tsuzuketainekosanの日記

アニメや声優さん、ゲーム、漫画、小説、お仕事とのことなどなど。好きなことを、好き勝手に、好きなように書いていくだけのブログです!ブログ名の『ねこさん』は愛猫の名前だよ!かわいいよ、ねこさん!

休み~読感の日

はい。と言うことで公休ですが1が付く日なので読書感想文放出の日です。

なんだかちょっぴり損した気分よ、おほほほほ、と。

 

そんなこんなでそろそろ残りも少なくなってきているので、前回からは小出しにしている読書感想文の始まり、始まり~。

 

柚月裕子『狂犬の眼』・・・はい。そんなこんなで積んでいた二冊目。うーん・・・やはりシリーズものの宿命か。一冊目に比べると、個人的には楽しんで読むことはできなかったかなぁ、と。ただたとえ自分がどうあっても、義に殉じるヤクザと言うか、ひとりの男の生き様はすごく魅力的だった。それを読者の胸につきつけるようなラストシーンは秀逸の一言。二作目も映画化か決定しているらしいから、ここは是非とも見てみたいなぁ。ただ、登場人物が、たとえ名前だけでも多すぎると言うのは何とかしてほしいと思いました。はい。

 

本多孝好『dele』・・・とりあえず成長とかそう言うの要らないんで、忍耐とか修行とか辞めてもらっていいですかね。成長ある修行と成長なき不変なら、間違いなく後者をとるような人間なんで、本と、辞めてもらっていいですかね。後、5千万下さい。三冊目。ドラマ化と言うことで読んでみました。本多先生らしい文章がとても心地よかったです。どうですかね?自分の死後、そのデータの一切を消去すると言うのは、成程、これからそうしたサービスが出てきても何らおかしくはないかもしれないと思いました。自分はどうかなあ…別にもう、死んだあとだしな。なんかでも、ほんと、もう死んだら何もかもなくなって欲しいので、データは、そうした意味では完膚なきまでに消去して欲しいと思うかもしれない。うむ。4作目がとにかく評判が高かったのは頷けます。でも個人的には、2作品目だったかな?女装していた彼と社長さんの愛の話が、ものすごく胸打たれました。たとえデータであっても、表面上はデータでしかなくても、確かにそこから故人の思い、あるいは人となりを知ると言うのは、案外、容易なことなのかもしれないなぁ。主人公君と社長さんのそこはかとなくBLと言うか、社長、ツンデレ受けいけるぞ、と言うようなキャラクターと掛け合いも良かったです。お姉さんは、是非とも菜々緒さんに演じてもらいたいんだが・・・。主人公君の妹さんの話が謎のまま終わっていたけれど、成程、ドラマ放送に合わせて文庫が連続刊行で、その2冊目が新作に該当するとのことで、商売上手だなぁ。はい。

 

麻見和史『深紅の断片』・・・ほんとにひきこもりたい。頼む、5億くれ。こんな世の中で、こんな人生をいつまで続くかわからないのに生きていかなければならないなんて罰ゲーム以外の何物でもないぜ。そんなこんなで四冊目。とりあえずラストです。書評で評判が高かったので勢いで購入したのですが、成程、面白かったし考えさせられました。2時間ドラマの原作にぴったりと言うか。はい。命を選別しなければならないトリアージ。過去、起きてしまった交通事故に偶然、巻き込まれてしまった人たちのそれを巡る出来事が事件の引き金になっていた、と言うのが面白かったです。なぁ~・・・そりゃ谷さんも、精神、病んじゃうよなぁ・・・。効率のため、誰かの命を、ひとりでも多くの命を救うために、誰かの命を捨てる。その判断が自分ひとりに任せられると言うのは、そりゃいくらなんでも酷だよ・・・。うん。尾崎先生に対してトリアージを優先したと言うのも、勿論、好意あってのことだったけれど、でも医師であると言うことを考えるとそれが優先されるのはやむを得ないと言う気もするし、でも、それにより大切な人を失ってしまった青木さんの無念、怒り、辛苦と言うのもまた理解できるものだし・・・。そうして理由はどうであれ自分が事故を起こしてしまったと言う思いから、トリアージを破った運転手さんの思いも、また胸を打つ・・・。うーん・・・難しいなぁ。考えさせられました。これだけじゃなく、谷さんを巡る救急出動の在り方も、一時、話題になったことがあったからなぁ・・・。はい。一方、物語はものすごく重いんだけど、キャラクターが良いと言うか、ある意味、どの人も悪人でないと言うのは救われた思いです。特に救急隊3名の何気ない会話とかは、ほっこりしました。てか茂刈先生の過去が気になるでやんすよ・・・。続編で明かされていくのかしら。だとしたら、ちょっと追いかけたい気もする。うむ。そんなこんなで、面白かったです。

