『このミステリがすごい』2020年版の結果発表~おすすめも含めて

はい。そんなこんなで前回、話題に挙げた『このミステリがすごい』の最新版が発売されましたので、今回はそちらの話題について語ります。

 

ランキング結果を知りたくないよ、と言う方は、ぜひこのまま、この画面を閉じて下さいね。よろしくお願いいたします。

 

さて、前回にも書いたとおり『このランキングに入っている作品を1冊でも多く読む』を目標に読書にいそしんでいる私ですが、今年、フルタイムになってからは、読書の時間、読む本を確保しに行くために図書館に行く時間、機会と言うのが激減しました。

 

まぁ、私の時間の使い方、休日の過ごし方が下手くそ、だらしないだけなんですけどね、てへへ(ちーん)

 

てなことで、『果たして自分が読んだ本はどれくらい、ランクインしているかなぁ』と、不安だったのですが(冷静に考えれば、不安になるようなことでも何でもないと思う(汗))

 

結果としてはランクイン作品として詳細に紹介されている全21作品の内(12位と19位作品が同数で複数作品ランクインしていたので)、8作品、読んでいました!

 

わーい、わーい。頑張ったぞ、自分!

 

読んでいた作品は2位の横山秀夫さんの『ノースライト』、3位の今村昌弘さんの『魔眼の匣の殺人』、5位の伊吹亜門さんの『刀と傘』、6位の阿津川辰海さんの『紅蓮館の殺人』、9位の米澤穂信さんの『本と鍵の季節』、12位の若竹七海さんの『殺人鬼がもう一人』、14位の長浦京さんの『マーダーズ』、18位の葉真中顕さんの『W県警の悲劇』以上でござました!

 

6位の本以外、全部、全部、フルタイムになる前に、もしくはフルタイムになった直後くらいで、まだ、図書館に行く気力ややる気もあった頃(笑)に、図書館で借りて読んだ本です。

 

ありがとう、図書館!!!そしてすいません、作家さん!!!

 

個人的には1位を獲得された相沢沙呼さんの『medium』、そして10位の平石貴樹さんの『潮首岬に郭公の鳴く』は、アマゾンからもおすすされていたので、読んでおきたかったなぁ・・・それと7位の月村了衛さんの『欺す衆生』も。

 

はい。そんなこんなで個人的にランクインした中でおすすめしたい作品を挙げます。

それが第5位にランクインした伊吹亜門さんの『刀と傘』です。

いやぁ、個人的には『めちゃめちゃ面白かったけど、時期が時期だけに(去年の11月に刊行された)、どうしてもランクインは難しいんじゃないのかなぁ』と勝手に思っていたのです。だからこそ、5位にランクインしているのを見た時は、本当に嬉しかった!

 

簡単にあらすじを紹介すると、時代物のミステリであり江藤新平と鹿野師光と言う二人の人間を中心とした人間ドラマでもあります。ちなみに江藤新平は実在の人物で、鹿野師光の方は架空の人物です。

 

江藤新平と言う人物のことは、浅学なもので知らなかったのですが・・・。初代の司法卿として司法権の独立を実現させたり、警察制度の統一を図ったり、と日本の司法制度にとても大きな役割を果たした人物です。また士農工商と言う身分制度に対し、四民平等と言う考えを浸透させたことから、日本の人権確立の歴史においても、その存在を欠かすことはできないとも言われています。

 

ところが、ところが・・・調べてみると、江藤新平の最期は、非常に無惨と言うか、悲惨なものであり、あぁ、何か本当、時代と言う大きな流れに流され、流され、その中でこのような最期を迎えるに至った人なのだな、と切なくなりました。

 

そしてそして、江藤新平と言うその人が、実際の歴史において、司法制度の改革や人権確立のために奔走し、あるいは時代に流されるまま、あまりにも無惨な最期を迎えるに至った、その裏側には、実は本当に鹿野師光と言う存在があり、この『刀と傘』で描かれたようなことがあったんじゃないか、と思わせてくるのが、個人的にはこの作品の大きな魅力だと思っています。はい。

 

ミステリとしての謎解き、その妙が明治初期と言う時代性とマッチしているのもお見事なのですが、そこに更に江藤や鹿野、それ以外の人間たちの思いが絡んでいる、そしてそれがエッセンスとして様々な味わいをもたらしてくれるんですね。はい。

 

だから時代物としても、ミステリとしても、人間ドラマとしても本当に味わい深く楽しむことができるのです。個人的には『もう2~3話、あった方がより自然な流れになったのでは』とも思うのですが、逆を言えば物足りなさを感じるからこそ、色々な物語を想像でき、それによってより余韻が増す、江藤と鹿野への切なさが増す、と言うこともできると思うんです。

 

特にラストのお話がね。もー、とにかく鮮烈。故に、どうしようもなく悲しい。哀切極まりない。究極、と言うものを見た気がします。はい。

 

ミステリ的な部分においては穴が多い、と言うご指摘も見受けられるのですが、とにかく文章と言い、キャラクター造詣と言い、そして世界観を作り上げる手腕、そこにミステリ要素と人間ドラマを融合させ描く作者さんの手腕と言うのは、本当にお見事の一言だと私は思いました・・・ってか、作者の伊吹亜門さん、まだ28歳なんだぜ・・・。

 

特に文章の端正さと言うか、硬質で、透明感すら抱かせる感じは、北村薫さんや米澤穂信さんを、私は感じました。はい。

 

と言うことで、『刀と傘』をおすすめすると共に、伊吹亜門さんの今後のご活躍にも期待しています、と言うところで、今回の記事は終了したいと思います。

 

うーん、やっぱり読書はいいなぁ。これからもがんばって本は読もう!