tsuzuketainekosanの日記

アニメや声優さん、ゲーム、漫画、小説、お仕事とのことなどなど。好きなことを、好き勝手に、好きなように書いていくだけのブログです!ブログ名の『ねこさん』は愛猫の名前だよ!かわいいよ、ねこさん!

あの作者さん、あのシリーズはどうなったの?~本の話

さて。1日以外の、末尾に1が付く日には、もはやただの文章の塊と評するにぴったりな読書感想文を垂れ流している私でございますが。

 

過去の読書感想文に触れていると、『あー、そう言えば』と思うことが少なくありません。『あー、そう言えば、この作者さん、どうされているんだろう』もしくは『あー、そう言えば、このシリーズ、続きはどうなっているんだろう』と。

 

たとえば有栖川有栖さんの『火村英生シリーズ』や月村了衛さんの『機龍警察シリーズ』などは、ありがたいことに続けて新作が発売されています。

ただその一方で、新作が発表されないまま幾星霜(大げさ)が流れているシリーズや、そもそも作品の発表、発売自体が途絶えている作者さんと言うのもあり、今回はそちらを話題にしようと言う記事です。

 

『これが契機となって新作発表や、久しぶりの新刊発売!みたいなニュースが飛び込んでくればいいのにな!』と言う願い、めっちゃ込めてます!

 

ではでは早速、まずはこちらの作者さんのこのシリーズから。

 

市井豊さん『聴き屋シリーズ』

・・・めちゃくちゃ好きなんだよ、このシリーズ・・・。だから新作を・・・と待ち続けて、多分、3年・・・いや、もっと経過しているはず。待ちわびているから、よけいに長く感じられているだけなのかもしれませんが。

とある大学の文芸サークル『ザ・フール』、その個性豊かな面々が様々な事件を解決していく、と言うのがこのシリーズなのですが。

とにかく『ザ・フール』の面々が、本当に面白いのです。そして個人的には、このシリーズの主役で聴き屋体質の名探偵、柏木くんと、推理マニアの美男子作家学生、名前忘れちゃったよ!の関係がね。この2人の関係を妄想しちゃってる梅ちゃん(某超絶イケメン声優さんじゃないよ!)の妄想にも深く頷くほどの、もう、たまらん関係性なんだよ。

だからほんと、早く『ザ・フール』の面々に再会したいし、柏木くんと美男子くんの関係に、梅ちゃんと一緒にはぁはぁしたいのだよ!

 

あくまで分類としては『ミステリ』ですが、それほど難しい内容ではありません。とにかく『ザ・フール』の個性豊かすぎる面々の会話劇が楽しく、わちゃわちゃにぎやかな、彼ら、彼女ら大学生活の様子も、本当に楽しいのです。読んでいて、こー、自分も『ザ・フール』の一員となって大学生活を楽しんでいるかのような、そんな気持ちになれる作品ですので、気になった方はぜひとも、読んでみて下さいね。

 

と言うわけで、作者の市井さんを調べてみたら・・・おおっ!ツイッターをされているようで、こちらの方は更新されていました。良かった。

とりあえず去年末に手の手術をされたとのことで、そうだったのか・・・。どうぞ、ご無理をなさらずに。

『聴き屋シリーズ』以外には、新刊も出されているようなので、とりあえずは安心しました。はい。

 

京極夏彦さん『百鬼夜行(京極堂)シリーズ』

・・・いや、厳密に言えば、まぁ、シリーズとしては番外編のような形で連作小説集やらは出ているんですけどね。私としてはやはり、京極堂が主役の、あの長編が読みたい、と言うわけで『鵺の礎』です。ってかネットで『鵺の』って入力したら、ちゃんと『礎』って出てきたのがおかしいやら切ないやら・・・。

 

百鬼夜行シリーズ』または『京極堂シリーズ』は、京極夏彦さんによる推理小説です。古本屋『京極堂』を営む中禅寺秋彦を主人公に、様々な登場人物たちが事件に遭遇します。それを中禅寺が『憑き物落とし』として解決する物語です。

 

ただし推理小説と言っても、一般的なそれに見られるようなトリックに意味がある、トリックに重きが置かれている、そう言う作品ではないので、その点はご注意をば。

 

めちゃめちゃ分厚い(どーん)。文庫版でも1000ページオーバーの作品もあるので、ちょっとした鈍器だよね、鈍器。そして内容も、めちゃめちゃ難しい、と言うか、ありとあらゆる知識の渦にもまれているような感覚に陥るのですが・・・ところがどっこい、その京極堂の語る知識の渦が、物語の根幹に深く関係していて、それがパズルのピースのようにぴたっ、とはまった瞬間と言うのは、なんとも言えない快感があるのです。

 