 

・アンソロジー夢十夜 眠れない夜に』・・・アンソロジーの魅力は諸刃の剣。良い作品に出合える可能性もあれば、全く自分の好みに合わない作品ばかりの時もある。と言うことで、今作に関しては五分五分と言った感じでした。はい。好きな作品だけ感想をちょこっとずつ書いていくと、まずはあさのあつこの『いやだいやだ』。何だろ、自分と言うものがありながら、しかし振り返ってみると流されるようにして生きてきた男と、女の人生の悲しさのような物が伝わってきて。ただそれを救うようなラストがとても美しく、また叶わぬ夢だと突きつけているようでもあり。北村薫『指』。多分、アンソロジーに収録する作品と言うのは、これくらいの長さであり、かつこういう作品でならなければならないんだろう、と思わせてくれる、お手本のような作品。そう言った意味では道尾秀介『盲蛾』も然り。ミステリ好きと言うのもあるんだろうけど、このふたりの世界観を作り上げ、読者を一気に引きずり込んで、そして置き去りにするような結末の描き方と言うのはほんとに好き。それから小池真理子の『つばさ』、恋愛小説の名手と呼ばれるだけあって、残されたものの悲しみのような物がひしひしと伝わってきた。し、そこから先、恋人とも愛猫ともつかないつばさに誘われて、共に街を、夜空を飛ぶシーンは、本当に美しく開放感があった。そして最後の小路幸也の『輝子の恋』、ちょっと長いかな、と思ったけど、ラストに意外などんでん返しもあったので良かったです。ままならぬ恋。その裏側に隠されていた、やはりままならぬ思い。これくらいかな。ただ、先陣を切った阿刀田さんの作品は、さすが、短編の名手と思わせるようなものでした。うむ。

 

・秋吉理香子『鏡じかけの夢』・・・図書館で見かけた一冊。清々しい、トラウマ必至のバッドエンドとあったので心惹かれましたが、いや、何と言うか確かにバッドエンドだけど、ある意味、幸せじゃね?と思う気もする。3本目の女優さんのみ、本との意味でこりゃバッドエンドだな、と言うくらいで、後はなんだかんだ言いつつ自分の思いが叶ったわけだしな・・・。はい。しかしどうして願いがかなえられるには対価が必要なのかね。何と言うか、こー、やっぱりそこには『いや、何の犠牲もなしに願いがかなうなんてずるいじゃんか!』という僻みのような物もあったりするのかしら・・・。そんなこんなで1本目。なりたい『奥様』になることができて、しかしそこから、『自分』の自我が、輪郭が、溶けていくようにして無くなっていき、やがてわからなくなっていくと言うところの描写が、とても幻想的でありながら吸い込まれるようで読みごたえがありました。2本目。BL(どーん)。いや、ほんとに。もう主人公の一喜一憂、素直になれない態度とかに萌え萌えしましたよ。あぁ、そしてあのラスト。互いに思いを打ち明けることができないまま、ただただ傷つけるようにして生きていくことを思ったら、あるいはこのラストは幸福なのかもしれないなぁ。ねぇ。3本目。このラストは、さっきも言ったとおり、フィクサー側にしてみれば大勝利、女優側にしてみれば自業自得とは言え恐怖、絶望。物語そのものと言うよりも、見渡す限り鏡に覆われた部屋で女優がどのように過ごしてきたのかを考えると、ぞっとしない。そして最後の話。これもなぁ・・・お姉ちゃんだか妹だかが一言、言っていれば・・・とも思うけど、言えないよね・・・ねぇー・・・やるせない。もうここまで来ると、鏡の存在が本当に生きもののようにも思えて、見えてきて。ラストで警察の人が、もしかしたら本当にこの鏡が、と思ったけれど、それも頷ける気が。勿論、決してそんなことはないんだけど。でも、鏡を見ることで己の本心を思い知り、そしてそのことでその本心を妨害しているものの存在にまでいらぬ思いが行ってしまうと言うか。そしてそれが、大切である人との距離を見誤らせると言うか。ねー・・・。人間の不器用さを、その鏡は上手に利用して・・・そして、こうなってしまった人たちの姿をそっと嘲笑しているような気になりました。怖い、怖い。

