tsuzuketainekosanの日記

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『デス・パレード』の魅力を語るよ~『デカダンス』の立川譲監督作品です

さて、夏クールアニメも放送が開始されて1ヶ月が経過したわけですが、みなさんはいかがですか?『この作品が面白い!』とか『この作品から目が離せない』『この作品は期待していた以上の面白さだ!』と言う作品はございますか?

 

まだまだ折り返し地点にも来ていないので、この先、どうなるかはわかりません。

ですが個人的には『デカダンス』が、もともと期待していた作品ではあったのですが、その期待をいい意味で裏切ってくれた、何だかとても熱い人間ドラマを見せてくれる作品で、とても面白く見ています。

 

と言うことで本日は、『デカダンス』で監督を務められている立川譲さんの監督作品である『デス・ビリヤード』、そこからテレビアニメとして放送され、立川さんの初のテレビアニメシリーズ監督作品である作品『デス・パレード』について記事を書きたいと思います。

 

若手アニメーター育成プロジェクトの一環として行われた『アニメミライ』、こちらは現在は『あにめたまご』と名前が変わっていますが、その2013年度作品のひとつとして期間限定で劇場公開されたのが『デス・ビリヤード』で、そのおよそ2年後に、『デス・ビリヤード』の登場人物や世界観、ストーリーなどを引き継いだうえでテレビシリーズ作品として制作、放送されたのが『デス・パレード』です。

 

舞台はとあるBAR。そこに、既に故人となってしまった人間の魂が客として訪れてくるのですが、その魂の行き先はまだ決まっていません。その魂の行き先を決めるのは、BARのバーテンダーである男性がすすめてくるゲームでのやりとり、そしてそれを見て下される男性バーテンダーの裁定です。この作品では、そのゲームに臨むことになった人間たちの、様々なドラマが描かれていると同時、ゲームの裁定人である男性バーテンダー、更には彼と共に客を迎える謎の女性の思いや、その正体なども描かれています。

 

登場人物としては、まずは男性バーテンダー、デキムです。CVは前野智昭さんです。それからデキムと共に客を迎える謎の女性、後々名前は明かされるのですが、黒髪の女性は瀬戸麻沙美さんがCVを担当されています。

その他、テレビシリーズから登場した登場人物として、デキムと同じく裁定者を務めるギンティでこちらは細谷佳正さんが、また各フロアにいる裁定者を管理する女性、ノーナを大久保瑠美さんが演じていらっしゃいます。その他、内山昂輝さん、白石涼子さん、柚木涼香さん、玄田哲章さん、千葉泉さんが、テレビシリーズから登場したキャラクターのCVを担当されています。

 

また死者として、魂としてデキムたちのもとにやって来る客を、いわばゲスト声優として数多くの声優さんが演じていらっしゃるのも、この作品の見どころです。後で詳しく書きますが、本当に1話、1話、物語のテイストも、そして後味も全く異なる作品となっている中で、声優さんたちの熱演、それによって死者である人間たちの、生の有様が浮かび上がってくる、思いの形、と言うのは、本当に胸を打つものとなっています。

そしてその生の有様や思いの形と言うのは、『あぁ、やっぱり』と言う予想通りのものもあれば、『まさか!』と驚くような真実をはらんでいるものもあり、ゲームを通してそれらが明らかになっていく、そのミステリ的な物語の展開と言うのも、この作品の大きな魅力だと思います。

あと各話で繰り広げられるゲームと言うのも、とても凝った内容になっています。

 

たとえば単発作品として劇場公開された『デス・ビリヤード』です。

この話では中村悠一さん演じる男性と筈見純さん演じられる老人が、タイトル通り、ビリヤードゲームで争います。

ただし普通のビリヤードと異なるのは、ボールに記載されているのは数字ではなく、2人の臓器を模した図からであると言うこと。そして落としたボールに描かれていた臓器に連動して、2人の心拍数や血圧などに変化が生ずると言う仕組みとなっています。

いやぁ、これもな、本と、『おっ、そうだったのか』と言うような驚きがあって、とても好きです。

 

と言うわけでですね。『デス・パレード』でも、いろいろな人間たちの、いろいろな人生模様が描かれ、そしていろいろなゲームによる対戦が描かれるわけで、本当にどの回も、どの声優さんの演技も見どころたっぷりなのです。うん。

本当に、本当にどの回も見て欲しいのです。そして人間と言う生き物の面白さとか、悲しさとか、愛おしさとかを堪能して欲しいし、それらを表現される声優さんの演技にノックアウトされて欲しいのです。

 

がっ!

すいません。やはり、やはり6話、そして8話と9話は語らずにはいられない!

 

と言うことでまずは6話です。この回では3人組アイドルグルーブのメンバーで、トップアイドルとして爆発的な人気を得るも、プレイボーイとして週刊誌を騒がせているアイドルを宮野真守さんが、そしてそんなアイドルの熱狂的ファンである女子高生を種崎敦美さんが演じていらっしゃいます。

更にこの回では、裁定人としてデキムではなくギンティが描かれている、と言うのもポイントのひとつです。

 

まぁーね、とにかくこの6話と言うのは、もう、めちゃめちゃ笑えるんですわ。それまでの重くて、どこか息苦しくなるようなストーリーとは毛色が違っていて、宮野さん演じるアイドル、種崎さん演じる女子高生、この2人の心底アホで、心底明るいキャラクターが前面に押し出されていて、とにかく笑えるんです。うん。

でも、同時、めちゃめちゃ泣けるんです(笑)。最後の最後に、こー、アイドルとファン、その互いが互いに寄せる思いのようなものがぶつかってきて、もう本当に泣けるんです。笑えるのに泣けるんです。

で、女たらしのトップアイドルを演じる宮野さんは、もう、あの華やかな声、そして演技と言うのがぴったり過ぎるし、彼の本性を知りながら、それでも一途に、ただひたすらに彼を応援している女子高生役の種崎さんの演技も、もう、本と、どうして種崎さんはこんなに演技がうまいのだろうか(どーん)。本と、泣けるのよ。

そして、まるで夫婦漫才のようなやり取りを繰り広げる、やかましい2人を仏頂面で見つめるギンティ役の細谷さんの演技と言うのも、宮野さんと種崎さん、2人の演技の対になっているようで、その辺のバランスと言うのも6話は見どころなのでございます!

