tsuzuketainekosanの日記

アニメや声優さん、ゲーム、漫画、小説、お仕事とのことなどなど。好きなことを、好き勝手に、好きなように書いていくだけのブログです!ブログ名の『ねこさん』は愛猫の名前だよ!かわいいよ、ねこさん!

1が付く日なので~読書感想文の日です。あのシリーズがついに登場!

無事、プロタクトキーも判明し入力できたことで、1が付く日に過去の読書感想文を大放出する企画も再始動です。

 

そんな具合でタイトルにも書いていますが、この回から、あのシリーズが登場しています。あのシリーズ、個人的には本当に、めちゃめちゃ面白いと思うシリーズなので、今回の記事は、それに対する布教記事もちょこっとですが書いています。

『なんか面白い本、なーい?』と言う方で、まだ本シリーズを読んでいないと言う方は、ぜひ、ぜひ、お手に取ってみて下さい。

 

ではでは早速、今回の読書感想文のはじまりはじまり~。

 

月村了衛『機龍警察』・・・面白い面白いとは聞いていたけれど、どうも苦手な分野、SF、ロボットらしき乗り物が登場する=カタカナ乱舞と思い込んでいてなかなか手を伸ばしていなかったのですが。運よく、古本であったので、まぁ、古本なら外れでもいっか、と思い購入して見たのですが。…やだ、なにこれ面白い(どーん)。何だろ、いい意味でイメージ裏切られてものすごく読みやすかったです。と言うか、冒頭、大惨事が起きてゴブリンが立てこもるまでの一連の流れが、まさしく流れるように臨場感たっぷりに描かれていて、それこそまるでアニメを見ているようで、あっと言う間に物語の世界に引き込まれました。そしてその後は怒涛の展開、個性豊かな登場人物に、抑制された文章で断片的に明かされていくそれぞれの人間ドラマ、そして警察ものお約束の立場や思惑による衝突、理解、派手なアクションシーンにクール!と表現したくなるようなドラグーンのかっこよさと、魅力たっぷりであっと言う間に読み終えてしまいましたよ。いやぁ、面白かった。抑制された文章だからこそ、どの人間ドラマもくどくなくて、でもきちんと悲哀とかは伝わってきて、それがドラグーンと言う、人ならざるものに乗って戦うと言う人間たちの姿を、物語を際立たせていたように思う。そうした派手派手しい場面を担当する人と、そうではない、地道に従来の刑事同様、足で稼ぐ、地味担当(笑)な脇役もきちんと描いていたのも好印象でした。てか、夏由起(どーん)。姿の、このセンチメンタルを抱えながらもドライに割り切り、そしてすべてを抱えながらもプロフェッショナルに徹するってのは、かっこいいなぁ。かっこいい。ユーリ、イワンの誇り高き痩せ犬。もうこのフレーズが好き。落ち込んだ時に『私はイワンの誇り高き痩せ犬なのよ』って呟きたいくらいに好き。警察としての己を捨てきれないまま、再び、異国の地で、警察になりきろうとしているその姿には切なさを禁じ得ないけれど、その切なさが弱さとなり、そして強さとなって、彼を支えているのだと思う。荒垣さんとのやりとりも、くどくないからこそ、ごく短いものだったからこそ、様々なものが伝わってきて、胸を打ちました。そしてライザ。あぁ、もう、美しすぎる。もう、何だろう、その死神的美しが、特に戦闘シーンにおいては神話のように描かれていて、もううっとりしたものすら感じてしまう。撃たれるのはごめんだけど、彼女に銃口を向けられてみたい(ちーん)。美しい。背負ってきた凄惨な過去すら、美しい。そしてライザ×緑ちゃん。緑ちゃんも良かったなぁ。憎しみに捕らわれそうになりながらも、それでもプロとしてドラグーンの整備に全力を傾ける彼女だからこそ、ライザもその視界の中に入れることができているんだと思う。うん。この3人を主体とした登場人物たちのドラマが、今後どのように広げられていくのかも気になります。あとは作中で登場人物の口から語られる、狂気や戦争についての考え方も興味深かったです。ISと言う国際的なテロ組織の存在がまだ今ほど明るみではなかった時代に描かれた本作品に、その登場、その蛮行、そしてそれによって変換を余儀なくされる軍事や警備、防衛のありかたを予期していたかのような考え方が書かれているのは、なんてか驚嘆するなぁ。そしてその狂気を主体としたことが、ビジネススキームとして成立している時代だと言う一文に、そら恐ろしい物すら感じます。はい。そんなこんなで、読みやすかったし面白かったし。続き、早く!早く図書カード来て!これはしかし、アニメ化して欲しいなぁ。絶対、めっちゃかっこいいものに仕上がると思うの。そして私のように『土漠の花』しか月村作品を知らない人は、是非とも読んで欲しい作品ですな。