 

櫛原理宇『209号室には知らない子供がいる』・・・勝手にミステリなのかと思って読み進めたら、最後はホラー的な味わいもあり。何と言うか、母親になれなかった、なることを許されなかった女たち、そして「母親」を、誰にでも求める、存在が許されなかった子どもたち、その両方の悲しさと恐ろしさ、それに触れ、巻き込まれてしまった者たちの顛末が胸にしみる、あるいはぞっとするような一冊でございました。

 

・芦沢央『火のないところに煙は』・・・ホラー仕立てと言えばこちらもホラー仕立てっぽいな、と言う見せかけに反して、確かにホラー、と言うか「怪談」と言う、人智を超越したようなものの存在を描きながら、同時に論理的な、人間の思考と言葉で説明できる「謎解き」を両立させているところが、とても新しいなと思ったし、おおっ、さすが、と思わせてくれる作品でした。ただだからこそ、ラストはぞっとした。ほんとにぞっとして、鳥肌、ぶわぁぁぁぁぁ、って肌一面に立ちました。名前は忘れちゃったけど、本と、早く連絡してください・・・怖いよお・・・。後、こういうお話にありがちなんですけどね。怪談が怖いのは勿論なんだけど、フリーのライターさんだったっけ?そこにやって来た女性の存在には、あぁ、やっぱり怖いのは、同じ人間でありながら何かに憑りつかれたようになってしまっていて、故に言葉が通じなくなってしまっている人間だな、と思いました。怖い。くわぱらくわばら。

 

・逸木裕『星空の16進数』・・・この作者さんの作品はデビュー作しか読んだことがないんだけど、とにかく主人公の造詣がとても良いと言うか、素敵だと思う。何かしらの一芸、才能に秀でていながら、でもその代償のようにして、何かしらの欠落を抱えている。そこにとても心惹かれるし、共感を覚えるし、そう言う人が持つ特有の危うさのようなものが大きな魅力となっていて、惹きつけられる一方でどこかしら羨望も混じった嫉妬も覚えて、何と言うか、もうこういう主人公を出してきて、見事に描ききっている時点で勝ちだよな、面白くないわけがないよな、としみじみ思うのです。はい。あと、主人公のパーソナリティに深く関係している要素を絡めるのがうまくて、今回は色にまつわるそれだったんですが、これも本と面白かった。そんなふうにして色が表現できると言うのも知らなかったし、色をあらわす言葉が多岐にわたるの同様、それを示す16進数もたくさんの数字とアルファベットの組み合わせがあるんだと思うとわくわくした。うん。物語も、デビュー作を彷彿とさせるような、痛みやら辛さやら、苦しいことやら、そうしたものすべてが内包され、昇華されて光に包まれていくようなラストシーン含めて、本当に素敵だなぁ、と思いました。しかもそれがシステマチックじゃなくて、ちゃんと主人公の人間的成長に絡んでいて、読者の心に確かに訴えかけてくる、読者の心を強く揺さぶってくると言うのもお見事だよなぁ、と思うのです。いやぁ、次にどんな作品を書かれるのか、本当に楽しみな作家さんのひとりだなぁ。