あと登場人物が本当に魅力的。私は榎木津さんが大好きです。振り回されたい・・・。

ちなみにアニメ版のCVは中禅寺が平田広明さん、榎木津が森川智之さんとのことで・・・やだ、ぴったりすぎるじゃないのよ・・・。

この他にも、常に精神不安定で京極堂や榎木津にどやされている売れない作家や、榎木津とは切っても切れない腐れ縁でがちがちに結ばれている(妄想)喧嘩好きのくせに根は繊細でナイーブな刑事などなど、個性豊かすぎる登場人物たちの関係性も、このシリーズの魅力です。

あ、勿論、魅力的な女性キャラクターも多数、登場しますよ。私は、中禅寺の妹の敦ちゃんがとても好きです。CVは桑島法子さんですが、大丈夫。こちらの桑島さんは、死亡フラグも跳ね飛ばすほどの元気なキャラクターです(笑)

 

はい。と言うわけでこちらのシリーズ、冒頭にも書きましたが、シリーズとしては作品が出ていないわけではないのです。ただ私が読みたいのは、京極堂が主役の『姑獲鳥の夏』から続いている長編作品であり、その最新作として・・・多分、もう10年、いやひょっとしたらそれ以上の時間、タイトルだけが独り歩きしているのが『鵺の礎』でございます。

 

シリーズ長編作が最後に発売されたのが『邪魅の雫』で、それが2006年のことですか・・・くへー・・・もう15年前か。

 

15年前!笑うしかない!そんな前か!私が24歳だった時か!はは(遠い目)

 

それ以降『『鵺の礎』はまだか~・・・『鵺の礎』はまだかぁ~』と定期的にネットで検索をかけていたわけですが・・・とりあえず、シリーズ出版元の講談社となんかトラブルがあって、次からは版元を変更する、ノベルス版の増版も中止する、と言うのは知っていたのですが。

 

欲しいのはそんな情報じゃないよねぇ~。

 

と言うわけで改めて検索をかけてみたら。

おおっ!去年の8月に出版された作品の帯に『近日発売予定』の文字があったとの情報をゲットいたしましたよ!

そうか、そうか、それは嬉しい!

 

それが本当ならね!(白目)

 

いや・・・でも、昔なにかの記事で作者の京極先生が『来た仕事は順番に消化していっている』みたいなことをおっしゃっていたような記憶があるので・・・いや、あくまで『ような記憶がある』程度のレベルの話なので、ほんと、信憑性は0ですけど。

でも作家としては京極先生、めちゃめちゃ精力的に活動されていて、作品もたくさん発表されているので・・・さすがに15年も経過したわけだから、今年こそ、今年こそは『鵺の礎』読めるはず!と期待を新たにした私でございます。

 

綾辻行人さん『館シリーズ

・・・良かった。今、去年末に発売された『このミステリーがすごい!』を確認したら、ほぼ毎年恒例、綾辻先生、『館シリーズ』について言及されていました。はい。

2021年のどこかで、少なくともタイトルはお知らせできるだろう、とのことで。それだけでも十分でございます。

 

と言うわけで『館シリーズ』。

様々なミステリ作品を読んできた私が『まだその作品を読んだことがない、と言う人が心底、羨ましい』と言う作品はいくつかあるのですが、綾辻先生の『館シリーズ』は、確実に『読んでない人が超絶羨ましいわ、このヤロー!』と言える作品、シリーズでございます。

 

今は亡き、非常に謎の多い建築家・中村青司が建築に関わった奇怪な館。その館を舞台に発生する凄惨な事件を、素人探偵の島田潔が解決していく、と言うのがこのシリーズのおおまかなあらすじです。

十角館の殺人』から始まり現状『奇面館の殺人』まで9作が発表されています。そして10作品目となる次作で、シリーズ完結になる予定とのことです。

 

いやぁ・・・『十角館の殺人』を読み終えた時の、あのトリックが明かされた時の、衝撃とも放心ともつかないような感覚と言ったら。今、思い出しても『やられたっ!』と言う爽快さからくるにやにやと、そしていい意味での鳥肌が全身に広がっていきますよ・・・。

あの1行の衝撃な。本と。あー、思い出してもたまらん。

そしてそこから、発売されていたシリーズ作品、夢中になって読んだ時間と言うのは、もうほんと、読書好きにとっては至福以外の何物でもない時間でしたよ・・・。

 

とにかくめちゃめちゃ面白いのです。ミステリ好きにとってはたまらない、トリックによる大どんでん返しの炸裂、だけどその中でしっかりと描かれている人間ドラマと言うのが、『本格ミステリと人間ミステリの融合』と言わんばかりで、本当に読み応え抜群で。作品ごとに驚きや味わい、余韻が異なると言うのも素晴らしい!だからそれこそ、寝食惜しむくらいに読み耽っていたもんなぁ~。

 

また各物語の舞台となる『館』も本当に趣向が凝らされていて。何と言うか建物なんだけど、それこそある意味では物語の主役であり、物言わぬ生きもののような存在感、不気味さのようなものも感じられて。滞在したら絶対、殺人事件が起きるから滞在はしたくない。だけどその雰囲気などを味わうため、ちょろっと、足だけは踏み入れてもいいかも(笑)。あるいは遠目で、望遠鏡とかで観察するとか。

 

あ。もし、まだシリーズを読んだことがなくて、読んでみたいな、と思われている方がいらっしゃいましたら。

 

絶対に、絶対に発売された順番通りに読みましょうね!