 

・沢村浩輔『夜の床屋』・・・市井先生作品みたいなのを勝手に期待していたら、まんまと裏切られました。はい。そうねぇ…どの作品に対しても言えることだけど、殊の外、好き嫌い、受け入れられるか否かがはっきり、人によって分かれる作品だと思いました。個人的には、後者です。何だろうなぁ…その、こういう仕掛けとか企み自体は嫌いじゃない。けど、『夜の床屋』と言う、少なくとも宣伝文句通りの日常系の謎をまとめていたと思わせる作品集において、この展開はないだろう、って感じが否めません。あまりにも、ちょっと強引すぎやしないかと、はい。後、これは短篇の宿命だと思うんですけど。ミステリって、謎があってそれが解かれていく作品だと思うんですよ。で、その作者が描いた解決までのレールを登場人物たちが歩いていくわけですけど、なんていうか、この作品の場合、あまりにもその歩き方がきれいすぎると言うか。なんか、非個性的、没個性的すぎると言うか。主人公にしても高瀬君にしても、どうにも魅力を感じることができないキャラクターだったと言いますか。謎を解かなければならない必要性があったわけでもなし。なんか、なぁ。そして嫌な意味で一番、個性があって、それ故、怖気を感じると言う意味で魅力を感じてしまったのがストーカーの猫虐待男って、どうよ(ちーん)。我ながら悲しくなるわ。はい。この作者さんの文体からするに、日常系を描くよりも、『オーブランの少女たち』の深緑先生のように、海外とかを舞台にした、ゴシックとファンタジーとミステリが交じり合ったような作品の方が向いているような気がするなと感じまして、それが結局、日常系の謎を描いていた本作に対する魅力不足に感じた原因なのかもしれないなと思いました。うん。『空飛ぶ絨毯』なんかは、海霧、正体が明らかにならないままの狂気を秘めた少年、そして癒されないままのその狂気と言ったものがもの、不気味な雰囲気のようなものが凄く良く伝わってきて、これならば海外を舞台にした作品としても描くことができるんじゃないだろうか、と。ええ。…ドッペルゲンガーの話は、何だったんだろうね(ちーん)。ラストの連続していたお話も…人魚…人魚なぁ…うん、確かに、ミステリであるならそこにもう一つ、ファンタジーではない現実のものを出して欲しかった、と思ってしまう私です。はい。うーん…なんか、評価に困ると言うのが正直なところですなぁ。

 

泡坂妻夫『しあわせの書』・・・生きている内に読むべき本だの、驚きのトリックだの言われちゃったら、読まずにいられるかって話で、読んでみました。どれだけ派手なトリックがさく裂しているんだろう、とわくわく、どきどきしていましたが。成程なぁ。成程なぁ。この作者さんの他の作品をそれ程読んだ記憶がないんですけど。あぁ、この作者さんらしいんだろうなぁ、としんみりしました。それこそ、古き良き推理小説の香りです。正直、読み終えた時は『なんだ、この程度か』と思ったんですけど、マジシャンでもあった著者ならではの、工夫のこらされた、人を『騙す』と言うトリックではなく、人を楽しく『欺き』、そのネタを優しく解く、と言うスタンスが感じられて、成程、私は毒されていたんだな、と思いました(笑)。はい。なんだろう。とても優しい気持ちになれる作品だったと言うか。ミステリを長きにわたり支えてきた作者の、その本質とか本領がじゅうぶんに感じられる作品で、人を『騙す』ことに重きを置いているミステリが多い中にあって(それは決して悪いことではない)、この作品が再び日の目を浴びている、と言うのはなんか面白いことだと思ったし、とても素敵なことだとも感じました。はい。そんなこんな。

 