 

有栖川有栖『インド倶楽部の謎』・・・国名シリーズの最新作だぞー!やっほい。と言うことで、さっさと結婚してどうぞ、と言ういつものツッコミをしつつ。いや、今回も面白かったです。何でしょ、今年目覚めた本格派の面白さと言うか、罪を犯した人間がよりどころにしているたったひとつの『そうせざるを得なかった』と言う理由が、今回の場合は動機だったんだけど。成程なぁ、と。この動機に関しては確かに弱いと指摘されてもやむを得ないかもしれないけど、でも、この作品だからこその動機であり、あぁ、ととても納得できるものがありました。そしてその動機の存在を少しずつ匂わせるようにして、全編通して『前世』と言うキーワード、そこに関する様々な登場人物の思惑などが描かれているのも良かったです。そして少女の『前世は昨日、未来は明日』と言う言葉に、何かしらの感化を受けたのであろう火村先生の姿と、そこに願いを目るような思いを抱いたアリスの姿、そこから先、ふたりが別々の道に分かれて歩いていくと言うラストシーンが余韻深くて、美しくて。後は野上さんの、火村先生に抱く疑問と言うのも面白かったな。これ、この先、野上さんから見た回答のようなものが描かれるのを期待せずにはいられないよなぁ。うん。それと同時、野上さんや犯罪者が抱いたアリスの存在と言うのも面白かったし、何か、その辺りのゆさぶりのようなものも描かれて欲しいなぁ、と思いました。はい。結構な分量があったはずなんだけど、楽しみにし過ぎていたせいか、あっと言う間に読み終えてしまった気がする・・・。このシリーズのありがたいところって、本当にほぼ毎年、コンスタントに新作が発売されているところなんだけど・・・やっぱり、早く新しいふたりの活躍が読みたいよ・・・特に火村先生の過去あたりが、こー、ちょちょいと突かれるような作品であればたまらんです。はい。あぁ、あと、何となくだけど短編集も読みたい。うむ。

 

はい。と言うことで今回はこの辺りで終了にしておこう。

何を隠そう残り2冊で2018年の読書感想文は終了。そして翌年2019年からは、まともに読書感想文をつけていないと言う体たらくなので、大変だ(まるでひとごと)

 

そうですね。今回の読書感想文を読み返してみると、ちょうど仕事のことで悩みに悩んでいた時期、フルタイムに勇気を出して切り替えようか否かをうじうじと悩み、苛々していた時期だったことが思い出されました。

 

なので削除したけど、実名で悪口とかも読書感想文には書いてあって、そもそも読書感想文とは何ぞや、と自分で突っ込んでしまったし(笑)

結局あれだ、昔から働かない奴は働かないままだし、そいつが苛めて人を辞めさせても、会社としては何ひとつ、具体的な対策も取らないまま、苛められていた人が辞めたことでラッキー、みたいな感じなんでしょうね、はいはい、と。

 

はい。あぁ、あと、最後に出てきた作品なのでふと思ったのですが。

有栖川先生の作家アリスシリーズの新刊も、そう言えば、新刊、出ていないなぁ、と。

いや、まぁ、むしろ今までがあまりにもコンスタントに出版されていたから、たった2~3年、出版されないだけで、なんかやきもきしてしまうのであります(笑)

 

はーい。そんな具合で本日の記事はここまででございます。

読んで下さり、ありがとうございました!

次回は21日ですね、引き続き、よろしければお付き合い下さい。