 

じゃないと、後の作品のネタバレを踏んだり、味わえるはずの驚きが半減してしまう恐れもあるためです!

超絶、勿体ないよ!

くれぐれも『暗黒館の殺人』から読み始めたりしちゃダメよ!(私のこと(笑))

 

ってなわけで、シリーズの発売順、すなわち正しいシリーズの追いかけ順を書いておきます。

十角館の殺人』→『水車館の殺人』→『迷路館の殺人』→『人形館の殺人』→『時計館の殺人』→『黒猫館の殺人』→『暗黒館の殺人』→『びっくり館の殺人』→『奇面館の殺人』です!

 

せっかくだ。各作品のあらすじも含めて、綾辻先生の他シリーズの紹介も詳しい、こちらのサイトを貼り付けておこう。

kodanshabunko.com

と言うわけで、シリーズ最新作の『奇面館の殺人』が発売されたのが2012年ですか・・・そうか・・・もうすぐ10年になるのか。

 

シリーズ最終章となる予定の『館』、それはどんな『館』で、そこでどんな事件が起こるのか。本当に楽しみでなりません。

京極先生同様、綾辻先生も作家としては精力的に活動されているので・・・いつか、その日は必ずやって来ることを信じて。

まずは今年発表される予定のタイトルを心待ちにしましょうかね!

 

梓崎優さん

・・・『叫びと祈り』で大絶賛されデビュー。その後の『リバーサイド・チルドレン』も大きな話題を集めた梓崎さん。シリーズとしては『旅人シリーズ』とでも勝手に名付けても良いのかしら?世界各国を旅するひとりの青年が遭遇する事件を描いたこのシリーズ。

 

いやぁ・・・『叫びと祈り』の単行本を初めて読んだ、読み終えた時の衝撃ったらなかったな。今でもあの衝撃、感覚と言うのははっきりと思い出せるくらいです。

とにかく本作がデビュー作とは思えないほどに、文章が美しい。端正で無駄がなく、それでいて物語の世界、あるいは登場人物の心情をまざまざと描き切っていると言うか。

そして物語そのもののレベルの高さと言うのは、まさしく新人離れした、と言う表現がぴったりなほどのものだと、私は思います。

『文化の違い』と言う、言葉にしてしまえば簡単なそれを感じさせるニュースなどに触れた時、私の脳裏にはいつも、この作品が浮かんできます。それくらいにインパクトの強い、強烈な作品群です。

 

ところがどっこい・・・同じく東京創元社からデビューされた、同世代の作家さんたちの作品をまとめた短編集にて『スプリング・ハズ・カム』を発表されて以来・・・一切の音沙汰がない(涙)

 

と言うわけで改めて調べてみたところ・・・2018年に雑誌に掲載された作品が去年、アンソロジー文庫に収録されているとのことで・・・そうか、このアンソロジー、買ってみようかな・・・。

 

もともと兼業作家さんとのことなので、本業の方がお忙しいのかもしれない、と思いつつ・・・しかししかし。この方の作家としての、こー、文章力や表現力、世界観の作り方や人物の動かし方。人物描写の巧みさ、要するに『小説家』としての才能の高さと言うのは、このまま眠らせておくには、あまりにも、あまりにも勿体ないと思うのです。

 

なのになのに。

先に挙げたお三方とは異なり、とにかく『作家』としての近況がほとんど不明なのが、一切、情報が入ってこないと言うのが、ファンとしては本当に切ないし寂しい・・・。

コロナ禍の今だからこそ『旅人シリーズ』も読みたいし、勿論、それ以外の作品でもウエルカムなのです(切実)

 

はい。と言うことで、この記事、またやろうかな・・・。

何だろ、こうやって書いていたら、ほんと『いや、あの作家さんもそう言えば』と気になる方々がたくさん、思い出されてきた次第です。

 

放出する読書感想文はまだまだ残っているので、機会を見て、この記事、またやろうと思いますので、よろしければ引き続き、お付き合い下さいませ。

 

ではでは。今回の記事はここまでです。

読んで下さりありがとうございました!