月村了衛『機龍警察 自爆条項』・・・面白かった。面白すぎて、何から書けばいいのか、まったくもって整理つかないくらいに面白かった。以下、箇条書き。①胸が震える表現と言うのがあって、けれど、そんな表現がある作品に出合うことと言うのはそんなにあることじゃない。でも今作は、それがあった。たくさん、あった。ライザが涙を流していて、それを緑が見たシーン。ライザが、『ライザには自由が必要だ』、その言葉の真意を悟ったシーン。あるいは、登場人物たちの多くが、自分たちは何も知らないのだと途方に暮れるシーン。テロリズムを指南する中国人の右目と左目の描写、そして子供たちに、君たちに託すと告げたシーン。姿さんが、テロリズム大義などないと一蹴したシーン。ぶわっ、と何かが胸の奥からこみ上げてきて、それにぐわっ、と体全体を揺さぶられるような感覚が、たくさんあった。凄い。②ライザが歩んできた人生。テロリズム。暴力と憎しみの連鎖。そして『悪』と断じられるテロリズムを利用している者たちの存在。テロリズム以上に禍々しき『悪』と断じられてしかるべきその存在。何かを言えるはずがない。と言うより、これをここで書き尽くせるはずがない。言葉が思い浮かばない。ライザが、『私は』の後に言葉を続けることができなかったように、私も、言葉を続けることができない。分からない。ただ、無知は罪だ、と言う言葉が、胸を打った。1冊の本により、彼女は暴力と血の道を歩むことになった。そして1冊の本により、彼女は、少なくとも自死と言う手段によってその過去の罰を贖うのが正しいことではないのかもしれないと言うことを知った。どうか、全ての暴力と血の連鎖にいる人たちに、知ることができる本が届きますように、と祈るように思った。どうか知って欲しいと思った。遠くを想うことで、胸が締め付けられるようなその感情こそ、私たちが友人になることができると証明しているものなのだと言うことを。知って欲しいと思った。③沖津さん、そして傭兵3人の、登場人物紹介欄で言うところのこの人たち以下の登場人物たちが、本当に良い。緑ちゃんは、本と、尊敬に値する。なんて強い人なんだろう。なんて職業人なんだろう。そして何て優しい人なんだろう。冷静にライザとバンジーの能力を見極め、それを限界まで高めるために、自らの業務を全うする。すごい。たとえ彼女には、そうすることしかできないのだとしても、凄い。悲しいくらいに、凄い。宮近さんと城木さん。沖津さんに振り回されっぱなしなのがたまりません(どーん)。読んでいて胃が痛くなりました。宮近さん、いつか自分が掘った穴に深々とはまりそうで怖い。安定の夏由起(どーん)。早く結婚しろ、お前ら。いやでも、本と。この2人コンビが背負っているものも相当で、そこもきちんと描かれているからこそ、なお一層、胸が熱くなると言いますか。特に足を使って、這いずり回るようにして真実を追い求める夏川さんと由起谷さんコンビとか、本と、ある意味、傭兵3人組とは正反対だからこそ、もう、こういう泥臭いのが描かれているからこそ、胸が締め付けられると言いますか。そしてこの人たちの、沖津さんに対する感情、自分たちの役割に対する感情もまた、ものすごく伝わってきて、それが一層切なくて、物語に深みを与えていると言いますか。正義って、何だろうね。本当にそれをやり尽くそうとした時、そこに発生する一切を、正義と名付けることができるのかな。④警察小説の面白さに、アクションシーンの面白さ。この切り替えが見事で、ドラグーンによる戦闘シーンへの切り替えが見事で、でも、人間ドラマも憎らしいほど描かれていて、深みにはまっていくと言う表現がぴったりで、おまけにいろんなことを考えさせられるって、どういうことなの(どーん)。どうなるの、このシリーズ。てか、どうしてこんな面白い本があんまり話題になってないの(謎)。はい。まとまっていない感想文としての結果がこれ。申し訳ないこ甚だしいんだけど、本当に面白かった。それだけは確かです。

 