 

続いて8~9話と言うのは続きものでして、客として訪れてくるのは公務員の島田と刑事の辰巳です。島田を櫻井孝宏さんが、そして辰巳を藤原啓治さんが演じていらっしゃいます。この回では裁定人は前野さん演じるデキムと、彼の付添として瀬戸さん演じる黒髪の女性が務めます。そしてこの回の裁定が、デキムと黒髪の女性の心に大きな変化をもたらすことになるのですが・・・。

 

まぁー・・・6話との落差よ(どーん)

この8話9話の話と言うのはですね、とにかく本当に重いんですわ。

いや、それまでの話の中にも重いものはあったんですけど。

もう本当に逃げ場がないくらいに重くて、苦しくて、辛くて、悲しくて、あと、人間の業、欲、歪み切ったそれらを突きつけられるような話になっていまして、もう本当にね、見終わった後には打ちのめされて、しばらく何も考えられないと言いますか。

でも同時、これはあくまで私個人の意見なのですが、島田と辰巳の中にある思い、それに共感と言うか、『その思いは間違っている。でも、その思いは、そんな思いを抱いてしまうことはわからなくもない』と言う思いもあって、本当にしんどいのです。

 

そしてそんなストーリーを繰り広げる登場人物を演じる各声優さんの演技がね・・・もうね、本当に凄いの。

島田と辰巳を演じられた櫻井さんと藤原さんの演技と言うのは、もうこれね、応酬と言うか対決と言うか、演技による殺し合いと言うか。

ゲームを繰り広げていく中で、2人の記憶と言うのも少しずつ取り戻されていくんです。で、それに呼応するように2人の関係も少しずつ、変わっていくんですね。うん。それでラストのラストには、もう、あまりにも重苦しすぎる結末が待ち受けているんですが、もうその流れを演じきられる、そうして最後の最後に、その2人の今までの何もかもを凝縮したような感情をむきだしにしてぶつけあうような演技と言うのが、もう本当に息を呑むしかないのですよ。うん。

語彙力が無くて本当に申し訳ないのですが、もうただただ凄いとしか言いようがないと言うか。あぁ、生身の人間が、生身の島田と辰巳と言う人間が、そこにいる、と思ったのであります。はい。

 

そうしたまた、そんな2人の裁定をするデキム、黒髪の女性を演じられた前野さん、瀬戸さんの演技も、本当に切なくて。

まず黒髪の女性ですが、彼女は物語のラストにある行動を起こすのです。そしてそれによってデキムの心に大きな変化が生じるのですが、その行動、一連の流れに込められていたる黒髪の女性のやさしさとか、凛々しさとか。なんかそう言う、人間としてとても大切な感情と言うのが、瀬戸さんの演技によってとても表現されていて。

その演技があるからこそ、なおのことよけいに、そうしたものをも黒く塗りつぶしてしまう島田と辰巳、ふたりの心の内がより鮮明に浮かび上がってくる、とも私に感じられました。はい。

前野さんのデキムの演技は、決して言葉数が多いわけではないんです。でも、こー、抑えた言葉の端々に、島田と辰巳、そして黒髪の女性の姿に揺れている感情が滲んでいて。その辺りが、もう本当にうまいなぁ、と。何と言うか、デキムが裁定人としてではなく、1人の人間として、生まれ変わろうとしている。そんな表現がなされていて、またこれ、島田と辰巳と対比すると、切なくて仕方ないと言うか。

はい。

 

と言うわけで『デカダンス』で立川譲監督に興味を持った!

なので『デス・パレード』を見て見たくなった!

でも時間が無い(どーん)!

 

そんなあなたは、まずは、まずは6話、8話9話を見て下さい(土下座)

そして時間ができたら『デス・ビリヤード』と『デス・パレード』の残りのお話も、絶対に見て下さい!

 

あとあと。立川譲さんは『モブサイコ』のアニメでも監督を務めていらっしゃいます。

 

うーん・・・しかし『デス・パレード』と言い『デカダンス』と言い。

個人的には立川監督が描こうとしている、こー、人間のいい意味でも、悪い意味でも人間らしい人間らしさと言うか、生々しさみたいなもの、好きだなぁ。

アニメのキャラクター、登場人物だけど、極めて生身の人間らしさがあると言うか。

だから彼ら、彼女らが繰り広げる物語にも、極めて人間臭さがあると言うか。

『生きている』と言う熱量とか、エネルギーとかが、もう半端無いと言うか。

 

アニメを通して、それを描こうとしていらっしゃるのが、めちゃめちゃ嬉しいし、とても応援したいです。

 

と言うことで、本日は話題の夏アニメ『デカダンス』で監督を務めてる立川譲さんの初監督作品である『デス・ビリヤード』と『デス・パレード』について記事を書いてまいりました。

 

最後に『デス・パレード』のOP、そのMVを貼り付けて、この記事は終了です。

アニメのOP映像では、登場人物たちが華麗にダンスをしているのも話題になったなぁ。


BRADIO-Flyers【TVアニメ「デス・パレード」OP曲】(OFFICIAL VIDEO)

 

ではでは。読んで下さりありがとうございました!