tsuzuketainekosanの日記

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2013年春クールのロボアニメ~その1『翠星のガルガンティア』

と言うことで、BS日テレの深夜枠で『革命機 ヴァルヴレイヴ』(以下『ヴヴヴ』と略します)の再放送が行われているのを記念して開始します、このシリーズ。

 

『ヴヴヴ』が放送された2013年の4月始まりクール、いわゆる春クールには、ロボットもの、それもオリジナルアニメでのロボットものが『ヴヴヴ』以外にももう2本ありました。

 

その2本が『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』(以下『マジェプリ』と略します)と『翠星のガルガンティア』(以下、『ガルガン』と略します)です。

 

で、この記事ではまずは『ガルガン』について語ろうと思います。

地球より遥か彼方の星系で戦争に明け暮れていた主人公、レドは、戦闘撤退時のワープにより、相棒であるロボ、チェインバーと共に、陸地のほとんどが水没した地球に転送されてしまいます。その地球でレドとチェインバーが、自分たちの生活、文化とは大きく異なるそれらに触れることで、あるいはそこで生活している人々と関わっていくことで成長していくと言った物語です。そしてその中で、世界の真実も少しずつ明かされていくと言うのも、この物語の肝になっています。

 

制作陣には虚淵玄さんや鳴子ハナハルさんなどが名前を連ねており、特に虚淵玄さんに関しては、2011年度、大ヒットを記録した『魔法少女まどか☆マギカ』の予想もつかない展開もあったことから、『この作品も分からんぞ!』『鳴子さんの絵に騙されるな!どうせ3話でキャラクターが○○んだろ!(『まどマギ』を見ていない人のために、一応、伏字です)』と言った声が、放送前には多かった気がします(笑)。

 

さて、で。ロボットものと言うことで放送された今作ですが、個人的な感想としては『ヴヴヴ』『マジェプリ』と比較すると、ロボットものと言う要素は薄かったように思います。ロボットが主として描かれていなかったと言うか。他の2作品に比べると、ロボットの戦闘シーンは少なかったな、と。

 

個人的にこの作品をたとえるなら『ボーイミーツガールもの』であり、『主人公、レドの成長物語』と言う言葉がしっくりくるかと。

 

この作品で重点的に描かれているのは、戦いしか知らなかったレドが、それ以外のことを知ることで、人間的な感情を得ていく過程です。そしてその中で、自分ができること、なすべきこと、もしくは自分には不得意なこと、他人に任せた方が良いこと、と言った、一種の社会的な人間関係の在り方のようなものを学んでいく過程です。あるいは『敵/味方』と言った単純な分類があてはまらない、複雑な人間関係を学び、戸惑いながらも、それを受け入れていこうとする過程です。

 

その過程の中で視聴者が感じるのは、自分の頭で考えて生きていくこと、他者と共に生きていくことの重要性だと、私個人は思っています。この辺りはネタバレになるのであまり詳しくは言えませんが、レドの相棒であり愛機でもあるチェインバー(CVは杉田智和さんが担当されています)や、レドたちが殲滅しようとしていた敵とも言うべき相手の正体などが大きく関わっています。

 

『ガルガン』の魅力は、レドと地球の人々が関わっていく物語の奥深さや、世界の謎が少しずつ明かされていくドキドキ感、そして物語の舞台となる、今のそれとは少し異なる地球の美しい姿などが挙げられます。

 

そして何より、本作を語る上で欠かすことができないのが、石川界人さんの存在です。

 

『ガルガン』放送開始前年の2012年に声優としてデビューされた石川さんにとって、『ガルガン』は、初主演作品です。しかしまぁ、これが初主演作とは思えないくらいに素晴らしい演技でして。ええ。これに関しては、もう、放送開始直後から、絶賛の声が相次いでいたように記憶しています。

 

石川さんが担当されたレドと言うのは、堅物で真面目、融通が利かずどこかぶっきらぼう、けれど繊細な一面もあり、勿論、心には熱いものを持ち合わせていると言うキャラクターなのですね。

 

で、けれどその性格が、地球での生活を送り続けていくうちに、そして地球の人々と交流していくうちに、色々なことをまさに生身の体を通して学んでいくうちに、少しずつ変化していきます。

 

それをね、もー、本当にとても巧みに、瑞々しく演じていらっしゃって。回を重ねるごとにレドが小さな変化を重ねていく様子が、手に取るように感じられて、この演じ方と言うのは、本当にお見事!としか言いようがないと思うのです。

 

あともうひとつ、地球で目を覚ましたレドは、最初の内は地球の言葉を話すことができません。自分たちの星の言葉しか話せないんですね。で、そこから少しずつ、地球の言葉を覚えていくのです。

 

だから石川さんは『ガルガン』においては、自分たちの星の言葉(これは造語です)と、カタコトの地球の言葉とを話されているのですが、感情をこめてそれぞれの言葉を、それぞれの言葉に対する喋りの技量も含めた上で話し分けると言う難しいことを、とてもスムーズにやられていて、この辺りも本とに初主演かよ!と驚いた記憶があります。はい。

 

何でしょう。レドって、多分、石川さんが最も多く担当されているキャラクターに共通するような性格のキャラクターだと思うんですよ。真面目、堅物、融通が利かない、だけど心には熱いものを持っていて、その上でどこか繊細。『ヒロアカ』の飯田くんとか、『ハイキュー』の影山さんとか。うん。そう言う意味では、石川さんは初主演で自分の声に適したキャラクターを演じることができた、と言うことができると思うんです。

 

でもそれだけでなく、そこに複雑で、変わりゆく感情を演じ分ける石川さんの技量があったからこそ、レドはレドとして成立していたわけであり、そう思うと、石川さん以外にレドは考えられないよなぁ、と今でも思うばかりです。

 

いやいや、何だか石川さんの凄さばかりを語ってしまいましたが、『ガルガン』は、本当に面白いし、いろいろ考えさせられる作品でもあります。金元寿子さん演じるヒロイン、エイミーや、様々なキャラクターたちは本当に可愛いし、かっこいいし、生き生きしているし、物語の舞台となる地球も本当に美しいし。

 

『ボーイミーツガールものが好き!』とか『主人公が成長していく姿を応援したい!』と言う方。また『人間とは何ぞや・・・』『社会で生きていくとはどういうことなのか・・・』と言ったことを考えたいと言う人には、特におすすめの作品です。

 

あ、あとあと。今やすっかり『筋肉のお兄さん』としても有名な石川界人さんの(笑)、初々しくも新人離れした素晴らしい演技を堪能してみたいと言う方にも、ぜひぜひ、今作は見て頂きたいです。

 

そんな具合で2013年春アニメ、オリジナルロボットアニメ3作品。2作品目の『ガルガン』についての語りでした。

 

次回は3作品目『マジェプリ』について語りたいと思います。

 

ぶっちゃけ、『マジェプリ』はいいぞ~。