやらです。実は日本が秘密裏に原爆を開発しようとしていた、と言う展開も面白かったですし、犯人の正体も、『そうだよね、あなたしかいないよね!?』と言うお約束を踏襲しつつ、だけどやっぱり意外性もあって、ミステリとしての楽しみも十分でした。映像化しても映えそうな、一大エンターテイメント作品でした!

 

三浦しをん『風が強く吹いている』・・・アニメ放送中なので読んでみた。いや、荒唐無稽な話だと思うし、アマゾンのレビューじゃないけど怒る人がいるのも頷ける・・・んだけど、その荒唐無稽さを差し引いても、本当に面白く、そして素晴らしい小説だと個人的には思いました。不覚にも何度、泣いたことか。非常にベタな表現で恐縮なんたけど、青春のきらめきと言うか、ある期間、ある時間に生きている、ある年代の人が、全力で物事にぶつかっていった末に散らばっているきらめきのようなものが凝縮されて描かれている、そして物語を読むことで読者もそのきらめきの、たとえ一端であっても触れることができる小説だと思いました。はい。泣いた。もう、登場人物の全員が愛おしくて仕方ない。何でしょうね。そう、確かに荒唐無稽な話なんですよ。でも、荒唐無稽だと最初から何もしなければそこには何も生まれない、と。たとえ形にならなくても、たとえ望んだものは得られなくても、やらなければ始まらず、そこには何も生まれない、と。そんな当たり前のことを、まざまざと見せつけられたように思うし、多分、ハイジ以外の9人も、その可能性に賭けてみたくなって、そこに何が生まれるのか、いやそもそも生まれるのかどうかも見てみたくなって、だからハイジの荒唐無稽な話に乗っかったんじゃないのかな、と思うとまたこれ、登場人物のその心理的な青臭さと言うか、未成熟さが愛おしい。そして駅伝のシーンでは、ひとりひとりの心情が語られるんだけど、もう、たまらん。涙、涙ですよ。ひとりひとり、抱えている気持ちは違っていて、それは他人とは決して分け合えるものではないから孤独で、ひとりひとりがひとりで走っていて、それもやっぱり孤独で、だけどひとりが次のひとりに襷をつなげることでしかレースは完結せず、ひとりがひとりのままで、けれどひとりじゃなくなっていく、と言う、走の言うところの、ひとりのままで強くなると言うのがもう、ぐわっ、と胸を揺さぶるようにして伝わってきました。それはこのレース中だけのことかもしれず、キングじゃないけど夢のようなものであり、それから醒めてしばらくしたら、またひとりひとりが何もなかったかのようにしていつも通りの日常に戻っていかざるを得なくて、それはとても残酷なことかもしれなくて。でも、振り返った時にその、ひとりだけど強くあり、ひとりだけどひとりでは決してなしえなかったことをなしたと言う純然たる現実は、過去は燦々と眩く光り輝いていて、それはずっと変わらないことで、そのことに胸を締め付けられるような思いがしたと言うか。はい。そしてそれは荒唐無稽だと最初から諦めていたら、何もしなかったら、決して存在していなかったものであり、だからこそ何かをすることの価値のようなものをひしひしと感じました。うん。この辺り。果たしてアニメではどんなふうに表現されるのかが楽しみですな。ハイジと言う人間が、走と言う人間に出会った。そしてそれは走と言う人間がハイジと言う人間に出会ったことであり、形こそ違いはあれど、走ることに渇望していた、走ることに魅入られ、それ以外、何もなかったふたりの出会いが、竹青荘の人間の心にも波紋を起こし、それが大きなうねりとなって光を生み出した。あぁ、たまらん。そんなこんなで、本と、胸を揺さぶられる作品でした。いやぁ、アニメも楽しみだ。

 

はい。そして次の本から2019年度とになります。

読んだのは2018年度中なのですが、年末なので、多分、翌年分にまとめているのだと思う(いい加減)

 