月村了衛『機龍警察 暗黒市場』・・・ユーリが生き残ったのは結果論でしかない。奪われた時間、失うことを余儀なくされたものが返ってくることは永遠にない。そこに正しさがあったことは事実だけれど、だからと言って、その行為を認められるかどうかは別の話だと思う。私なら、認められない。けれど、ユーリは認めた。それは彼が、どんなに迷っても、屈辱に晒されても、失ったと思い込んでいても、炎の中の氷柱でいようとしていたからだと、イワンの誇り高き痩せ犬でいたいと、それこそ餌を乞う痩せ犬のように、そのことに固執し続けていたからだと思う。そしてそれを守りぬくために、ユーリを売ったダムチェンコは、だからこそその罪に報いるべく、今の地位にまで上り詰めた。そしてユーリと、あまりにも数奇な運命で結ばれていたゾロトフは…何だろうな。ここが、わからずじまいなんだよな。結局、ふたりが別れの場において言葉を交わすことはなく、最後はこの作品らしく機龍装甲を利用したアクションシーンで幕を閉じた。だから推測でしかない。でも、ユーリの生き残ったことが結果論であっても、そのためには上司とゾロトフの存在が欠かせなかった。私は、ゾロトフはこんな最期を望んでいたんじゃないかなぁ、と思う。あくまで推測だけど。警察官の息子であるユーリ。そしてマフィアの息子であった自分。幼き頃の出来事をきっかけにして、『そこまで固執するなら、どこまでお互い、貫き通せるかどうか』を、ゾロトフは競い合っていたんじゃないかなぁ、と思う。そのためにできることだから、ゾロトフは命令に背いてまでユーリを生かした。いつか、マフィアの息子であることを貫き通した自分を、あるいはその途中で破たんを迎えた自分を、葬って欲しいがために。刑事としての誇りを、ユーリが決して失わない、失うことができない人間だと知っていた、信じていたから、だから生かしたんじゃないかなぁ、と思う。きっとキキモラの中で、彼は笑って、嗤って、死んでいたんじゃないかなぁ、と思う。けど、わからない。わからなくて、けれど、結果論として、あまりに多くのものと時間を奪われ、苛烈な過酷と屈辱に晒されながらも、ユーリは生き残った。言葉にできないこの出来事は、やはり運命と名付けるしかないように思う。彼が、迷いながら、ためらいながらも記入していく報告書に溢れているのはきっと、今、私の、あるいはこの作品を読んだ人の胸に溢れているのであろう、『何とも言えない』感情なんだと思う。そうか。名前の付けられない感情が溢れてくるような出来事を経験した時、人は、そこに名前をつけることができないから、それを『運命』と呼ぶしかないんだな。はい。イワンの誇り高き痩せ犬。炎の中にあって氷柱であることを貫き通そうとした、満身創痍な、けれどどこまでも正しきことを貫き通そうとした男たちの物語。そのために行われた、あまりにも陰惨な行為の物語。そのために奪われた時間と、かけがえのない日々の物語。きっと、場所が変わっても、どこかで行われているのであろう物語。それでも奪われることなくユーリの胸の中に息づいていた、誇り高き痩せ犬たちの、魂の物語。はい。そんなこんなでだから面白すぎるってば(逆ギレ)。以下、箇条書き。①無残にも命を奪われた部下のために。あるいは、危険な潜入捜査に就いたユーリのために。はたまた、無法者に荒らされてしまった自分たちの土地のために。派手な物語でありながら、しかし今作も、いわゆる足で情報を集める刑事の熱き姿が描かれていて、胸が熱くなりました。安定の夏由起でした。御馳走様でした。違います。はい。警察官であること。その誇りを胸に、様々な忸怩たるものを飲み干しながらも、立ち向かう。それはやはりユーリが目指した、ユーリの父親のような警察官の姿であり、しかし現実にはこんな警察官なんてほとんどいやしないから、なんか一層、胸が熱くなりました。緑も。ほんと、何ていうか、彼女の精神力には頭が下がる思いです。勿論、彼ら彼女らは脇役ではないんだけど、機龍装甲の派手なアクションシーンがある中で、けれどこういう、そのアクションシーンを支えるために必要な人たちの、胸が熱くなるような見せ場が、きちんと描かれているって言うのも、このシリーズの魅力だと思う。②ライザ。今を戦い抜いて私は生きる。その前に続く文章と相まって、彼女の思いの変化が如実に感じられた文章でした。ユーリの物語ではあったけれど、そこにライザの物語、前作で描かれていたことも重ねてみると、また感慨もひとしおと言いますか。どちらも、過酷な時間を生き抜きながら、けれど『生きる』ことを諦めなかった。ライザだって、『死にたい』『死のう』としていたわけじゃないんだから。生への固執。生きることの意味。生き続けることで、結果論でも生き残らなければ、永久にわからないこともある。二人の姿からは、生きることの意味のようなものを教わったような気がする。③武器は国境を軽々と超える。国際社会は、あまりにも現実に追いついていない。犯罪は経済現象である。正しきことのために、あまりにも正しくないことが行われる。時には人命すら、軽んじられるようなことが行われる。地獄は生きる人間の数だけ存在している。…重いなぁ。このシリーズで描かれているこれらのことは、それこそもう、強大な闇を覗き見ているような気分にさせられて、言葉を失う。その闇を見つめながら、闇に見つめ返されながら、その闇の向こう側に何かを見ている沖津さんが、ただただ怖いような、頼もしいような、おそろしいような。でもこの人、いい人、と今作で感じました(小並感)。はい。あと、クワンさん、好き。ひょっこり何ごともなかったかのようにして出勤していたって、面白すぎる(笑)。はい。そんなこんなで、今作も胸が熱くなり、そして震えるような圧倒的な人間ドラマを味わうことができました。…幸せ。次はいよいよ、そもそもこのシリーズを読もうと思ったきっかけでもある作品です。楽しみだなぁ。