・市川憂人『ブルーバードは還らない』・・・読んでいなかったわけじゃないんだ…わ、私の悪い癖なんだ…はい。2018年もあと2週間。いつものように、一応、この時期の読書は来年分にまとめます、と言うことで1冊目。いやはや。1年に1冊、この時期のお楽しみとなってきた感のあるシリーズですね。うん。個人的には今までのシリーズの中でいちばん好きです。世にも美しく、儚い生き物であるブルーバード。その正体が明かされた時に、物語全体の印象ががらりと変わると言うか。そしてタイトル通りの、どこかファンタジックで、でもとても悲しく切ない余韻が後をひくラスト。おぞましい欲望を持った人間と、その人間たちに振り回され、人間としての尊厳を奪われ尽くした人間たちの物語。何と言うか、こういう人間がしっかりと描かれているのもこのシリーズの魅力だよなぁ。とても惹きつけられました。はい。謎解き部分も科学的な要素を取り入れつつ、本格の楽しみを十分に味わえるもので、いやぁ、もはやさすがの域に入ってきているんじゃなかろうか。そうか、この人も鮎川賞の人なんだよな。次はどんな物語を読ませてくれるのか。どこかファンタジックな美しさ、儚さと、人間の確かな暗部、その両方を見事に本格推理に融合して描く作家さんの、次の作品が楽しみです。てか、去年も1冊目に来てる。笑った(笑)。

 

・犬塚理人『人間狩り』・・・横溝賞受賞作。評判が高かったので読んでみましたが、いかがでしょう。面白かったんだけど、ラスト、結局、そう言う流れに行っちゃったか…と言うのがちょっと残念だったかな。まぁ、題材的にこういう流れ、目には目を、復讐しかないよな、と言う流れに行くのは、まぁ、仕方ないのかもしれないけど。うーん…。はい。ネット自警団、炎上、その中で注目を集める喜び、反対に簡単に批判の的にもなってしまう、そしてその流れがネットの世界を飛び越えて現実社会にも出てきてしまう怖さ、そう言ったものは現実社会、今の今の空気を切り取ったようなものだなぁ、うまく描かれているなぁ、と思いました。ミステリ的な部分も、被害者の家族が別人物になりきって、と言う仕掛けも面白かっただけに、うーん…ねぇ。何か、せっかく自警団、ネットと言う要素を取り入れているのであれば、それをうまく生かした流れがあったんじゃと言う気もしますが、まぁ、反対に言えばお約束通りの流れを踏んだことで読者の胸に訴えかけるものはあったなぁ、とも思ったり。はい。なー。ほんと、難しいと言うか、やるせないよなぁ・・・。はい。

 

よっし、これくらいにしておこう。

 

ってかほんと・・・どうして今までもこれくらいの分量にしておかなかったのだろうか。今までのやつ、2万文字近くいってるやつとかもあって、ほんと、冷静に考えるとバカなんじゃないのかと自分でも反省しきりです。はい。最初からセーブしておけば、ストックももう少し、長持ちしただろうにさ・・・へっ。

 

後悔先に立たず!(どーん)

 

はい。まぁ、仕方ない。

 

そんな具合でこの中だと、三浦しをんさんの『風が強く吹いている』が印象に残っていますね。

アニメ化もされたわけですが、まぁ、そのアニメも素晴らしい完成度で。

原作を活かしつつ、しっかり原作に描かれているキャラクター造形を尊重したうえでのアニメオリジナルシーンもたくさん挟まれていて。

魅力的な、面白い原作を、より魅力的に、面白く広げたアニメ作品だったな。原作がある作品のアニメは、願わくばこうあって欲しいよな、としみじみ、感じさせる作品だったように思います。

2クール作品なのですが、その意味のある、凝縮された青春スポーツ作品です。見たことがないと言う方は、ぜひぜひ、ご覧になられてみて下さい。

 

ではでは。本日はここまでございます。

6月は30日までなので、次回は7月(!)11日ですね。よろしければ引き続き、お付き合い下さい。

 

読んで下さりありがとうございました!