 

はい。と言うことでわかりますね。

あのシリーズと言うのは、月村了衛さんの『機龍警察』シリーズでございます。

いやぁ・・・こちらはですね、読む前から噂には聞いていたんですよ。

『とにかく面白いシリーズだぞ』と。

ただ読書感想文にも書いていましたが、とにかく個人的には苦手そうな、なんだかとても難解そうな物語だろうなぁ、という予想が先立っていて、なかなか手を伸ばしていなかったのです。はい。

でも、これは作者の月村先生にはまこと失礼になってしまうかもしれないのですが、たまたま古本で見かけまして。で、古本なら、値段も定価よりは安いわけですから、仮にに私の好みに合わなくてもダメージは少ないな、と言うことで購入して読んでみたのですが・・・。

 

まー、面白い(面白い)

 

で、そこから先はその時点で出版されていたすべてを購入し、怒涛の勢いで読みふけっていったと言う具合であります。

 

当時はまだハードカバーしか出されていないシリーズもあったのですが・・・いやいや、そのハードカバーの本をほとんど日を置かずに買い、そして寝るのも忘れそうになるくらいの勢いで読みふけっていたあの時間と言うのは、今、思い出しても本当に幸せな時間だったなぁ、と。ある意味、読書好きの人間にとっては、幸せの極致のような時間を過ごさせていただいたわけでございます。

 

じゃあ一体、何が面白いのよ、と言われますとですね。

 

私の貧弱な語彙力では到底、表現することはできないのですが(諦めるのが早い!)

とにかく警察小説とアクション小説、そして国際小説、ミステリ小説、そうした様々なジャンルの面白いところがぎゅぎゅっと濃縮されて、余すことなく描かれているシリーズなのです。で、そこに加えて、とにかく登場人物たちがみんな個性豊かで、その人たちが繰り広げる人間ドラマもまた、非常に読みごたえがあって、作品世界を、物語をより味わい深いものへと彩っているのであります。

 

個人的には『ドラマ『相棒』の世界観が好き』『警察とか政治とか、そう言う題材の、あの『実は更なる黒幕がいてその権力によって事件の真相はもみ消された』みたいな流れが好き。そしてさらに言えば、それに立ち向かわんとする人たちの奮闘を描いた作品も、めちゃめちゃ好き』『初期の高村薫さんの、合田雄一郎シリーズが好き』『ロボットアクションが好き』『国際小説の騙し、騙されの世界が好き』『様々なタイプの人間が出てくる作品が好き』『イケメンが苦悩する姿がたまらなく好き』『壮絶な過去を抱えている女性2人の、そこから先の物語が好き』、この内のどれかひとつにでも当てはまる方は、このシリーズにはまる可能性が高いと思います。

 

ってか我ながら何だ、この紹介は(唖然)

 

とにかくほんと、どの作品も、物語、シリーズとしての深みをますます増していき、そして登場人物たちの、それまでの過去、そしてて今、更には今からの未来、そう言ったものを感じさせる生きざまと言うか人生そのものが、本当に胸を熱くさせるのであります。組織と組織の中で、それでも個として、正しいことをなそうとする、正しいことを守り抜こうととする、その姿と言うのが、もう本当に胸を打つ・・・そしてだからこそ、そうでありたいがために組織と個の軋轢に押しつぶされそうになり闇落ちしそうになつている人もいるわけで、大丈夫ですか、城木さん。

 

そして機龍兵と呼ばれる新型機工兵装によるバトル、アクションシーンが、めちゃめちゃかっこいいんだ・・・ほんと、それぞれの機体の個性とかがめちゃめちゃ出てて、なんかもう、読んでるだけで胸がわくわくすると言うか、ニヤニヤしちゃうと言うか。

 

はい。『いや、こんな文章じゃどんな物語かまったくわからんよ』と言うツッコミを受けそうですが、それで正しいです。それで正解です。

 

それでもここまで読んで、ちょっとでも興味がわいたと言う方は、こちらのサイトさんをご覧になられてみて下さい。

www.hayakawabooks.com

 

おおっ!ってか、はてなブログ、こんなこともできたのか!?

今の今まで知らなかったよ(どーん)

 

はい。こちらのサイトは、シリーズを刊行している早川書房による『機龍警察』のオフィシャルガイドでございます。

ものすごく簡潔に、けれどしっかりとシリーズや登場人物の要点を抑えた説明がなされているので、非常にシリーズの魅力がわかりやすい内容となっていると思います。

ですからまずは、こちらのサイトさんを見てみて下さい。

そして『ふむふむ、これは面白そうだ』などと感じられたら。

 

ようこそ『機龍警察』の世界へ。

そこから先は、至福の読書時間があなたを待ち受けていますことよ・・・。

 

羨ましい。

 

と言うわけで、シリーズ最新作まで読了した身としては、現在、絶賛連載中の『機龍警察 白骨街道』の単行本発売が今か今かと待ち遠しい限りなのであります。

ふわあぁぁぁぁぁ、楽しみじゃ・・・・・・・。

 

ちなみに。

私個人としてはシリーズの中では『機龍警察 暗黒市場』と『機龍警察 未亡旅団』が特に好きです。このアクセル全開ふかした感じからの、『機龍警察 狼眼殺手』での、このシリーズの大きな魅力の一つである『アレ(ネタバレのため)』を出さず急ブレーキを踏んだと見せかけての、登場人物のひとりの過去を徹底的に描くとともに、シリーズとしての世界観に更なる、それこそもう絶望感すら感じさせるほどの闇深さを出現させた物語、実は知らぬ間にアクセル全開どころか、アクセルぶっ壊れて深みへとはまりにはまり切っていたと言うような物語なのも、ほーんと、もう言葉が出てこないくらいの面白さだったよなぁ・・・。 

 

はい。

 

結論。

 

読んで(どーん)

 

と言うわけで本日は読書感想文と共に、ここ数年で間違いなくいちばん、私がはまったシリーズ『機龍警察』について語ってまいりました。

ちなみに。

 

著者の月村了衛さんは『機龍警察』シリーズ以外にも、たくさんの小説を執筆され、その作品はほとんど毎年のように刊行されています。

 

『あんまり本を読むのは得意じゃないんだなぁ~』と言う方や『難しい話は嫌いだ!とにかくわかりやすい話がいい!』と言う方には『土漠の花』や 『槐』『影の中の影』などが、個人的にはおすすめです。こちらの作品はまた月村先生作品入門としても最適だと思います。何と言うか、語弊を恐れず言えば、2時間ドラマや映画のシナリオになりそうな、実に単純明快なストーリーで、かつ面白い。

 

個人的にはラスト、自分でもよくわからないまま、ただただ涙が溢れて止まらなかった『東京輪舞』や、沢渡は綾野剛さんに演じてほしいなぁ、と言う思いが止まらない『黒警』と『黒涙』のシリーズも好きです・・・ってか、こちらのシリーズも新作、出るのかなぁ?

 

はい。と言うわけで本日の記事はここまででございます。

次回の読書感想文は31日ですね。『機龍警察』シリーズの感想が続いていると思うので、引き続き、お付き合いくだされば嬉しいです。

 

ではでは。読んで下さりありがとうございました!